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2015年メキシコ映画『ノー・エスケイプ』

2017年05月13日 | 映画
 5/11(木)、千葉劇場にて。監督はホナス・キュアロン。原題は「Desierto(砂漠)」。



 メキシコからアメリカへ不法入国を試みる15人の移民達。途中、車の故障により歩いて砂漠を超えなければならなくなる。しかし、そこには猟犬とライフル銃を持った一人のアメリカ人が待っていた。次々に撃ち殺されるメキシコ人達。執拗に追いかけるアメリカ人もまた心を病み、バーボン・ウィスキーを水のように胃に流し込んでいる。

 今年、アメリカ合衆国の大統領が変わり、アメリカとメキシコの国境に壁を築くと豪語している。しかし一方で、合法的な移民は歓迎する、とも言っている。そうなると、麻薬などの違法取引は別にして、なぜ危険を冒してまで違法な移民が絶えないのか、そのあたりがなかなか理解できない。どこに根本的な問題が潜んでいるのか、経済格差、政治体制の不備、貧困、・・等々おそらく複合的な原因があるのだろう。そのあたりの社会的病理を理解する一助になるかと期待したが、この映画では「逃走劇」に終始していて、リーフレットのうたい文句のとおり「サバイバル・エンタテイメント」に終わっている。その意味では期待はずれ、と言うほかはないが、国境をはさんだ落差・狂気を描いた作品とは言える。
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