文化逍遥。

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藤倉一郎著『人類は地球の癌か』2010、近代文芸社刊、

2017年08月09日 | 本と雑誌
 台風5号が列島を縦断。今日8月9日長崎原爆の日は、東日本で台風一過の猛暑。東京でも体温以上の気温になりそうだ。冷房が無ければ、命が危うい異常な気温。科学技術がもたらした負の遺産。人々が素朴に暮らすツバル諸島では、海水が上昇してきて、満潮時には住居の近くまで迫りくる。そこの人が先日テレビで言っていた「俺たちが何をしたっていうんだ」。

 科学はもっと謙虚に、あるいは慎重に、検証しながらその技術を使うべきなのだ。急ぎ過ぎれば、他の種をも巻き込んで破滅に至る。

 おそらく後世から見れば、スマートフォンの普及が、科学技術による「人」のアイデンティティ崩壊に繋がる歴史的事件として認識される事になるだろう。すでに、スマートフォンの長時間利用により、頸椎に異常が出たり、難聴になったり、あるいは脳への悪影響が報告されている。人を傷つける「便利さ」がどこにあるのだ。
 医学においてもしかりだ。「樹を見て森を見ず」と云うが、病に薬や手術で対処する前にその人の生活それ自体に問題が無いのか、それをまず考えるべきなのは素人だってわかる。最近図書館から借りて読んだこの本は、そんなあたりまえの疑問を公にしてくれている。あたりまえのことなのだが、誰もそれを言おうとしない、そこに今の医学の根本的な欠陥があるのだろう。著者は、1932年生まれのベテラン心臓外科医。若い医師、あるいは広く科学者にも読んでもらいたい著書、と感じた。


「今日のように、長寿のみを目的とした医学は止めて、動脈硬化とか癌のような病気は放置しておく。医学が進み、予防医学が発展すれば医療専門家はほとんどが不要になってしまう。自分自身が自分の健康管理を上手にできるようになるからである。自分自身が自己の最良の医師となり、今日のような医療費高騰をなげく必要もなくなる。」(P89)
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