日経新聞 開発「サイバー被害の保険料抑制」=シスコ、アップルと協業=

2017年06月30日 11時52分20秒 | 開発
日経新聞 2017年6月28日(水) P.17 企業2面
『サイバー被害の保険料抑制』=シスコ、アップルと協業=

 米IT(情報技術)大手のシスコシステムズは26日、法人向けモバイル端末のサイバー攻撃対策で米アップルと協業すると発表した。

シスコの記者会見に出席したアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「(サイバー被害を想定した)保険の料金の大幅な軽減につながる」と述べた。

 シスコがラスベガスで開催中の開発者向け会議で明らかにした。

具体的な内容を公表しなかったが、シスコは通信ネットワーク内の暗号化された攻撃ソフトを人工知能(AI)で検出するシステムを開発している。

これにアップルの最新の基本ソフト(OS)技術を組み合わせるもようだ。

 近年のサイバー攻撃は攻撃者が相手の情報を盗むだけでなく身代金を要求するなど企業の被害が拡大している。

この結果、サイバー被害を想定した保険商品への需要も高まる見通し。

シスコのチャック・ロビンスCEOは「アップルとの協業により保険会社がサイバー攻撃のリスクを算出をしやすくなる」と述べた。

 アップルはスマートフォン(スマホ)の「iPhone」やタブレットの「iPad」の法人向け販売を進めている。

シスコとの協業について保険業界とも話し合いを始めているとみられ、将来は企業がアップル製品を使えばサイバー保険が安くなるといったサービスを想定しているようだ。

 アップルはシスコと2015年から法人向けのネットワーク分野で提携関係にある。

(ラスベガス=中西豊紀記者)























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日経新聞 インターネット「米IT4社 テロ対策団体」=フェイスブック、マイクロソフト、ツイッター、ユーチュープ=

2017年06月30日 09時24分00秒 | インターネット
日経新聞 2017年6月28日(水) P.17 企業2面
『米IT4社 テロ対策団体』=フェイスブック、マイクロソフト、ツイッター、ユーチューブ=

『ネットの悪用防ぐ』=AIや画像識別=

 フェイスブック、マイクロソフト、ツイッター、グーグル傘下のユーチューブの米IT(情報技術)4社は26日、テロ対策の強化に向け、新たな業界団体を立ち上げると発表した。

過激思想の拡散を防ぐための技術開発や情報共有、各国政府・国際機関との連携などを拡大する。

ネットに流れる問題コンテンツで社会的信用が損なわれないよう対策を講じる。


 新団体は「テロリズムに対抗するためのグローバル・インターネット・フォーラム」。

4社が昨年12月に運用を始めたテロリスト関連コンテンツ共通データベースの運用実績や、欧州連合(EU)や主要国首脳会議での議論を踏まえて発足を決めた。

 具体的には、人工知能(AI)を活用した問題動画や画像の識別技術の向上や、コンテンツの削除に関する業界基準の策定、関連政策の研究などに共同で取り組む。

 4社が手を組む背景には、運営するソーシャルメディアなどが過激思想拡散の温床になっているとの批判の高まりがある。

「イスラム国(IS)」などの過激派組織はソーシャルメディアを通じてテロを扇動し、対話アプリなどで犯行の連絡を取り合うケースが多いとされる。

 今年3月にはユーチューブに投稿されたテロを正当化するなど悪質な動画に広告が掲載されていた問題が発覚し、広告主の間で一時、出向をボイコットする動きもあった。

 テロ事件が相次ぐ英国のメイ首相は今月4日の演説で、「サイバー空間の規制で国際的な合意につなげる必要がある」と主張。

フランスのマクロン大統領も13日、「(ネット企業は対策を)約束してきたが、それだけでは不十分だ」と述べ、各社に具体的な行動と成果を求めていた。

 ソーシャルメディアなどに嘘のニュースや殺人などの問題コンテンツが投稿されるケースが増えており、社会問題化する事態も少なくない。

各社は社会的信頼が損なわれないよう業界団体を通じて働きかけていく。

 各社はこれまでもコンテンツの監視要員を増員するなど、個別で対策を強化してきた。

フェイスブックは今月15日に交流サイト(SNS)にテロリストやその支持者が投稿する画像や動画、プロパガンダなどを識別するAIの運用を本格化した。

ユーチューブもテロリストや過激派が投稿する動画を発見して排除するためAIを活用、外部の専門家との提携も拡大していた。

 グーグルのケント・ウオーカー上級副社長(法務担当)は「業界としてやるべきことがまだあることは認めざるを得ない」と語る。

4社は今後、他のネット企業や専門家にも幅広く連携を呼びかけていく方針だ。

▼ネットに投稿される動画などで問題のあるコンテンツが増えている

【2016年7月】
 米国で黒人男性が警察官に射殺される様子を隣にいた女性が中継

【17年3月】
 ユーチューブでテロ行為を助長する動画に広告が掲載された問題が発覚

【同年4月】
・米国で男が男性を射殺する動画を投稿
・タイで男が娘を殺害する様子をを生中継して自殺

【同年5月】
 大阪府を車で走行し、中学生らが逃げる姿を投稿。 少年らが逮捕される

(シリコンバレー=小川義也記者)


●関連日経記事
:2013年7月1日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「米国依存のネット社会」=「諜報」が示す日本の課題=』(2013年6月30日付)

●関連日経記事
:2016年10月22日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「サイバー攻撃者の特定 抑止力に」=慶応大教授 土屋大洋氏に聞く=』(2016年10月21日付)

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日経新聞 経営「部品会社任せ 対応後手」=「タカタ破綻」誤算と過信 (上)=

2017年06月30日 08時24分37秒 | 経営
日経新聞 2017年6月28日(水) P.15 企業総合面
特集連載『タカタ破綻』=誤算と過信 (上)=

『部品会社任せ 対応後手』=車各社、検証の手段なく=

 民事再生法の適用を申請し、10年以上に及んだエアバッグのリコール(回収・無償修理)問題に一定の区切りをつけたタカタ。

米国で多数の死傷者を生み、さらに製造業としては戦後最大となった破綻(はたん)劇の原点はどこにあったのか。

完成車メーカーと部品メーカーの関係や、危機管理のあり方を検証する。

 
 「ホンダはタカタによる詐欺の共犯者ではなく被害者だ」。

23日、タカタのエアバッグを搭載した車の所有者らによる米国での集団訴訟についての声明で、ホンダはタカタを厳しく批判した。

 ただタカタのリコール問題を振り返ると、完成車メーカーと部品メーカーの一方だけが悪いという単純な構図ではないことが分かる。

 問題の発端は2004年、米国でエアバッグが異常破裂したホンダ車が見つかったことだった。

エアバッグを膨らませるインフレーター(ガス発生装置)は自動車部品の中でも特殊な部品。

動作を検証する設備をホンダは持っていないこともあり、結果的にタカタに調査を委ねたことが誤算となった。

 タカタが生産の不備について報告し、ホンダが初のリコールに踏み切ったのは08年。
事故から4年が経過していた。

初動が遅れたことで事態は悪化の一途をたどる。

 09年には米国でリコール対象外のエアバッグによる死亡事故が発生。

その後も不具合が相次ぎ、14年6月にはホンダなど自動車メーカー各社が米国で原因究明のためのリコールに着手した。

 ただ、日米当局や自動車メーカーは火薬の専門知識が乏しい。

調査が長期化するなか、14年秋に米フロリダ州で起きた事故の凄惨な映像がメディアに流れ、世論が一斉にタカタを攻撃し始めた。

 16年5月には根本原因が不明なまま、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が異常破裂の恐れがあるエアバッグのリコールを指示した。

 自動車部品の中でも火薬原料を使うエアバッグの特殊性が「タカタ任せ」を招き、被害を拡大した面は否めない。

 ある自動車メーカーの幹部は「原因不明の事故があれば、自動車メーカー全体で迅速に情報を共有したり、外部の専門家を集めたりする対応が必要だった」と振り返る。

 日米欧の自動車メーカー10社がタカタのエアバッグについて共同で調査を始めたのは15年になってから。

最初の事故から約10年がたっていた。

 タカタは異常破裂に関連して、ホンダに虚偽の説明をしていたことも判明した。

その教訓を生かし、ホンダは部品メーカーから試験データを入手するだけでなく、データ収集や解析の仕方まで開示を求めるようにした。

 自動運転や電動車など、新技術の採用が加速している。
ソフトウエアなど自動車メーカーにとって未知の領域も広がる。

自動車業界だけの内輪の論理ではなく、消費者目線での品質管理がより強く求められる。

▼タカタを巡る主な出来事
【2004年5月】
 米国でホンダ車で事故時の不具合が発生

【05年5月】
 米国でホンダからタカタに不具合事案の連絡

【08年11月】
 米国でホンダがタカタ製エアバッグで初のリコール

【09年5月】
 米国で初の関連死亡事故が発生

【10年6月】
 日本でトヨタ、日産、ホンダがリコール

【14年6月】
 異常破裂が相次ぎ調査目的のリコールが広がる

【16年9月】
 スポンサー企業について自動車メーカーなどと協議を開始

【17年6月】
 東京地裁に民事再生法の適用を申請


『Q&A』
『将来の事故、誰が賠償?』=車メーカーが対応=


 法的整理を申請したタカタが主力事業をスポンサー企業が設立する新会社に譲渡して解体的に出直すことになった。

今後の見通しをまとめた。


 Q:死亡事故が多発した米国における事故被害者や自動車メーカーへの補償はどうなる。

 A:今年1月の米司法省との和解に基づき、タカタは事故被害者らを対象とする約1億2500万ドル(約140億円)の補償基金を設立済み。

自動車メーカー向けの総額8億5千万ドルの補償基金については、スポンサー企業への事業譲渡代金(約1750億円)の一部を充てる方針だ。

 Q:将来、日本で出荷済みエアバッグの異常破裂事故が起きた場合誰が賠償責任を負うのか。

 A:基本的には自動車メーカーが対応や賠償の責務を負う。
タカタの主要事業を引き継ぐ米自動車部品メーカーは「責任はタカタにある」としている。

ただ法的整理後のタカタの支払い能力には限りがある。

結果的に負担を強いられる自動車メーカーの間では、将来の損害賠償請求に備えて引当を検討する動きもある。

 Q:自動車メーカーが引き当て済みのリコール費用はどうなる。

 A:自動車メーカーは裁判所にリコール費用などを債権として届け出る。

タカタの再生計画の成立後、同計画で定めた弁済率に基づいて支払われるが、多くの自動車メーカーは「大部分が回収困難」と見込んでいる。

 Q:タカタが生産を続ける交換用部品は安全なのか。

 A:タカタは現在、経年劣化を防ぐ効果があるとされる乾燥剤入りのエアバッグを生産し、交換部品については原価で自動車メーカーに供給している。

乾燥剤入りの製品はこれまで不具合は報告されておらず、日米の運輸当局も現在はリコール対象としていない。

 ただ、米当局は2019年末までに乾燥剤入り製品の安全性を証明するようタカタに求めており、できなければリコールの対象に加えると警告している。

 仮に全世界で乾燥剤入り製品がリコールとなった場合、自動車メーカーには新たに計8千億円規模の追加費用が発生する恐れがある。


●関連日経記事:2018年6月28日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「タカタ 民事再生法申請」=補償支払い迫り決断=』(6月27日付)

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日経新聞 国際「タカタ支援の新興メーカー、中国・均勝 買収連発で勢い」=話題性で株価上昇/さらに資金力拡大=

2017年06月30日 06時42分40秒 | 国際
日経新聞 2017年6月28日(水) P.13 アジアBiz面
『中国・均勝 買収連発で勢い』=タカタ支援の新興メーカー=

『話題性で株価上昇』=さらに資金力拡大=

 経営破綻(はたん)に追い込まれたタカタ。

負債総額は最終的に1兆円を超えるとみられる日本企業に目を付けたのはやはり、これまで多くの日本の不振事業を買収してきた中国企業だった。

ただ今回、傘下の米キー・セイフティー・システムズ(KKS)を通じて支援することになった寧波均勝電子は中国でも知る人の少ない新興メーカーだ。

そんな企業がタカタの主力事業を買収する背景を探ると、中国ならではの事情に行き着く。


 ちょうど1年前に東芝の白物家電事業を買収した家電大手の美的集団、2012年に旧三洋電機から白物家電事業を買収した海爾集団(ハイアール)ーー。

両社をはじめ、これまで苦境に陥った日本企業の事業買収を手がけてきた多くは、中国の大手企業だった。

 だが、今回は違う。

 「均勝電子って聞いたことないぞ」(日系大手メーカー幹部)。
中国の自動車業界でもこんな声が相次ぐ均勝とは一体、どんな企業なのか。

 04年に創業した若い企業。

電子関連の自動車部品を手がけ、わずか6年前の11年でも売上高は600億円強に過ぎなかった。

そんな小規模メーカーは同年、創業者の王剣峰董事長(46)が独企業の工場視察で欧州を訪れてから転機を迎えた。

 王氏は最先端の工場を見て驚き、付き従う部下たちに聞いた。
「うちも、あと10年かければ、こんな凄い工場を造れるか?」。

だが、答えは全員ノー。
「どうすればいいか、見当もつきません」とあきらめ顔だった。

 この時から王氏は戦略を大きく切り替える。

「自分の努力ではもはや不可能。買収した方が早い」と、すぐに欧米企業の買収を始め、すでに取得した自動車関連企業はタカタを含め8社に上る。

 しかし、最近まで無名のメーカーがなぜ、自動車部品の世界大手タカタの買収にこぎ着けることができたのか。

そこには日本などと違う中国ならではの買収事情がある。

 通常、買収ではまず、「どんな相乗効果や補完関係が期待できるか」という将来の見通しが重要になる。

だが、中国で重要なのは話題性だ。

 均勝が現在上場しているのは上海証券取引所。

売買の8割以上を個人投資家が占める特殊な市場だ(=あふれる投機的な個人マネーが中心の、マネーゲームの性格を持つ株式取引所)。

機関投資家が業績や事業の成長性、リスクを詳細に分析して株を買うのに対して、個人は「話題性で買う傾向が強い」(証券会社幹部)。

 そのため実力以上の株価が付くことも多く、均勝も例外ではない。

15年12月期の売上高は1300億円ほどだったが、時価総額は一時、6千億円にも上っていた。

欧州の中小規模の買収案件を進めて話題になったためだ。

 個人投資家の関心を集めれば株価が上がり、時価総額も拡大する。

自然と資金調達力も高まり、実際に買収などが実現すれば「さらに投資したと考えるファンドが雪だるま式に増えていく」(市場関係者)のが中国の株式市場の特徴。

実際、こうして買収を重ね、急成長したのが均勝だ。

 このため中国企業は買収後の再建策が二の次となることも多い。

多少のリスクに目をつぶり、二の足を踏まない分だけ、不振の日本企業にはありがたい存在になるわけだ。

 ましてや今回は事業売却が相次ぐ日本の電機産業ではなく、自動車産業の買収話だ。

「優良な日本の自動車業界からの久々の”出物”だ」と中国でも話題性は十分で、市場関係者も色めき立った。

実際、均勝の株価はすでにこの1カ月間で15%近くも上昇。
(中国=)政府も今回のような製造業の強化につながる買収は歓迎だ。

 「(11年から買収を積極化して)案件が次々うまくいったので、買収は病みつきになる」という王氏。

14年に米フォーブス誌で世界富豪ランキングに仲間入りし、個人資産はすでに千数百億円に達した。

そんな王氏を今回、中国メディアも驚きをもって伝えた。

 「ついにアリ(均勝)が、ゾウ(タカタ)をものんでしまったよ」

 今年で創業から85年になる老舗のタカタ。
創業14年目の中国企業の参加でどのような再建の道筋を描くのか。

タカタの本当の試練も、均勝の経営能力が試されるのも、まさにこれからかもしれない。

▼均勝は11年以降、欧米メーカーの買収を活発に行ってきた
【(2011年)】
(買収先)独Preh:(買収金額)260億円=(主な製品)エアコン、電子制御関連

【2014年】
 独IMA: 18億円= 工業用ロボット
 独Quin: 112億円= ステアリング、内装部品

【2016年】
 米KSS: 1020億円= エアバッグ、シートベルト

 独TS: 220億円= 情報システム関連部品
 米EVANA: 22億円= 工業用ロボット

【2017年】
 タカタ: 1750億円= エアバッグ、シートベルト

(注)買収金額は日本円に換算した概算値

(広州=中村裕記者)

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日経新聞 国際「米車販売 金融から逆風」=ローン焦げ付き急増=

2017年06月29日 10時12分54秒 | 国際
日経新聞 2017年6月28日(水) P.9 国際2面
『米車販売 金融から逆風』

『ローン焦げ付き急増』=リース終えた中古車流入=

 米国の自動車販売で先行きの厳しさを示す動きが相次いでいる。

低所得者(サブプライム)層向けの自動車ローンの貸倒率が1割に迫っているほか、リース販売の契約を終えた車が大量に中古市場に流れ込み、新車販売を抑えつつある。

米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めを受け返済の焦げ付きは増え、販売には逆風が吹く。

自動車販売はモノ消費の柱の一つだけに米景気に影を落としそうだ。


 「月々480ドル(約5万3000円)の返済ができなくなった。 ディーラーでは簡単に買えると説明を受けたのだが」(カリフォルニア州の23歳女性)。

米国で募金を呼びかけるサイト「ゴー・ファンド・ミー」では、自動車ローンの返済に行き詰まった人々が窮状を訴え、援助を求める。

 米自動車ローンはおよそ1兆ドル(110兆円)の市場規模がある。
調査会社エクスペリアンによるとサブプライムローンはこのうち約2割を占める。

同ローンの貸倒率は2013年以降、上昇に転じ、足元では9%と金融危機前の08年の水準に近づいている。

 金融危機の震源となった住宅ローンには当局の厳しい規制が敷かれた。

だが自動車融資の規制は緩いままで、これが自動車版の「サブプライムローン問題」を引き起こしている。

「借り手の収入を確認していたのは契約の8%」という驚くべき調査もある。

 スペイン大手銀のサンタンデールの米子会社は、米自動車サブプライムローンの供給シェアでトップの3割を握る。

同社がローン債権を証券化した金融商品を米格付け会社ムーディーズが調査した結果、借り手の資産状況を確認していたのは1割にも満たなかった。

 FRBは14日、今年2度目の利上げを決めた。
期間の短い自動車ローンは政策金利の影響を受けやすい。

利上げで利払い負担が増し、サブプライムローンの貸し倒れが一段と増えかねない。

 金融機関も対応に動き始めている。
米銀大手ウェルズ・ファーゴの1~3月の自動車ローンの新規契約は前期比3割減った。

ジョン・シュルーズベリー最高財務責任者は融資を絞ったと説明し、「17年の自動車ローン残高は減り続ける」と見通す。

 自動車ローンとともに金融面で新車販売を押し上げてきたリース取引も大きく変化している。

 2~3年の間、月々リース料を支払うだけで新車を利用できるのがリース契約だ。
自動車販売会社は、リース期間終了後に消費者が返却した車を中古市場で売る。

米調査会社のJDパワーによると、金融危機前に15~20%だった個人向け新車販売に占めるリースの割合は3割に上昇した。

 最近ではリース契約を終えて中古市場に流れ込む車が急増。

米金融大手のモルガン・スタンレーは今後4~5年で中古車相場が最大50%下がると試算する。

中古車相場が崩れるとリース業者は採算が悪化し、リース料金の引き上げや契約絞り込みを迫られる。

どちらも新車販売には逆風となる。

 米新車販売は金融危機後の09年に1千万台すれすれまで減ったが、その後は景気回復とともに回復。

だが足元では5月まで5カ月続けて前年水準を下回り、17年の販売は8年ぶりの前年割れとなるのが濃厚だ。

買い替え需要が一巡したほか、ローン、リースなどの金融面での押し上げ効果もはげ落ちるとなると販売低迷は長引く恐れが増す。

 モルガン・スタンレーのアダム・ジョナス自動車アナリストは、今年の販売台数予想を従来の1830万台から1730万台と前年比2%減に引き下げた。

「1500万台で底入れするまで減少傾向は続く」と指摘する。

(ニューヨーク=山下晃記者)

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日経新聞 自己啓発「カブコムや三菱UFJ国際」=投信コスト 見える化=

2017年06月29日 07時56分13秒 | 自己啓発
日経新聞 2017年6月28日(水) P.7 金融経済面
『カブコムや三菱UFJ国際』=投信コスト 見える化=

『個人の証券投資促す』

 運用・証券業界で投資信託にかかるコストを明快に「見える化」する動きが広がってきた。

カブドットコム証券は業界で初めて投信コストの実額開示を始める。
三菱UFJ国際投信は複雑な商品についてもコストを明らかにしている。

金融庁が金融機関に顧客本位の業務運営「フィデューシャリー・デューティー(FD)」を求める中、金融商品の透明性を高めることで個人の証券投資を促す狙いがある。


 カブコムはフィンテックベンチャーのロボット投信(東京・中央)と組み、8月から投信の運用期間中に投資家が負担する手数料にあたる信託報酬の実額を計算できるサービスを開始する。

購入額と保有期間を入力すればその間に発生する信託報酬の実額がわかる。

 複数の投信のコストを「国内不動産投資信託(REIT)」「新興国株投信」など分野別に合成し、まずはどの分野でどの程度のコストがかかっているかを示す。

今後は個別の投信ごとに開示するよう検討中だ。

 三菱UFJ国際投信は特にコスト構造がわかりにくいとされる複数の外国籍投信で運用するファンド・オブ・ファンンズについても1口あたりのコストの内訳を開示している。

高木証券が運営する「投信の窓口」の店舗では、購入・解約時の手数料や信託報酬を合わせたコストが、どれだけ運用成績に影響を与えるか試算し、購入を検討する顧客に開示している。

 三井住友アセットマネジメントが他社に先駆けて2015年に信託報酬を控除した実際の投資収益を明らかにするようになってから、投信のコストを透明化する流れが加速している。

 背景には金融庁がコスト開示を運用業界に迫っていることがある。

4月には金融庁の森信親長官が講演で「単にパーセンテージで示すのではなく、例えば10万円投資した場合のコストを実額で示す方が『顧客本位』だと思います」と発言した。

18年に始まる積立型の小額投資非課税制度(つみたてNISA)の対象投信については実額で示すよう求める方針だ。

 日銀の資金循環統計によると、家計の現預金は3月末で約930兆円と資産全体の52%で過半を占める。

「貯蓄から資産形成」が進まないのは、投信など金融商品のコストがわからないことが一因。

業界を挙げて投信の「見える化」に取り組み、個人の資金を預金から投資へ振り向けてもらいたい考えだ。

▼カブコムは実学開示でコストを明確化する
【%表示】から
・(海外REIT投信)A投信: (信託報酬)1.6%

・B投信: 1.5%
・C投信: 1.3%

    ⇓    ⇓    ⇓
【実額表示】へ
 たとえば10万円分を購入し、1年間保有すると信託報酬は〇〇〇円など

▼投信コスト開示の主な取り組み
【(社名)カブドットコム証券】
 (主な取り組み)投信手数料の実額を開示

【三菱UFJ国際投信】
 1口当たりの投信コスト明細を開示

【三井住友アセット】
 投信コスト差し引き後のリターンを開示

【松井証券】
 保有投信の信託報酬合計を開示

【投信の窓口(高木証券)】
 購入時・解約時手数料と信託報酬を合算してリターンへの影響を開示


●関連日経記事
:2013年7月12日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 ことば「投資信託の手数料」=運用成績よりも、高い手数料の投信を優先販売する傾向が強い=』(2013年7月11日付)

●関連日経記事
:2017年2月5日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 自己啓発「老後資金は確定拠出を優先」=投資の非課税制度どう使い分け?=』(2月4日付)

●関連日経記事
:2017年6月23日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 開発「マネックス証券が個人型DC」=iDeCoの加入者数 8割増=』(6月21日付)

●関連日経記事
:2017年5月28日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 自己啓発「ヤング世代の甘い危機感」=現実の日本経済は「なだらかな下りのエスカレーター」なので…=』(5月27日付)

●関連日経記事
:2017年6月29日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経済「REIT、7カ月ぶり安値」=オフィスなど、市況悪化を警戒=』(6月27日付)

◆父さんコメント:

 株でも投信でも、株式価格が上昇しないと利益は期待できないのが基本なのは同じだ。

現状の株式市場は日本は日経平均株価が2万円を超えて高値ゾーンにある。
米国のダウ工業株30種平均は2万ドル超えの史上最高値を更新中だ。

EU諸国にしても総じて株式市場は高値圏にある。

つまり、常識的には世界の株式市場は「まだまだ株価は上昇する」よりも「長期的には株価は天井に近く、今後は下がる」とみるのが無難。

常識的な観点に立つのであれば、今は投信の買い時ではない、ことになる。
あとは、自分の将来見通しへの判断次第。

将来の「買い場」に備えて、今はじっくりと貯金をすることを個人的にはお勧めする。

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日経新聞 インターネット「グーグル制裁金3000億円」=欧州委、独禁法違反で最高=

2017年06月29日 07時20分08秒 | インターネット
日経新聞 2017年6月28日(水) P.1
『グーグル制裁金3000億円』

『欧州委、独禁法違反で最高』

 欧州連合(EU)の欧州委員会は27日、米アルファベット傘下のグーグルがEU競争法(独占禁止法)に違反したとして、24億2000万ユーロ(約3000億円)の制裁金を払うよう命じた。

欧州委による独禁法違反を巡る単独企業への制裁金では過去最高額。

インターネット検索市場での支配的地位を乱用し、買い物検索で自社サービスを優遇するなど公正な競争を迫害したと判定した。

 グーグルに対する制裁金は、2009年に欧州委が米半導体大手のインテルに命じた金額(10億6000万ドル)を上回り、過去最高額を更新した。

グーグルは27日公表した声明で、欧州委の判断は「不服」だとして、EU司法裁判所への上訴を検討する姿勢を示した。

 欧州委による巨額制裁金の対象となったのはグーグルの買い物検索。

自社の検索サイトで同社の商品比較サイト「グーグルショッピング」を優先して表示し、競合サイトを不利にしたと判定した。

欧州委は15年4月に独禁法違反の疑いがあると「警告」。
グーグルからの反論などを経て、今回の最終判断に至った。

 EUで競争政策を担うベステアー欧州委員は27日、巨額の制裁金は「グーグルの違法行為の深刻さを映している」と指摘した。

欧州委はグーグルを巡り、今回の事案以外に、スマートフォン(スマホ)向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」と、ネット広告「アドセンス」についても、独禁法違反の疑いで本格調査を進めている。

 今回の命令により、EUが米企業を狙い撃ちにしているとの反発が米国内で広がる可能性もある。

トランプ米政権のパリ協定からの離脱決定などを巡って関係が悪化する米欧関係に新たな火種が加わりそうだ。

 欧州委は16年8月に米アップルが違法な「税優遇」を受けていたとしてアイルランド政府に130億ユーロの追徴課税を命令。

米側の反発を買った。

(ブリュッセル=森本学記者)


●関連日経記事:2017年6月26日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 政治「データ独占防止 悩む日欧当局」=強さ増す巨大ネット企業=』(6月24日付)

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日経新聞 安心・安全「水道事業、来春16市町と一元化」=香川県広域水道事業体設立準備協議会 和田光弘さん=

2017年06月29日 02時33分46秒 | 安心・安全
日経新聞 2017年6月28日(水) P.35 四国経済面
連載『ここが聞きたい』

『水道事業、来春16市町と一元化』=香川県広域水道事業体設立準備協議会 和田光弘さん=

 香川県と直島町を除く県内全市町(8市8町)による水道事業の一元化が2018年4月に実現する見通しだ。

人口減や設備の老朽化に対応するため運営効率を上げ、安定供給と料金抑制の両立をめざす。

都道府県レベルの水道事業統合は全国初。

作業を統括する香川県広域水道事業体設立準備協議会の和田光弘事務局長に取り組みを聞いた。

「安定供給と料金抑制 両立」
 --なぜ事業統合が必要なのですか。

 「県内では各市町がそれぞれ水道事業を運営しており、たちまち行き詰まるということはない。

ただ、①人口減少による給水収益の目減り ②高度成長期に集中した浄水場や管路など設備の老朽化 ③基幹管路の耐震化の遅れ(全国24%に対し16%) ④従事職員400人余の4割が10年後に定年、といった状況から危機感を共有、足並みをそろえた」

 「それぞれ単独経営のままでは設備更新も難しく、供給単価は約30年後に6割増えると試算した。

標準的世帯の水道代は単純計算で月3500円から5600円に跳ね上がる。

(岡山県側から供給を受ける直島町を除く)県全域に広域化すれば、単価の伸びを和らげ同4200円程度に抑えられる」

 --具体的にはどのように効率化しますか。

 「71ある浄水場は古いものを中心に廃止・統合し38にする。
市町をまたぐ供給も可能になり、より効率的な給水ネットワークに改めていく。

一元化後の料金体系は当面、個々の現状をベースにするが、システムを統一して10年後には同一にする」

 「運営を担う企業団は今秋に一足早く設立する予定だ。

一元組織にすることで、効率的な人員配置や技術継承、渇水・災害時の危機管理体制も強化できる。

14年時点の推計では、約30年間の人件費、運営費、事業費は計1兆円超に上るが、約722億円を圧縮できる」

 --各市町の料金体系が異なりますが、住民から不満が出る可能性はありませんか。

 「程度の差はあるかもしれないが、単独経営よりもメリットがあることに変わりはない。

中長期的にクオリティーの高い水を安定して得られるので、県民全体が利益を得られると理解を求めていく」

 --全国の自治体も取り組みに注目しています。

 「香川は地理的にコンパクトで、歴史的に渇水への取り組みもあり県全体で(一元化で)まとまりやすい環境にあった。

上水道の半分は早明浦(さめうら)ダム(高知県)からの香川用水が占め、県が市町に卸供給してきた経緯も後押しした」

 「今後、財務や給水工事、人事給与の各システム、水質検査計画や検針・収納の取り扱い、入札、契約制度など、あらゆるものを統合する膨大な作業がいる。

順調な移行と運営ができるよう着実に進めていきたい」

▼わだ・みつひろ
 1959年(昭和34年)高松市生まれ。

成蹊大法学部卒、香川県庁に入り、2012年に環境森林部次長。

豊島(てしま)産廃問題では汚染土壌の処理について、福岡県でのセメント原料化合意などの実務を担った。

知事公室長、病院局長を経て17年4月から香川県広域水道事業体設立準備協議会事務局長。

趣味は美術館巡りで関西や中京圏にも足を延ばす。
57歳。

●記者の目:
『水の恵み再認識を』


 大きな河川がなく気候は温暖少雨。

香川県では古くからため池を築いたり取水制限を実施したり、水の確保と利用法に知恵を巡らしてきた。

そんな地域だからこそ、全国初の県域統合に向け足並みがそろったのだろう。

 もっとも統合の恩恵を県民があまねく実感するかどうかは分からない。
苦労が多い割に、安定供給という「果実」は変わらず、値下げするわけでもないからだ。

とはいえ海外では、飲み水不足や利権争いも生じている。
今回の統合を、水の恵みを再認識する契機としても生かしたい。

(高松支局 深野尚孝記者)


●関連日経記事
:2016年10月25日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 政治「老いる水道インフラ」=政府、民間経営に期待=』(2016年10月23日付)

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日経新聞 政治「農地バンク 伸びぬ活用」=新規集約伸び悩み=

2017年06月29日 02時01分42秒 | 政治
日経新聞 2017年6月27日(火) P.35 四国経済面
『農地バンク 伸びぬ活用』

『香川除く3県、全国以下』=新規集約=

 意欲ある農業の担い手に対して農地の貸し借りを促す「農地中間管理機構(農地バンク)」の活用が四国4県で低調だ。

2014年度に導入されたが、全国と同様に貸し手の農家が増えず、優良農地の不足から担い手への集積が進んでいない。

各県固有の事情も影響している。

 各県の農地バンクが2016年度に新たに借り入れた農地の全耕地面積に占める割合は香川県が1.3%だったが、他の3県は全国の0.9%以下。

愛媛県は北海道や東京都、神奈川県と同率の0.1%で、都道府県最下位だった。
 
 都道府県ごとに国が定めた農地の年間集約目標面積に占める、担い手農家への新規集約面積の割合も、16年度に愛媛県は0.9%と全国で最も低かった。

香川県は18.5%と全国の12.9%を上回ったが、徳島県は7.3%、高知県は3.6%にとどまった。

 愛媛県の農地バンク、えひめ農林漁業振興機構は「耕地の半分がミカンなどの果樹で集約に難しさがある上、国による集約協力金の見直し議論も影響し、農地の出し手の意欲が鈍った」とみる。

稲作では集落営農組織の法人化、果樹では新規就農者の育成を軸に担い手支援を強化し集約を進めたいとする。

 香川県も農地バンク経由以外を含む担い手への集約面積が16年度末は15年度末を下回り、集約が順調とはいえない。

ため池からの水利の複雑さも壁となっている。

県農地機構は「地域ぐるみで面的な集約を進める必要がある」とし、市町など関係機関との連携強化を探る。

▼農地中間管理機構
 強い農業を目指し2014年度から都道府県ごとに設けられた。

耕作放棄地や、高齢化などで営農が難しくなった農地を一時的に借り受け、意欲ある担い手に貸す。

必要に応じて機構が小規模な農地をまとめて基盤整備も進め、大規模化や効率化を促す。


●関連日経記事
:2016年11月28日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 社会『所有者は誰? 増える「迷子の土地」』=農地集約・活用を阻害= 』(2016年11月27日付)

●関連日経記事:2017年6月20日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「法定相続情報証明が始動」=一覧図で複数の手続き同時に=』(6月19日付)

◆父さんの一口メモ:
 農地の集約化の一つに「基盤整備」事業がある。

国や県が支援する事業で農地の集約化、機械化、大規模化を促す事業で95%前後の事業費を国や県が支援してくれるのが一般的で、個人負担が少なくて済む大きなメリットがある。

一方で、国や県の支援は「農業の競争力強化に資するため」との基本理念があるため、基盤整備を受けた農地は、よほどの合理的な理由がない限り「宅地」化は将来ともできないことに注意が必要だ。

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日経新聞 インターネット「ネットの中傷 責任追及の仕組みを」=弁護士 唐沢貴洋氏=

2017年06月29日 01時19分53秒 | インターネット
日経新聞 2017年6月27日(火) P.27 経済教室面
連載コラム『私見卓見』

『ネットの中傷 責任追及の仕組みを』=弁護士 唐沢貴洋=

 インターネット上で個人を標的にした誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)が氾濫している。

見知らぬ人から執拗に攻撃される被害を受けた経験を踏まえ、ネット空間における中傷対策について意見を述べたい。

 私への攻撃は2012年3月、匿名掲示板に関連する事件を引き受けたのを機に始まった。

複数の投稿者からネット上で中傷や殺害予告などの脅迫を受けた。

家族が盗撮されたり、親族の墓にペンキをかけられたりするなど被害は現実世界にも及び、まともな社会生活を送れなくなった。

 投稿者を突き止めて警察に通報し、10人以上が脅迫容疑などで逮捕・書類送検された。

しかし投稿者特定までの道のりは困難を極めた。

サイト運営者や通信事業者にネット上の住所にあたるIPアドレスや契約者の氏名を明らかにするよう任意で求めても開示されることが少ないためだ。

 通信事業者などの多くは契約者情報を開示する条件に裁判所の判決といった司法判断を挙げる。

私も法的手段を取らざるを得ず、脅迫者の身元特定まで1年近くかかった。
労力や費用を考えて泣き寝入りしている被害者は多い。

 投稿者を特定するための通信履歴(ログ)を保存する形式や期間が決まっていないことも問題だ。

形式が不十分だったり、保存期間が過ぎたりして投稿者が特定できないことがある。
法律で保存方法を定め、少なくとも1年間は保存を義務付けるべきだ。

 契約者情報の開示も柔軟な対応を求めたい。

どんな権利侵害なら契約者情報を開示してよいのか、国が通信事業者にガイドラインで示すことが必要だ。

「文章の中に理由(根拠)も示さずに中傷する」といった基準があれば事業者も判断しやすくなる。

 最近は発信者の身元を隠せる特殊なソフトを使った投稿が増えている。

サイト運営者が設定を変更し、匿名化ツールを使った接続を遮断して投稿をできなくすることも中傷を防ぐ有効な手段だ。

 私たちは日本国憲法21条で「表現の自由」を手にした。

国家権力による市民の抑圧を防ぐための規定だが、ネット空間では本来の目的と違った形で「表現の自由」が乱用され、市民同士の無益な争いを生んでいる。

 匿名性はネットの特徴であり、その利点は否定しない。

とはいえ、書き込みをした人物の法的責任が最終的に追及される担保があってこそ、ネット上でも本当に意義ある言説が展開されるはずだ。

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 当欄は投稿や寄稿を通じて読者の参考になる意見を紹介します。

〒100-8066東京都千代田区大手町1-3-7日本経済新聞社東京本社「私見卓見」係またはkaisetsu@nex.nikkei.comまで。

原則1000字程度。

住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記。
添付ファイルはご遠慮ください。

趣旨は変えずに手を加えることがあります。
電子版にも掲載します。



●関連日経記事:2012年9月30日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「グーグルサイトの”消去してくれない”リスク」』(2012年9月28日付)

●関連日経記事:2016年3月1日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット『個人・弁護士つなぐサイト「弁護士ドットコム」』=法務ニュースで登録急増=』(2016年2月29日付

●関連日経記事:2017年5月27日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「見たいものだけ見る」=フェイクニュース 歪む社会 (中)=』(5月26日付)

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