日経新聞 保険・年金・税金「相続税総額、知るには?」=一括計算せず、1人ずつ額を算出し合算=

2017年05月28日 02時55分00秒 | 保険・年金・税金
日経新聞 2017年5月27日(土) P.20 マネー&インベストメント面
『ゼロから解説』

『相続税総額、知るには?』=一括計算せず、1人ずつ額を算出し合算=

 2015年から相続税の課税が強化されました。

この年は亡くなった人の約8%が対象になり、前年までの4%台から大きく上昇しました。

自分の相続税額がどれくらいになるのか心配する人が増えていますが、計算方法について誤解が多く見られます。

正しい考え方を理解しましょう。


 そもそも遺産総額はどう評価すべきでしょうか。

 土地は通常、(国税庁が調査し、7~8月に公表する=)路線価により計算されます。

国税庁のホームページに路線価図が公表され、1平方メートルあたり1000円単位で示されています。

「300」とあれば30万円です。
面積を掛ければ相続税の対象になる金額がわかります。

 建物は固定資産税評価額に基づきます。

「自治体から毎年送られてくる固定資産税の通知書などで確認することができます」(税理士の福田浩彦さん)。

預貯金はそのまま残高で考えます。

 このように評価して積み上げた資産総額から、基礎控除の額を差し引いたのが「課税遺産」です。

相続税はこの課税遺産に対してかかります。

 基礎控除の額は従来「5000万円+法定相続人の数×1000万円」でした。
現在は「3000万円+法定相続人の数×600万円」と、大きく縮小されています。

 遺産総額が1億5000万円、法定相続人が子供3人(配偶者はすでに死去)というケースで計算方法を見てみましょう。

規準控除の額は4800万円(3000万円+3人×600万円)なので、課税遺産は1億200万円(1億5000万円-4800万円)になります。

 さて、3人の子供が支払うべき相続税は総額でいくらでしょうか。

インターネットで検索すると相続税の速算表(下図参照)が出てくるので、それを使うのが便利です。

 ここで多くの人が間違えるのが課税遺産の扱いです。

このケースで課税遺産である1億200万円をそのまま速算表の「~2億円以下」の部分にあてはめがちです。

すると、税率40%を掛け、そこから1700万円を差し引く計算により結果は2380万円。

これでは、家を売って払うしかない、となりかねません。

 正しい計算手順は次の通りです。

まず課税遺産を、各人が法定相続割合(民法で定めた遺産配分の割合)通りに分けたと仮定します。

そのうえで各人の税額を計算します。
次に各人の税額を合算します。

合算後の金額が、払うべき相続税の総額になります。

 子供3人の法定相続割合はそれぞれ3分の1なので、1人当たりの課税遺産は3400万円。

この額を速算表に当てはめ、税率20%として求めると480万円(3400万円×20%-200万円)。

3人分を合算すると1440万円です。

 前述の誤った計算結果に比べると、ずっと小額です。
相続税は金額が高いほど税率が上がる累進性があります。

1人当たりで計算すると、低い税率が適用されることが多く総額も小さくなるのです。

 相続税の総額が分かったら、最後に各人がそれぞれ納付する税額を決めます。

総額を「実際に各人が相続する遺産の割合によって案分(=負担割合を決める)します」(福田税理士)。


割合が仮に子供Aが2分の1、子供B、Cがそれぞれ4分の1だったとします。

納付額はAが720万円(総額1440万円の2分の1)、B、Cはそれぞれ360万円となります。

▼相続税の総額の計算法

(課税遺産1億200万円、法定相続人が子供3人の場合)

「課税遺産を法定相続割合で案分」1人3400万円 ⇒「速算表で個々の税額を計算」1人480万円 ⇒「個々の税額を合計」1440万円

▼速算表

(課税遺産〈法定相続分〉)=(税率):(計算上差し引く額)
1000万円以下= 10% : ゼロ

~3000万円以下= 15% : 50万円
~5000万円以下= 20% : 200万円

~1億円以下= 30% : 700万円
~2億円以下= 40% : 1700万円

(注)2億円超は省略


●関連日経記事:2012年12月6日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 一般常識「相続税納税の参考にされる”路線価”」』(2012年12月3日付)

●関連日経記事:2015年1月19日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 保険・年金・税金「相続税の申告期限は?」=大震災関連=(2011年6月19日付)』

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日経新聞 自己啓発「ヤング世代の甘い危機感」=現実の日本経済は「なだらかな下りのエスカレーター」なので…=

2017年05月28日 01時40分46秒 | 自己啓発
日経新聞 2017年5月27日(土) P.20 マネー&インベストメント面
連載『マネー研究所 セレクション』

『ヤング世代の甘い危機感』=社会構造の劣化に備えよ=

 20~30代のヤング世代の皆さんにとって、今の日本はそこはかとない「不安な社会」に映っているのではないでしょうか。

それは皆さんと親世代との間に、社会体験上の大きなギャップがあるからでしょう。

 筆者(=1963年東京生まれ)の社会人デビューはバブル期で、当時のヤング世代はこの国の将来に不安を感じることはありませんでした。

30年前の日本(昭和63年前後)はまだそこそこの安定成長時代で、企業に就職すれば終身雇用が前提でした。

ところが21世紀に入ると日本経済は一気に成熟段階に突入。
名目GDP(国内総生産)は1997年をピークに減少を続けています。

こうした「成長しない経済」の中で生きていればヤング世代が将来に不安を覚えるのは当然のことと言えます。

 しかし、あえて申し上げれば「その不安感はまだ極めてぬるい」のです。

それは、皆さんの不安感は「成長はしなくとも経済の横ばいは継続する」という、現状維持を前提にした不安にすぎないからです。

 この国には深刻な構造上の課題が山積しており、今の社会は決して継続的(=持続可能)ではありません。

少子高齢化、社会保障コストの増大、累積する政府債務問題などを知らない人はいないでしょう。

それでも今の日本にはこれらの問題に対する危機意識が、世代を問わず欠落しています。

 むしろ今後はあらゆる社会システムが今より劣化していくと想定して防衛策を考え、行動すべきです。

将来の日本はいわば「なだらかな下りエスカレーター」なので、豊かな人生のためには自分の足で階段を一段ずつ上がっていくしかないのです。


 厳しい環境で生きていくヤング世代の不安の中でも、最大のものは経済的不安でしょう。

それを克服するには経済的自立を獲得するしかなく「長期・積み立て・国際分散」という3つの原則に従い、自らのお金を将来に向けて大きく育てていく。

それこそが最良の方策なのです。

(セゾン投信社長 中野晴啓)

▼電子版→NIKKEI STYLE→マネー研究所→積立王子のヤング投資入門


●関連日経記事
:2014年12月25日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介「マネー収縮に備えを」=米著名投資家 ジム・ロジャーズ氏=』(2014年12月24日付)

●関連日経記事:2016年9月18日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経済「個人の投信保有が長期化」=7年ぶり水準の3年半に=NISAも下支え=』(2016年9月17日付)

●関連日経記事:2016年11月26日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 政治「ぬるま湯経済の危うさ」=安倍政権に解決する気はあるのか? 「社会保障の抜本改革」「政府債務の改革」「働き方改革」=』(2016年11月25日付)

●関連日経記事:2014年5月17日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経済「世代間協調の不可能性」=財政再建は期待できない・・・=』(2014年5月16日付)

●関連日経記事:2013年11月1日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 政治「財政再建を阻む日本独特の優しさ」=後世代には冷たく無責任=』(2013年10月28日付)

●関連日経記事:2016年7月13日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 海外メディア「イタリア発の金融危機、回避を」=英エコノミスト誌=』(2016年7月12日付)

●関連日経記事
:2014年11月9日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 政治「財政と政治と国家緊急権」=ナチスドイツにならないためには・・・=』(2014年11月8日付)

●関連日経記事
:2015年9月23日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 国際「新興国リスク映す金の輝き」=景気指標=』(2015年9月21日付)

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日経新聞 インターネット「見たいものだけ見る」=フェイクニュース 歪む社会 (中)=

2017年05月27日 10時07分56秒 | インターネット
日経新聞 2017年5月26日(金) P.8 国際1面
特集連載『フェイクニュース』=歪む社会 (中)=

『見たいものだけ見る』=「事実より感情」分断深める=

 「CNNの報道はでたらめ、フェイク(偽)ニュースだ」(10日)

 「偽メディアが今日は遅くまで働いている!」(12日)

 トランプ大統領のツイッターで「フェイク」の文字が増えつつある。
今月はすでに10回登場し3月や4月の回数を上回った。

メディアを攻撃する際の決まり文句だ。

 ロシアが昨年の大統領選に関与した疑惑を巡る捜査が周辺に及ぶなか、9日には突如、米連邦捜査局(FBI)長官を解任した。

多くのメディアは「第二のウォーターゲート事件」と呼び、厳しい追及姿勢をみせる。
政権とメディアの対立は一段と深まっている。

 トランプ氏のつぶやき好きは主要国の首脳で際立つ。
メディアを中抜きし、自分に都合の悪い報道は「偽ニュース」と執拗に攻撃。

「真実」と認めるのは都合の良い物だけだ。

権威あるオックスフォード英語辞典が昨年を代表する言葉に選んだ「ポスト・トゥルース(事実か否かよりも自分に好ましいことを真実とする考え方)」を地でいく。

この風潮こそトランプ大統領誕生の下地となった可能性は高い。

 米大統領選の激戦区だったミシガン州。

英オックスフォード大の調べでは選挙戦終盤に同州内のツイッター利用者が共有した情報の26%が偽ニュースで、通常のニュースとほぼ同数だったという。

 「ヒラリー・クリントン氏のメール問題を担当していたFBIの捜査官が遺体で発見された」。

大統領選の投票日直前、こんな見出しの偽ニュースがフェイスブック上を駆け巡った。
短期間で1600万人が目にしたとされる。

 流したのは、元偽メディアサイト運営のジャスティン・コーラー氏。

メディアに「偽ニュース王」(米公共ラジオNPR)と呼ばれた男が、最近になって討論や学術サイトへの寄稿などを通じ、偽ニュースを手がけるに至った経緯などを「告白」し始めている。

 「最もひきつける物語は消費者の『確証バイアス』に訴えかけるもの」。
人間は無意識のうちに自らの主張に沿う材料ばかりを集めるという。

自分の考えの近い人たちからの情報が集まりやすいソーシャルメディアはこの傾向を加速させる。

 そして「ページビューと収入を最大化するには感情的な反応を呼び起こし、共有を促す」。

大切なのは事実かどうかよりも感情。
ポスト真実(=ポスト・トゥルース)の荒涼とした実相が浮かぶ。

 米プリンストン大の心理学者、アリン・コーマン助教は昨年秋、「自分が社会から排除されていると感じる人ほど迷信や陰謀論を信じやすい」という研究結果をまとめた。

中低所得層の白人労働者(=プアーホワイト)の「排除されてきた」との不満がトランプ氏勝利の起爆剤となったが、根っこには偽ニュースと相性の良さもあった。


 問題はトランプ支持層にとどまらない。

「共和党下院が通したオバマケア代替法案は性的暴行が既往症とされ、被害者は保険に入りにくくなる」。

ソーシャルメディアでは最近、トランプ政権を巡る偽ニュースも目立ち始めている。

 米社会の分断が深刻になる中、ソーシャルメディアの発達は自分たちの考えを補強する材料ばかり集める「装置」となり断絶を逆に広げかねない。

偽ニュースは断絶を深くする添加剤といえる。

 ソーシャルメディアの検閲機能が議論される中、コーラー氏はこううそぶく。

「表現の自由を制限しようとのアイデアは、民主主義にとり偽ニュースよりはるかに危険だ」。

かって中東の民主化運動「アラブの春」の火付け役となったソーシャルメディアは自由な言論の土台として機能し続けられるのか、岐路に立つ。


●関連日経記事:2017年5月26日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「情報操作 国ぐるみの影」=フェイクニュース 歪む社会 (上)=』(5月25日付)

●関連日経記事:2017年5月15日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「経済苦境、偽ニュース生む」=マケドニア 中部の街「ベレス」=』(5月14日付)

●関連日経記事:2017年1月14日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット『「偽ニュース」問題 批判やまず』=フェイスブック、改善約束=』(2016年11月26日付)

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日経新聞 教育『「無償化」ひとり歩き』=教育政策 データで読む (上)=

2017年05月27日 08時33分50秒 | 教育
日経新聞 2017年5月25日(木) P.5 経済面
特集連載『教育政策』=データで読む (上)=

『「無償化」ひとり歩き』=こども保険、負担に偏り=

 政府が授業料などの教育にかかる経費をタダにする教育無償化に向けた具体策の検討に入った。

財源として年金などの保険料を上乗せして徴収する「こども保険」制度を設ける案などが挙がっている。

6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)も人材投資が柱となる。
経済政策として、教育をどう位置づければいいのか。

さまざまなデータから考える。


▼幼児教育・保育をタダにするのにかかる費用は約1.2兆円、大学までだと4兆~5兆円

 5兆円は消費税収2%分に相当する。
無償化の最大の壁は財源だ。

カバーする範囲があいまいなまま、ひとり歩きしている。
自民党の小泉進次郎氏は「こども保険」で1.7兆円の財源をひねり出せるとしている。

 企業で働く人から保険料を集め、就学前の子ども1人あたり、月2万5千円配る構想だ。

すでにある保育関連の補助金に2万5千円を加えれば幼児教育・保育を無償化できるという計算だ。

 全ての児童に2万5千円配るには、労働者と企業の社会保険料を0.5%ずつ上げる必要がある。

年400万円の世帯で月1200円、年収800万円で月2500円の追加負担が生じる。
自営業者などの国民年金加入者は月830円の負担増だ。

一度に上げると反発も大きいとみて、まず0.1%ずつ上げるところからは始める考えだ。


▼国民年金の未納率は4割に達する

 こども保険の課題は負担に偏りがあることだ。
国民年金の未納問題は深刻で会社員に負担がかかる。

高齢者や専業主婦も負担しないため、「社会全体で支える仕組みになっていない」(経団連)。

もっとも高齢化で給付費が膨らみ、公助(税金)と共助(保険)の関係があいまいなのは、日本の社会保障制度にもあてはまる課題だ。


▼四年制大学進学率は両親の年収1000万円超なら62%、400万円以下なら31%

 大学教育まで無償化すべきだという主張の背景にあるのは、収入による教育格差だ。
大卒の生涯賃金は高卒より6千万~7千万円高いというデータがある。

両親の所得が子どもの学歴に影響するなら格差が固定化しかねない。
経済同友会は3月に出した報告書で「貧困の世代間連鎖が生じる」と警鐘を鳴らした。

 国立教育政策研究所は大学や大学院に国が投じるお金に対し、卒業者は2.4倍の財政的な貢献をもたらすと指摘する。

大学を卒業することで年収が高まることが期待でき、所得税や住民税の増加が見込めるという。

 ただ財務省は大学無償化について「自己投資の性格が強い」と否定的だ。

自民党は在学中の授業料を免除し、就職後の所得に応じて出世払いとする方式も提案している。

 経済同友会の小林喜光代表幹事は「日本人は消費税に抵抗がある。 保険料で取ると気づかないところがある」と漏らす。

教育政策を「社会の支え合い」と位置づけるなら税で負担するのが筋だが、批判を受けやすい増税の議論に真正面から向き合えないところに無償化議論の難しさがある。


●関連日経記事:2017年5月27日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 教育「大学の質向上求める声」=教育政策 データで読む (下)=』(5月26日付)

●関連日経記事:2017年5月27日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 政治「憲法もポピュリズム」=憲法では自滅しないが、消費増税なしでは自壊する日本の現実=』(5月25日付)

●関連日経記事
:2015年2月17日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 教育「教育格差が未来を奪う」=やまぬ機会不平等の連鎖=』(2015年2月15日付)

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日経新聞 開発『「詐欺コイン」と呼ばれる購入トラブル 急増」=奔流・仮想通貨 ④=

2017年05月27日 07時51分32秒 | 開発
日経新聞 2017年5月26日(金) P.7 金融経済面
特集連載『奔流・仮想通貨 ④』=Beyond the Finance/金融を超えて=

『安全な取引、官民模索』=普及の裏でトラブルも=

 「2~3年で2倍になります」「必ず値上がりします」ーー。

ビットコインの価格高騰を受け、インターネット上に仮想通貨を巡るあやうい宣伝文句が躍っている。

 「半年で価格が3倍になる」。
東京都の30代男性は昨年、友人の知り合いから、ある仮想通貨の購入を勧められた。

一定期間内に売れば販売業者が買い取るといわれ、約200万円を振り込んで仮想通貨を買ったが、期間内に売ろうとしても売れず、業者に問い合わせると対応を拒否された。

 技術を理解すれば、誰でも独自の仮想通貨を作れる時代。

最近ではセミナーと称して顧客を集め、その場で価値のない仮想通貨を売る業者も現れている。

こうして代金を支払ったのに受け取れなかったり、換金できなかったりする案件が急増。
「詐欺コイン」と呼ばれる購入トラブルが、全国で相次いでいる。


国民生活センターによると、2016年度の仮想通貨を巡るトラブルの相談件数は634件。

14年度の3倍以上に増えた。

 仮想通貨はいま、世界に700種以上。
時価総額は800億ドルを超える。

半分がビットコインだ。
政府は安全に使うための制度整備を進めるが、急速な普及に追いついていないのが実態だ。

 国内には現在、仮想通貨を専門に扱う取引所が10社前後あるとされる。

政府は4月に改正資金決済法を施行し、仮想通貨を扱う取引所を登録制とするなどの規制を導入した。

資本金などの要件を満たさなければ登録できない。

定期的な財務監査など登録時に約束したルールを守らなければ、業務停止などの行政処分を受けることになる。

 今月に入り、関連財務局などには仮想通貨取引所から申し込みが相次いでいるが、登録が始まるのはこれから。

規制は登録業者に対するルールなので改正法が実効性を持つのは早くても夏ごろだ。


国全体での法規制の導入は世界的にも珍しいため、登録以降も、手探りで起こった問題に対応していくことになる。

 登録の申請に先立って金融庁が業者向けに開いた制度に関する勉強会には、これから取引所を始めようとしている業者も含め20社程度が参加したという。

普及を見据えて参入機運が高まっているのは確かだ。

 仮想通貨を安全に使うためのインフラ整備は道半ばだ。

金融庁は規制に加え、自主規制団体を認定し、利用者からの声を集めたり、自主ルールを作らせるなどして官民で安全網を貼りたい考え。

今は2つの業界団体があり、金融庁の意向を踏まえ一本化する議論を進めているが、折り合いがつかず、認定された団体はまだない状況だ。

 世界最大の仮想通貨取引所だったマウントゴックスの破綻から約3年。

米国や中国に比べ出遅れていた日本でも、仮想通貨の普及に向けた官民の手探りが始まった。

(おわり)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 関口慶太記者、花田幸典記者、亀井勝司記者、吉野次郎記者、北西厚一記者、大島有美子記者、塩崎健太郎が担当しました。


●関連日経記事
:2014年8月31日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「トラぶった時頼りになる相談センター」(2009年10月4日付)』

●関連日経記事:2017年5月26日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 開発「ブロックチェーン、社会に」=奔流・仮想通貨 ③=』(5月25日付)

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日経新聞 教育「大学の質向上求める声」=教育政策 データで読む (下)=

2017年05月27日 07時05分52秒 | 教育
日経新聞 2017年5月26日(金) P.5 経済面
特集連載『教育政策』=データで読む (下)=

『「人への投資」の虚実』=大学の質向上求める声=

 安倍晋三政権は教育無償化を将来を担う「人への投資」と位置づける。

財政状況が厳しい中、無償化にかかる兆円単位の支出は大きい。
費用対効果はどうなのか。


▼日本の教育に対する財政支出は国内総生産(GDP)の3.5%で、経済協力開発機構(OECD)平均の7割

 自民党で大学教育の無償化を求める議員は「日本の教育への財政支出は世界的に低い」と主張する。

日本の教育支出に占める私費の割合は28%に上り、OECD平均の16%を大きく上回る。

大学に限ると私費負担は65%。
「学生と家族に非情に重い経済的負担を強いている」(OECD)

これに対し財務省は、日本の国民所得に占める税負担の割合が25%以下で、OECD平均(35.7%)を大幅に下回ることなどから、一概に負担が重いとは言えないと反論する。


▼日本の大学生の勉強時間は1週間当たり5時間以下が6割。
米国は11時間以上が6割。


 今の日本の大学にタダで行かせることが、将来を担う人材を育てることにつながるのかに疑念をはさむ向きもある。

 2016年の18歳人口は119万人で1992年のほぼ半分に減った。
これに対し、私立大学の定員はこの20年で1.2倍になった。

定員割れの私大は全体の4割強に達している。

行き先を選ばなければ誰でも大学に入れる事実上の「全入時代」。
やる気や能力に関わらず一律に学費をタダにすれば、効果を見込むのは難しい。

10日の財政制度等審議会では「無償化により先に大学教育の質の向上を」という声が上がった。


▼米国の大学の公的な研究費は15.4兆円。
日本は3.5兆円


 英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)の昨年の「世界大学ランキング」で、上位200以内に入ったのは東京大と京都大のみ。

差の大きな要因はこの資金力だ。

大学無償化にかかるとされる数兆円の一部でも最先端の研究開発に投じれば経済効果を期待できそうだ。

 保育・幼児教育の無償化は働き方改革や少子化対策の意味合いもあるため、効果は見込みやすそうだが、どういう形で支給するか。

「こども保険」は児童手当を上乗せする形で給付する方向だが待機児童問題のメドが立たない中、金銭的な援助より保育サービスを求める子育て世帯は多い。

 スウェーデンやフランスなど出生率が1.8を超える先進国では、1990年代以降、現金給付から現物給付へと大きく切り替えたことで、少子化に歯止めがかかった。

 教育予算の拡充は経済成長の原動力となる人材の育成や少子化問題の解決につながる可能性がある。

ただバラマキに終われば効果は望めない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 木原雄士記者、飛田臨太郎記者が担当しました。


●関連日経記事:2017年5月27日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 政治「憲法もポピュリズム」=憲法では自滅しないが、消費増税なしでは自壊する日本の現実=』(5月5日付)

●関連日経記事:2017年5月27日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 教育『「無償化」ひとり歩き』=教育政策 データで読む (上)=』(5月25日付)

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日経新聞 政治「憲法もポピュリズム」=憲法では自滅しないが、消費増税なしでは自壊する日本の現実=

2017年05月27日 03時55分24秒 | 政治
日経新聞 2017年5月25日(木) P.19 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『憲法もポピュリズム』

 施行70周年を迎えた5月3日の憲法記念日、安倍晋三首相が憲法改正を表明した。

2020年施行を目標にするという。

 安倍首相は、長く日本国憲法の争点となってきた9条について1、2項はそのままにした上で、3項を追加、そこに自衛隊を明記する考えを示した。

論理は無きに等しい。
改憲を支持する人たちも、これで満足するのだろうか。

 迷走は9条だけではない。
首相は、維新の会が主張している「高等教育の無償化」を憲法に書き入れる考えも示した。

これは憲法に書くべきことなのか、疑問に思う人が多いだろう。

 教育が大事といえば誰もが同意する。
いうまでもなく、これが今回の首相発言の背景だ。

しかし、憲法に書き入れるか否かは別にして、これは甚だまずい提案だ。
日本の高等教育は、全額無償化する前に大リストラする必要がある。

1980年、大学は499あった。
国立96、公立39、私立364.

現在その数は86、91、600、合計777だ(2016年)。

 少子化の下で若者の数が減り続けることが分かっているのに、これだけ大学を増やしてきたのだ。

定員割れを起こしている私立大学は約半数の257校もある。
こうした問題にメスを入れずに、大学をすべて無償化などあり得ない。

さらに大きな問題は財源である。

高齢化の下で膨らむ社会保障の財源不足から、年々30兆円を超える赤字を出し続けている国に大学無償化の余裕はない。

 文教族といわれる政治家は「教育国債」でやればよいというが、これは看板を替えただけで赤字国債とまったく同じ。

消費税引き上げを先送りする人たちが大学無償化とは実に無責任な話なのである。

 憲法を10年変えなくても日本が自壊することはないが、消費税を10年上げなければ、この国は戦わずして滅びるかもしれない。


5月3日に首相は「少子高齢化、人口減少に真正面から立ち向かう」と言った。
しかし、提案された改憲案の一体どこに真正面から立ち向かう姿勢があるのか。

ポピュリズムに訴え改憲を急ぐアクションだけではないか。

 憲法は国家百年の計である。
日本国憲法99条は、総理大臣による性急な行為を禁止しているのではないか。

(与次郎)


●関連日経記事:2017年5月27日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「米家計の借金 最高に」=学費・車購入・カードローン膨張=』(5月25日付)

●関連日経記事:2014年12月25日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介「マネー収縮に備えを」=米著名投資家 ジム・ロジャーズ氏=』(2014年12月24日付)

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日経新聞 法務・犯罪「止まらぬ排ガス不正」=米司法省、FCAを提訴=

2017年05月27日 02時45分19秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2017年5月25日 P.13 企業総合面
連載コラム『ビジネスTOGAY』=米、FCAを提訴=

『止まらぬ排ガス不正』=経営への打撃必死=

 米司法省は23日(米国時間)、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)がディーゼル車の排ガス値を違法に操作したとして米連邦地裁に提訴した。

FCAは今後、司法当局と協議する構えだが、先にこの問題で追及された独フォルクスワーゲン(VW)と同様、和解金など巨額の支払いを求められる可能性もある。


 今回、FCAの訴訟(そしょう)の対象となるのは米国で2014~16年モデルの大型車「ジープ グランドチェロキー」など計約10万4000台。

米環境保護局(EPA)は1月、FCAが一部のディーゼル車が違法なソフトウエアを使い法定基準を超える排ガスを出していた恐れがあると発表していた。

 EPAは罰金額を最大46億ドル(約5140億円)と想定しているが、FCAは「意図した不正ではない。 司法省の提訴に失望している」とのコメントを発表。

EPAから指摘された排ガス不正の疑いを否定している。

 15年に不正が発覚したVWも違法ソフトウエアを使って排ガス量を実態より少なくして試験を通していた。

米司法省など当局との間で罰金総額43億ドルを支払うことで合意。
カナダでも合意した民事制裁金なども含めるとVWが支払うのは220億ドル超に及ぶ。

 FCAの16年12月期の売上高は横ばいの1110億1800万ユーロ。

純利益は北米でのリコール(回収・無償修理)などの一時的な費用が減り、前の期比19.5倍の18億1400万ユーロと急回復した。

ただ、同社の営業利益のうち、北米が8割を占め、北米頼みの構図が長らく続いている。

 その北米市場では新車販売に陰りが出てきている。

景気に左右されやすい大型車に偏ったFCAにとって、稼ぎ頭である米国で当局に提訴されたことは今後の新車の売り上げなどに影響するのは避けられそうもない。

 FCAは今後、司法当局などと和解を含め協議を進めるが、VWは同様の問題で米国だけで50万台を超える車が不正対象となった。

今回の対象車はその5分の1程度だが、VWと同じように不正車の買い戻しやユーザーへの補償、制裁金などを支払った場合、前期の利益が吹き飛ぶ計算になる。

 ディーゼル車の排ガス不正を巡っては、独ダイムラーも23日、本社を含め11拠点に検察官などが家宅捜査に入ったと発表した。

仏ルノーも地元の検察当局の捜査を受けており、世界的に問題が広がっている。

▼ディーゼル車の排ガス不正は欧米で広がっている

【2015年9月】
・独VWが違法ソフトを使い排ガス量を実際より少なく見せていたことが発覚

【16年5月】
・韓国環境省が日産自動車のディーゼル車で排ガス浄化装置が作動しなくなる排ガス不正があると指摘

【17年1月】
・米環境保護局がFCAのディーゼル車が法定基準を超える排ガスを出していた恐れがあると発表

・フランスの検察当局が仏ルノーがディーゼル車の排ガスに含まれる汚染物質の量を不正に操作していたとして捜査

【3月】
・独検察当局が独アウディの本社などを排ガス不正に絡む詐欺容疑で捜査

【5月】
・独ダイムラーがディーゼル車の排ガス不正の疑いで、複数の拠点が検察当局の家宅捜索を受けていると発表

・米司法省がFCAがディーゼル車の排ガスの値を違法に操作したとして米連邦地裁に提訴 


『EVシフト鮮明に』=トヨタやVW、対応急ぐ=
 ディーゼル車の排ガス不正問題を契機に、世界各地でEVなど電動車への転換を求める声が高まっている。

中国と米国の二大市場ではEVを「排ガスゼロ車」として優遇する施策を相次いで打ち出している。

ハイブリッド車(HV)などエコカー戦略で先行してきた日本勢だが、手薄なEVへのシフトを急ぐ必要に迫られている。

 欧州連合(EU)域内でも21年に新車の1キロメートル走行あたりの二酸化炭素(CO₂)排出量の平均を95グラム以下にする必要があり、未達成の場合は超過した排出量に応じて罰金が科せられる。

 このため、VW(フォルクスワーゲン)はEVへのシフトを表明、25年に世界販売台数の20~25%をEVにする目標を掲げた。

VWはこのほど、中国政府との親密な関係を生かして、2社までと定められている提携先を1つ増やし、現地でEVを共同生産する認可を受けた。

独ダイムラーや中国勢もEVシフトを急いでいる。

 トヨタはHVで先行しているが、18年に米カリフォルニア州で強化される「排ガスゼロ車(ZEV)規制」ではトヨタが得意とするHVはZEVと認められず、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)などを一定数販売する必要がある。

ディーゼル車を中心に据えるマツダも北米にEVを投入する計画で、戦略の見直しを迫られている。

 トヨタのHVへの対抗として欧州勢はディーゼル車をケエコカーの主力に据えた。

しかし、そのディーゼル車が排ガス不正でつまずくなか、VWなどはまだ優勝劣敗が決まっていないEVに照準を合わせ、新たな戦いを挑んできている。

「敵失」で喜んでいる余裕は今の日本勢にはない。

(花井悠希記者、シリコンバレー=兼松雄一朗記者)


●関連日経記事
:2017年5月25日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「VW、中国で提携3社目」=政府と蜜月、EVも=』(5月24日付)

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日経新聞 国際「米家計の借金 最高に」=学費・車購入・カードローン膨張=

2017年05月27日 02時06分51秒 | 国際
日経新聞 2017年5月25日(木) P.9 国際2面 
『米家計の借金 最高』=学費・車購入・カードローン膨張=

『焦げ付き 景気に悪影響』

 米国の家計の借金が12兆7300億ドル(約1410兆円)に達し、(08年の=)金融危機時の最高水準を更新した。

「主役」は危機時に問題となった住宅ローンではなく、学生ローン、自動車ローン、クレジットカードローンの3つ。

負担の重さから足元でそれぞれ延滞率が上昇しており、好調な米経済を失速させるリスクをはらむ。


 ニューヨーク連銀によると、2017年3月末の家計の債務残高は12兆7250億ドルで、金融危機時の08年9月末に記録した過去最高水準(12兆6750億ドル)を500億ドル上回った。

学生ローン残高は3月末時点で1.34兆ドルに達し、08年から2倍に膨らんだ。

「9万ドル抱え卒業」
 カリフォルニア州のブライアン・ジャルディネリ(30)は9万ドル超の学生ローンを抱え、10年に大学を卒業した。

家族の助けで返済を終えたが、「金利を払うだけで精いっぱい。 返済が進んでいない友人も多い」と語る。

09年から11年に卒業した人の約3割がデフォルトした経験があるというデータもある。

 米国では大学や大学院の学費を学生自らローンを組んで支払うのが一般的だ。

生活費などを含め年4万~5万ドルの費用が必要で、学費の上昇もあって債務が膨らむ学生が増えている。

学生ローンの原資は大半が公的資金で、焦げ付きが増えれば財政悪化につながる。

 足元では自動車ローンの増加も目立つ。
3月末の残高は1.17兆ドル。

債務全体に占める比率は3月末に9.2%と、08年の6.4%から上昇した。
信用度の低い顧客への貸し出し(=サブプライムローン)が徐々に増えている。

調査会社エクスペリアンによると、30日以上の延滞率は16年末に2.85%となり、1年前から0.23ポイント上昇した。

 イリノイ州シカゴに住むパートタイマーのクィアナ・ブラッドリーさん(39)も自動車ローンの返済に苦しむ一人だ。

2年前に1万ドルの中古車を買い、5年間、月315ドルを返し続けるローンを組んだ。
単純計算で金利は20%後半に達する。


ローン返済中に車が故障したため買い替えに迫られ、二重の自動車ローンを背負う羽目になった。

 米連邦準備理事会(FRB)は今年、3月に続きさらに2回の利上げを想定し、年内にも保有資産の縮小に踏み切り金融引き締めを強化する可能性がある。

借金を膨らませてきた家計にとって強い逆風だ。

 さらなる延滞率の上昇や焦げ付きの増加を招けば、世界経済をけん引する米景気に冷や水となる恐れがある。


(ワシントン=平野麻理子記者、シカゴ=野毛洋子記者)


●関連日経記事:2015年3月30日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 教育「米国の大学の学費高騰」(2011年10月30日付)』

●関連日経記事:2017年1月15日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経済「金: ドル高修正で上昇基調」=2017年市況展望 ⑥=』(1月14日付)

●関連日経記事:2017年5月23日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 社会「銀行カードローン高水準、残高6.2兆円」=過剰融資批判も=』(5月19日付)

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日経新聞 国際「中国出身でロサンゼルス在住の女を技術流出で逮捕」=米司法省=

2017年05月26日 12時15分45秒 | 国際
日経新聞 2017年5月25日(木) P.8 国際1面
『中国出身の女を技術流出で逮捕』=米司法省=

 米司法省は23日、中国に軍事用の通信妨害機や宇宙空間での交信機器を不正輸出しようとしたとして、米西部ロサンゼルスに住む中国出身の女(32)を逮捕したと発表した。

ロイター通信が伝えた。

女は10万ドル(約1100万円)以上に相当する通信妨害器などを500ドル相当と偽って申請書類を税関当局に提出したほか、マネーロンダリング(資金洗浄)を行ったり偽造パスポート使用したりしたとされている。

(ワシントン=共同)

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