日経新聞 経営「リベラルアーツと経営」=クラシック(古典)の語源はクラシクス=

2016年11月30日 06時46分37秒 | 経営
日経新聞 2016年11月29日(火) P.17 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『リベラルアーツと経営』

 国を支え、健全な市民社会の持続的成長に大いに貢献すべき経営者に求められる資質とは何か。

国内外で昨今相次ぐ企業不祥事を見るにつけ、経営者の良識と倫理観の欠如を嘆かざるを得ない。

 揚げ句の果てに本来節度ある自由、自主独立、自己責任を基本として企業活動に持続的成長、さらなる価値創造を名目にコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)など法的拘束力のない規範の網がかけられ、企業ガバナンスを半ば強制される羽目に陥った。

 自業自得と言えばそれまでだが、何かが経営者に過大な精神的圧力をかけているのかもしれない。

アングロサクソン発の株式資本主義と金融資本主義は企業経営者の心理に恐怖に近いインパクトを与え、短期的利益の追求に追い込んでいる。

結果として順法精神から程遠い不祥事に手を染めることになる。

 厳しい競争社会にさらされる経営者には心から同情するが、視点を変えて置かれた立場を中立的に考察し、長期的な観点から行く末を静観できれば、本来とるべき経営者としての行動原理が見えてくるかもしれない。

バランスよく長期的に社会の動きを見通し、企業運営を実行していく能力を高める訓練が必要である。

そのひとつが古典から学ぶことだ。
 

 最近、大学教育でもリベラルアーツ(教養教育)の復活と強化が盛んに議論されている。

人類の遺産ともいえる古典を通じて偉大な先人の知恵を借り、現代の諸事象を過去の相似形に重ねることで貴重な示唆を得ることができるからだ。


もちろん古典のテーゼに対し自問自答し、自分なりの論理を形成しなければ示唆やひらめきは得られない。

 中世哲学を極めた故今道友信・東大名誉教授の一文は古典の効用をこう説く。
クラシックという言葉は最初から古典的という意味があったわけではないと指摘。

もとは艦隊を意味するクラシスの派生語で、国家の危機に艦隊を寄付できる富裕な人々を指す形容詞だという。

 「人間は私生活においても公的生活においても危機に直面することがあるが、こうした危機に際して精神の力を与える書物や作品のことをクラシクス(クラシック)と呼ぶようになった」。

意味深い言葉である。

(松花)

◆ことばのメモ:
 『テーゼ』
~【(ドイツ)These】①定立(ていりつ)  ②政治運動などで、運動の基本的な方向・形態などを定めた方針ないし方針書。 綱領(こうりょう) ⇒類語:アンチテーゼ


●関連日経記事:2014年6月17日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 池上彰の教養講座「大学で学ぶ教養」=多様な知識 じわり効く=』(2014年6月16日付)

●関連日経記事:2015年11月16日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 自己啓発『「リベラル・アーツ」が今を生きる手がかりに』=損保ジャパン日本興亜HD 桜田社長=』(2015年11月15日付)

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日経新聞 国際「現物取引が多いロンドン金属取引所(LME)」=来年、景気回復で取引増も=

2016年11月30日 06時20分03秒 | 国際
日経新聞 2016年11月29日(火) P.19 マーケット商品面
『貴金属上場で市場振興』=LME ジョーンズCEOに聞く=

『来年、景気回復で取引増も』

 1877年設立と140年近い歴史を誇るロンドン金属取引所(LME)の先物相場は非鉄金属の国際価格指標として世界の注目を集める。

最近の銅や亜鉛相場の急騰でLMEは改めて存在感を示している。

来日したLMEのギャリー・ジョーンズ最高経営責任者(CEO)に28日、東京都内で市場振興策や2017年の売買高の見通しを聞いた。


 --中国の上海先物取引所やニューヨーク商品取引所(COMEX)も上場する非鉄市場は取引所間の競争が激しくなっています。

 「上海取引所やシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループのCOMEXとLMEは取引参加者の構成が異なる。

LMEの強みは現物取引を行う市場参加者が全体の5割を占めていることだ。
上海市場は中国の投資家が中心。

米国市場は金融機関の取引が多く、それぞれの強みで世界市場を補完し合っている。


例えば上海先物取引所で売買高が増えれば、資金はLMEに流れる。
世界で620カ所以上の指定倉庫を持つLMEの非鉄現物取引での優位性は今後も続く。

LME建玉(未決済残高)の8割がエンドユーザーの長期保有なのが現物取引への影響力を示している」

 --17年のLME売買高見通しはどうですか。

 「銅の場合、16年は15年に比べ7~8%取引額が減る見通しだ。

17年は世界景気の回復基調やフランスやドイツなど欧州での選挙を控えて商品相場の価格変動(ボラティリティー)は大きくなる可能性がある。

価格変動の大きな振れは取引額の増加につながる。
17年は16年に比べ売買高の増加を予想している」

 --市場振興策を教えてください。

 「LMEは上場商品の充実を図っている。
既に鉄スクラップや鉄筋(棒鋼)など鉄鋼関連の商品を上場した。

17年上半期には金や銀など貴金属も上場する予定だ」

(聞き手は松沢巌記者)


●関連日経記事:2016年3月29日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「繰り返す熱狂と悲観」=長期の視点で資源投資を=』(3月27日付)

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日経新聞 安心・安全「養鶏場から鳥インフル」=新潟で5羽 簡易検査で確認=

2016年11月30日 06時05分15秒 | 安心・安全
日経新聞 2016年11月29日(火) P.43  社会面
『養鶏場から鳥インフル』

『新潟で5羽』=簡易検査で確認=

 新潟県は28日、同県関川村の養鶏場で鳥インフルエンザウイルスが確認されたと発表した。

農林水産省によると、国内で家禽(かきん)から陽性反応が出たのは今冬初めて。

養鶏場では約31万羽の鶏を飼っており、遺伝子などを調べる検査で高病原性鳥インフルエンザの陽性と確認されればすべて処分する方針。

 新潟県から半径10キロ圏内にある農場などに卵や鳥の搬出を自粛するよう要請した。

 青森県も28日、青森市の家禽農場でフランスカモと呼ばれる食用アヒル10羽の簡易検査で、9羽から鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表。

高病原性かどうか確認を急いでいる。
農場は約1万6500羽を飼育している。


●関連日経記事:2016年11月23日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 安心・安全「鳥インフル警戒 最高に」=環境省: 3県で「高病原性」検出=』(11月22日付)

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日経新聞 国際「トランプ・イン・ザ・UK」=欧州に政治リスクの芽=

2016年11月29日 09時11分27秒 | 国際
日経新聞 2016年11月28日(月) P.6 予定面
連載コラム『羅針盤』

『トランプ・イン・ザ・UK』

 米国のトランプ次期大統領が来年6~7月に英国への公式訪問を計画しているそうだ。

女王陛下との面会も検討されているという。
考え方や言動が批判されているトランプ氏にとっては、絶好の箔づけになる。

英国は欧州連合(EU)離脱後の存在感を保つうえで米英の「特別な関係」が後ろ盾になると判断しているのかもしれない。

 トランプ氏は6月23日の英国民投票に合わせるかのような時期にも訪英している。

EU離脱が決まった直後、スコットランドのゴルフ場で記者団に対して「英国は主権を取り戻した」と述べ、離脱派を持ち上げて見せた。

その様子に欧州各地で勢力を伸ばしつつあるEU懐疑派と呼ばれる政党も喝采(かっさい)した。

 「アナーキー」ならぬ「トランプ・イン・ザ・UK」。
その影響力が、欧州各国に広がるかどうかを試す政治イベントが近づいている。

12月4日のイタリアの国民投票だ。

問われるのは憲法改正案だが、否決された場合はレンツィ首相が辞任する意向とされ、政権への信任投票の様相を帯びる。

イタリアは英国と異なり、共通通貨ユーロを使っている。

仮に首相辞任、EU懐疑派の伸長という事態にでもなれば、ユーロの信認も大きく揺らぎかねない。
 
 「政治リスクは欧州に戻ってくる」。
米モルガン・スタンレーは最近、こんな表題のメモで、顧客に注意を呼びかけた。

2017年はフランス大統領選やドイツ総選挙など、欧州各国で重要な政治日程が相次ぐ。

反グローバル化や移民排斥、エリート層への反発、そして「何とか現状を変えたい」という鬱屈(うっくつ)した気分は各地に広がる。

いずれも「英EU離脱」と「トランプ氏勝利」という、金融市場にとって想定外の出来事に共通している背景だ。

 日本は国際的にみて相対的に政治が安定している。

米大統領選後に円安・株高が進んだこともあり、日本の投資家の間で政治リスクへの警戒が弱まっているように見えるのが非常に気になる。

(編集委員 小平龍四郎)

◆ことばのメモ:
 『アナーキー(anarchy)』
~①政府が機能しないで、社会秩序が混乱している状態。 無政府状態  ②社会の秩序や権威から自由なさま


●関連日経記事:2016年11月29日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「トランプ・ラリーか安倍相場か」=ゲーム・チェンジか・・・=』(11月28日付)

●関連日経記事:2014年10月9日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「経済のグローバル化が引き起こす所得格差拡大」(2011年2月15日付)』

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日経新聞 開発「20年弱で業界2位に」=元アメフト選手設立 米アンダーアーマー=

2016年11月29日 08時44分22秒 | 開発
日経新聞 2016年11月28日(月) P.11 新興・中小企業面
『20年弱で業界2位に』=元アメフト選手設立 米アンダーアーマー=

 スポーツ関連で成功したスタートアップ企業の代表例は米アンダーアーマーだ。
米メリーランド大学のアメフト選手だったケビン・プランク氏が1996年に設立。

設立して20年にも満たない2014年には売上高が3600億円に達した。
米スポーツ衣料でアディダスを抜き去り、ナイキに次ぐ2位に躍り出た。

 設立当時のスポーツ用アンダーシャツは綿素材がほとんどだった。
乾きにくい素材のため汗を吸収して重くなる。

プランク氏はそこに目をつけて速乾性のある高機能シャツ「コンプレッションウエア」を開発した。

 生地が薄くて皮膚のように体に密着する。

体の動きを妨げずにアスリートが100%のパフォーマンスを発揮できるとして売上高を伸ばした。

 アンダーシャツはニッチな分野だが、全種類のスポーツで使える。

アンダーアーマーの売上高に占めるスポーツ衣料の割合は約70%とナイキ(約30%)よりも圧倒的に高い。

設立当初の武器だった商品力を維持していることが成功のカギだ。


●関連日経記事:2015年8月29日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「スポーツ用品、アンダーアーマー旋風」=米で人気支える「3人衆」=』(2015年8月25日付)

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日経新聞 経済「トランプ・ラリーか安倍相場か」=ゲーム・チェンジか・・・=

2016年11月29日 07時15分08秒 | 経済
日経新聞 2016年11月28日(月) P.17 景気指標面
連載コラム『景気指標』

『トランプ・ラリーか安倍相場か』

 米大統領選でトランプ氏が勝利し、「まさか」の円安・株高が進んでいる。

大納会の日経平均株価終値も気になってきた。

 日経平均は1万9033円71銭で2015年の取引を終えている。
16年にこの水準を上回って引けると、年間ベースで5年連続の上昇。

03年~06年の4年連続を超え、バブル崩壊後としては最も長い株高の期間となる。

 昨年までなら、市場関係者は「安倍相場」の息の長さを素直に歓迎もしただろう。

しかしながら現在は、米次期大統領のかなり危なっかしい経済政策に乗っかかった「トランプ・ラリー」の様相が強い。

強気相場の先行きを慎重に見る向きは多い。

 慎重論の第一の理由は、トランプ次期大統領が保護主義に走る懸念が強いことだ。

環太平洋経済連携協定(TPP)について同氏は、撤退の意向を早々にビデオメッセージで明言した。

 JPモルガン・チェース銀行は来年の円相場の見通しに関するリポートで「焦点は日銀から欧米政治にシフトする」と指摘。

過去の日米貿易摩擦の時の市場分析などに基づき「今後、いずれかの時点で通商問題に焦点が当たり始めれば、ドルは対円で日米金利差の拡大とは無関係に下落を始める」と予想した。

第二の理由は、日米金利差を考慮しても円安・ドル高が進み過ぎているとの見方だ。

 USBは日米の国債利回りの格差が2.15%に広がり、1ドル=107円近くまで円安・ドル高が進んだ11月半ば、円安水準は「利回り格差では説明しきれない」との見解を示した。

同社の過去20年の分析によると、利回り格差が2.2~2.2%の時、為替相場は1ドル=100~103円近辺に収まる傾向がある。

 円安・ドル高の持続だけを頼りに企業業績の上方修正と株高を当てこむとすれば、そこには少なからぬ危うさが伴う。

「安倍相場」として始まった株高の局面は、「トランプ」という巨大な政治リスクと向き合いながら、年の瀬を迎えることになる。

(編集委員 小平龍四郎)


●関連日経記事
:2016年11月29日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「トランプ・イン・ザ・UK」=欧州に政治リスクの芽=』(11月28日付)

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日経産業新聞 インターネット「非公式投稿 逆手に稼ぐ」=世界的に人気のピコ太郎=

2016年11月29日 06時37分25秒 | インターネット
日経新聞 2016年11月28日(月) P.27 特集面
連載『日経専門紙セレクション』=日経産業新聞 11月9日付=

『非公式投稿 逆手(さかて)に稼ぐ』

 「PPAP」の世界的なフィーバーが止まらない。

この1分8秒の動画が投稿サイト「ユーチューブ」で公開されたのは8月25日。
わずか2カ月強で再生回数は8000万回を突破した。

 ピコ太郎さんはエイベックス・グループ・ホールディングス傘下のレーベルに所属するタレントだ。

動画には広告が表示されるため、そのフィーがエイベックス経由でピコ太郎さんの懐に入る。

 ユーチューブは広告単位を明らかにしていないが、オークション形式のため、再生回数が多く見込める動画の方が単価は高くなる。

再生1回につき0.025~1円になっているもよう。

これを基準にPPAPの現時点までのフィーを計算すると推定200万~8000万円となるが、実際はその数倍になっている可能性が高い。


 理由は非公式投稿の広告からも収入が入るためだ。

 著作権者が著作物のデータをユーチューブのシステムに登録すると、ユーチューブ側は、動画であれば1コマごとに指紋のようなものを自動作成する。

ユーチューブに投稿された動画もすべて指紋を取って、システムに登録されたデータと照合する。

一致した場合は、投降した人が誰であろうとも、正当な権利者の著作物とみなす。

 非公式投稿の再生の前に流れる広告の収入はオリジナルの著作権者に入るため、非公式投稿は禁じるより推奨すべきもの。

ピコ太郎さんのPPAPもそう。
関連動画は7万件以上あり、再生回数は公式の6倍以上の5億回。

これらの広告フィーも、エイベックスとピコ太郎さんの収入となっている。

◆専門記者の目:
 『著作権「守る」から「稼ぐ」へ』


 インターネット上の動画といえば、無法地帯という時代もありました。

動画を自動で見分けて「所有者」を判別する技術の誕生によって著作権ビジネスも可能になっています。

スマートフォンと高速通信の普及でネット動画の視聴が定着するなかで今後新たな市場の創出にもつながりそうです。

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日経新聞 インターネット「いざ熊本城、震災修復支援」=全国に「復興城主」の輪=

2016年11月29日 05時55分45秒 | インターネット
日経新聞 2016年11月28日(月) P.33 地域総合面
連載『列島追跡』

『いざ熊本城、震災修復支援』=全国に「復興城主」の輪=

 熊本地震で損傷した熊本城(熊本市)の修復を応援する動きが広がっている。

熊本市が国の補助を受けて再建を急ぐ一方、市民の寄付が勢いを増している。
熊本の象徴に寄せる人々の思いの強さを物語っている。

 熊本城の展示・物販施設では、寄付をしようとする人たちの順番待ちが途切れない。

1口1万円以上を寄付した人に城主証と手形を発行し、デジタル化した芳名板(ほうめいばん)に名前を載せる「復興城主」の受付だ。

平日で20分、休日には30分以上待つほどの混みよう。
人気飲食店の行列かと見まがう光景だ。

 「日本有数の城で熊本の守り神。 絶対に元の形に戻してほしい」。
孫の分と合わせて7口を寄付した熊本市の中山重臣さん(74)はこう話す。

受付業務に当たっている職員によると、寄付をするのは60歳以上が目立ち、孫の名前を登録する例も多い。

10万円以上寄付する人もちらほらいて、100万円を持参した人もいたという。
台湾や韓国からの観光客の寄付もある。

 熊本市の熊本城総合事務所がこの取り組みを11月1日に始め、市民からの寄付に弾みがついた。

「復興城主」になった人は2週間で1万人を超え、その数は24日現在で約1万8千人。
寄付は1カ月弱で2億5千万円を超えた。

熊本市は、振込用紙の郵送を電話で受け付けていたが、反響の大きさに応えるため、市内の郵便局のほか、熊本県内に本店がある金融機関の168店で振り込めるようにした。

 全国の城郭でも、熊本城の修復を応援する動きが出ている。

小田原城(神奈川県小田原市)は5月から「熊本城災害復旧支援金」と掲げた募金箱を設置。

首里城(那覇市)でも募金箱を4カ所に配置した。

全国の49城が加盟する全国城郭管理者協議会が7月に開いた総会では「熊本城を応援しないのか」という声が上がった。

 日本赤十字社や共同募金会の分も合わせ、熊本県には15日までに472億円、熊本市には15億円の義援金が寄せられたが、これとは別に熊本城修復のために集まった寄付の総額は約16億円になる。

 熊本城の城郭は98平方メートルと皇居(115平方メートル)に匹敵する広さ。
重要文化財13点を含む33の歴史的建造物があり、すべてが損壊した。

石垣は表面積が7万9000平方メートルあり3割で積み直しが必要となった。

「奇跡の一本石垣」で崩落を免れた「飯田丸五階櫓(やぐら)」は応急工事で支えたものの、全体の修復は緒(ちょ)に就いたばかりだ。

 天守閣の大天守は3年以内の復旧を目指し、全体は20年で修復する。
修復費用の総額は9月時点で634億円と概算している。

しかし、この金額が実際にどの程度変動するかは分からないのが実情だ。

 重要文化財の建造物や史跡の石垣は補修費の多くを文化庁が負担。

天守閣の工事などは国土交通省が助成するが、城を管理する熊本市が残りを賄いきれるかどうかは不明だ。

展示物など国の助成の対象にならないものも多い。
市民からの寄付は、これからその重みを増していく。

(熊本支局長 佐藤敦)

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日経新聞 開発『「地上の星」目指す暗い街』=「平成の1村1ピン」の発掘とアピールの必要性=

2016年11月29日 05時08分23秒 | 開発
日経新聞 2016年11月28日(月) P.33 地域総合面
連載コラム『時流地流』

『「地上の星」目指す暗い街』

 国内各地に「日本一暗い街」になりたいという風変わりな地域が増えている。

「暗い」というのは少子高齢化の限界集落で明日への希望もないといった「暗さ」ではない。
満天の星空に天の川がくっきり見えるような暗さのことだ。

▼インターネットで「光害マップ」と打ち込み検索してみると、日本列島の夜は照明で明るく輝いている。

暗いのは離島や山間部だ。

ちょっと前の記事では日本の人口の70%が天の川の見えない場所に住んでいると指摘していた。

私も本当にきれいな天の川を見たのは伊豆大島と豪メルボルン郊外ぐらいの気がする。

▼動物写真家の小原玲さんはホタルの撮影で国内をくまなく歩いているが「ホタルと水田などの人の営みを一緒に撮りたいが、必ず街灯があって」と顔を曇らせる。

小原さんがホタル撮影の適地とあげるのが大分県から宮崎県にかけての四方を山に囲まれた集落だ。

▼大分県豊後(ぶんご)大野市緒方町に約20年前に埼玉県から移住し、山の中にパン屋「キッチンウスダ」を開いた臼田朗さんは「天の川が見える場所で子供を育てたいと移り住んだが、自治体が暗いところでは困るだろうと厚意で街灯を設置しようとして困った」と笑いながら語る。

家の周りは遠慮してもらったといい、希望通りの環境で暮らしてきた。

▼長野県阿智村は10年前に「星が最も輝いて見える場所」として脚光を浴び、今では「スタービレッジ阿智」として観光客を集めている。

星空だから宿泊を前提にした観光振興だ。

大分でもくじゅう連山や国東(くにさき)半島などの星空は見事だが、あまり知られていない。

▼「ピンからキリまで」という言葉がある。
人口減少が著しい山間部などの集落にも、星空のような極上の「ピン」なものがある。

8月に亡くなった平松守彦前大分県知事は「一村一品運動」を展開し、各市町村が特産品を育て地域振興のバネにした。

地方創生という「平成の一村一ピン」は地域にある最上のものをどれだけアピールできるかにかかっている。

(藤村利幸記者)


●関連日経記事:2014年1月9日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「外国人が変えたリゾート」=北海道ニセコ地域=』(2013年12月28日付)

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日経新聞 健康『「厚労省指針」 妊婦のうつ 対応求める』=出産の基幹病院に=

2016年11月29日 04時28分40秒 | 健康
日経新聞 2016年11月28日(月) P.38 社会面
『妊婦のうつ 対応求める』

『出産の基幹病院に』=厚労省指針=

 厚生労働省は出産時のリスクが高い妊婦などを受け入れる「総合周産期母子医療センター」で、精神疾患を抱えた妊婦への対応を強化する。

妊娠中にうつ病などを患うと、おなかの赤ちゃんの発育が遅れるなどの危険性が指摘されている。

同省は今年度中に精神科医の配置を同センターの要件に加え、心のケアの充実を求める。


 総合周産期母子医療センターは切迫早産や超低出生体重児への対応や、脳血管障害や心疾患を持つ妊婦の治療にあたる周産期医療の基幹病院。

今年4月時点で105施設あるが、うつ病やパニック障害など精神疾患への対応は厚労省の指針に記載されていない。

 同省は帝王切開などを手がける「地域周産期母子医療センター」を含む計390施設について、重い病気などについて24時間受け入れ可能かどうか昨年4月の状況を調査した。

その結果、▽精神疾患がある妊産婦に対応できるのは137施設(35.1%)にとどまった。

 他の病気などは▽脳血管障害260施設(66.7%) ▽急性心疾患270施設(69.2%) ▽妊娠中の事故などによる外傷284施設(72.8%)ーー。

調査からは心のケアが必要な患者への対応が遅れていることが浮き彫りになった。

 このため今年度中に策定する新たな指針には、総合周産期母子医療センターの要件として妊産婦の精神疾患への対応を明記する。

センター側は緊急時に診療できるよう、精神科の経験がある複数の医師を配置することが必要になる。

 センターを指定する都道府県に要件の追加を通知し、体制が整っていない医療機関には2018年度からの受け入れを求めていく方針だ。

 厚労省によると、妊婦のうつ病によって胎児の発育不全の危険性が高まるほか、パニック障害や不安障害など神経症性障害では早産や流産のリスクが大きくなるという。

 妊婦や産後の女性の自殺も問題となっている。

東京都監察医務院と順天堂大の調査で、05~14年に東京23区で63人の妊産婦が自殺していたことが判明。

多くはうつ病などの精神疾患を抱えていたことから、周産期と精神科の医療連携
が必要とされている。


●関連日経記事:2013年7月22日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 健康「うつ病を考える」=職場や生活習慣との関係=』(2013年7月21日付)

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