日経新聞 自己啓発「自分本位の判断が妨げに」=「経営書を読む」 ③倫理的な行動=

2016年08月31日 21時04分18秒 | 自己啓発
日経新聞 2016年8月30日(火) P.29 キャリアアップ面
連載『経営書を読む』=マックス・ベイザーマンら著「倫理の死角」=

『③倫理的な行動』=自分本位の判断が妨げに=

 本書の立場に立てば、人は悪意を持つから倫理に反する行動を取るのではありません。

問題をすり替えるのです。

 1986年1月、米ケネディ宇宙センターから打ち上げられたスペースシャトル「チャレンジャー号」は爆発事故を起こし、7人の宇宙飛行士が命を失いました。

 その前日、爆発の原因となったOリング(=シーリング・ガスケット材の一種)の製造会社の技術者たちは、米航空宇宙局(NASA)のマネジャーらに超低温下での打ち上げを見送るべきだと主張したといいます。

 しかし、NASAの面々は「安全でないことを立証できない限り、打ち上げは実行する」という本末転倒な決断を下します。

彼らは宇宙飛行士を死なせようとしたわけではありません。
スケジュールの遅れが自分たちの責任になることを恐れただけです。

彼らだけを責めるつもりはありません。
人間は誰しも時間に追われると本末転倒な判断をしてしまうのです。

未来の世代のために地球環境を守ろうとか、財政赤字を減らそうという議論は、一般論としては誰もが賛成します。

ところが、いざそのために税金を引き上げよう、行政サービスを削減しようという話になると、途端に多くの人が反対に回ります。

「まだしばらく大丈夫」というわけです。

 その結果、地球は温暖化を続け、財政赤字は拡大の一途をたどっています。
我々は、いま投票権を持たない未来の世代に対して倫理的といえるのでしょうか。

 それでいながら、自分が倫理的に行動しているかどうかを問われると、93%の人がイエスと回答するといいます・

つまり、自分が倫理的であると認識していても、その行動が子や孫の世代から見て倫理的である保証はどこにもないのです。

 それでは、性善説や倫理教育が通用しない「倫理の死角」を克服するにはどうすればいいのでしょうか。

次回はそこに迫ることにしましょう。

(コーン・フェリー・ヘイグループ 高野研一)

(全文を電子版に▼ライフ→出世ナビ)


日経新聞 2016年8月31日(水) P.17 マーケット商品面
連載コラム『大機小機』

『憲法改正とドメイン投票法』

 近い将来の改憲が現実的に思える状況になってきた。

 9条の問題ばかりに目が向かいがちだが、憲法は「政治機構」のかたちを決めるという地味だが重大な役割がある。

 現在、経済や財政を巡る政策判断が、ほぼ短期的な視野で決められるようになっている理由も統治機構のあり方の問題といえる。

 例えば消費税増税の議論だ。

長期の視野に立ち、将来世代の利益を考えて財政を安定化させるには、消費税率を今上げたほうがいい。

しかし今増税すると、我々は増税の痛みを即座に実感する。
結局、短期的な痛みを避けるため、増税は2度にわたって延期された。

 有権者が短期的な損失だけで政治を判断するような選挙制度が、こうした問題を引き起こしている一因といえる。

選挙制度を変えることで、将来世代の利益にかなった政治を実現できないだろうか。

 実は経済学者たちは、そのような選挙制度を昔から提案してきた。

例えば人口学者であるピーター・ドメイン氏が提唱した「トメイン投票法」というアイデアだ。

日本では、九州大学の青木玲子副学長などが主張している。

 これは未成年の子どもにも投票権を与え、その親が子の投票権を代理行使する制度だ。

投票に子どもたちの利益が反映され、ドメイン投票法を導入すれば将来世代の利益にかなった長期的な政策決定がされやすくなると言われる。

 ドメイン投票法が本当に将来世代のための政治決定を実現するかについては、否定的な意見がある。

また「一人一票」という民主主義の基本原理に反するとして、法学者や政治学者らにはすこぶる評判が悪い。

「ドメイン投票法は検討に値しない制度だ」との見方もある。

 しかし、あらゆる政策分野で将来世代へのツケの先送りが問題になっている現在、真剣に考察する意義はあるだろう。

 長期的に持続性のある国家を将来の子孫に引き継ぐことは、民主主義よりもっと根本的な「政治」の使命である。

将来世代の利益をめぐって、民主主義以前の政治の使命と、一人一票という民主主義の原理がぶつかり合っているのだ。

 この2つをどうやって折り合わせるか。

それは改憲論議の重要テーマになるはずである。

(風都)


●関連日経記事:2016年8月28日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 政治「村変えた 住民の知恵と汗」=過疎と闘った下條村・伊藤前村長=』(8月27日付)

●関連日経記事:2016年8月23日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経済『「国の借金」膨張 1053兆円』=6月末、国債残高は最高=』(8月11日付)

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日経新聞 法務・犯罪「仏潜水艦機密漏えいが波紋」=豪「採用中止を」=インドも調査=

2016年08月31日 20時25分55秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2016年8月30日(火) P.7 国際面
『仏潜水艦機密漏洩が波紋』=豪「採用中止を」=インドも調査=

 フランス政府系造船会社のDCNSから潜水艦の機密情報が漏洩(ろうえい)し、同社潜水艦の採用を決めたばかりのオーストラリア国内では計画の中止を求める声が出始めた。

技術供与を受けているインドなどにも波紋が広がる。
同社は事態の収拾を急ぐため、容疑者不詳のまま背任の容疑で検察に告訴した。

仏検察は予備的な捜査に入る見通しだ。

 豪州紙オーストラリアンが先週、情報流出の事実を報じた。

漏れたのは同社製のスコルペヌ型潜水艦に関する内部文書で、ステルス性能や通信システム、潜水能力などが記されているという。 

 DCNSは漏洩を認め「仏政府当局が調査し、顧客に与える損害等を明らかにする」との声明を出した。

仏政府筋はAFP通信に「何者かが情報を盗んだ」との見方を示した。
サイバー攻撃で情報が盗まれた可能性が取りざたされている。

 DCNSは仏政府が62%の株式を持ち、35%を仏防衛システム大手タレスが保有する事実上の国有企業。

潜水艦からフリーゲート館、空母の建造まで手掛ける。
売上高の3分の1が海外向けという。

軍事分野は主要産業の一つなだけに、仏政府は「今後の輸出戦略に影響が出るのを懸念している」(仏国防省関係者)。

 インド海軍は今後10年で潜水艦の保有数を4~5割増やす方針で、DCNSから技術供与を受けてムンバイの造船所で6隻を建造している。

うち1隻が9月に進水する予定。
政府は今回の問題を巡る調査を始めた。 

 インドは戦闘能力に関わる情報が仮想敵国とみる中国やパキスタンに渡る事態に神経をとがらせる。

インドの安全保障体制が大きく揺らぎかねない。

パリカル国防相は26日、調査に当たり「最悪のシナリオを想定して動いている」と述べた。
 
 豪州は4月、スコルペヌ型よりも大型のDCNS製バラクーダ型潜水艦12隻の採用を決めた。

日本の三菱重工業や独防衛大手ティッセンクルップ・マリン・システムズなどと争った末、DCNSが約4兆3000億円規模の豪州との潜水艦共同開発事業を受注した。

 オーストラリアン紙は「米国は独仏の機密情報保持に懸念を抱き、日本を選ぶよう豪州に求めていた(=米国はすでに機密情報の漏えいを事前に知っていた??)。 心配が的中した」と指摘した。

「情報漏洩は重大な問題だ。 解決するまで仏との交渉中止を検討すべきだ」(無所属のゼノフォント上院議員)などと、政府に再考を促す声も出始めている。

 ただ採用計画が振り出しに戻れば、海洋進出を急ぐ中国を意識した次期潜水艦の導入時期が大幅に遅れかねない。

ターンブル首相は「豪州が建造するのは全く別の型だ。 サイバー攻撃対策は取っている」と、火消しに追われている。

(シドニー=高橋香織記者)


●関連日経記事:2016年8月26日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 法務・犯罪「潜水艦機密 漏えい」=仏企業から、豪紙報道=』(8月25日付)

●関連日経記事:2014年7月7日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 海外メディア「仏、武器輸出のジレンマ」=海外メディアから=』(2014年7月6日付)

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日経新聞 国際「中国 石油大手が急失速」=上半期8割減益、経済に影=

2016年08月31日 07時33分00秒 | 国際
日経新聞 2016年8月30日(火) P.3 総合2面
『中国 石油大手が急失速』

『8割減益、経済に影』=3社上半期=
 
中国で最大の石油産業が急失速している。

中国石油天然気(ペトロチャイナ)などの上場3社は、2016年1~6月期決算の純利益(合計)が前年同期比で8割減り、過去最低になった。

原油安や中国の景気減速に加え、海外投資の損失増が響いた。
260万人の雇用を抱える3社の不振は、中国経済に暗い影を落としそうだ。

 3社を中心とする石油産業は中国の国内総生産(GDP)の1割程度を占める。

関連企業を含めると雇用は1千万人規模となり、日本の自動車産業の2倍に相当する巨大な産業だ。

 ペトロチャイナ、中国石油化工(シノペック)、中国海洋石油(CNOOC)の3社の上半期決算が29日、出そろった。

油田開発を手掛けるペトロチャイナは純利益が98%減り、ガソリン販売や化学品が主力のシノペックは22%減益。

海洋油田のCNOOCは上場後初の最終赤字に転落した。

 「世界経済の先行き不安は増し、中国も(無理に高成長を求めない)新常態に入った。
原油価格の低迷は長引くだろう」。

シノペックの王玉普董事長は29日、先行きに厳しい見方を示した。

 急失速の主因は、年前半まで続いた原油安と中国経済の減速だ。
上期は「原油の実勢販売価格が平均で36.5%下がった」(ペトロチャイナ)。

各社の主力である油田開発や原油生産など上流部門の採算が悪化し、ガソリンなど石油製品の内需も振るわなかった。

 海外投資の失敗も響いた。

3社は中国の高成長が続いた14年ごろまで「世界一流」をめざして海外資源権益への積極投資を続けてきた。

 だが、CNOOCは16年上期に前年同期の7.5倍となる103億元(約1600億円)の減損費用を計上した。

巨費を投じて買収したカナダの石油会社ネクセンなどの業績低迷が続いているためだ。

 ペトロチャイナ関係者も「巨額の含み損を抱えている」と言う。

アフリカのスーダンで100億ドル(1兆円強)の巨費を投じて油田開発を主導しているが、内戦で生産が滞る。

 原油安で欧米大手が次々と海外鉱区の減損処理に乗り出す中で、3社は「処理に積極的ではない」(証券アナリスト)。

ペトロチャイナは16年上期も小幅の減損処理で済ませた。
3社は数兆円ともされる潜在的な減損リスクを抱える。

 中国では企業の生産活動が停滞し、下半期も3社の経営環境は厳しい。

3社は16年にパイプライン増設や油田権益の取得などに投じる投資をピーク比で4~5割減らす計画だ。

 3社は安定雇用を重視してきたが、リストラが喫緊の経営課題になった。
3社は合計で260万人もの雇用を抱える。

トヨタ自動車の8倍近い規模だ。
ペトロチャイナは15年に正社員の給与を初めて削減。

16年も大慶油田(黒竜江省)などで人員の削減を始めた。

シノペックも「効率的な組織作りが欠かせない」として主力油田の勝利油田(山東省)などで人員削減を検討する。

3社のリストラが中国経済に与える影響は無視できない。

(香港=安倍哲也記者)

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日経新聞 健康「卵子にミトコンドリア移植」=体外受精で2人が妊娠=

2016年08月31日 06時33分40秒 | 健康
日経新聞 2016年8月30日(火) P.42 社会面
『卵子にミトコンドリア移植』=体外受精で2人が妊娠=

 不妊に悩む女性の卵巣から細胞のエネルギーを作り出す細胞内小器官「ミトコンドリア」を取り出し、体外受精の際に卵子に移植したところ2人で妊娠に成功したと大阪市の不妊治療クリニックが29日発表した。

 この不妊治療は米国企業が開発。

ミトコンドリアの移植で加齢で老化した卵子の質の改善を図るが、仕組みはよくわかっておらず有効性や安全性を懸念する専門家もいる。

昨年12月に日本産科婦人科学会が臨床研究として実施を認めた。

 発表した「HORACグランフロント大阪クリニック」の森本義晴院長によると、不妊治療を受けても妊娠しなかった27~46歳の女性25人から卵子組織を摘出。

うち12人で卵子にミトコンドリアを移植したうえで受精卵をつくり、これまでに6人の子宮に戻した。

27歳と33歳の女性が妊娠に至ったという。
費用は約250万円。

・石井哲也・北海道大教授(生命倫理学)の話
 妥当性に論争がある技術だ。

移植するミトコンドリアが正常であるかどうかも不明で、不妊治療に使う前に基礎研究で科学的根拠を確かめる必要がある。

生まれてくる子供の健康に影響する可能性のある実験的な医療で、希望者は慎重に検討すべきだ。

●関連日経記事:2013年8月31日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 ことば「臨床研究」=ノバルティスファーマ:高血圧症治療薬ディオバン(一般名バルサルタン)=』(2013年8月26日付)

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日経新聞 健康「エンテロウイルス原因か」=昨年相次いだ子供のまひ=

2016年08月31日 06時18分11秒 | 健康

日経新聞 2016年8月30日(火) P.42 社会面
『エンテロウイルス原因か』=昨年相次いだ子供のまひ=

 昨年夏から秋にかけて、原因不明の体のまひを訴える子供が全国各地で相次いだ問題で、厚生労働省の研究班は29日、検査した患者の約4分の1からかぜに似た症状を引き起こす「エンテロウイルスD68」を検出したことを明らかにした。

研究班は、まひの原因は同ウイルスの可能性が高いとみて、調査を続ける。

 研究班が医療機関に対し、2015年8~12月に「急性弛緩(しかん)性まひ」と診断されて入院した患者の報告を求めたところ、33都道府県から115人の報告があった。

 研究班によると、このうち入院していない外来患者などを除くと95人となり、さらに原因が外傷など他の原因とみられる患者を除き76人が同ウイルスの感染でまひが飽きた可能性が否定できないという。

 患者の大半は20歳未満で、5歳以下の子供が多かった。
研究班は患者の状態も継続調査しているが、多くの患者はまひが残ったままだという。

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日経新聞 国際「サウジの戦略変更: 競争、原油から石油製品に」=石油アナリスト アルハッジ氏=

2016年08月30日 09時13分43秒 | 国際
日経新聞 2016年8月29日(月) P.7 オピニオン面
連載コラム『グローバル オピニオン』

『競争、原油から石油製品に』=元米NGPエナジー・キャピタル・マネジメント・チーフ・エコノミスト アナス・アルハッジ氏=

 サウジアラビアは石油市場において圧倒的な支配力を持つ産油国である。

その政治・経済的な決定は世界のエネルギー経済学を形作っている。

 しかしここ数年、サウジアラビアはアジアで市場シェアを失ってきた。

米国がシェール革命を進めるなか、米国市場以外に活路を求める西アフリカ産原油の輸入をアジア各国が拡大しているからだ。

 中国ではロシアに市場シェアのかなりの部分を奪われた。

中国は、2014年のウクライナ領クリミア半島編入で欧米から経済制裁を受けたロシアの苦境を見透かし、ロシア産原油を有利な条件で確保している。
 

サウジアラビアにとって重要な市場であるインドやインドネシアでも、ロシア企業は下流市場に参入する積極策をとっている。

 シェア低下に対し、サウジアラビアはかっての地位を取り戻そうと奔走してきた。
増産による価格戦争を仕掛け、弱い競争相手を市場から退場させようとしてきた。

その結果、各国は可能な限り増産を続け、原油価格は下落した。

 (加盟国が協力して原油価格維持を図る目的の)石油輸出国機構(OPEC)の加盟国同士が価格競争をせざるを得ない状況に陥ったのだ。

 OPECのこうした機能不全を映すように、今年4月にOPEC加盟国などがカタールのドーハで開いた産油国会合では増産凍結に合意できなかった。

サウジアラビアはイランが減産しない限り、自分たちも減産しないと言い張った。

イランはロシアと同様に欧米の制裁によって市場シェアを失っており、増産の姿勢を示していた。

 サウジアラビアは原油価格の下落だけではアジアや欧州における市場シェアを回復できないと認識している。

同時にシェール革命を背景にOPECの有用性が薄れているとも判断した。

 ただエネルギー協力に希望が無くなったわけではない。

 サウジアラビアは国営石油会社サウジアラムコの一部民営化を通じ精製能力拡大を計画している。

このことはエネルギー市場における競争が、原油から石油製品に移行する可能性を示唆している。


そうなれば新たな協力の機会が生まれる。

大規模な精製・貯蔵能力を持つ生産国が、施設を持たない生産国から余剰の原油を購入できるようになる。

 原油の競争から石油製品の競争への移行は石油市場だけでなく海運業といった関連産業にも大きな影響を及ぼすとみられる。

石油製品競争は最終的に石油市場全般の効率性を向上させ、産油国が(原油=)市場の不安定さの影響を受けにくくさせる公算が大きい。

今後はサウジアラビアを始め、高度な生産・精製技術を持つ国が石油市場で支配的な地位を手にすることになるだろう。

▼Anas Alhajji
 米オクラホマ大教授などを経てエネルギー関連の買収ファンド、NGPエナジー・キャピタル・マネジメントへ


©Project syndicate


◆聞き手から:編集委員 松尾博文

 2014年夏に原油価格が急落して2年。

石油市場の新たな秩序が見えない。

市場の調整役を放棄したサウジアラビアと、米国で生産が伸びるシェールオイルの我慢比べが続く。 

長引く原油安は産油国に重くのしかかり、サウジは原油依存からの脱却を掲げる大胆な経済・社会改革に踏み出した。


だが、改革を成功に導くには基幹産業の石油部門が強くなければならない。
サウジがどのような戦略にかじを切るのか。

その行方はサウジが最大の原油調達先である日本も無縁ではない。


●関連日経記事:2016年8月28日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「サウジ、原油シェアで苦戦」=中国・インド市場ではイラクやロシアが攻勢=』(8月27日付)

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日経新聞 国際「混乱を覚悟した中国・人民銀行」=ゾンビ企業排除の方針か?=

2016年08月30日 08時51分10秒 | 国際
日経新聞 2016年8月29日(月) P.16 景気指標面
連載コラム『景気指標』

『混乱を覚悟した人民銀行』

 中国経済を観察している人の中には、ぎくりとした人も少なくないだろう。

中国人民銀行(中央銀行)が四半期ごとに発表している金融政策執行報告の重要な部分が変わったのだ。

「地域的な金融リスクを発生させない」。
8月5日にまとめた報告からこの表現が抜け落ちていた。

 これまでは冒頭の文章で、金融システムと地域金融の2つが危険にさらされることを防ぐと宣言していた。

これは政府の一部門に過ぎない人民銀行独自の見解ではなく、李克強首相が金融界との会合で強調してきたことでもある。

報告の書きぶりの変化は、政府の姿勢が変わったことを示唆している可能性がある。

 気になる動きはこれだけではない。

人民銀の報告から数日後、中国の最高裁にあたる最高人民法院が主な地域の裁判所に対し、企業を清算し、破産させるための法廷を設けるように求め始めたのだ。

法曹関係の地元メディアは「法に基づいてゾンビ企業を処理するためだ」と解説した。

 利益が出ないのに生き残っているゾンビ企業は、地方政府とその関連企業の癒着(ゆちゃく)の象徴。

地方が(公的=)金融機関に圧力をかけて融資させるなどマネーの配分を非効率にし、民間企業の台頭も妨げてきた。

最高人民法院と人民銀行の最近の動きからは、たとえ地方の経済と金融が一時的に混乱しても「病根」を断つべきだという中央(=習近平政権)の思惑が透けて見える。

 不採算企業の退出には、当然リスクも伴う。

みずほ銀行(中国)の細川美穂子主任研究員は「人民銀行の報告は、国全体の金融システムは守るという意思表示でもある」と指摘する。

そのためには公共投資や減税など打てる政策を総動員するだろう。

 中国の経済成長率は減速してもなお6%台だが消費者物価の上昇率が2%を切るなど景気の体温は成長率よりも低い。

中国は国内外に混乱を飛び火させることなくゾンビ企業を取り除くことができるだろうか。
中国の次の一手に世界が身構えるべき時がいよいよ近づいてきた。

(編集委員 吉田忠則)


●関連日経記事:2016年8月21日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「中国で債務不履行 急増」=今年既に3800億円、昨年の2倍=』(8月20日付)

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日経新聞 政治「災害対策と緊急事態条項」=「憲法改正必要なし」 永井弁護士=

2016年08月30日 06時45分43秒 | 政治
日経新聞 2016年8月29日(月) P.38 社会面
連載コラム『論点争点 メディアと人権・法』=弁護士 永井幸寿氏に聞く=

『災害対策と緊急事態条項』=国より現場に主導権を=

 大災害やテロ事件に備えるため憲法を改正し、政府の権限を一時的に強化する緊急事態条項を導入すべきだという主張が唱えられている。

阪神大震災を契機に、日本弁護士連合会で被災者支援活動の中心的な役割を果たしてきた永井幸寿弁護士に災害対策の法制度について聞いた。

 --緊急事態条項の議論をどう見ますか。

 「本来、国家は人権保障のために存在する。

しかし緊急事態条項は、特殊な事態になった場合に国家の存立を維持するため一時的に人権を大幅に制限し、三権分立をやめて政府に権力を集中させる。

国家緊急権とも呼ぶ」

 「絶対王政に近く、不当な目的による利用、期間の延長、人権の過度の制限、司法の監視機能の弱体化など乱用の危険性が高い。

戦前の教訓から現行憲法はあえて採用せず、特殊事態には法律で事前準備すると政府答弁も明確にしている」

 「ただ権力の立場には都合がいいから『憲法が災害対策の障害になった』といった理屈での導入論が前から存在した。

最近は憲法改正論議で、災害対策に関連する条項なら国民の理解を得やすいと主張されている」

 --過去の災害対策では反省点も多い。

 「災害対策の大原則は『準備していないことはできない』ということだ。
災害に備え、法律を事前に整備しておく必要がある。

東日本大震災時の原発事故避難の混乱は、日本に原発事故はないと考え、準備も訓練もしていなかったからだ。

災害発生後に泥縄で権力を集中させても意味はない」

 「関東大震災で死者は多くが焼死、『阪神』では圧死、『東日本』では溺死で、状況はまったく違い、発生後のニーズも異なる。

市町村など現場が最も適切に判断できる。
国は情報がないうえ対応策は画一性にとらわれる。

日弁連の昨年の調査で『東日本』の東北の被災3県の市町村長の96%が『原則として主導権は市町村で国は後方支援の役割を』と回答した」

 「一方、法律の制度では、災害対策基本法や災害救助法はすでに政府や自治体の長に大きな権限を与えている」

 --国の指導力発揮への期待はある。

 「原発事故時、当時の菅直人首相の場当たり的な行動で現場は混乱し、政府の信頼も低下した。

国家緊急権はより強力な権限を政府に与え、トップの資質に大きく左右される。
その危険性を我々は学んだはずだ


 --災害対策にとっては弊害ですか。

 「災害対策で最も重要なのは現場だ。

被災者からヒアリングして検証し、必要な点は法改正し、さらに具体的な準備をすること。
国家緊急権は地道な取り組みを軽視する結果になる。

また自民党改憲案の国家緊急権は政府の立法や予算決定を国会が全くチェックできない。
このため、例えば都合の悪い報道への規制も政府の判断で可能だ。

メディアは軽視してはいけない」

 --テロ対策には。

 「テロは警察が対処すべき犯罪で、国家緊急権が前提とする、平時の統治機構では対処できない非常事態ではない。

9.11後も米国の統治機構は機能した。

テロ対策については『武力攻撃事態等における国民保護法』と『事態対処法』がすでにある」

 --緊急事態条項は多くの国にあります。

 「緊急事態条項の典型例は『国家が生き残りをかけた場合』、つまり戦争だ。
戦争遂行と緊急事態条項は常にセットになっている。

戦争を放棄してる日本に、この条項がないのは当たり前だ。
戦争のために制約される人権とは『お国のために命をささげること』である。

災害対策を口実としたお試し改憲のための導入論はきわめて危うい」

▼ながい・こうじゅ
 阪神大震災で神戸市内の事務所が全壊した体験から、被災者支援をめぐり日弁連の法律相談事業に取り組むほか、立法運動に携わる。

日弁連災害復興支援委員会委員長などを務めた。
「よくわかる緊急事態条項Q&A」など災害対策や緊急事態条項に関する著書も多い。

61歳。

(聞き手は 編集委員 田原和政)


●関連日経記事:2012年9月7日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「福島原発事故:管首相は殺人罪に問われないのか?」』(2012年6月24日付)

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日経新聞 趣味『東京国立博物館: 「禅ー心をかたちにー」展』=きょうから前売り券販売=

2016年08月30日 06時13分23秒 | 趣味
日経新聞 2016年8月29日(月) P.27  お知らせ面
『日経グループからのお知らせ』

『「禅ー心をかたちにー」展』=東京国立博物館で開催=
「今日から前売り券販売」

 10月18日から11月27日まで東京国立博物館で開催する「禅ー心をかたちにー」展の前売り券を29日から10月17日まで販売します。

▼会期・開館時間
 10月18日(火)~11月27日(日)。

午前9時半~午後5時、金曜日と10月22日(土)、11月3日(木・祝)、11月5日(土)は午後8時まで(入館は閉館30分前まで)。

月曜休館。

▼会場
 東京国立博物館 平成館(東京・上野公園)

▼前売券
 一般1400円(当日1600円)、大学生1000円(同1200円)、高校生700円(同900円)

▼販売所
 チケットぴあ。ローソン、セブンーイレブン、イープラス、展覧会公式サイト(http://zen.exhn.jp/)、主要プレイガイド(手数料がかかる場合があります)

▼問い合わせ
 ハローダイヤル☎03・5777・8600

▼主催
 日本経済新聞社ほか


●関連日経記事:2016年3月23日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 趣味『「禅ー心をかたちにー」展』=来月12日から京都国立博物館で=』(3月22日付)

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日経新聞 池上彰の教養講座「金正恩体制崩壊の序曲か」=北朝鮮の外交官亡命=

2016年08月30日 01時04分56秒 | 池上彰の教養講座
日経新聞 2016年8月29日(月) P.21 18歳プラス面
連載『池上彰の大岡山通信』=若者たちへ (102)=

『北朝鮮の外交官亡命』=金正恩体制崩壊の序曲か=

 北朝鮮と韓国の南北軍事境界線には1カ所、板門店という場所に「共同警備区域」があります。

ここに北朝鮮軍が地雷を敷設(ふせつ)したとして、国連軍司令部が北朝鮮に抗議した、というニュースが23日、入ってきました。

 板門店には、南北の代表団が交渉したりする建物があり、エリア内では、北朝鮮軍兵士と韓国軍兵士が、南北に分かれて対峙しています。

両軍兵士とも拳銃程度しか所持することは許されません。
偶発的にでも大規模な戦闘に発展しないようにするためです。

 普段は南北とも時間をずらして観光客を受け入れています。
私はこれまで、南側から2回、北側から1回、この地を訪れています。

 ここに南側から入ると、韓国軍兵士が微動だにせずに歩哨に立ち、緊張感が漂います。
朝鮮戦争が終わっていないことを思い知らされます。

現在は休戦中なのです。

    ◆    ◆

 ところが、このエリアに北側から入ると、反対側に立つ韓国軍兵士は、直立不動の姿勢などとっていないのです。

「なーんだ、直立不動は韓国側から入る観光客向けのパフォーマンスなのか」と気づかされました。

 こんな場所に北朝鮮が地雷を敷設した。
にわかに緊張が高まっているようです。

それにしても、なぜ地雷なのか。

韓国の通信社・聯合ニュースは、北朝鮮軍兵士が韓国側に亡命するのを防ぐためだと報じています。

 板門店を警備する北朝鮮軍兵士には直接取材したことがありますが、志操堅固(しそうけんご)なエリート中のエリートです。

そんな兵士ですら亡命するかもしれない。
北朝鮮軍が疑心暗鬼に陥っていることを示しています。

 というのも、このところ北朝鮮では、金正恩(キム・ジョンウン)体制を支えてきたエリート層で動揺が起きているからです。

中でも駐英北朝鮮大使館のナンバー2であるテ・ヨンホ公使の韓国への亡命は驚きでした。

駐英大使間で勤務できるということは、北朝鮮で信用され、重用されている人物だからです。

 北朝鮮では、思想や出身などに応じて国民が大きく3段階に分類されているとされています。

核心階層と動揺階層、敵対階層です。
この3つの階層は、さらに細分化されていますが、核心階層は金正恩体制を守る中枢です。

ここの人たちの亡命は、体制に衝撃です。

 さらに欧州で朝鮮労働党の秘密資金を管理していた担当者が、日本円で約360億円もの巨額の資金を横領して行方をくらましたという報道も出ています。

事実とすれば、朝鮮労働党にとって大打撃でしょう。

 そのうえ、ロシアのサンクトペテルブルクで勤務していた書記官など、今年に入って少なくとも7人の外交官が脱北したという報道もあります。

    ◆    ◆

 これまで北朝鮮からの脱北者には、「敵対階層」に入れられ、貧困や食料不足に苦しむ人が目立っていましたから、明らかに脱北者の質が変化しています。

外交官の大脱走です。

 国家が崩壊するきっかけは、貧困層の脱出ではなく、国家を支える中枢部が逃げ出し始めることです。

中枢幹部たちが逃げ出すことを考えるようでは、おしまいです。

 企業でも、企業の明日を担うべき幹部や中間管理職が退社し始めたら、その会社に未来はないのです。

遂(つい)に北朝鮮の現体制の「終わりの始まり」かもしれません。

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 大岡山は池上教授の活動拠点である東京工業大学のキャンパス名に由来します。
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●関連日経記事:2016年8月22日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「北朝鮮体制に揺らぎ?」=駐英公使亡命・秘密資金担当が不明…=』(8月20日付)

◆父さんコメント:
 北朝鮮の崩壊のリスクは大きく2つある。

 1つは、体制崩壊の危機に瀕したらシリアのアサド大統領と同じく、金正恩とその取り巻き一族郎党すべてが死刑、もしくは死刑に準じる刑罰を受けることを知っている独裁体制の領袖は体制維持を目的とした核兵器の使用も辞さないであろうことだ。

これは韓国だけでなく、日本、米国、そして中国にとっても大きな安全保障上のリスクとなる。

 2つ目は、体制の崩壊に瀕すると国民の大部分を占める底辺層が国外脱出を試みる。
いわゆる難民である。

大量の難民が最初に押し寄せるのは韓国ではなく、体制がよく似た中国であろう。
それを一番恐れているのが中国の習金平政権だ。

EUが中東の大量難民で大きな安全保障上の問題を抱え込んだように、北朝鮮からの難民が大量に中国に押し寄せるようであれば、中国の政治体制も動揺しかねない。

 このリスクを知っているからこそ、危うい政治を行っている金正恩政権を国際的な批判を受けながらも下支えしているのが今の中国だ。

 北朝鮮が国家崩壊への道を歩み始めたとすれば、東アジアの政治に不安定化をもたらす。

中国の体制動揺は、韓国・日本の政治の動揺につながり、ひいては米ロの体制にまで悪影響を及ぼしかねない。

今後の北朝鮮の動きに目が離せない。

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