日経新聞 国際「文革期に似てきた中国」=カギ握るのは経済=

2015年11月30日 09時40分00秒 | 国際
日経新聞 2015年11月29日(日) P.13 日曜に考える面
連載『電子版 NIKKEI ASIAN REVIEW』

『文革期に似てきた中国』=習夫人、革命精神宣伝に一役=
「カギ握るのは経済」


 中国が1960~70年代の文化大革命当時にそっくりになってきた。

文革時に毛沢東が反革命を理由に政敵をつぶしたように、習近平国家主席は反腐敗運動を利用し政敵を追い落としている。

かたや習主席夫人の彭麗媛さんは、文革時に毛夫人の江青がプロデュースしたことでも知られる革命劇「白毛女」の公演にかかわり、革命精神の宣伝に一役買っている。

『「白毛女」を上演』
 42年、毛沢東は「延安文芸講話」を発表し、文化・芸術は労働者、農民、兵士など労働者階級のためにあるとの方針を発表した。

これを受けて創作されたのが歌劇「白毛女」だ。

 悪い地主が貧しい農民の娘を婚約者から奪い去る。
娘は山に逃げたが、毛髪が真っ白になり、化け物のようになってしまう。

婚約者は八路軍(共産党の軍隊)を率いて地主を倒す。
白毛女を救うと髪も黒く戻るというのがストーリーだ。

 地主など旧社会は人間を幽霊(白毛女)にするが、労働者介入の新社会は幽霊を人間に変えるーー。

共産党の宣伝が劇のテーマであり、劇を見た毛沢東は涙を流したといわれる。

今年は初演から70周年にあたり、共産党の根拠地だった峽西省延安での11月6日の公演を皮切りに、12月17まで主要都市で上演される。

 今回の白毛女の芸術指導をしているのが習主席夫人の彭麗媛さんだ。
彭さんは国民的な人気歌手であり、白毛女でヒロインを務めたこともある。

ファーストレディーが革命模範劇にかかわるという点では年配の中国人に毛沢東夫人の江青を思い起こさせるだろう。

 江青は女優出身で60年代に文化活動を通じて毛沢東の階級闘争路線を実践に移した人物だ。

江青は夫の毛沢東の意向をくんで白毛女を改変し、文革が発動された翌年の67年からバレエとして公演を繰り返した。

 江青が演出した白毛女は階級闘争を主眼としており、迫害されたヒロインが果敢に地主に抵抗するシーンを加えるなど闘争色を前面に打ち出した。

江青の目的は、劉少奇、小平など階級闘争に距離を置く指導者を文化面から批判し、追い落とすことにあった。

 今回の白毛女が腐敗した共産党幹部と悪い地主をダブらせていると解釈できないことはない。

習主席は石油閥の親分だった周永康前政治局常務委員を汚職を理由に逮捕に追い込み、同じ手法で軍長老や国有大企業幹部から権力を奪ってきた。

その姿は、政敵を資本主義の道を歩む修正主義者として大衆運動で批判し、権力の座からひきずり降ろした毛沢東の文革に重なる。

 最近の広範囲にわたる幹部の逮捕、拘束、取り調べを見ると、この見方が説得力を帯びてくる。

11月に上海市の艾宝俊副市長、北京市の呂錫文・党委員会副書記が規律違反で取り調べを受け、中国のすべての省・直轄市で有力指導者が腐敗を理由に失脚した。

『相次ぐ不審死』
 文革との類似で見過ごせない事象が起きている。

有力紙、光明日報のネット版の光明網は11月12日、光明網評論員の名前で「役人の異常な死をうやむやにするな」とする文章を載せた。

 文章は役人の不可解な死亡が続いていると指摘。
10月末からだけで少なくとも7人が不審死したと伝えた。

典型例として、9日に吉林省蛟河市の警察局長が執務室の窓を拭いていて転落し、死亡した事件を挙げた。

文章には「警察局長が自分で窓を拭くのか」といったネット上で流れた疑問の声も紹介されている。

文章では直接に触れていないが、不審死した人物は腐敗で調査を受け、自殺に追い込まれた可能性がある。

 文革時代にも修正主義者として各地の指導者や知識人が毛思想を信奉する若い紅衛兵から糾弾され、死に追い込まれた。

魯迅(ろじん)と並ぶ現代中国の文豪の老舍も紅衛兵から暴行を受けて自殺したとされるが、真相は分かっていない。

 最近の役人の不審死も強引な取り調べが背景にあることをうかがわせる。
腐敗行為を取り締まるのは当然だが、法的な手続きを踏まねばならない。

だが、文革時代さながらに人権を無視した取調べがまかり通っているのかもしれない。


 最後に今の中国と文革との最大の類似点を挙げたい。

毛沢東が政治経済の主導権を握った50年代後半、60年代後半~70年代中盤の経済成長は低調に終わり、毛路線を転換するきっかけになった。

毛沢東に熱狂した人々も、経済が振るわないかなで次第に離れていった。
この意味で、中国の足元で起きている成長鈍化は気になるところだ。

「新たな文革」の行方も経済が握っているのは間違いない。

(アジア総局編集委員 村山宏)


●関連日経記事:2015年7月13日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「中国の株価、乱高下」=指導部、体制批判を警戒=』(7月12日付)

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日経新聞 インターネット「人口増に対応した電力確保」=眠るビジネスの種=

2015年11月30日 09時01分20秒 | インターネット
日経新聞 2015年11月29日(日) P.7 企業面
特集連載『新産業創世記』

『人口増対応した電力確保』=眠るビジネスの種=

 2050年には97億人と100億人に迫る世界人口。

経済成長による医療水準の向上で、インドやアフリカなどで人口増が見込まれる。
人が増えれば、エネルギー消費量も増える。

しかも、その伸びは人口増を上回ることを歴史が証明している。


 英石油大手BPによると、14年の世界のエネルギー消費量は原油換算で129億トン。
1965年の3.4倍だ。

同期間の世界人口の伸びは2.2倍。
1人当たりのエネルギー消費量は約6割も伸びたことになる。

これからも人口は増え、それを上回るペースでエネルギーは消費される。
豊かさを増す中間層の広がりが拍車をかける。

 省エネも進んではいる。
エアコンの消費電力量は20年で約4割改善した。

だが、それだけではまかないきれないエネルギーがこれから必要になる。

あらゆるものがインターネットにつながる「IoT(インターネット・オブ・シングス)」時代が到来したからだ。

 スマートフォンなどのデジタル機器だけでなく自動車や住宅、製造装置などあらゆるものが情報を集め、発信する。

ネットにつながる機器の数は20年に500億個と00年の250倍に達するとの予測もある。

どのようにこれらの電力をまかなうか。
そこに新たなビジネスの種は潜んでいる。


●関連日経記事:2015年10月16日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『インターネット「完成品、求められる『対策』」=変わるサイバー攻撃 (下)=』(10月15日付)

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日経新聞 政治「テロ対策 欧州財政に影」=仏、再建目標守れず=

2015年11月30日 08時21分16秒 | 政治
日経新聞 2015年11月29日(日) P.5 国際面
『テロ対策 欧州財政に影』=金融市場は静観=

『仏、再建目標守れず』=伊・英も支出かさむ=

 パリ同時テロ後、フランスをはじめとする欧州各国が治安対策の拡充や空爆の強化に動き、財政が再び悪化するとの懸念が出てきた。

仏政府は欧州連合(EU)と約束していた財政赤字削減の約束を守れなくなったと明言した。

EUは危機時の対応として理解を示しているが、中長期的に財政再建をどう実現するかが課題になってきそうだ。


 「安全保障関連の支出に予算上の制約は課さない」。
28日、サパン仏財政相はこう述べ、当面は財政よりも治安対策を重視すると表明した。

2016年予算では6億ユーロ(約780億円)の追加支出が発生する見込みで、政府は近く補正予算を編成する方針だ。

過激派組織「イスラム国(IS=Islamic State)」への空爆強化で、支出が一段とかさむ可能性も高い。

 オランド大統領は16日の演説でテロ対策を強化するための方針を公表。

仏政府は19年までに兵士を含む国防省関連の人員を約9200人削減するとしていた計画を凍結した。

5000人の警察官を増員するほか、司法省や税関職員も3500人増やす。
民間調査会社によると、仏国民の84%が治安関連費の増額を支持している。

 バルス首相は17日、テロ対策を優先するため、財政赤字削減目標について「必然的に超過する」と守れないことを認めた。

フランスは財政赤字の国内総生産(GDP)に対する比率を15年に3.8%、16年に3.3%に下げ、17年にはEUのルールである3%未満に抑える約束をしていた。

 EU側も、テロ対策という緊急対応のためだと理解を示している。

モスコビシ欧州委員(経済・財務担当)は「緊急時に国民を守るための安全対策が優先されるのは当然だ」と表明。

ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は仏紙のインタビューに「短期的な財政安定より治安が重要だ」と述べた。

 テロはフランスだけのリスクではなく、欧州全体にかかわる問題だ。

各国でテロが計画されているとの情報もあり、国防や治安に関連する支出増を検討する動きは欧州全体に広がりつつある。

 イタリアのレンツィ首相は24日、16年にテロ対策と文化関連政策に20億ユーロを投じると表明した。

10億ユーロを軍や警察関係の人員増や機器更新に使う。

 一方で残りの10億ユーロは街の近代化や若者の文化教育にあて、イタリアの持つ文化への若者の理解を深める狙い。

首相は「テロは我々の価値を奪う。 今と将来の安全への投資だ」と述べ、議会の承認を求める方針だ。

 オズボーン英財務相は25日、20年までに防衛予算を現状から18%増やし400億ポンドにすると表明した。

装備の近代化を進め、国境警備を強化するほか、サイバーテロ対策も進める構えだ。

 もちろん、各国とも財政再建の旗を降ろすわけではない。
サパン仏財政相は「16年の財政赤字削減目標はあきらめない」と主張。

英国も国防費をGDPの2%に抑えるという。

 金融市場でも今ののところ「当面はテロにかかわる財政支出はやむを得ない」との見方が多いが、仏伊両国は、EU内で財政再建や構造改革が遅れているとかねて問題視されてきた。

「落ち着いた段階で、財政健全化への道筋を早期に示す必要がある」(欧州系証券)とクギを指す声もある。

(パリ=竹内康雄記者)


●関連日経記事:2015年11月26日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「これは戦争だ」=パリ同時テロの波紋 ①=』(11月25日付)


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日経新聞 国際「ロシア・トルコ、対立の背景は?」=戦争繰り返す両国の歴史=

2015年11月30日 07時15分42秒 | 国際
日経新聞 2015年11月28日(土) P.7 国際1面
『Q&A』=ロシア・トルコ、対立の背景は=

『戦争繰り返す歴史』=経済は関係深まる=

 トルコによるロシア軍機の撃墜事件を受け、両国の確執(かくしつ)が深まっている

激しい対立の背景を理解するには、過去たびたび戦火を交えてきた因縁(いんねん)の歴史をひもとく必要がある。

 Q:ロシアとトルコの歴史的な関係は。

 A:両国は前身のロシア帝国とオスマン帝国時代に国境を接し、不凍港を求めるロシアの南進で何度も戦争が起きた。

ロシアは19世紀前半、オスマン帝国からのギリシャ独立を支援。

クリミア戦争(1853~56年)では破れたが、露土戦争(77~78年)では勝利し、バルカン半島諸国の独立につながった。

 第1次世界大戦ではオスマン帝国が黒海の出口を閉鎖したことで、ロシアは連合国の支援を受けるのが困難に陥り、帝政の行き詰まりにつながった。

 一方、ロシアによるオスマン帝国領内のアルメニア人勢力へのテコ入れは、当時発生したアルメニア人大量殺害の遠因ともなった。

トルコは組織的な殺りくの有無を巡り、欧米との間で現在にまで至る歴史認識問題を抱え込むことになった。

 Q:現代の両国関係は。

 A:トルコは1952年に北大西洋条約機構(NATO)に加盟、冷戦期には西側陣営の「最前線」として旧ソ連と対峙した。

冷戦崩壊後には経済関係を深め、トルコは天然ガス輸入の約55%をロシアに依存する。
ロシアにとってもトルコはドイツに次ぐ2番目のガス輸出先だ。

トルコ建設業のロシア進出も盛んだ。

 一方で、ロシアが2014年にウクライナのクリミア半島を武力で編入後、トルコ政府はトルコ系のクリミア・タタール人に対する迫害が起きているとして懸念を表明していた。

こうした経緯から一般のトルコ人がロシアに抱く感情は複雑だ。

 不信感を抱きつつも、経済面では大事なパートナーとみなすのが一般的。
最近では国際結婚や不動産の取得などでトルコに移り住むロシア人も増えている。

ただ、今回のロシア機撃墜のような事態が起きると、鬱屈(うっくつ)してきた双方の不満が噴き出すようだ。

(イスタンブール=佐野彰洋記者)








◆ことばのメモ:
 『確執(かくしつ)する』
~互いに自説を強く主張して譲らないことから起こる不和。


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日経新聞 国際「原油供給過剰止まらず」=OPEC生産最高水準/ロシアも増産=

2015年11月29日 10時02分28秒 | 国際
日経新聞 2015年11月28日(土) P.2 総合1面
『原油供給過剰止まらず』

『OPEC生産量 最高水準』=ロシアも増産、市場争奪=

 12月4日の石油輸出国機構(OPEC)総会が迫る中、原油の供給過剰に歯止めがかからない。

OPEC加盟国の生産量は日量3100万バレル強で過去最高水準。
非加盟国のロシアも増産を続ける。

中国の景気減速で需要の伸びが鈍り、産油国間で市場の争奪戦が過熱する。

イラン産原油の輸出拡大もあり、現在1バレル42ドル前後のニューヨークの原油は再び1バレル40ドルを割るとの見方も浮上する。


 23日にサウジアラビアは「OPEC加盟国や他の産油国と協調する用意がある」との閣議声明を発表したが市場で材料視する向きは少なかった。

サウジ単独で減産する可能性は少ないためだ。
OPECの原油生産シェアは世界の3割を占める。

 原油安を契機に米国でシェールオイルの増産が一服したが、産油国の体力勝負は続く。

サウジやイラクの油田は生産コストが低く、ロシアも自国通貨安が追い風で輸出採算は改善している。

 産油国は値引き合戦を強いられている。

10月にはポーランドの大手製油所がサウジからの原油の輸入を始め、ロシアの独占に風穴を開けつつある。

サウジは北欧でも供給先の獲得を進める。

 ロシアはアジアで反撃に出る。
原油生産量はソ連崩壊後で最高となり、販売先の確保が急務だ。

中国への原油輸出量では9月、ロシアはサウジを上回り首位に浮上した。

ロシア国営石油ロスネフチのイーゴリ・セチン社長が今月訪日するなど販路拡大の姿勢を強める。

 イランは欧米の経済制裁の緩和をにらみ、年内にも輸出量を日量50万バレル増やす準備を進める。

「イランが安売り攻勢をしかけ、サウジも対抗せざるを得ない」(日本エネルギー経済研究所の小林良和・石油グループマネージャー)。

過激派組織「イスラム国」が支配するシリア北部の油田からトルコに安い原油が流れているとされることも相場をかく乱しかねない。

 資源エネルギー庁が発表した24日のレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットル130・3円。

ガソリン価格は原油相場が2週間後に反映されることが多く、今後下落基調が見込まれる。


●関連日経記事:2015年11月26日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「米シェール生産しぶとく」=原油急落から1年 変わる商品市場 ①=』(11月25日付)

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日経新聞 安心・安全「日本も標的だ」=パリ同時テロの波紋 ④= 

2015年11月29日 09時28分40秒 | 安心・安全
日経新聞 2015年11月28日(土) P.2 総合1面
連載コラム『迫真』=パリ同時テロの波紋 ④=

『日本も標的だ』

 「テロ対策に緊張感を」。

パリ同時テロ直後の13日夜(現地時間)、国際会議のためトルコ・イスタンブールのホテルにいた首相の安倍晋三(61)は秘書官を通じ、官房長官の菅義偉(66、すが・よしひで)に指示を飛ばした。

 日本は14日朝を迎えていた。

官邸や外務省が邦人の安否確認に追われる中、菅は内閣危機管理官、西村康彦(60)を呼ぶ。

「国内のテロ対応に万全を期すように」。

菅はさらに来年4月に政府内に発足予定だった国際テロ情報収集の専門組織の準備前倒しも命じた。

 「レストラン、劇場が狙われたのか」。
警察庁幹部は表情を険しくした。

来年の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)、20年東京五輪のテロ警戒では政府機関や要人が利用する空港、ホテルに警備の重点を置く。

市民が集まる「ソフトターゲット」が狙われれば警戒対象は一気に拡大する。
「警察官の人員には限界がある……」

 日本も標的だーー。
パリ同時テロの犯行声明を出した過激派組織「イスラム国(IS)」は宣言する。

同時テロ後、日本であった野球国際大会で、警視庁は球場周辺の警護を2倍にした。

21日、日本戦を見た埼玉県の男性は(40)は「テロは人ごとではなくなった」とつぶやいた。

 23日午前10時ごろ、東京都千代田区の靖国神社でバーンという乾いた爆発音が響いた。
稲の収穫を祝う「新嘗祭」が始まった直後、公衆トイレから発火装置が見つかった。

警視庁の警戒対象でも事件を防げず、課題が浮き彫りになった。

 日本国内でテロの芽をどう摘み取るのか。

警視庁は①銃など武器の取り締まり ②テロリスト入国を阻止する水際対策 ③爆発物の原材料の管理強化ーーの3つの徹底を挙げる。 

 「住所と名前、用途を記入してください」。

肥料の尿素を大量に購入した客にレジの女性が用紙を差し出す。
別の従業員は客の車両ナンバーをメモし、通報した。

ホームセンターのコメリと新潟県警が18日、新潟市で実施した訓練の一こまだ。
尿素は爆発物の材料に転用できる。

こうした地道な取り組み以外にテロの危険を減らす手立てはない。

 伊勢志摩サミットに向けた会議で17日、警察庁長官の金高雅仁(61)は訓示した。
「テロ対策は国民生活に少なからぬ影響を及ぼす。 国民の理解と協力が不可欠だ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 吉野直也記者、吉川英治記者、川合智之記者、竹内康雄記者、今井孝芳記者、秋山裕之記者が担当しました。


●関連日経記事:2015年11月22日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 安心・安全「欧州、テロの脅威残る」=テロ予備軍5000人、潜伏の見方も=』(11月20日付)

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日経新聞 ことば「逆選択」=お金の言葉=

2015年11月29日 08時33分05秒 | ことば
日経新聞 2015年9月30日(水) P.22 マネー&インベストメント面
連載『お金の言葉』=逆選択=
 
 健康に不安があるから、なおさら保険に入りたいーー。
この当たり前と思える人情が、保険会社にとっては大敵となる。

不健康な人ばかりを抱えると、やがて保険金の支払いが膨れ、経営が成り立たなくなるからだ。

リスクの高い人ほど保障の必要性を感じて契約したがることを保険会社は「逆選択される」と呼び、回避しようとする。

 その代り保険会社は、契約前に病歴を聞いたり診断書を出させたりすることで健康な契約者を「選択」したがる。

これは保険会社が経営を維持する上で不可欠なことでもある。
最近では、保険料を安くすることによって健康な人を集める保険商品も増えている。


●関連日経記事:2015年9月24日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 ことば「保険業界で活用されている『大数の法則』」=お金の言葉=』(9月23日付)

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日経新聞 一般常識『「敵性語」の扱いに日米で差』=第2次世界大戦史に見る=

2015年11月29日 08時07分30秒 | 一般常識
日経新聞 2015年8月2日(日) P.32 文化面
連載コラム『現代ことば考』=言語学者 井上史雄=

『「敵性語」の扱いに日米で差』

 2011年、ロサンゼルスの全米日系人博物館に行った。

ボランティアガイドの人に話しかけたら、珍しい経歴を持っている人がいるという。
探し求めていた人である。

短い時間だったが、体験談をうかがうことができた。

 《突然召集された
日英2言語の能力を買われて、MIS(アメリカ陸軍情報部)に配属された。

米軍が九州に敵前上陸する予定と知った。
親がサツマ(鹿児島県)の人だったから、親の出身地が戦場だ。

派遣される前に、親に別れを告げるために強制収容所に行って、「戦争は長くないよ」と言ったら、父に叱られた。 

父は、帰るときに見送ってくれなかった》

 同じ故サメシマさんが英語で語った話が、インターネットに載っていた。

 《戦後、戦犯裁判の通訳を務めた。
ある時食堂の外で残飯をあさっている日本人女性に気づいた。

背負った赤ちゃんはかさぶただらけである。

かわいそうに思って、その日以来「お腹がすいている」と言っては食器いっぱいによそってもらい、半分は残すようにした。

「もっと何かできたのではないか」と思うと、今でも涙がこぼれる》

 この話を読んで、こちらも涙がこぼれた。

 MISは、第2次世界大戦で、日系人が各部隊に配属されて、通訳、翻訳、捕虜尋問(じんもん)などにあたった組織で、除隊後経験を語ることを禁じられ、長く機密扱いにされていた。

その後解禁されて、今は本もあるし、テレビでも紹介されている。

 戦時中のアメリカの日系人は、ほぼ無一文で収容所に閉じ込められるなど、苦労が大きかったが、1988年8月、レーガン大統領による謝罪と補償があった。

 アメリカは戦争とのきに敵のことばを軍事的に利用した。
日本と逆である。

戦時中の日本は「鬼畜米英(きちくべいえい)」「敵性語」と唱えて英語を弾圧した。
授業をまじめに聞かない学生の言い訳にはなっただろう。

ただし、海軍では教えたし、当時の中学生や女学生の体験を聞くと「習っていた」という人がいて、当時の授業時間割にも載っている。

文部省の書類にも英語を排除した証拠は残っていないそうだ。


●関連日経記事:2015年1月3日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「インターネット普及が”単独型テロ”を増殖」(2012年5月21日付)』

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日経新聞 自己啓発「まず今の仕事から」=青い鳥症候群=

2015年11月29日 07時38分08秒 | 自己啓発
日経新聞 2015年9月19日(土) P.s7 土曜特版
連載『健康・生活』=ヘルスこの一手=

『まず今の仕事から』=青い鳥症候群=

 国の調査によると、新規学卒就職者のうち、3年以内に離職する割合は3割以上。

その半数は1年以内に辞めている。
もちろん、健康を害するほど合わない仕事を無理に続ける必要はない。

だが、大学の校医として、賢明な就職活動後に内定が出て喜んでいる姿を近くで見ていると、このデータには少々驚く。

 「青い鳥症候群」といわれる状態がある。
医学診断名ではないが、心の不調に陥ることがある。

メーテルリンクの童話「青い鳥」が基だ。

自分の能力を100%生かせる仕事があるはず、この仕事は自分向きではない、と理想を追い求めて環境を転々と変える。

そこに時間と労力を費やすあまり、能力を磨く機会を逃し、最後は理想と現実(=自分の実力の低さ、自信喪失)のギャップに悩む状態をいう。

 キャリアの解釈は様々だが、総じて働くことにまつわる「生き方」そのものと考えられる。

組織心理学者のエドガー・シャインはキャリアをアンカー(船のいかり)とサバイバル(生き残ること)という概念で説明している。

アンカーは、船が流されるのを防ぐイカリのように、仕事をする上で「自分が大切にしていること」を指す。

一方サバイバルは、求められる役割をこなすことで職業生活をやり遂げる、つまり「周囲から求められること」を指す。

 例え話をひとつ。
ある画家は人物画を描くことを大切にしている。

だが残念なことに全く売れない。
あるとき、花の絵を頼まれる。

絵具さえ十分に買えない生活で、客の要望通りに花の絵を書く。
これがサバイバル。

花の絵が思いのほか評判となり、他の客からも注文が入る。
客の中には人物画にも興味を示す者が現れ、売れるようになる。

 この話は自分の意にそぐわないことであっても、しているうちに偶然に自分の能力を認めてもらえたり、(自分が知らなかった自分の=)意外な特技を見いだせたりすることがあると示している。

また、それがアンカーの充足にもつながる。

アンカーとサバイバルはどっちが重要、というものではなく、うまく両立させることが大切なのだ。

 隣の芝生が青く見えることもあるが、まずは自分のアンカーとサバイバルを意識的に考えてみてはどうだろう。

曲折があっても「青い鳥」にたどりつけるかもしれない。

(神田東クリニック院長 高野 知樹)

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日経新聞 経済教室「① 冷戦下のドミノゲーム」=米国の中東政策=

2015年11月29日 06時16分48秒 | 経済教室
日経新聞 2015年10月12日(月) P.15 経済教室面
特集連載『時事解析』=米国の中東政策=

『① 冷戦下のドミノゲーム』=ソ連と影響力を競う=

 今年7月、米国など6カ国がイランと核開発をめぐる合意に達した。

米国の中東政策の変化を象徴する動きだ。
この機をとらえ曲折に富む米国と中東の関係史を振り返る。


 米国が中東に接近し始めたのはアラビア半島の石油確保のためだ。
第2次大戦中、ルーズベルト政権が調査団を派遣。

「世界の石油生産の重心は、メキシコ湾ーカリブ海から、中東へーーペルシャ湾岸へ移ろうとしている」(ダニエル・ヤーギン著「探究・エネルギーの世紀」)と判断、サウジアラビア接近を加速した。

 大戦後、中東の英仏植民地では独立の動きが相次ぎ、アラブ民族主義が高まりをみせた。

中心にいたエジプト・ナセル政権は当初、米に近づくがアスワンハイダム建設の融資を断られ、一転ソ連に接近。

米ソが中東で影響力を競う時代に入る

 米国は湾岸産油国のほか、欧州からのユダヤ移民が建国したイスラエルを支援。

ソ連はエジプトなど軍人出身者が率いる共和制国家に武器を供給し、アラブ・イスラエルの中東戦争が激化する。 

 米ソのドミノゲームでは策略が渦巻いた。

1950年代にサウジがヨルダンを親米陣営に誘うが、同国では親米のフセイン国王(当時)の意に反し政府がソ連に接近。

米は第6艦隊を地中海に派遣し威嚇(いかく)で親米陣営に引き込むといった具合だ(田村秀治著「アラブ外交55年」)。

 80年代に軍拡競争でソ連経済が傾くにつれて、米国の影響力が増す。
米は「和平の配当」として資金援助をテコに、イスラエルやアラブ陣営を懐柔。

域内諸国と投資・貿易交流も強めていく。

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