日経新聞 自己啓発「さらば『決められない投資家』」=投資賢者の心理学=

2015年04月30日 17時41分33秒 | 自己啓発
日経新聞 2015年4月29日(水) P.20 マネー&インベストメント面
連載『M&I電子版セレクション』

『さらば「決められない投資家」』=投資賢者の心理学=

 投資判断は投資家一人ひとりが自分でするものです。

何人かで集まって勉強会を開いたり、自分の体験を語り合ったりするのもいいのですが、最終的には自己責任です。

しかし実際には多くの投資家が、自らの資産をかけた大事な判断を他人に頼っています。

 私が証券会社で営業をしていた頃の話です。

お客さんに薦めて買ってもらった株がかなり値上がりしてきたため、私は保有している方々に電話し、売却して利益を確定する気があるかどうかを聞いてみました。

 「そうか、だいぶあがってきたからねえ。 君はどう思う」。
ほとんどのお客さんはこう意見を求めてきます。

最終的に売るかどうかの判断はご本人次第なのですが、担当する営業マンの意見も一応聞いておきたいという気持ちはよく理解できます。

 困るのが「(同じ銘柄を持っている)ほかの人はどうしてるの?」という質問です。
買値は一人ひとり違いますから、判断が違ってくるのは当たり前です。

みんなで一斉に買って一斉に売ることなど普通はあり得ないはずですが、どういうわけかほかの投資家の動向を非常に気にするのです。

 こんなお客さんもいました。

やはり株が高値になったため売ってはどうですかと連絡したところ、「そんなうまいことを言って私に売らせて、手数料稼ぎをしようと思っているんだろう。 そんな手には乗らんぞ」と警戒されてしまいました。

私はそんなつもりは毛頭なかったのですが、売り気はなさそうだったので、こう伝えました。

 「分かりました。 この銘柄を持っている私のお客さんからかなり売り注文が入ってきたので、そろそろ売り時かと思ってお電話したのですが……。 失礼致しました」。

電話を切ろうとすると、この方は慌ててこう言ってきたのです。
「ちょ、ちょっと君、待ちたまえ。 みんな売っているって、どうしてそれを先に言わないんだ。 私の株もすぐに売ってくれ!」

 これは実に面白い心理です。
その銘柄の投資価値や自分の買値、マーケットの地合い、今後の投資戦略……。

投資家自身が本来考えるべきこうした要素は一切関係なく、「みんなが売っているなら売ってくれ」というわけですから、投資判断も何もあったものではありません。

 これは行動経済学でいう「同調伝達」に近い心理だといえます。

自分で判断できるだけの情報を持たない場合に、ほかの人と同じ行動をすることによって安心することを意味します。

行列ができている店だと、つい入りたくなってしまうのが分かりやすい例です。

本当にその店がおいしいかどうかわからなくても、たくさんの人が並んでいるという状態自体が一つの有力な情報なのです。

 投資において、ほかの人がどう動いているかという横にらみの情報には、あまり振り回されない方が賢明でしょう。

みんなと同じような行動をとっていたら、なかなか大きな成果は得られないのが投資の難しさであり、面白さでもあるのです。

(経済コラムニスト 大江秀樹)

▲マネー→やさしい投資→投資賢者の心理学

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日経新聞 経済メモ「AIIBに積極参加を」=「大機小機」コラム=

2015年04月30日 17時30分16秒 | 経済
日経新聞 2015年4月29日(水) P.19 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『AIIBに積極参加を』


(前段略)

第2は、途上国への経済援助、とりわけアジアインフラ投資銀行(AIIB)が目指すインフラ建設を通じて経済成長の基盤を強化しようという、プロジェクト型援助については日本が多くのノウハウを積み上げてきている、という点である。

 日本の政府開発援助は、基礎教育、公衆衛生など社会インフラ向けの無償援助を中心とする欧米諸国と異なり、電源開発、鉄道建設など経済的インフラ構築に重点を置いてきた。

これには多額の資金が必要なため、各種の有償援助(借款)方式を開発してきた。

 このことが、ともすれば経済協力開発機構などから「日本の援助は譲許率(グラント率)が低い」などと批判される原因になったが、日本のインフラ支援がアジア諸国の経済発展に大きく貢献したことは国際的に認められている。

経済インフラ建設を有償援助主体に行う中国の2国間援助の方法は日本型援助方式を参考にしている、という見方もある。

(後段略)

(一直)

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日経新聞 経営「ニュースアプリ 成長続くか」=グノシー上場、初値は公募と同じ1520円=

2015年04月30日 16時52分43秒 | 経営
日経新聞 2015年4月29日(水) P.13  企業2面
連載『ビジネスTODAY』=ニュースアプリ 成長続くか=

『グノシー上場、初値は公募と同じ1520円』=広告や記事調達、課題は山積=

 スマートフォン向けのニュース配信アプリを手がけるGunosy(グノシー)が28日、東証マザーズに上場した。

公開価格と同じ1520円の初値を付け、1620円で引けた。
終値ベースの予想PER(株価収益率)は約7000倍で、投資家の期待は大きい。

ただ、、”公約”通りに利益を出すには課題も山積している。



 「上場はスタート。 結果で返していく」。
記者会見したグノシーの福島良典社長は意気込んだ。

2012年11月に設立し、わずか2年半後に上場した。

 最大の強みは福島社長が東京大学大学院在学中に開発した独自技術だ。
ネットの閲覧履歴などから利用者の興味を分析。

自らは取材や記事執筆はせず、提携する新聞・雑誌などからユーザーが「読みたいだろう」と感じる記事を自動で選んで配信する。

大量のテレビCMを放映した効果で、20~40歳代を中心に今年3月までのダウンロード数は900万を突破した。

グノシーのようなニュースアプリには巨額資金が流入している。
同社は上場前にKDDIなどから24億円。

競合のスマートニュースは52億円、ニューズピックスは4.7億円集めた。

 先陣を切って上場したグノシーに対する投資家の見方は、期待感がある一方、警戒感も強い。

スマホ向けゲームのgumiが上場2カ月半後の3月に、黒字予想だった業績見通しを赤字になると発表して株価が4割下落した記憶が新しいからだ。

グノシーは「保守的に見積もっても」(福島社長)15年5月期に初の黒字(500万円)になるという。

だが、その姿を上場直前まで赤字だったgumiと重ねて不安視する向きもある。

 理由は幾つかある。
収入の柱となる広告。

同社によると広告主にはパナソニックやマイクロソフトといった大企業もいるが、アプリ上では消費者金融関連などが多くを占める。

広告主の顔ぶれは広告料金の根拠にもなる媒体価値に結びつく。

 調査会社ニールセンの調べによると1カ月に1回以上サービスを利用した人は276万人で、ほぼ同じダウンロード数のスマートニュースの417万人を下回る。

上場で得た資金を広告宣伝費に投じてユーザーを増やす戦略だが、「利用者増が伴わなければ収益の重荷になる」(ベイビュー・アセット・マネジメントの佐久間康郎執行役員)

強みとする技術力も課題だ。

ユーザーの中には「サッカー好きの自分に合った記事が配信されている」(20代)との声がある一方、「無関係な記事が多くなったので、利用するのをやめた」(50代)と独自技術の低下を指摘する声もある。

 グノシーに記事を提供する東洋経済オンラインの山田俊浩編集長は「メリットがデメリットを上回る限り、関係を維持する」と話す。

アプリの競争が激しいだけに、どこに記事を提供するかは、コンテンツプロバイダーに選択権があるという意味にも聞こえる。


▲ニュースアプリの特徴
(アプリ名)(利用者数):  (特  徴)

・グノシー(276万人):人工知能技術をもとに利用者の好みに合った記事を配信する。 旅行予約などもできる。

・スマートニュース(417万人):ネット上の話題性などをもとに記事を機械で選定する。 米国など海外でもサービスを提供。

・アンテナ(66万人):ファッションや美容、旅行などライフスタイル関連の記事が中心。 動画広告の配信にも力を入れる。

・ニューズピックス(23万人):経済ニュースが専門。 自前の編集部も持つ。 著名人が記事にコメントする機能や、有料会員制度も。

(注)今年3月の月間アクティブユーザー、ニールセン調べ

(細川倫太郎記者、三島大地記者)

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日経新聞 政治「沖縄・普天間が抱えるジレンマ」(2011年11月28日付)

2015年04月30日 09時17分53秒 | 政治
日経新聞 2011年11月28日(月) P.33 地域総合面
連載『列島NEWS追跡』=沖縄知事、再選から1年=

『「普天間基地」固定化に焦り』

 沖縄県の中井真弘多知事が再選して28日で丸1年。 

公約に掲(かか)げた米軍普天間基地(同県宜野湾〈ぎのわん〉市)の「県外移設」を政府に要求し続けているが、政府はあくまで名護市辺野古(へのこ)移設の日米合意を進める方針。 

知事は政府への不信感を募(つの)らせる。 

一方、移設が頓挫(とんざ)して危険な普天間基地が固定化することへの焦りもにじむ。

 「辺野古が事実上不可能という考えは変わっていない」。 

知事は18日の記者会見で2期目の1年間を振り返り、膠着(こうちゃく)する普天間問題で政府への不満をあらわにした。

 もともと県内移設容認だった知事の民主党政権への不信は根強い。

2009年夏に政権交代を果たした鳩山政権が、普天間移設で「最低でも県外」と期待をあおった末に辺野古案に回帰し、県民の怒りに火を付けたからだ。

 県民に納得(なっとく)のいく説明が必要と求める知事に、野田政権は閣僚らを相次いで沖縄に送り込み「東アジアの安全保障環境は厳しく、沖縄の地理的優位性から辺野古移設しかない」と繰り返す。

10月の玄葉光一郎外相との会談後、知事は記者団に「安保環境が厳しいなんて誰でも知っている話だ」と珍しく声を荒(あら)げた。

 日米合意が頓挫すると米軍は普天間基地を継続使用するため、県民は市街地の真ん中にある基地の危険にさらされ続ける。 

県内移設を拒(こば)めば普天間が動かないジレンマに、知事は苛立(いらだ)ちと焦燥(しょうそう)を募(つの)らせる。

 年末にかけて、政府と沖縄県の2つの重要な交渉が佳境(かきょう)に入(はい)る。 

普天間問題で政府は辺野古移設に必要な環境影響評価書の年内提出準備を進めており、県との話合いが活発になる。

 もう一つは、11年度末で期限切れとなる沖縄振興特別措置法に代わる新特措法など今後10年間の沖縄振興策の協議だ。 

県側は3000億円の一括交付金などを要請。 
知事は「いまが正念場」と毎週のように上京し、要請を繰り返す。

 政府側には「沖縄振興策を決める年末が普天間移設で理解を得る最大の機会」(沖縄防衛局幹部)との期待がある。 

24日には在日米軍で働く軍属(軍人でなく米軍施設で働く外国民間人)が公務中に起こした事件・事故で、米国が同意すれば、日本で裁判できる日米地位協定の運用改善を発表。 

沖縄側の要望に応(こた)えることで、普天間でも働きかけを強める構えだ。

 とはいえ、知事は「普天間移設と沖縄振興策はリンクしないと首相も明言しているし、させてはいけない」と強調。 

県議も来年6月の県議選を控えて県内移設に理解を示す状況にはなく、落としどころは見えない。
 
 県外移設を求める強固な世論を背負いつつ、普天間の固定化を避け振興策の実(=補償金を確保)を取ることを求められる知事。 

「日米同盟が重要。 沖縄の基地負担は限界で全国で分かち合うべきだ」と政府に訴えるが、声は届かない。 

来年迎える本土復帰40年を前に、難局が続く。 

(那覇支局長 池沢健一)

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日経新聞 自己啓発「40代 惑いの10年」=転職で想定外の苦戦=(2011年11月28日付)

2015年04月30日 06時56分27秒 | 自己啓発
日経新聞 2011年11月28日(月) P.28 生活面
連載『40代 惑いの10年』=自分がここまで無価値とは!=

『転職で想定外の苦戦』=他世代に比べかすむ魅力=

 厳しい経済情勢の中、会社からリストラされた人々が、再就職活動で苦戦を強いられている。 

バブル期に入社した40代の中には経験したことのない「再就職氷河期」に戸惑い、途方にくれる人も少なくない。 

教育費や住宅ローンの負担が大きい世代だけに、年収を大幅に下げるわけにもいかない。 
希望と現実の狭間(はざま)でもがいている。

 「バブル入社組の自分が就職氷河期を経験している若い世代と同じ転職市場で戦って、勝てるわけがない・・・・」。 

今年3月まで電子部品メーカーの営業部門で課長補佐を努めていたAさん(45)は退職後、今だに再就職のメドが立っていない。 

最近はつい、弱気になりがちだ。

「抵抗できず退職」
 業績が急速に悪化した会社が昨年、40歳以上の正社員を対象にリストラを断行し、自身も上司から退職を促(うなが)された。 

抵抗のしようがなく希望退職に応じた夫に、パート勤務の妻は「これから教育にお金がかかるのにいったいどうするの」と取り乱した。 

高校生の娘2人は退職した日に好物のまんじゅうを贈ってくれたが、ショックをうけているのがよく分かった。

 800万円ほどあった年収の大幅ダウンは避けたいと、給与水準を見て十数社に応募してきたが、書類選考で落とされてばかり。 

面接まで行っても、その先に進まない。 
「自分の価値がここまで低いとは思わなかった」。 

貯蓄の取り崩しも限界にきているため、「なりふり構っていられない。 年収が半分になってもいいから早くメドをつけたい」と焦りをにじませる。

 転職事情に詳しいキャリアコンサルタントの田辺友昭さんは、「2000年ごろまではリストラの対象といえば50代が多かったが、今は20代、30代まで広がっている」と話す。

 総務省の「労働力調査」によると「会社倒産・事業所閉鎖」「人員整理・勧奨(かんしょう)退職」によって離職した人の数は、50代18万人、40代18万人、30代16万人となっており、年代による差がほとんどなくなっている。 

田辺さんは「様々な世代が入り乱れる転職市場で40代は苦戦している」と指摘する。

 理由は「40代は商品としては中途半端」なのだという。 
バブル入社組は、ポスト不足で管理職への昇格が概して遅れがちだった。 

このため「買い手がつくほど十分なキャリアが身についていない」。 
しかも、体力や環境適応力では20代、30代にかなわない。

 特に女性の場合、中小企業の多くが女性管理職の起用に慣れていないため、「非常に厳しい」という。

 再就職支援のパソナキャリアカンパニー(東京都千代田区)の谷誠治・就職支援ナビゲーターは、「家族も心配なのだから、求職活動の状況を隠さずに話すなど、コミュニケーションを大切にしたほうがいい。

平日はいつでも面接に応じられるように準備し、週末はすべて忘れて過ごすなどのリズムも大切」と助言している。

「今更、自業自得」
 苦しむバブル入社組みを下の世代は冷ややかに見る。 

3月末に外資系銀行の事業縮小に伴って退職したCさん(33)は、約2ヵ月で別の外資系金融機関に転職を果たした。 

「僕らの世代は語学を学ぶなど、キャリアを磨く意識を持ち続けている。 
それに比べて、ブル世代は漫然と暮らしてきたキリギリスのようなもの。 

今更あせっても自業自得(じごうじとく)」と切り捨てる。

 大手日用品メーカーでリストラにあったDさん(46)は「英語の話せる自分はなんとか再就職できると思っていたが、もっと若くて3カ国語を操(あやつ)る人も多い。 

想定外に苦戦している」と話す。 

若いライバル達が自分の商品価値を高めるために頑張っていることに今更ながら気づきぼう然としている。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日経新聞 国際「中国、軍制服組追求広がる」=習氏、江氏の勢力排除=

2015年04月30日 05時37分40秒 | 国際
日経新聞 2015年4月29日(水) P.7 国際2面
『中国、軍制服組追求広がる』

『江氏の勢力排除』=元トップ、2人目=

 中国共産党が28日までに、胡錦濤前政権時に中国軍制服組トップだった郭伯雄・前中央軍事委員会副主席(72)を「重大な規律違反」の疑いで取り調べていることが分かった。

汚職などの容疑と見られ、証拠が固まり次第、5月にも公表する。

既に汚職で党籍を剥奪(はくだつ)された故・徐才厚氏に続き、前政権の軍制服組トップ2人がともに取り調べを受ける異例の事態となっている。

 習近平国家主席が進める反腐敗運動の一環だ。
軍への締め付け強化により、習氏への求心力と忠誠心を強めたい考えだ。

郭氏は徐氏と同じく江沢民元国家主席に近いとされる。

習氏としては軍内から江氏の影響力を取り除き、権力基盤固めの総仕上げに向けて、軍の掌握を進める方針だ。

 複数の共産党関係筋によると、郭氏は昨年来、北京市内で事実上の軟禁状態に置かれていたが、今月9日に身柄を拘束された。

妻ら親族のほか秘書なども相次いで拘束されたという。

 郭氏を巡っては汚職などのうわさが取り沙汰されていた。

3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)直前には、郭氏の息子で浙江省軍区副政治委員の郭正鋼氏の調査が公表され、郭氏本人への取り調べも近いとみられていた。

26日には郭氏が基盤としていた蘭州軍区の元幹部を起訴し、身柄を軍事検察機関に移したことも発表された。

 中国軍はこれまで中国社会で特権階級として扱われ、党や政府の有力者でも介入しにくい構造となっていた。

そのため民間への口利きや、軍内での出世のための賄賂(わいろ)の授受などが横行。
腐敗の温床となっていたにもかかわらず、問題にメスを入れられずにいた。

 中でも江氏が人事を通じて長らく軍に影響力を維持していたことが大きい。

国家主席になった胡氏すら影響力を思うように発揮できなかったとされ、習政権になってようやく腐敗問題に着手できるようになった。

 郭氏や徐氏も、江氏との関係を背景に軍内で影響力を維持していた。

習氏が反腐敗運動を始めた当初も、軍内で自らの影響下にある幹部を率いて習氏に抵抗したとされる。

 中国メディアによると、習氏が党総書記について以降、汚職などで失脚した閣僚・次官級以上の党や政府、軍幹部は26日現在で102人。

軍人はそのうち34人で全体の3分の1を占める。

習氏は軍内の地位に関係なく例外なく腐敗を追及していく姿勢をアピールし、軍への統制強化につなげたい考えだ。

 共産党が軍と並んで今年の反腐敗運動の焦点に挙げるのが、各種業界に影響力を持ち、党幹部との結びつきも強い国有企業だ。

 まずは、すでに失脚した党最高指導部の一員だった周永康氏が影響力を持っていたエネルギー業界から着手。

3月以降、国有石油大手の中国石油天然気集団(CNPC)総経理、中国海洋石油総公司(CNOOC)副総経理、中国石油化工集団(シノペック・グループ)総経理を相次いで重大な規律違反などで取り調べていると発表した。

(北京=島田学記者)


●父さんコメント:
 経済の大半を国有企業が占めているのが中国。

その国有企業のなかで財閥的な巨大組織と資金を有しているのが資源関連、化学関連、鉄・非鉄製造関連の国有企業だ。

それらのトップが贈収賄容疑で粛清される危機感を持っている現状は、企業活動の機能不全につながっていると推測できる。

この背景が経済の底辺では、じわじわと経済に深刻な影響を与えてくると思われる。


コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日経新聞 国際「ウクライナ経済 苦境深刻」=ロシア、債務再編で圧力=

2015年04月30日 04時48分46秒 | 国際
日経新聞 2015年4月29日(水) P.7 国際2面
『ウクライナ経済 苦境深刻』=ロシア、債務再編で圧力=

『日米欧は連帯強調』=支援国会議=

 日米欧各国は28日、ウクライナの首都キエフで支援国会議を開き、ロシアから軍事、経済両面で圧力を受けて苦境に陥るウクライナとの連帯を強調した。

東部の一部では親ロシア派武装勢力との戦闘が止まらず、ウクライナ経済は破綻(はたん)寸前に追い込まれている。

当面は債務の再編交渉(=借金の一部棒引き)の成否がカギとなる。


 会議には日米欧や国際機関の首脳や高官が出席し、バイデン米副大統領もビデオメッセージを寄せた。

支援強化と投資を訴えるウクライナのポロシェンコ大統領に対し、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は「ウクライナは欧州の国だ」と述べ、改革の断行に期待を示した。

ドイツが14億ユーロ(約1800億円)の融資を表明したほか、米国なども追加の人道支援を約束した。

 主要国が改めてウクライナ支援を打ち出したのは同国の経済情勢が悪化しているためだ。
戦闘が続く中で、今年の経済成長率は前年に続き大幅なマイナスが予想される。

足元の通貨フリブナの対ドル相場は1ドル=20フリブナ台前半で推移、年初から約3割下落した。

国際通貨基金(IMF)主導の改革により公共料金を引き上げたこともあり、3月のインフレは年率40%を超えた。

市民生活は逼迫し、ポロシェンコ政権の求心力は落ちている。

 債務を巡る交渉は難航している。

IMFが3月にまとめた400億ドル(約4兆8千億円)のウクライナ向け支援策はIMFが175億ドル、米欧などが75億ドルを拠出し、残りの150億ドルは民間に対する債務の圧縮などで捻出する内容。

ウクライナ政府は債権者と交渉を続けているが、全体の約4割の債権を持つ米フランクリン・テンプルトンなどは削減に反対している。

 交渉の行方はロシアの出方に大きく左右される。

ロシアは2013年、国営のファンドを通じて30億ドルのウクライナ国債を購入し、新ロ派ヤヌコビッチ前政権を支援した。

ロシアはこの債権を国家間の貸し借りと主張し、条件見直しには一切応じない構えだ。

 ロシアはさらに同債券購入時にウクライナの債務規模が国内総生産(GDP)の6割を超えた場合には今年12月の償還を前に即時返済を求めるとの条件も付けていた。

ロシアがウクライナに返済要求を突き付け、デフォルト(債務不履行)を起こせば、IMFの支援継続は危うくなる。

 IMF支援プログラムは民営化などの改革を進め、債務規模をGDP比7割程度に維持することが柱。

ロシアが支援する新ロ派が軍事圧力を強めれば、フリブナ相場が再び急落、経済成長率のマイナス幅も一段と広がりかねない。

これではIMF支援は崩れる。
ウクライナの現地エコノミストは「ロシアは経済も人質にしている」と指摘する。

(モスクワ=吉川英治記者、ブリュッセル=森本学記者)


『ロシア軍、国境に集結』=米軍、訓練部隊を派遣=
 ウクライナ東部では一部で戦闘が止まらず、緊張が続いている。

米国は2月の停戦合意後も、ロシア軍が東部に対空ミサイルなどを展開していると主張し、米軍の訓練部隊をウクライナ西部に派遣した。

ウクライナ主要都市ではテロも起きており、経済情勢と併せて、社会不安が高まりつつある。

 東部の戦闘は親ロ派支配地域とロシアが武力で自国に編入したクリミア半島を結ぶマリウポリなどの要衝(ようしょう)で起きている。

ウクライナ当局は26日にもマリウポリとドネツクで親ロ派の攻撃を受け、ウクライナ兵に死者が出たとしている。

 米政府や北大西洋条約機構(NATO)によると、ウクライナとの国境には昨年10月以来、最大規模のロシア軍が集結しており、親ロ派に重火器を供給している。

 これに対し、米軍はウクライナ西部で同国軍の訓練を開始した。

ロシア政府関係者は米国を非難し「ロシアと米国の代理戦争が現実になりつつある」などと主張する。

 ウクライナ南部のオデッサや東部のハルキフなどでは年初から爆弾テロが起きた。
首都キエフでも地下鉄などでテロ未遂が相次いでいるという。

ウクライナ政府高官はロシアの関与を示唆したうえで「我が国は軍事、経済、社会の全面で揺さぶりを受けている」と指摘した。

(モスクワ=吉川英治記者)

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日経新聞 経済「131兆円の巨鯨「年金マネー」、市場動かす」=運用資産配分を株式5割へ=

2015年04月30日 04時12分28秒 | 経済
日経新聞 2015年4月29日(水) P.5 経済面
特集連載『数字で知る日本経済Ⅱ ⑤』

『131兆円の巨鯨 市場動かす』=年金運用、株に5割=

 15年ぶりに2万円台に乗せた日経平均株価。

その立役者は国民になじみが薄い1つの独立行政法人だ。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)。

厚生年金や国民年金の保険料として国民が国に納めたお金を管理し、当面は年金として支払わない分を市場で運用するのが仕事だ。

 世界最大級の機関投資家であるGPIFは、その巨額の運用資産から市場では「巨鯨」の異名をとる。

市場で運用する資産は2014年末時点で131兆円。 
日本生命保険が60兆円(一般勘定)だから、その巨額さが分かる。

 そのGPIFは14年10月31日、運用資産配分の目安を変更すると発表した。

安全志向から資産の60%を当てるとしていた国内債券は35%に減らし、国内外の株式への配分を2倍の50%に増やす内容だ。

安倍晋三政権の意向を受けた巨鯨の進路変更で株価は上昇基調を強めた。

 なぜ国民の「虎の子」である年金の積立金で株を買うのか。

GPIFの説明は「年金制度を将来にわたって維持するために、一定以上の運用益を稼がなければならない」というものだ。

今の年金制度は積立金で年1.7%の利回りを稼ぐのが前提になっている。

GPIFが主な投資対象にしてきた国債の金利は指標となる10年物で0.3%前後しかない。

このままだと必要な利回りを確保できず、積立金が想定より早く枯渇してしまう恐れがあった。

 世界を見渡すと、GPIF以外にも株式で積極的に運用する基金はある。
ノルウェー政府年金基金は100兆円程度の資産の6割を株式で運用する。

1990年代の運用開始時は債券のみだったが、徐々に株式投資を増やし、07年には株式の比率を60%にした。

株式を増やしたGPIFの運用成績は今のところ好調だ。
14年10~12月期の運用益は6兆6233億円。

四半期ベースで過去2番目の大きさだった。
ただ株式は価格変動幅が国債よりも大きい。

株運用の拡大は年金制度に大きなリスクを抱え込むことでもある。

 仮に株価が暴落すればGPIFは巨額の含み損を抱えてしまう。
リーマン・ショックがあった08年度にGPIFの運用成績は9兆円の赤字になった。

新たな資産配分のもとで同様の金融危機が起きた場合、赤字は30兆円に上るとの試算がある。

そうなれば年金制度の信頼が揺らぐため株投資の拡大に慎重論も根強い。

 年金資金の運用のあり方は専門家の間でも意見は分かれる。
日銀の大規模な量的緩和とともに壮大な実験ともいえる。


●関連日経記事:
2015年4月13日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 経済「GPIF委託先の米ファンド『日本株、なお割安』」=日経平均一時2万円台=』(4月12日付)

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日経新聞 国際「エチレン国内生産、この10年で1割減」=米のシェール由来品流入も=

2015年04月30日 03時45分55秒 | 国際
日経新聞 2015年4月29日(水) P.22  マーケット商品面
連載『データで読む商品』

『エチレン生産、10年で1割減』=米のシェール由来品流入も=

 幅広い石油化学製品の原料となり「石油化学のものさし」と呼ばれるエチレンの生産が減少傾向にある。

2014年の生産量は665万トンと、この10年で1割減った。

自動車や家電など海外生産が進んだ影響もあり、国内需要は頭打ちだ。
将来は米国からシェールガス由来の製品がアジアに流入し、一段と落ち込むとの見方もある。

 需要の減少に対応し、石油化学各社はエチレン設備の閉鎖や統合を進めている。
昨年5月に三菱化学が茨城県の設備を1基停止した。

今年の5月には住友化学が千葉工場でエチレン生産をやめ、来年には旭化成ケミカルズが岡山県の設備を停止する予定だ。

 対照的に新設備の建設が活発なのが米国だ。

米国ではシェールガス開発に伴って、一緒にとれるエタンを原料にしたエチレン設備の建設が進む。

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構の伊原賢上席研究員は「エタンはナフサより割安で価格も安定しており、米国のエチレン設備の競争力は高い」と話す。

 米国のエチレンの年間生産能力は18年までに12年比で1000万トン上積みされる見込みだ。

 エチレン設備が本格的に立ち上がると、ポリエチレンなどの製品がアジアに流入する可能性が高い。

 日本のエチレンの内需は500万トン程度で、残りは輸出に回る。
足元では原油安や円安が進んだことで輸出は堅調で、需要を下支えしている。

ただ「原油価格はいずれ上がる。 米国から製品が流入したときに輸出競争力を保てるかは不透明」(化学大手)との声も聞こえる。

 石油化学製品の大消費地である中国では、割安な石炭を原料とした化学プラントの建設が予定されている。

18年にはエチレン生産能力が年3000万トンに達する見込みだ。

 米国や中国でのエチレン増産は日本の輸出減少につながる。

経済産業省では最悪の場合、エチレンの国内生産は20年には470万トン、30年には310万トンまで落ち込むと予測している。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

日経新聞 経済「アセットマネジメントへの期待と課題」=東京を国際金融センターに=

2015年04月29日 06時51分23秒 | 経済
日経新聞 2015年4月28日(火) P.19 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『アセットマネジメントへの期待と課題』

 東京を国際金融センターに育てようという構想が動き出している。

国際金融センターの中核はニューヨークやロンドンでもアセットマネジメント(資産運用業)であり、金融庁もモニタリング方針にアセットマネジメントの高度化を求めている。

定着の条件は何か。

 第一は、証券投資の成功体験を実感する条件を整備することだ。

株式市場は最近でこそ好転しているが、長く低迷が続いたため多くの投資家は成功体験に乏しい。

その意味で、企業価値の持続的向上に向けた機関投資家の行動原理「スチュワードシップ・コード」、上場会社の規律である「コーポレートガバナンス・コード」の制定の意義は大きい。

 両コードの本来の趣旨を踏まえて企業の稼ぐ力がグローバルレベルまで向上するかどうか、投資家と企業の取り組み姿勢が問われる。
 
 第二は、人材育成と金融リテラシーの向上だ。
アセットマネジメントの歴史は浅く、残念ながら人材の厚みが乏しい。

入社年次で繰り回す人事では知見のある人材は育たない。
運用の本質を理解しようという意欲を持った人材の育成は喫緊(きっきん)の課題だろう。

 リテラシーというと個人の投資教育が話題になるが、息の長い取り組みが必要になる。

小学校から始まり、最近は大学生や社会人にまで対象が広がっているが、課題は資産運用を職業とする人たちのリテラシー向上だ。

とりわけ資金の出し手(=個人投資家)の立場に立つ人材育成は急務となる。

 第三は、フィデューシャリー概念の定着だ。

最近では大手金融グループで金融商品の販売、資産運用・管理、運用コンサルタントも兼ねるケースが増えており、利益相反(りえきそうはん)問題にはことのほか敏感でなくてはならない。

よく指摘される事例には、投信の販売会社の販売額上位には系列の運用会社の商品が並ぶこと、企業年金の運用で母体企業との関係が深いとされる運用会社が選ばれる傾向があることなどがある。

 投資家のために運用商品が選択されているのか、検証が求められよう。
加えて販売・運用会社の双方でバガナンス体制の強化は不可避となる。

 金融資産大国にふさわしいアセットマネジメントへの成長期待は大きいが、実現に向けた課題も多い。

定着するかどうか正念場を迎えている。

(自律)

コメント
この記事をはてなブックマークに追加