日経新聞 国際「OPEC、協調築けず」=原油安、長期化も=

2014年11月29日 04時41分26秒 | 国際
日経新聞 2014年11月28日(金) P.3 国際2面
『OPEC、協調築けず』=陰る価格支配力=

『原油安、長期化も』
 
 石油輸出国機構(OPEC)が27日の総会で、原油生産量を据え置くことを決めた。

世界経済の減速懸念もあって、原油価格は前回の6月の総会時点から3割程度も下げている。
OPECの協調体制は乱れたままだ。

これまでの強力な価格支配力に陰りが出ており、原油安は長期化する可能性が高まっている。


 「偉大な決定だった」。
最大の産油国、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は総会後、報道陣にこう語った。

新興国の需要減とシェールオイルなどの供給増を背景に、OPECが6年ぶりの減産に踏み切るとの観測も一時は浮上したが、生産枠の維持を主張するサウジなどが最後は押し切ったとみられる。

総会では、加盟国間で価格の維持と生産量の確保のどちらを優先するとかで見解が分かれた。

 財政に余裕があるサウジは、シェールの増産が続く中でOPECが減産すれば、米国に顧客を奪われるとの危機感が強い。

原油安を容認することで、政治的に対立するイランや、原油生産を増やしてきたロシアをけん制する思惑もあるとみられる。

 一方、原油輸出に財政を依存するベネズエラなどでは原油安が経済を直撃し、価格下落に耐えられなくなっている。

同国のラミレス外相は「加盟国は減産に向けて協調すべきだ」と、早期価格回復を訴えたが、賛同を得られなかった。

財政が均衡する原油価格が100ドルを大きく超えるこれらの国は、原油安で経済が不安定になる「逆オイルショック」に直面している。

 OPECの正念場は当面続く公算が大きい。

現在は日量3000万バレルを生産しているが、2015年以降、シェールの生産が一段と拡大し、減産への圧力がさらに高まる。

15年にはOPEC産原油への需要が2920万バレルまで減少するとの試算もある。
これまで原油の需給関係が崩れるなか、原油市場では投機的な動きも強まっている。

 OPEC加盟国だけでは原油安への対応に限界があるとみて、サウジとベネズエラは総会前の25日、ロシア、メキシコと高級実務者会合を開き、非加盟国に協調を呼びかけた。

原油安は日米欧の先進国経済には追い風になるが、原油市場の安定に一定の役割を果たしてきたOPECの力の衰えにより、原油相場は不安定な状態が続くリスクが高まっている。

(ウィーン=黄田和宏記者)



●きょうのことば:『OPEC』

 中東の湾岸諸国やアフリカ、南米の石油輸出国の利益を目的とした価格カルテル。

石油の権益を独占していた国際石油資本に対抗するため、1960年に設立した。

原加盟国はイラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5カ国で、現在は12カ国が加盟する。

世界の原油供給の3分の1を担い、サウジが最大の産油国。
70年代には石油価格の大幅な引き上げで、石油ショックを引き起こした。

▲本部をウィーンに置き、現在は年2回開く総会で加盟国の目標とする原油の生産量を決めている。

現在の生産枠は日量3000万バレルで、12年以降、目標を据え置いている。

過去には各国に生産量を割り当てていたが、現行方式では加盟国が合計で生産枠を達成することで協調している。

原油価格が大きく変動した場合には臨時総会を開いて、対応策を協議することもある。

▲加盟国は国債指標の北海ブレント原油で1バレル100ドル程度を適正水準とみて、これまで価格の高値維持で協力してきた。

原油価格は9月までの約4年間、おおむね100ドルを上回る水準で安定的に推移してきた。

ただ、原油高が北米のシェールオイルの開発を促す結果となり、最近は過剰供給の懸念から加盟国は警戒感を強めている。


●関連日経記事:2014年11月28日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「原油安、揺れる権力基盤」=試練の産油国 (中)=』(11月27日付)

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日経新聞 国際「財政危機、国外へ出稼ぎ増える」(2011年4月26日付)

2014年11月28日 04時53分04秒 | 国際
日経新聞 2011年4月26日(火) P.7 国際面
『欧州、人の流出入に変調』=「国が財政危機」 職求め大量脱出=
  
『「北アフリカ動乱」 難民増え、制限も』

 ユーロ圏の財政危機や中東・北アフリカ地域の政治動乱の影響で、欧州をめぐる人の流れに変調が起きている。 

アイルランドやポルトガルなど財政危機に見舞われた国では、国民が海外に職を求めて大量に脱出。 

チュニジアやリビアなど北アフリカ地域からはイタリアなど近隣国に難民が流れ込んでいる。

 英仏などでは移民流入を制限する動きもあり、人の移動をめぐる国際摩擦も広がってきた。

『摩擦広がる恐れ』
 財政危機で雇用が悪化するスペイン、ポルトガルでは「(母国語が通じる=)旧植民地」に職を求める国民が増えている。

 失業率が20%に達したスペインからは、アルゼンチン、メキシコ、チリなどに出稼ぎに行く人が増加。 

政府統計によると、アルゼンチンに在留するスペイン人は今年3月で31万5000人と前年同月に比べ約2万人、7%増えた。 

チリでも同19%増、メキシコでも同14%増加した。 
ポルトガルからも旧植民地のブラジル、アフリカのアンゴラへの出稼ぎが増えている。

 不動産・金融バブルが崩壊したアイルランドでも国民の海外流出が起きている。 
同国はこれまで低い法人税率などで外資を積極誘致、人材も流入していた。

 だが、同国の人口統計によると、2010年4月までの1年間で3万4500人の純流出となった。 

これは1989年以降21年ぶりの大規模な人口流出。 
近隣の英国やEU諸国、歴史的に関係の深い米国などに流れている。

 一方、政治動乱が続く北アフリカ・中東地域からは、地中海地域に向けた難民が増加している。 

 イタリアには年初からチュニジアやリビアなどからの難民が地中海の島を中心に大量流入し、政治問題化している。 

イタリア最南端で人口5000人のランペドゥーサ島には、2万人を超すチュニジア難民が押し寄せた。

 イタリアのベルルスコーニ首相は他の欧州連合(EU)加盟国にも受け入れ分担を要請しているが、仏独などとの調整が難航している。

 英国やフランスでは、外国からの移民に制限をかける動きも出てきた。

国内の雇用情勢が悪化するなかで、外国人が雇用機会を奪うという不満が国民の間で広がっているからだ。

 英キャメロン政権は、4月からEU域外からの移民に人数制限を実施、外国人留学生へのビザ発給も厳しくした。 

海外からの熟練労働者を頼りにする産業界や、外国人学生を受け入れる大学からは反対の声も上がっている。 

フランスやフィンランドでは反移民を唱える極右政党が支持率を伸ばし、政府にも移民に対し厳しい政策を取るよう求める圧力が強まっている。

 ユーロ圏の財政危機や中東・北アフリカの混乱がさらに広がれば、こうした動きが加速する可能性があり、出稼ぎ労働者や難民など人の移動をめぐる国際摩擦が広がる恐れがある。
                   
(ロンドン 藤井彰夫記者) 


●父さんコメント:

 国の財政危機は個人生活に無縁のように感じるが、実は密接に連動している。 

国が財政危機に陥り、IMFなどからの資金援助を受けると、義務として厳しい財政再建策が実施される。 

緊縮財政(人件費削減=失業者の増加)、増税(収入額の減少、失業給付や年金の削減)などが実施されると現在ポルトガル、スペイン、アイルランドで発生していることが日本でも起こる可能性は大。

また、北朝鮮が崩壊した場合や北朝鮮・韓国、台湾・中国が戦争状態になると大量の難民が発生する。 

北朝鮮・韓国から、台湾から難民が日本各地に押し寄せてくるのは自明の理。 
難民の大量流入は決して欧州だけに発生する特殊な事例ではないことを理解しておこう。

日本も国際社会の一員であり、自分勝手な唯我独尊を決め込むことはできない。 
普段から国際情勢に敏感になっておこう。 

それがグローバル社会で家族が無事に生き抜く唯一の方法だから!

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日経新聞 国際「原油安、揺れる権力基盤」=試練の産油国 (中)=

2014年11月28日 04時13分32秒 | 国際
日経新聞 2014年11月27日(木) P.7 国際2面
特集連載『試練の産油国 (中)』

『「専制国家」に逆風』=原油安、揺れる権力基盤=

南米ベネズエラのマドゥロ大統領が9月、米ウォール街の金融資本家にあるメッセージを送った。

「対外債務は最後の1ドルまですべて支払う」という内容だ。

『債務返済に不安』
 マドゥロ氏といえば、強硬な反米左派路線で知られ反市場的なレトリック(修辞)を繰り返したチャベス前大統領の後継者。

異例の声明は市場関係者を驚かせたが、それは同国が直面する苦境の裏返しでもある。

 同国は世界最大の原油埋蔵量を誇る資源大国だ。
しかし、放漫財政に加え原油価格の急落で債務返済を巡る不安が深まった。

元企画相で、米ハーバード大のハウスマン教授らは、デフォルト(債務不履行)を示唆するような論文を執筆し、国債利回りが急上昇(=価格は下落)した。

 同国の原油収入は歳入の5割、輸出の9割以上を占める。
外貨準備は2013年末で215億ドルと、ピークの08年から半減した。

支持基盤の低所得者層向けの住宅建設など社会施策につぎ込む余裕がなくなりつつある。

 政権の支持率は3割程度で、不支持率が上回る状況が続く。

15年の総選挙を前に「インフレ、物不足という経済問題は深刻化している。 人気は低下し続ける可能性が高い」(英バークレイズ)とみられている。

 豊富な原油収入で専制的な支配体制を強めてきた国では政権の基盤が価格下落で揺さぶられる可能性がある。

外貨収入をばらまいて支持基盤を固め、批判勢力を抑えるようなやり方は見直しを迫られるだろう。

 核問題をめぐる経済政策で国民の生活苦が続くイラン。

ザンギャネ石油相は15日、政府系ファンドの一部を取り崩し、関連産業に振り向ける意向を表明した。

制裁でただでさえ外貨獲得に苦戦しているところに原油価格下落が追い打ちをかけた。

 05年から2期8年を務めたアハマディネジャド前大統領は、国民への現金給付や住宅建設の与信の拡大といった施策で人気を得た。

 現政権はそうした大判振る舞いを再現する余裕はない。

経済再建を掲げて昨年当選したロウハニ大統領は、社会資本投資などを削る帳尻合わせを余儀なくされる可能性が高い。

 原油安の影響が広がるなかで国民は民主化要求の声を高め、市場は経済構造の正常化に向けた圧力を強めるかもしれない。

難航をする核協議でもイランの譲歩を期待する見方がある。

『思わぬ混乱生む』
 だが、権威主義的な体制が揺さぶられると、思わぬ混乱を生む恐れもある。

1979年のイラン革命はもともとパーレビ政権の腐敗や弾圧に反発した人々のデモが発端だが、結果として生まれたのは反欧米の非民主的なイスラム体制だった。

 「原油価格にはいつも政治的な要素が存在している」。

ロシアのプーチン大統領は今月、こう発言し、対立する米国がロシアへの打撃を狙って価格引き下げを首謀しているとの見方を示唆した。

 原油はロシアの輸出の7割を占め、価格下落は深刻な打撃をもたらす。
ウクライナ危機を巡る欧米の経済制裁で国民生活は徐々に厳しさを増す。

プーチン氏は「苦境を招いたのはロシアを敵視する欧米だ」という理屈で、対立姿勢に一段と傾斜しかねない。



●関連日経記事:2014年11月27日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「逆オイルショック」=価格下落、投資が委縮=旧ソ連崩壊の原因にも=』(11月26日付)

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日経新聞 海外メディア「独エネルギー政策の矛盾」=石炭火力で汚染拡大=

2014年11月28日 03時51分06秒 | 海外メディア
日経新聞 2014年11月27日(木) P.6 国際1面
連載「英フィナンシャル・タイムズ特約」=11月26日付、社説=

『独エネルギー政策の矛盾』=石炭火力で汚染拡大=

 ドイツほど熱心に温暖化ガスの削減に取り組んでいる国はない。

「エネルギーベンデ」と名付けたエネルギー転換政策に取り組み、2050年までに電力の8割を二酸化炭素の排出なしで確保するつもりだ。

だが、ドイツはあまりにもたくさんのことを性急に達成しようとしているようだ。

 2000年にエネルギーベンデ政策を始めてから再生可能エネルギーの供給が急増、今年は電力の4分の1以上を賄う。

メルケル首相も11年の福島での原発事故を受けて転換政策を加速させ、22年に全原発を閉鎖する方針だ。

 ドイツは2つの深刻な問題に直面している。

 第1に再生可能エネルギーの不安定性と原発による発電の削減で何年も供給問題に悩むはずだ。

供給不足の解消には二酸化炭素を出す石炭火力発電に頼らざるを得ない。

 第2は経済への影響だ。
再生可能エネルギーへの政府補助金は消費者の直接負担が原資。

ドイツの家庭は米国の2倍の電力料金を払っている。

事業者向け料金はここ4年で30%以上跳ね上がり、競争力にとって大きな重荷になっている。

 メルケル内閣は来週、気候変動の目標を維持しながらエネルギー供給を確保する方策を協議する。

選択肢は限られる。
原発停止の撤回は政治的に不可能だ。

二酸化炭素を削減するために一部の石炭火力発電所を止めれば、家庭の電力使用の抑制につながりかねない。

 ドイツ国民の多くが50年には世界で最も安価できれいで安定したエネルギー供給を受けられると信じている。

だが、それはまだ先の話だ。
短期では汚染を広げ、エネルギー料金を引き上げそうだ。

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日経新聞 保険・年金・税金「相続のいろは ④」=遺産は少なくてももめる=

2014年11月28日 03時34分31秒 | 保険・年金・税金
日経新聞 2014年11月27日(木) P.5 経済面
特集連載『相続のいろは』=ミニ知識 ④=

『遺産は少なくてももめる』=5千万円超は2割=

 相続争いは遺産が多いケースほど起こりやすいと思われがちだが、実態は異なる。

裁判所がまとめる司法統計によれば、今年の1~9月に調停が成立するなどして解決した遺産分割事件約6200件のうち、遺産が5千万円を超えるケースは全体の2割に満たない。

 4700件と8割近くを占めるのが遺産5千万円以下のケースだ。
このうち1千万円以下の事例も全体の約3分の1に上る。

基礎控除の枠内に収まる事例の相続争いがなぜ多いのか。

 Aさんは地方の一戸建て住宅に母親と同居している。
その母親が最近亡くなり相続が発生した。

法定相続人はAさんと妹だけだが、母親の遺産は実家の土地建物とわずかな預貯金しかない。
不動産の評価額は3千万円程度と相続税はかからない。

妹は実家を売却して現金での相続を要求し、生まれ育った家で住み続けたいAさんと対立。
家庭裁判所で分割協議する事態となってしまった。

 遺産が多いケースは資産の分け方の選択肢も多く、もめ事が起こりづらい側面もある。
遺産が少ない場合でも遺言の作成や事前の話し合いをしておく人も増えている。

(連載終わり)

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日経新聞 開発「地方の魅力発見 よそ者の知恵」=人口病に克つ ⑤=

2014年11月28日 02時24分50秒 | 開発
日経新聞 2014年11月27日(木) P.1
特集連載『人口病に克つ』=地域を創り直す ⑤=

『魅力発見 よそ者の知恵』=森で子育て、東京出身者が発案=

 鳥取県智頭町。

自然豊かな町の幼児教育に子育て中の親が注目している。
NPO法人が運営する「森のようちえん まるたんぼう」。

園舎がなく、雨の日も雪の日も子供たちは屋外で遊ぶ。
北欧の事例がモデルだ。

『都心と田舎結ぶ』
 立ち上げたのは、2009年当時、移住して3年目の新参者(しんざんもの)だった西村早栄子(42)。

東京出身で、都市での子育て経験から「マンションの一室に母子だけでいたら息が詰まる」と感じていた。

鳥取県職員を経て、智頭町の森に理想の子育て環境を見出した。

 昨年つくった分園に通う園児は10人中9人が東京、大阪、愛知、海外などからの移住組。
「大都市ではできない子育て」が共感を呼んでいる。

 総務省によると東京圏への転入超過数は13年に約9万7千人。
東京一極集中が進むなかで、地方の悩みはアイデアや行動力のある人材が足りないことだ。

誰が地方再生を担うのか。
地方の魅力を客観的に評価できる都会人にこそ候補はいる。

 東京で働く馬場未織(41)は毎週末、千葉県南房総市で過ごす。

「田舎暮らし」に憧れて07年に2地域居住を始めたが、「このままでは集落がなくなってしまう」と、都心と地域をつなぐNPOを立ち上げた。

東京では房総の野菜を使うカフェ、千葉では都会の子供が山や川で学ぶ「里山学校」を運営。
集落にも新しい風を吹き込み、昨年は6年ぶりに祭りが開催され、古道も復活した。

 「よそ者、若者、ばか者」。
佐賀県は地域再生に手腕を発揮する人材をこう分析。

県外企業で5年以上の勤務経験がある人を対象に、U・Iターン採用枠を設定した。

県内企業の中国進出を後押しする海外経験者、県内に映像作品のロケを誘致する元広告会社社員・・・・・。

外からの視点に活路を求め、14年度までに70人を採用した。

 日本総合研究所主任研究員の藤波匠(49)は「公共事業で無理に仕事をつくって若者を呼び込んでも、定着しない」と指摘する。

田舎に魅力を感じている都市生活者の背中を押す仕組みこそ、地方の力になる。

 総務省が09年度に始めた人材派遣事業「地方おこし協力隊」。

移住目的ではなかったが、今年6月までに任期を終えた隊員の56%、約200人が周辺地域に定住した。

明治大学教授の小田切徳美(55)は「一定期間の雇用保障で移住のハードルが低くなり、結果的に派遣先に愛着がわいたケースが多い」と分析する。

『課題先進地の利』
 企業の力もうまく使いたい。

愛媛県で働くリクルートキャリアの奥平圭織里(30)は10月、宮城県石巻市に派遣された。

本来の採用支援とは全く畑違いの訪問医療に6週間携わった。
新たな事業考案に向け、50年先の社会課題への理解を深めさせるのが会社の狙いだ。

「少子高齢化という『課題先進地』でどんなビジネスができるか企業が関心を持ち始めている」。

研修を仲介したNPO法人クロスフィールド代表理事の小沼大地(32)は指摘する。
奥平は「愛媛を盛り上げたいと思うようになった」と話す。

 「よそ者」の知恵と力をうまく生かすことが、地方再生の推進力を高める。


『広がる地域おこし隊』

 総務省が2009年から始めた「地域おこし協力隊」。

過疎に悩む自治体が三大都市圏などの住民を1~3年間受け入れ、農林漁業の支援など地域活動に関わってもらう。

13年度調査によると、20~30代が全体の8割を占め、男性が65%、女性が35%となっている。


 受け入れ自治体は13年度で318。

地域別にみると北海道が168人と最も多く、長野県が83人、山梨県と島根県は59人と続く。

 隊員の活動は多種多彩だ。

例えば、12年に8人を受け入れた北海道上士幌町では隊員が観光客の誘致イベントを行ったほか、住民向けに戸別訪問して生活習慣病を予防する取り組みを行ったりした。

任期を終えた後もそのまま定住する人も多い。

 島根県邑南町では「耕すシェフ」として野菜を栽培し、観光協会が直営するレストランで提供する。

「A級グルメ」の町おこしに一役買っている。

 定住する人の多くは就職したり、就農したりしている。
自治体も8割が「協力隊を受け入れてよかった」としている。

若者の流出に悩む過疎地に逆にひき付けられる大都市の若者は少なくない。
移住を促す仕組みを工夫すれば、地方再生に若者の力を生かせる。

(この項おわり)

*柳瀬和央記者、岡田真記者、古宇田光敏記者、尾島島雄記者、天野豊文記者、合田義孝記者、館野真治記者、河野俊記者、田中浩司記者、井上円佳記者が担当しました。


●関連日経記事:2014年7月21日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 自己啓発「働く異邦人 ⑥」=わたしが町おこし=』(7月19日付)

●関連日経記事:2013年3月19日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 『日経新聞 開発「よそ者の視点 ヒット生む」=外食揺さぶる「俺の」改革=』(2013年3月18日付)

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日経新聞 経営「自社ブランド・飲食拡大」=ありがとうサービス(愛媛県今治市)=

2014年11月27日 08時41分16秒 | 経営
日経新聞 2014年11月26日(水) P.43 四国経済面
『自社ブランド 飲食拡大』=ありがとうサービス=

『女子サッカー育成校の食堂受託』=幼稚園に給食配送=

 中古品販売・飲食事業のありがとうサービス(愛媛県今治市)は自社の飲食店を核にした食堂運営・配食事業を強化する。

日本サッカー協会(JFA)が来年4月に愛媛県今治市で開く寄宿舎の食堂運営を受託したほか、同市で幼稚園への給食配送も始めた。

無農薬野菜を生かした飲食店の運営で培った食材調達網や献立作りのノウハウ、調理スタッフを生かして収益源を広げる。


 同社は四国でモスバーガー、大戸屋といった大手飲食業の店舗をフランチャイズチェーン(FC)展開する。

一方、2003年に今治市で自社ブランドの家庭料理店「ティア家族のテーブル」を開業し、無農薬野菜や無添加調味料を使った料理を提供。

女性らの支持を集めている。

 食堂の運営を受託した「JFAアカデミー今治(いまばり)」は未来の「なでしこジャパン」を育てる女子中学生向けの養成機関。

生徒は今治市の学校に通い、共同生活を送りながらサッカーの練習に取り組む。

激しい運動で消費するカロリーを補える、バランスのとれた食事を提供するうえで、同社のノウハウが役立つと判断したとみられる。

 食材はティアの調達網を生かして手に入れ、調理は基本的に同店のスタッフが手掛ける。

井本雅之社長は「管理栄養士が考えたメニューに沿って提供するが、生徒に応じたアレンジもしていく」と話す。

 無農薬野菜を使っている点をアピールし、食の安全・安心に関心が高い母親層のニーズも取り込む。

幼稚園への給食配送は今治市内の1園で始めた。
調理はティアのスタッフが担当する。

来年4月には新たに1校で給食の提供を始める予定だ。
保護者から認められれば、同店のブランド力も高まるとみる。

 将来は自社ブランド店舗を核にした飲食事業を本社のある今治市以外にも広げていく。
候補地は松山市で、無農薬野菜を使う総菜・弁当の店舗を16年にも開設する計画だ。

持ち帰りだけでなく、その場でも食べられるようにする。
幼稚園への給食の配送なども視野に入れていく。

 同社はジャスダックに上場し、14年2月期の単独売上高は74億円。
飲食業のほか、ブックオフやハードオフなど中古品販売の店舗をFC展開している。

飲食事業の売上高は14年2月期が23億円だが、自社ブランドの強化で他社との違いを打ち出し、中期的には30億円を目指す。

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日経新聞 開発「盆栽、欧州で人気高まる」=香川県・高松、輸出拡大に期待=

2014年11月27日 08時17分53秒 | 開発
日経新聞 2014年11月26日(水) P.43 四国経済面
『盆栽 欧州で人気高まる』=ドイツなどから業者=

『松、輸出拡大に期待』

 高松市の名産、松盆栽が欧州で人気を呼んでいる。

今月は日本貿易振興機構(ジェトロ)香川の招きでドイツ、チェコ、ベルギーのバイヤーが産地を訪れ、盆栽生産者と商談した。

「東洋的で、芸術的」。
欧州での人気の高まりに産地も輸出拡大の期待を寄せている。

 高松市の鬼無(きなし)地区。
今月中旬、チェコの盆栽バイヤー、バーツラフ・ノバークさんの姿があった。

「訪問の目的は将来的にビジネスにつながりそうな盆栽や植木を探すこと」。
複数の盆栽の畑などを丹念に見て回り、栽培業者に質問していた。

 チェコでも盆栽は人気がある。
愛好クラブもあるほどだという。

「見て楽しむ人、手入れをして盆栽技術を高めようとする人、アートとしての価値を認める人など様々」とのバークさん。

「チェコに来た日本人が、わが国の盆栽人気に驚きの声を上げるほど」とも。

 松盆栽は松が高いシェアを誇る。

ジェトロ香川によると「欧州向けの輸出量は微増だが、バイヤーの間では(松の松盆栽の)関心が高まっている。 輸出先も広がっており、今後が期待できる」という。

 産地の鬼無・国分寺地区でも昨年、生産業者が「松盆栽輸出振興会」(小西幸彦会長)を設立するなど、盆栽の輸出強化に向けた体制づくりが進んでいる。

小西会長は「日本だと盆栽はお年寄りの趣味、というイメージもあるが、欧州では若い世代が誕生日プレゼントに使うなど、思いもよらないニーズがある」と話す。

 「欧州でどんな盆栽が好まれ、どんな利用のされ方をしているかなどを、各国に出向いて調査し、産地に還元することなども検討したい」と輸出増に向けた取り組みに意欲を見せている。

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日経新聞 開発「買収・協業、効果どこまで」=ローソン 変われるか (上)=

2014年11月27日 05時08分48秒 | 開発
日経新聞 2014年11月27日(水) P.11 消費Biz面
特集連載『ローソン 変われるか (上)』=買収・協業、効果どこまで=

『通販・映画 店の強みに』

 ローソンが相次ぐM&A(合併・買収)で事業を拡大している。

今夏以降、シネマコンプレックス(複合映画館)や高級スーパーを買収。
今月からアマゾンジャパン(東京・目黒)と共同サービスにも乗り出した。

12年間トップに君臨した新浪剛史氏(現サントリーホールディングス社長)からバトンを引き継いだ玉塚元一社長は、どのような成長戦略を描くのか。

 「いつも使っているドッグフードが欲しいけど、ありますか」ーー。

静岡県内のローソンでは今月5日から、店内の情報端末「ロッピー」の電話を使い、アマゾンで取り扱うインターネット通販商品を購入できるようになった。

来年春に全国1万2千店で同様の仕組みを導入する

 コンビニエンスストアが扱う商品数は売れ筋に絞った約3千品目。
店頭では対応できない消費者の需要に、アマゾンの数千万品目を取り込むことで応える。

 新たな仕組みをローソンは「オープンプラットフォーム(開かれた基盤)」と名づける。

今後、アパレルなど様々な企業とも連携を探り、あらゆる商品が店頭や自宅で受け取れる体制づくりが狙いだ。

 「コンビニ事業を磨くために決断した」。
玉塚社長はここ数カ月で次々に発表した買収や協業の狙いをこう話す。

同社の2014年3~8月期の営業利益は前年同期比12%増の400億円だったが、株価償却方法を変更したことで43億円押し上げられた特殊要因もある。

既存店売上高は同1%減っており危機感は強い。
 
 「うちが親会社になった効果が出始めている」ーー。

8月に買収したシネコン運営業界3位のユナイテッド・シネマ(UC)について、エンターテインメント事業などを統括する加茂正治専務執行役員はこう話す。

 シネコンの平均稼働率は一般的に3割程度だが、郊外に映画館が多いUCは2割強にとどまる。

ローソンは10年に買収した音楽・映像ソフト販売のローソンHMVエンタテイメントのノウハウを投入する。

 第1弾として10月末からの約1カ月間、20回にわたり人気声優のイベントをUCの劇場で開催。

1万人超を動員した。

HMVをテコにエンタメ業界との交渉力を強めたローソンが間に入ったから開催できたイベントだ。

もちろん、UCを支援することだけが狙いではない。

映画業界における存在感を増すことで、ローソンの店頭で人気作品の独自商品やサービスを増やす方針だ。

 将来に向けた種まきを始めたローソン。

新たにグループに加わった企業や協力関係の仕組みを生かし、「ローソンに用があるから行く」という果実を得るための地道な取り組みが、これから問われることになる。

▲ローソンは次々と新機軸を打ち出している
・『ユナイテッド・シネマ』~8月に投資会社から約100億円で全株式を取得

・『成城石井』~10月に三菱商事系の投資ファンドから約550億円で全株式を取得

・『ポプラ』(中堅コンビニ)~10月にポプラの発行済み株式の5%をローソンが取得することで基本合意したと発表

・『スリーエフ』(中堅コンビニ)~スリーエフの四国の運営会社がローソンにくら替え。 来春から高知県のスリーエフ66店がローソンに変わる

・『アマゾンジャパン』~11月から静岡県のローソンでネット通販で共同サービスを開始


●関連日経記事:2014年11月13日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 インターネット「端末軸に商品拡充」=ローソン、アマゾンと連携発表=』(11月5日付)
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日経新聞 国際「インド・モディ改革、投資2割増」=株価、最高値を更新=

2014年11月27日 04時42分16秒 | 国際
日経新聞 2014年11月26日(水) P.9 アジアBiz面
『モディ改革、投資2割増』=インド新政権発足から半年=

『株価、最高値を更新』=企業業績は伸び鈍化=

 インドのモディ政権発足から26日で半年が経過した。

外資企業の投資を呼び込む政策に応え、韓国ポスコなど海外企業は新工場建設などを決めた。
新政権誕生後の対インド直接投資は前年同期比で2割超増えた。

モディ政権の経済改革「モディノミクス」への期待でインド株は過去最高値を更新している。
ただ、企業業績の伸びはまだ鈍く、本格成長はこれからといえる。

(本文略)

▲モディ政権発足後の外資企業の主なインド投資の動き
・『韓国ポスト』:西部グジャラート州に2000万ドルを投じ、鉄鋼加工工場を設ける計画を表明

・『独フォルクスワーゲン』:新車投入などで、今後5年をめどに2億5千万ドルを投じる方針

・『日本電産』:今後7~8年で1千億円強を投じ、インド国内に5工場を設ける計画

・『ソフトバンク』:10月に現地インターネット通販大手などに出資表明。10年で1兆円投じる方針

・『米アマゾン・ドット・コム』:ネット通販事業拡大のため、物流インフラ整備などに20億ドルを投じると公表

・『良品計画』:2015年度にインドに進出すると発表

・『米シスコシステムズ』:14年にインドに17億ドルを投じ、研究開発などを強化する計画



『規制改革の実行急務』
 国内外の企業がモディ政権の経済政策に最優先で求めるのは、ビジネス環境の改善だ。

複雑な税制、土地収用の難しさ、もろいインフラーー。

投資を阻んできた障害を取り除けるかが、モディ政権が目指す産業振興の実現に向けた課題だ。

 17日の日印経済合同委員会会議で、日本側は多岐にわたる要望を提出した。
具体的には税制改革や土地収用法の見直し、環境規制の認可の迅速化などだ。

インフラ整備に向けた許認可手続きの透明化や迅速化、金融規制緩和なども求めた。

これらはモディ政権発足前から求め続けてきた内容で、日本だけでなく世界中の国々の要望でもある。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)の石毛博行理事長は「モディ政権に求めるのは『実行内閣』」と強調する。

政権が掲げる改革の中身は、前政権が打ち出していたものと大きく異なるわけではない。

モディ氏の強いリーダーシップで、改革案をどのように具体化していくのかという手腕が期待されている。

 ビジネス環境の改善を巡っては、すでに税制改正などに動き出しているが本番はこれからだ。

改革が停滞するようだと、インドに集まりだした外資が再び離散することにもなりかねない。

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