日経新聞 国際「フィリピン経済底堅く」=「サービス輸出」が下支え=

2014年05月31日 10時58分28秒 | 国際
日経新聞 2014年5月30日(金) P.7 国際2面
『フィリピン経済底堅く』=「サービス輸出」が下支え=
 
 フィルピン経済は一時的に減速する局面を後越えそうだ。
2014年1~3月期の実質国内総生産(GDP)の成長率は5.7%だったものの、政府は通年で最大7.5%成長の見通しを保った。

業務委託など国外からのサービスを請け負う産業が拡大し、GDPの7割を占める個人消費を支えているためだ。

製造業の誘致やインフラ整備が次の課題となっている。

 フィリピン統計庁によると、14年1~3月期のGDPの伸び率は四半期ベースで約2年ぶりの低水準になり、前の期(6.3%)に比べ減速。

昨年11月の台風でインフラや農作物に大きな被害が出たことが響いた。

ただ比政府は「6.5~7.6%」とする14年通年の成長率見通しを据え置いた。

国家経済開発庁のバリサカン長官は29日、「目標の達成に自信を持っている」と強調。

年後半にかけて台風被害に絡む復興需要が見込まれるほか、個人消費は非違続き堅調なためだ。

 比経済の原動力の一つが、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)と呼ばれる業務の外部委託だ。

英語力と安い人件費に着目して、欧米企業が相次いで進出。

すでに世界一の規模となったコールセンターだけでなく、ウェブデザインや法律文書の作成など高付加価値化が進む。





(マニラ=佐竹実記者)

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日経新聞 国際「アルゼンチン、債権国と返済で合意」=2001年デフォルトの後始末で=

2014年05月31日 10時47分27秒 | 国際
日経新聞 2014年5月30日(金) P.6 国際1面
『債権国と返済で合意』=アルゼンチン=

 アルゼンチン政府とパリクラブ(主要債権国会議)は29日、同国の2001年のデフォルト(債務不履行)を巡る97億ドル(約9700億円)の債務に関して、今後5年間で返済を完了することで合意した。

国際金融市場からの信用回復につながる。
パリクラブでの最大の債権国は約3割を占めるドイツで、2番目の日本は約2割。

アルゼンチン政府は15年5月までに少なくとも11億5千万ドルを返済する。

(サンパウロ=宮本英威記者)

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日経新聞 国際「パラジウム 国際価格一段と上昇」=南アの鉱山スト長期化=

2014年05月31日 07時22分50秒 | 国際
日経新聞 2014年5月30日(金) P.21 マーケット商品面
『パラジウム 一段と上昇』=国際価格=

『南アの鉱山スト長期化』

 自動車の排ガスを浄化する触媒などに使う貴金属、パラジウムの価格が一段と上昇した。

国際価格は主要生産国の南アフリカ共和国で1月下旬に鉱山ストライキが始まる前に比べ12%高い。

スト開始から4ヵ月以上経過し、資源会社の在庫が減少している。
日本の一部需要家は7月分の南アからの調達が難しくなる可能性も出てきた。

『対日出荷 7月大幅減』
 東京商品取引所の29日の清算値は1グラム2728円で前日から17円上昇した。

13年ぶりの高値水準が続く。
国際指標のニューヨーク先物価格は29日の時間外取引で1トロイオンス840ドル近辺まで上昇。

スト開始前に比べ100ドル程度高い。

ストの対象となるアングロ・アメリカン、インパラ・プラチナム、ロンミンの資源3社全体の生産水準は現状、平時の半分程度になっている。

「在庫はかなり少なくなっており、新規に生産できた分をそのまま出荷している」(インパラ・プラチナム)

 貿易統計によると4月の輸入量は4.5トン。
3月に比べ16%減少した。

資源会社側は5月と6月の対日出荷を契約量の半分に削減。
さらに、7月の出荷を大幅に減らす考えを需要家らに今週、通知した。

日本の一部の需要家も「7月は出荷ができないかもしれないと言われた」(貴金属関連会社)という。

 ストに加えて、南アで発足した新政権が産業振興のために資源を自国内で加工、高付加価値品として輸出する政策を推進している。

日本の需要家は「優先的に南ア国内で消費されてしまえば、手当てが難しくなる」(貴金属製造販売の石福金属興業=東京・千代田)と危惧する。

 商社や需要家らは代替調達を急いでいる。
南アに並ぶ生産国のロシアからの供給が足元で増えているようだ。

(後段略)


▲パラジウム
 貴金属の一種で、自動車などの排ガス触媒向け需要が全体の約7割を占める。

虫歯を削った跡に詰める金属にも使う。

 2013年は200トン生産された。
生産量は首位のロシアが40%、南アフリカ共和国が37%を占める。

プラチナからの代替(だいたい)が進んでおり、世界需要は約300トン。
12~13年は供給不足だった。


●関連日経記事:2014年5月1日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「歯科治療も変えた」=揺れた資源調達 ②=』(4月30日付)

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日経新聞 インターネット「華為、日本で格安スマホ」=通信会社変更できる端末、来月に=

2014年05月31日 06時40分28秒 | インターネット
日経新聞 2014年5月30日(金) P.11 消費Biz面
『華為、日本で格安スマホ』=通信会社変更できる端末、来月に=

『ノジマは月3000円台』

 スマートフォン(スマホ)世界3位の中国・華為技術(ファーウェイ)は6月、利用する通信会社を消費者が自由に選べる「SIMフリー」のスマホを日本で発売する。

家電量販店などが割安な通信サービスと組み合わせて販売する「格安スマホ」などでの採用を想定。

需要拡大をにらんで最新機種を投入し、日本市場の開拓につなげる。

(前段略)

 米調査会社のIDCによると、華為は2013年に世界で4880万台のスマホを販売。

シェアは4.9%で、韓国サムスン電子、アップルに次いで3位だが、日本ではNTTドコモなどが一部機種を扱うにとどまっていた。

 総務省は通信料金の引き下げを目指し、MVNOやSIMフリー端末の普及による競争促進を目指しており、イオンやビックカメラ、ケイ・オプティコムなどがSIMフリー端末とMVNOを組み合わせた格安スマホサービスを相次いで始めている。

携帯大手のスマホの利用料が月7000円前後するのに対し、音声通話付きで同3000円前後に抑える例が多い。

 格安サービスでは安く新しい端末を調達しにくい問題があった。

華為が格安サービスでの採用をにらんで日本で端末を発売することで、市場拡大を後押しする可能性がある。

 華為は1987年設立の通信機器メーカー。
13年12月期の売上高は2390億元(約3兆9000億円)、純利益は210億元(約3400億円)。

通信事業者向けのインフラ機器に強く、スウェーデンのエリクソンと世界最大手の座を争うまでに成長している。


▲SIMフリー
 携帯電話には電話番号や契約先の通信会社などの情報を記録したICカード「SIMカード」が入っている。

特定の通信会社のSIMカードでのみ端末が動く制限を「SIMロック」、制限が解除された状態を「SIMフリー」と呼ぶ。

 カードは着脱可能。
本来は利用者が端末と通信会社を自由に組み合わせられるが、国内外の通信会社の多くは、短期での解約を防ぐために自社で販売する端末にロックをかけている。

欧米では発売から一定期間後に解除できる場合が多い。
日本ではNTTドコモがロック解除のサービスをしているが、広がっていない。


●関連日経記事:2014年5月25日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 インターネット「米中サイバー摩擦 激化」=米IT、中国事業を断念=』(5月24日付)

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日経新聞 インターネット「おまけは『スタンプ』」=LINEを販促に生かして成果=

2014年05月31日 06時08分54秒 | インターネット
日経新聞 2014年5月30日(金) P.11 消費Biz面
特集連載『広がるLINE販促 (上)』=おまけは「スタンプ」=

 世界で4億人が登録する無料通話・チャットアプリ「LINE」。
日本でも3000万人が毎日使うコミュニケーションのインフラに成長した。

LINEを販促に生かす企業が増えている。

『売り上げ3割増』
 江崎グリコのチョコ菓子「ポッキー」がスーパーなどで前年比3割増のペースで売れている。

定番(商品)としては異例の伸びだ。
消費者がおまけ欲しさに商品に手を伸ばすのはグリコの販促の得意技だが、おまけは玩具ではない。

「スタンプ」と呼ぶLINEの会話で使う大きな絵文字だ。

 「ありがとう」「ごめん」などの言葉代わりに使われるスタンプ。
1日にやりとりされる数は18億個に達する。

有料のスタンプは公式ストアで1セット200円。
13年に70億円だった販売額は14年には約120億円に膨らむ見通しだ。

 グリコのスタンプは販促用のオリジナル。
菓子箱に印刷してあるシリアル番号をスマートフォンのアプリに入力すると無料で手に入る。

LINEが昨春に始めた「マストバイ」と呼ぶサービスだ。

費用は3000万円以上かかるが、テレビCMより「購買意欲を直接引き出す効果がある」(グリコ)とJTなど21社が利用した。

 グリコが昨年9月に実施したときは延べ200万人超がダウンロードした。

単純計算すると1箱買ってもらうための販促費は15円。

一見高くみえるが、スマホのゲームでは有料会員を獲得するための広告費は1人あたり1000円以上必要になると業界では試算する。

 効果は購入者にとどまらないのも特徴だ。

「1人の利用者から友だちの間に瞬く間に連鎖的に広がっていく。 口コミの手段として費用対効果は高い」と日本コカ・コーラのマーケティング担当は指摘する。

同社もサッカー・ワールドカップ(W杯)にあわせスポーツ飲料の販促に使う。

『「うまい棒」でも』
 8日には新サービス「クリエイターズマーケット」が始まった。

個人が自作のスタンプを40個100円で販売できる市場だ。
ここに商機を見つけた企業もある。

 駄菓子「うまい棒」のやおきん(東京・墨田)は個人に交ざりうまい棒のキャラクターのスタンプを売る。

消費者に見つけて買ってもらわないと広がらないが「おカネを払ったモノは頻繁に使ってくれる」。

話題になれば少ない投資で広告効果が膨らむと期待する。

 中小や個人にもLINE販促の道は広がりつつある。
既に自作スタンプでは「人気作家」も登場。

情報発信力のある消費者を自社の販促に登用するマーケティングが広がる可能性も秘める。
 

●関連日経記事:2014年5月10日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 インターネット「LINEの『スタンプ』個人作発売」=国内外から3万人以上が登録=』(5月9日付)

●関連日経記事:2014年8月22日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 『日経新聞 インターネット「自作スタンプで収入1000万円超も」=LINE、販売3ヵ月=』(8月21日付)

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日経新聞 人物紹介「世界で使える理論を作る ⑤」=「たこつぼを出ろ」後進に喝=藤田 昌久さん=

2014年05月31日 05時34分25秒 | 人物紹介
日経新聞 2014年5月30日(金) P.28 生活面
特集連載『人間発見』=経済産業研究所所長 藤田 昌久さん=

『世界で使える理論を作る ⑤』=「たこつぼを出ろ」後進に喝=経済学生かし革新を日本に=


 1995年に(米ペンシルベニア大学から)帰国して京都大学教授に。

現在は、経済産業研究所所長として研究の企画を担当する一方、甲南大学教授として、空間経済学の視点を生かしながら、様々な地域で新しい知識を創造する過程を解明するモデルづくりに取り組んでいる。



 米ペンシルベニア大学では37人、京大では11人の教え子が博士号を取りました。
かなり多い方です。

それぞれ週に一度は面会していました。
若い人との交流は楽しみです。

博士号は自動車の運転免許のようなもの。
取った後、どれだけ研究を深め、論文を書くかが大切だと教えてきました。

 2003年から京大退職まで、日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所所長を兼務しました。

地域別の専門家が約200人いたのですが、自分の担当地域以外には目がいかない人が多く、論文は主に日本語でした。

空間経済学を引き合いに出すまでもなく、アジアや世界全体を視野に入れなければ十分な分析はできません。

「たこつぼから出ろ」と言い続けて研究者たちには嫌われましたが、視野を広げ、英語で論文を書くよう求めました。

意識改革は進んだと思います。

 経済産業研究所は、外部の研究者の協力を得ながら、日本の経済政策に役立つ研究に取り組むための組織です。

技術とイノベーション、人的資本、生産性向上などのテーマ別に年間約200のディスカッション・ペーパーを公表しています。

完成までの間に、私を含めた研究スタッフ全員が参加して議論し、専門論文をまとめます。

 甲南大では「地域活性化」の講義を受け持ち、司馬遼太郎の小説『菜の花の沖』を輪読しています。

江戸時代の回船商人、高田屋嘉兵衛(かへい)が主人公。

東北では船の様々な部材を全国から集める必要があり、完成までに長い時間がかかるが、造船の中心地である大阪ではすべてがそろっているので短期間で船が完成する様子などが描かれています。

 私自身は今、日本でいかにイノベーション(革新)を起こすかという問題意識を持って研究を続けています。

日本の経済や社会が行き詰まっているのは、イノベーションが十分に起きないからです。

空間経済学の考え方を使って、解決策を導き出そうとしています。

 イノベーションには頭脳の多様性が必要です。
あらゆる要素が東京に一極集中している日本の現状は望ましくありません。

知識創造の観点からみると、文化や地域の多様性が重要です。

言語や文化が一極集中している場合と、強制的に2つに分けた場合を比べ、どちらが知識の成長率が高いかを数学モデルで分析したところ、後者に軍配が上がりました。

各地域が東京を経由せずに直接、海外に目を向けるようになれば、地域の多様性が増し、イノベーションが起きやすくなるはずです。

*次回は映画監督・撮影監督の木村大作さん


●関連日経記事:2014年5月27日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 人物紹介「世界で使える理論を作る ①」=経済産業研究所所長 藤田 昌久さん=』(5月26日付)

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日経新聞 国際「⑤ EUか関税同盟か」=ロシア国家主義と欧州=

2014年05月31日 05時13分40秒 | 国際
日経新聞 2014年5月30日(金) P.27 経済教室面
連載コラム『時事解析』=編集委員 池田元博=

『ロシア国家主義と欧州』=⑤ EUか関税同盟か=複眼的視点が必要=

 ウクライナ危機は、欧州連合(EU)への統合路線の是非をめぐる国内対立が発端(ほったん)だ。

ロシアがウクライナに介入する背景には、EU接近をけん制し、自ら主導する「関税同盟」に引き寄せる狙いもあるといわれる。

 ロシアは2010年、旧ソ連のベラルーシ、カザフスタンとの間で域内関税をなくす関税同盟を発足。

15年にはユーラシア経済同盟に格上げし、将来はEUのような経済圏を目指す構想を抱く。

 東京外国語大学の鈴木義一教授は「モスクワを中心にした単一経済だったソ連が分断され、ロシアが受けた不利益は大きい。 もともと補完関係の強かったところに共通の経済圏を作ろうとするのは当然だが、特に相互依存が強いウクライナ抜きでは十分に機能しないだろう」と語る。

 では、ウクライナをめぐるEUとロシアの綱引きは双方の関係をどこまで悪化させるのか。

 ロシア・ユーラシア政治経済ビジネス研究所の隅部兼作所長は「ロシアには流通インフラの整備などを通じて、欧州とアジアの架け橋を狙い、経済を発展させる思惑(おもわく)がある。 その意味でEU市場はロシアにとって今後も重要だ」と指摘する。

 ウクライナ危機のさなかの先月上旬、シュワロフ第1副首相率いるロシアの大型代表団がベルリンを訪問。

リスボンからウラジオストクにいたる経済空間の可能性を探る「東方フォーラム」に出席した。

 外交・安保で対立しつつも、経済でしっかりとつながる。
ロシアと欧州の関係は複眼的にみていく必要があるだろう。

=この項おわり=


●関連日経記事:2014年5月31日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「旧ソ連3ヵ国、経済同盟条約に署名」=ロシア、カザフスタン、ベラルーシ=』(5月30日付)

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日経新聞 国際「旧ソ連3ヵ国、経済同盟条約に署名」=ロシア、カザフスタン、ベラルーシ=

2014年05月31日 04時37分08秒 | 国際
日経新聞 2014年5月30日(水) P.6 国際1面
『経済同盟条約に署名』=旧ソ連3ヵ国=

『EU・中国に対抗』

 ロシアとカザフスタン、ベラルーシの旧ソ連3ヵ国は29日、2015年1月に経済統合を一段と深めた「ユーラシア経済同盟」を発足させる条約に署名した。

人やモノ、資本の移動の自由をさらに広げ、加盟国で税制など経済政策を調整する。
ロシア主導の経済統合で、欧州連合や中国の経済圏に対抗する狙い。

ウクライナは加盟せず、求心力を強めたいロシアには痛手となった。


 ユーラシア経済同盟は太平洋岸から東欧にいたる広大な面積と約1億7000万の人口を抱え、欧州とアジアを結ぶ経済圏になる。

カザフの首都アスタナで開いた条約の署名式には、ロシアのプーチン大統領とカザフのナザルバエフ大統領、ベラルーシのルカシェンコ大統領が出席した。

 署名式に先立つ首脳会議で、ナザルバエフ大統領は統合による経済効果で3ヵ国の国内総生産(GDP)の合計が「30年までに9000億ドル(約91兆円)増える」と表明した。

13年のGDPの合計は約2.4兆ドルで、投資の促進や内外との貿易の拡大で4割近く増やす目標を掲げた。

 3ヵ国は10年に域内の関税を撤廃する「関税同盟」を発足させ、段階的にモノ、資本の移動を阻む障害も取り除いてきた。

ユーラシア経済同盟では関税分野に多く残る除外品目を減らしていくほか、3ヵ国の代表がつくる「超国家機関」を通じて、経済や産業、金融、貿易、エネルギー、輸送、農業など各分野の政策を調整していく。

 様々な政策の調整に当たる「ユーラシア経済委員会」はモスクワに、仲裁裁判所に当たる「ユーラシア裁判所」をベラルーシの首都ミンスクに設ける。

25年にはカザフの商都アルマトイに、域内の金融市場を監督する機関を置く予定だ。

外国との自由貿易協定(FTA)の交渉にも取り組む。

 ユーラシア経済同盟には29日、アルメニアも加盟の方針を表明した。
6月15日までに条約に署名する。

キルギスも早期の加盟を目指しており、議会との協議や関連法の採択など準備を急ぐ。

 加盟3ヵ国ではロシアの国力が突出している。
人口でもGDPでも域内の85%前後を占める。

圧倒的な影響力を持つロシア主導の地域統合には、カザフやベラルーシが警戒感を抱いており、ユーラシア経済同盟では政治分野にかかわる統合には踏み込まなかった。

 ロシアには、EUなど巨大な経済圏が旧ソ連地域に勢力を広げるのを阻む地政学的な狙いがある。

欧米諸国では、ソ連の継承国のロシアが1991年のソ連崩壊で独立し分裂の傾向を強めた国々を再び統合する野心を持っているとの懸念が出ている。

プーチン大統領は29日、条約について「画期的で歴史的な意味を持つ」と強調した。

 ただ、旧ソ連圏で2番目に人口が多いウクライナが親欧米路線に転じ、ユーラシア経済同盟に参加しなかった。


◆ロシア主導の経済統合が深まる

ロシア:①(人口)約1億4300万人 ②(1人当たりGDP、2013年)約1万4800ドル ③(実質GDP伸び率、2013年)1.3%

カザフスタン:①約1650万人 ②約1万2800ドル ③5.9%
ベラルーシ:①約940万人 ②約7600ドル ③0.9%

アルメニア(参加方針):①約300万人 ②約3200ドル ③3.2%
キルギス(加盟協議中):①約550万人 ②約1280ドル ③10.5%

*(出所)1人当たりGDPと実質GDP伸び率は国際通貨基金(IMF)

(モスクワ=石川陽平記者)


●関連日経記事:2014年5月31日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「⑤ EUか関税同盟か」=ロシア国家主義と欧州=』(5月30日付)

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日経新聞 経済「日本株と外国人投資家」=外資を呼び込むには「成長戦略」の実行がカギ=

2014年05月31日 03時59分37秒 | 経済
日経新聞 2014年5月30日(金) P.19 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『日本株と外国人投資家』

 アベノミクスの大きな成果は、従来と異なる大胆な経済政策を表明することで、低迷していた日本の市場環境を一変させたことにある。

中でも外国人投資家の見方は一変し、安倍晋三政権誕生直後から昨年末まで、ほぼ一貫して日本株の大幅な買い越しを続けてきた。

 しかし今年に入り、このような外国人投資家の行動に大きな変化が生まれている。

とりわけ、昨年11月と12月にそれぞれ2兆円超の買い越しであった外国人による日本株の売買は、今年1月には一転して1兆円超の売り越しとなった。

 このような昨年末の大幅な買い越しと、年初の大幅な売り越しは、今年1月に始まった小額投資非課税制度(NISA)を活用して株式を購入した個人投資家を標的とした側面があるのではないか。

昨年中に大幅に買い越して株価を上げ、年明けに個人投資家の買いが入った段階で一気に売り浴びせて莫大な利益を得る構図といえる。

 実際、今年1月に日経平均株価は8.5%近く下落した。

その間、個人投資家は1兆4000億円超を買い越す一方、外国人投資家は1兆円を売り越した。

今年1月だけで、膨大なお金が、国内の個人投資家から外国人に移転されてしまった計算になる。

 このような外国人投資家の行動は、これからも要警戒である。
ただ、外国人の行動を批判ばかりはしていられない。

日本の株式市場は、いまだに外国人頼みの色合いが濃いからだ(=外国人投資家の日本株売買シェアは6割前後)。

仮に外国人が日本市場を見放すことでもなれば、アベノミクスの好循環は崩壊しかねない。

そうならないためにも、成長戦略としての「第三の矢」を速やかに実行に移し、外国人が日本株を中長期的に保有したいと思うような大胆な改革を目に見える形で推進することが重要だ。

 「第一の矢」としての大胆な金融政策は、期待先行による景気回復に成果をあげた。

しかし、それが持続するには、期待通り経済が持続的に回復することが不可欠である。

法人税の引き下げ、労働法制の見直し、産業の新陳代謝など、外国人が期待する政策は目白押しである。

 「第三の矢」は、「期待」を「行動」に変え、成長への道筋を示すものにならなければならない。

外国人投資家は、日本が本当に変わることができるのかを常に注視している。

(甲虫)

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日経新聞 国際「長期金利 世界で低下」=成長鈍化の懸念も=

2014年05月31日 03時23分39秒 | 国際
日経新聞 2014年5月30日(金) P.3 総合2面
『長期金利 世界で低下』=米11ヵ月、日本は13ヵ月ぶり=

『成長鈍化の懸念も』

 世界の長期金利が低下している。

米10年物国債利回りは29日のニューヨーク市場で一時2.41%と11ヵ月ぶりの水準まで低下した(=国債価格は上昇)。

欧州や日本でも国債が買われ、金利低下が加速している。

景気回復を踏まえ、米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和の出口を探りだしているのに米金利はなぜ下がるのか(=景気が好転し、資金需要が高まると金利は上昇するのが一般的)。


 米長期金利はFRBの量的緩和の縮小観測が強まった昨年5月以降、上昇し、昨年末は3%台まで上がった。

ところが実際に、FRBが1月に国債などの購入額を減らし(=市中への資金供給を絞り)だすと、金利は逆に低下基調に入った。

 さらに欧州で金融緩和観測が出た5月はじめから、低下ペースが加速、2.6%台から2.4%台に下がった。

同じ期間にドイツでも1.4%台から1.3%台に低下した。

日本でも下限とみられた0.6%を下回り、29日1年1ヵ月ぶりに一時0.56%まで低下した。

 米景気は回復基調にあり、株価も高い(=最高値を更新)。
本来なら金利が上がってもおかしくない。

直近、逆の動きが強まったきっかけは、ニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁の20日の発言だった。

 「長い目で見た金利は低い水準で推移するだろう」。

この先数年の景気低迷、高齢化による労働供給の鈍化、金融規制の強化(=ボルカー・ルールなどの適用)の3つの理由を挙げた。

その上で「引き締めのペースは緩やかになる」と指摘した。

市場では、景気回復は鈍く、金融緩和の出口も見通せないとなれば、長期金利は上がりづらくなるとの見方が急速に広がった。

 国際通貨基金(IMF)によれば、先進国では潜在的な供給力に対して需要が1.1兆ドル(約110兆円)不足している。

需要の回復が遅れ、物価も世界的に上がりづらい状況が続いている。

有力債券投資家の米ピムコも直近のリポートで「成長率とインフレ率は低い状態が続く。 金利は(08年秋の)金融危機前の高い水準には戻らない」と指摘している。

 世界のカネ余りはなお続いている。

FRBは緩和を縮小しているとはいえ、毎月450億ドルのペースで資産を買っており、総資産は昨年末から7%増えている(=市中への資金供給が7%増えている)。


日銀も今年に入り資産が1割強増えた。
欧州中央銀行(ECB)も6月に金融緩和を検討する見込みだ。

 米財務省によれば、英国の投資家は1~3月に米国債を600億ドル買い越した。

SMBC日興証券の牧野潤チーフエコノミストは「欧州の投資家の一部が欧州国債を売却し、より金利の高い米国債を購入する動きもある」と指摘する。

 米金融緩和の縮小で金利が上昇すると見込んでいた投機筋の思惑が外れ、5月に米国債を買い戻す動きが強まったのも金利低下に拍車をかけた。

 米金利の予想外の低下は日本株にも影響している。

日本株は年初から、米長期金利の低下とほぼ連動して下落。
米金利の緩やかな上昇が円安・ドル高を加速させ、輸出企業の収益を押し上げるとの株高シナリオが修正を迫られたためだ。

 業績回復を映し、米国株は最高値圏にあるが、(日米金利差の縮小が円安修正につながったことで)日本株は為替が重荷になり、米株高に追随できなくなった。

米ダウ工業株30種平均は昨年末と同水準だが、日経平均株価は1割下落している。

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