日経新聞 国際「米比同盟に中国の影」=米軍、22年ぶりに回帰=

2014年04月30日 20時52分51秒 | 国際
日経新聞 2014年4月30日(水) P.7 国際面
『米比同盟に中国の影』=米軍、22年ぶりに回帰=

『南シナ海 挑発抑止』=新軍事協定=

 オバマ米大統領は28日、フィリピンのアキノ大統領と会談し、米比関係が新軍事協定の締結などを踏まえ「新たな段階」に入ったと表明した。

オバマ氏は「中国の封じ込めが目的ではない」と強調したが、フィリピン国内では米国では米軍の事実上の駐留を求める切迫した事情があった。

海の領有権を巡る争いは解決のメドが立ってない。


 オバマ氏のアジア歴訪で最後の訪問地となるマニラでの会談に先立ち、米比両政府はフィリピンでの米軍派遣を拡大する新軍事協定に署名した。

冷戦の終結などを背景に完全撤退した米軍が22年ぶりに回帰する。

 新協定の有効期間は10年で、更新することも可能だ。
米軍はフィリピン軍の全基地を使える。

補給・装備物質を常備する施設の建設のほか、航空機や艦船の巡回派遣も可能になる。
防衛能力を高める一方、核の持ち込みは禁じる。

南シナ海で挑発を繰り返す中国への抑止を狙う内容で、中国の出方が焦点になる。

 オバマ氏は記者会見で新軍事協定について「同盟深化や地域の安定につながる」と述べ、アジアの安全保障に果たす意義を強調。

同時に「単なる領土紛争への対応ではなく、フィリピンの防衛能力強化や自然災害への対応や人道支援にも貢献できる」と説明した。

 米軍の存在感が増すのは確実だが、オバマ氏は南シナ海の領有権争いに関して「国際法に基づく平和的解決を目指す。 領有権争いにおける主権は特定の立場を取らない」と述べるにとどめた。

「中国に反撃したり、封じ込めたりするものではない」と強調したオバマ氏の言葉には、南下の動きを強める中国を必要以上に刺激したくない米国の意図もにじんだ。

 オバマ氏は「新協定下で米国は古い基地を再建したり、新たな基地を設けたりはしない」とも明言し、フィリピン国内にくすぶる米軍基地への抵抗感に配慮する姿勢も示した。

◆米軍のフィリピン駐留を巡る主な動き
 1947年:米軍がフィリピンに駐留開始

51年:米比、相互防衛条約を締結
91年:比上院が基地利用に関する軍事協定の更新を否決。 反米世論も高まる

92年:米軍が完全撤退
99年:訪問米軍地位協定を批准。 米軍の一時滞在が可能に

2012年:南シナ海で中比艦船がにらみ合い、緊張が高まる
14年:米比が新軍事協定を締結。 米軍が実質的に駐留

(マニラ=吉野直也記者)


『中国南下に危機感』=フィリピン=
 米比両国が新しい軍事協定を巡り本格的な協議に入ったのは昨年8月。

8ヵ月で署名にこぎ着けたスピード交渉だった。
中国との領有権問題を抱えるフィリピンにとって米軍の後ろ盾を得ることは急務となっていた。

 「私たちに小さなヘリコプターはあるが、米軍のような航空機はない」。
フィリピンのアキノ大統領は28日の記者会見で、自国の軍事力の弱さを率直に認めた。

 フィリピンに駐留していた米軍は冷戦の終結や反米世論の高まりを受け1992年に撤退。

その後の経済の停滞もあり、比軍の強化は遅れてきた。

当初は対外的な脅威が目立っていなかったが、備えの薄さを見透かすように中国は南シナ海への海洋進出で攻勢を強め、最近では比の排他的経済水域(EEZ)内にあるスカボロー礁を実効支配している。


 昨年、中国が南シナ海での防空識別圏(ADIZ)の設定を示唆した際には、戦闘機を持たないフィリピンが領空侵犯に対処できない実態が明るみに出た。

軍事力を背景に南下する中国に対する比の危機感は強い。

 22年前の米軍撤退で反米世論が高まったこともあり、フィリピン憲法は外国軍の駐留を禁じる。

今回の協定による米軍の事実上の駐留が憲法に反するとの声も一部上院議員から出ている。

そうした反論に目をつぶってでも、対応を急がなければならないほどアキノ大政権は焦りを深めていた。 

 新協定が発効すれば米軍の航空機や艦船が比に巡回し、中国の反発を呼びそうだ。

アキノ氏は海の領有権を巡り「国際法に基づき平和的に解決すべきだ」と訴え、オバマ大統領も対話を促した。

しかし中国の出方は予断を許さない。

(マニラ=佐竹実記者)


●関連日経記事:2014年4月29日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「米・フィリピンが新軍事協定」=南シナ海・スカボロー礁問題で中国に対抗=』(4月28日付)

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日経新聞 国際「調味料各社が『ハラル』対応」=イスラム訪日客増で需要=

2014年04月30日 07時25分17秒 | 国際
日経新聞 2014年4月29日(火) P.11 消費Biz面
『調味料各社が「ハラル」対応』=イスラム訪日客増で需要=

 食品各社が日本国内のムスリム(イスラム教徒)向け市場を開拓する。

味の素子会社のギャバンはイスラム教の戒律に沿った「ハラム認証」を取得した香辛料を5月に発売。

キューピーも認証をクリアしたマヨネーズを年内にも売り出す。
イスラム圏から訪日旅行客が増えており、商機とみるホテルや飲食店の需要を取り込む。

 香辛料大手のギャバンは、マレーシアで製造したブラックペッパーとホワイトペッパーの2品を売り出す。

日本に輸出するため昨年12月に2億円を投じて異物混入検査機など品質管理の設備を増強した。

 価格は通常品と同じ1キログラム約3000~3500円。
イスラム教徒の利用が見込まれる国際空港周辺のホテルや和食店などに売り込む。

今後は東南アジア料理でよく使われるクミンやナツメグの販売も検討する。

 キューピーもマレーシアの自社工場で生産した商品を逆輸入する。
マレーシアで販売している200~300グラムの家庭用サイズの商品を飲食店に売る計画だ。

 このほかにも、ちば醤油(千葉県香取市)が昨年10月からハラル対応のしょうゆを販売。

1リットルあたり540円と一般的な商品と比べると約8割高いが、イスラム教徒向けの食事宅配サービスや機内食向けに好評という。

 観光ビザの発給要件の緩和や格安航空会社の増加により、2013年に日本を訪れたイスラム教徒は約30万人を超えている。

ハラル・ジャパン協会(東京・豊島)によると、在日のイスラム教徒は約19万人。
12年のムスリム向け食品の国内市場や約1177億円という。

20年の東京オリンピック開催に向け、需要はさらに膨らみそうだ。


●関連日経記事
:2014年4月24日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 ことば「ハラル認証」=イスラム教に合致していることを認める制度=』(4月23日付)

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日経新聞 経営「転職先はサムスン」=パナソニック 復活は本物か ④=

2014年04月29日 10時20分27秒 | 経営
日経新聞 2014年4月25日(金) P.2 総合1面
特集連載『迫真』=パナソニック 復活は本物か ④=

『転職先はサムスン』

 昨年10月、ある技術者がパナソニック子会社の三洋電機から突如去った。

車載用電池の生産拠点、加西工場(兵庫県加西市)で技術責任者を務めたエース。
このほど分かった転職先にパナソニック経営陣はショックを受けた。

電池の競合相手としてもっと警戒する韓国のサムスンSDI。

その技術者は退職にあたり親しい同僚にこう伝えたという。
「この会社にいても自分の未来は見えない」

 希望の職に就けた技術者はまだ恵まれている。
小型リチウムイオン電池を生産する三洋電機・徳島工場(徳島県松茂町)に勤務していた50歳代の男性。

昨年末、早期退職募集に応じた約300人の1人だ。
募集の対象となったのは徳島工場や洲本工場(兵庫県洲本市)など三洋の工場が多い。

男性はこう漏らした。
「俺たちを狙い撃ちか」

 2009年の三洋買収後、パナソニックの連結ベースの従業員数は38万人(国内15万人)まで膨らんだが、海外人員の削減、事業売却、早期退職などを経て昨年12月末時点で28万人(同12万人)に減った。

 2期連続で巨額赤字に転落する見通しになった1年半前、社長の津賀一宏(57)は「パナソニックはデジタル家電の負け組」と発言。

テレビや携帯電話などの事業を次々に縮小した。
花形だったデジタル関連の設計技術者たちの業務も変わる。

 東京都港区にあるパナソニックソリューションテクノロジー。
システム構築などを手掛ける同社は4月、パナソニック本体から半導体や携帯電話の技術者を受け入れ、社員数が約2倍の五百数十人になった。

出向者の主な業務は中小企業向けシステム全般の提案と売り込み。
出向者は16年度には1000人に増える予定だ。

 「あそこは追いだし部屋とちゃうんか」との社内の声にパナソニックで人事を担当する常務役員、石井純(58)は「とんでもない。5ヵ月の研修で専門的スキルを身につけてもらう」と否定する。

3月末、出向者の研修終了式に出席した津賀も「小さなビジネスでいい。 地道に積み上げてほしい」と激励した。

 危機回避へリストラが避けられなかったこの2年間。
今も不安を抱える社員は少なくない。

「社内の雰囲気を成長モードに切り替えたい」と語る津賀は、昨年カットした一時金の一部還元を決め、4月の給与に反映する。

復活には社員の士気向上が欠かせない。


●関連日経記事:2014年3月16日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 法務・犯罪「東芝、韓国・ハイニックスを提訴」=データ流出容疑=』(3月14日付)

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日経新聞 法務・犯罪「ネット不正送金 備え急げ」=地銀20行超:当日振り込み停止=

2014年04月29日 09時40分14秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2014年4月28日(月) P.5 金融面 
『ネット不正送金 備え急げ』=法人狙い急増=

『地銀20行超:当日振り込み停止』=東京海上:銀行の被害を補償=

 銀行のインターネットサービスを悪用した不正送金犯罪に歯止めがかからない。

パソコンを遠隔操作して不正送金する新手の犯罪が増えている。

情報機器の管理が行き届かない中小企業の取引を抱える地域金融機関では、横浜銀行や福岡銀行など20行超がネットでの当日振り込みサービスを一部止めた。

法人は被害額が大きく、損害保険で備える銀行もある。


 全国銀行協会などによると、民間銀行のネットバンキングを悪用した不正送金は2013年4~12月に7億円を超えたもよう。

12年度の1億円を大きく上回る規模だ。

14年に入ってからは法人の被害が増えており、みずほ銀行や三菱東京UFJ銀行、千葉銀行など大手銀行や有力地方銀行でも取引先で被害が出た。

これまで主流だったのは、犯罪組織などがメールで利用者を偽サイトに誘導し、IDやパスワードを入力させる「フィッシング」と呼ばれる手法だ。

現在は手口が複雑になり、利用者のパソコンをウイルスに感染させて情報を抜き取ったり、遠隔操作したりする不正手法が、急速に広がっている。

 「ウイルス対策ソフトを利用していたにもかかわらずパソコンが遠隔操作され被害を防げなかった」。

不正にお金を引き出された企業からは被害報告が相次ぐ。

沖縄銀行では3つの法人口座から1700万円、琉球銀行は1200万円が不正送金されるなど被害額も次第に大きくなってきた。

 ネットサービスを縮小する動きもある。
西日本シティ銀行など20を超す地銀は21日から新規の振込先に当日送金するサービスを停止した。

不正送金は「当日扱い」が多く、利用者に気づかれないうちにATMから現金を引き出すケースが多いためだ。

千葉銀は法人の振込限度額を9999万9千円から1千万円に下げた。

各行とも「暫定的な措置」と説明しているが、再開のめどは立っていない。

西日本シティは法人向けに使い捨ての「ワンタイムパスワード」の発行を検討しているが、導入に2~3ヵ月かかるという。

 顧客が不正送金の被害にあった場合、8~9割の事例では銀行が被害額を補償して穴埋めしてきた。

被害が個人から法人に広がり、銀行の補償額が膨らむリスクがある。

りそな銀行の場合、電子証明書やワンタイムパスワードを利用している企業は5000万円まで補償する。

 東京海上日動火災保険は一定のセキュリティー対策を講じる銀行に、被害補償をカバーする保険を販売しており、利用が増えている。

損害保険ジャパンも法人口座向けの保険を検討している。
すでにりそな、千葉、広島などの各行がこうした保険に加入している。

他の大手銀行も、法人が被害にあった場合の補償基準の詰めを急いでいる。


『コスト高/手口の巧妙に・・・』=標的の中小、対策遅れ=
 インターネットを使った不正送金犯罪は、地方銀行や中小企業が標的だ。

大企業は専任の担当部署を設けるなどして対策をとるが、中小企業は遅れがち。

地銀もウイルス対策ソフトの無償配布などを検討しているが、コストがかさむため出遅れている。

 情報セキュリティー会社のラックはネットを使った不正送金犯罪について「複雑かつ深刻になっている」と指摘する。

銀行の口座情報を盗み取るために開発されたウイルスが広がっており「犯罪者はウイルス作成ソフトを開発組織から買い取り、銀行ごとに特化したウイルスを作成している」という。

 個人利用者をだますフィッシング詐欺は、口座数が多いメガバンクが主に狙われた。

企業のパソコンを丸ごと乗っ取るような新しい手口は、むしろ中小企業が主な取引先である地域金融機関が狙われる。

 全国銀行協会は使い捨ての「ワンタイムパスワード」やウイルス対策ソフトの無償配布などを金融機関に促し、取引先企業にも対策づくりを求めている。

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日経新聞 ことば「ライツイシュー」=新株予約権活用の増資に逆風=

2014年04月29日 09時24分28秒 | ことば
日経新聞 2014年4月28日(月) P.5 金融面
連載コラム『風速計』

『新株予約権活用の増資に逆風』

 株主割当増資の一種で、既存の株主に新株を購入する権利を割り当てる「ライツイシュー」が逆風にさらされている。

株式の希薄化を招きやすい公募増資より株主に配慮した仕組みとされたが、赤字企業の大規模増資が続発。

既存株主から不満の声が上がり、東京証券取引所は2015年にも審査の厳密化に乗り出す方向だ。


 「ライツイシュー」では株主が権利を行使して増資に応じるか、権利を市場で売却するか選べる。

09年からルールの整備が進み、株高が進んだ昨年から増資が相次いだ。
13年度だけで20件と、12年度までの3件から大きく増えた。

 市場で不評なのは、証券会社の審査を受けない「ノンコミットメント型」のライツイシューだ。

行使されなかった権利はそのまま失効し、企業が簡単に発行できる。
3月には省エネ関連の省電社がこの仕組みで増資を発表。

最終赤字が続いているうえ、調達予定額は総資産の倍近い。
同月に発表した小僧寿しも発表翌日に株価は10%超下げた。

 東証が組織する「上場制度整備懇談会」は赤字企業などの「駆け込み寺」になっている点を問題視。

適切な増資か証券会社が事前審査する制度を導入する見通しだ。

「高いリスクを取るマネーを調達できる仕組みは必要」(国内証券)との声もあるが、仕切り直しを迫られそうだ。

(K)

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日経新聞 国際「米・フィリピンが新軍事協定」=南シナ海・スカボロー礁問題で中国に対抗

2014年04月29日 09時09分47秒 | 国際
日経新聞 2014年4月28日(月) P.7 国際面
連載『ダイジェスト』

『米・フィリピンが新軍事協定』

 米国とフィリピンは、フィリピンへの米軍派遣拡大を図る新軍事協定に合意した。

有効期間は10年間で、延長も可能。

オバマ米大統領のフィリピン訪問直前の28日午前に署名し、アジア重視戦略の成果として同盟深化をアピールする。

両国高官が27日、明らかにした。

(マニラ、クアラルンプール=共同)


●関連日経記事:2013年8月21日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 国際「米比で新軍事協定」=基地を共同使用か=中国をけん制=』(2013年8月16日付)

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日経新聞 経営「会計の黒船、日本再び」=M&A時代が試す力量=

2014年04月29日 08時40分11秒 | 経営
日経新聞 2014年4月28日(月) P.11 企業面
連載コラム『経営の視点』=編集委員 武類雅典=

『会計の黒船、日本に再び』=M&A時代が試す力量=

 転職してソフトバンク入りした経営幹部から、勤め先を変えた理由を聞いた。

この一言がダメ押しだったという。

 「うちの会社は人減らしで希望退職者を募(つの)ったことなどありません」

 拡大に次ぐ拡大を続ける成長会社らしいが、何度も不況を経験してきた名門企業の中にも希望退職制度と無縁の会社があった。

旧新日本製鉄(現新日鉄住金)である。
プラザ合意後の円高に見舞われた1980年代からリストラ続きの印象が強いが、なぜか。

瀬戸際に追い込まれる前にリストラに取り組んだことが理由の一つだ。
もう一つのタネをあかせば、「単独決算」というキーワードに突き当たる。

 新日鉄は80~90年代に合理化に明け暮れていたが、幸運にも、当時は単独決算時代だった。

社員を出向や転籍でグループ会社に出せば、決算上は本体の人件費が減ったのである。

 ところが、欧米と同じく連結決算を重視する「会計ビッグバン」の波が押し寄せると、日本企業のリストラ事情が一変する。

2000年3月期から連結決算主義が徹底され、業績が苦しい会社はグループ会社への出向・転籍ではなく、(連結会社の)社員数そのものを減らさざるを得なくなった。

 このころ、ハイテクや流通といった業種を問わず、「人員削減策=希望退職制度」という構図が定着した。

会計制度が雇用の在り方を変えたのだ。

 それから15年。
企業の決算発表で、「国際会計基準(IFRS)」という言葉をたびたび耳にするようになった。

IFRSは世界共通のモノサシとしてつくられ、通用する地域は米国会計基準より広いという。

 日本では、住友商事や日本たばこ産業(JT)などが先行して取り入れた。

採用を表明した武田薬品工業、伊藤忠商事、コニカミノルタなどを含めると、採用企業は30社を超える。

 その多くは世界の投資マネーを呼び込むためにIFRSを使うが、事は会計の話だけにとどまらない。

連結決算が企業の合理化手法を変えたように、いずれは日本の企業社会にも影響を与えるだろう。

IFRSの広がりが企業のM&A(合併・買収)を後押しするかもしれないからだ。

 日本基準では、実際の買収金額と買収相手の純資産の金額に差が出ると、その分を費用として計上しなければならなくなる。

いわゆる「のれん(代)」の負担がかかる。

 一方、IFRSなら米国基準と同様、買収相手の事業の価値が下がらなければ、費用を落とさずに済む。

一橋大学大学院国際企業戦略研究科の野間幹晴准教授は「企業は思い切ったM&Aの決断を下しやすくなるだろう」と予想する。

 日本では、IFRSを採用するかは企業が選べるが、世界標準を無視できるはずはない。

M&Aによる事業再編が活発になれば、終身雇用や生え抜き至上主義など日本的慣習が崩れていく。

この機会を成長につなげるには、多様な人材を生かせる組織づくりが欠かせない。

 会計の黒船は「決算の体裁(ていさい)を世界標準に合わせよ」と迫っているわけではない。

世界に通じる経営力そのものを求めている。

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日経新聞 インターネット「医師向け共有サイト」=がん最新治療法=

2014年04月29日 08時20分13秒 | インターネット
日経新聞 2014年4月28日(月) P.11 企業面
『がん最新治療法』

『医師向け共有サイト』=デジタルガレージが開設=

 デジタルガレージは5月、がんの治療法を医師が共有できるサイトを立ち上げる。

サイトではがん治療に熟練した医師や専門家ら20人が最新の治療法などを紹介。
登録した医師は患者の治療に役立てることができる。

がんは治療法の進化が早く、現場の医師が追いついていくのが難しいという。
情報共有の仕組みをつくり、がん治療の向上につなげる。

 サイトは子会社の「シーアイワークス」(東京・千代田)が運営。

肺がんや消化器系がん、乳がんなど患者数の多い分野を中心に日替わりで新しい治療法や論文などを紹介。

忙しい現場の医師が手短に内容が理解できるようサイトには論文とその要約を載せる。

 医師・専門家に診療の質問や議論もできる。
製薬会社などの広告を掲載し医師の利用は無料。

がん治療に携わる医師は国内で10万人超とされる。

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日経新聞 自己啓発「幅広いテーマ『文武両道』」=私の日経時間: 発酵学者 小泉武夫さん=

2014年04月29日 07時52分18秒 | 自己啓発
日経新聞 2014年4月28日(月) P.25 特集面
連載『私の日経時間』=発酵学者・文筆家 小泉 武夫さん=

『幅広いテーマ「文武両道」』

 私は今どき珍しい究極のアナログ人間です。

日経新聞夕刊で連載中の「食あれば楽あり」は21年目に入りましたが、原稿は今も手書きで、ワープロもパソコンも使いません。

 スマートフォンはおろか、携帯電話すら持っていません。
毎朝5時半に起床し1時間ほど掛けて、日経と全国紙を丹念に読むのが日課です。

 日経を読み始めてかれこれ30年は経つでしょうか。
ハードとソフトのバランスがうまく取れている新聞だと思います。

国の農業関連の委員も務めているので、最近は環太平洋経済連携協定(TPP)の記事を興味を持って読みます。

特定の立場に偏(かたよ)ることなく交渉のポイントなどを分かりやすく解説してくれるので、勉強になりますね。

最終面の文化面からは人の熱い思いやロマンが伝わってくる。
新聞全体の印象は硬軟取り混ぜた「文武両道」とでもいうのでしょうか。

高校時代に野球のキャッチャーをやっていた私の性格にも合っています。

 21世紀はアグリビジネスの時代です。
発酵文化を世界に発信しようと、最近は地方によく出かけます。

そんな時は地域経済面を読むのが楽しみです。

地元の小さな会社や農林水産業などの動きを丁寧に取材している記事を読んでいると、まだ日本はやれるぞと元気になってきます。

 その一方で原発問題の行く末は気がかりです。
私の実家は福島第1原発から40キロの福島県小野町にあります。

放射能や復興の問題はこれからも続きます。
日経らしい冷静で末永い報道を期待します。

 枕が変わると寝つきが悪くなるといいますが、新聞もこれと同じ。
「自分の枕」があるように「自分の新聞」がある。

それが日経です。
注文はあまり無いのですが、スポーツ好きなので運動面をもう1面増やしてほしいですね。


◆こいずみ・たけお
 66年東京農業大学農学部卒。

同大学教授などを経て、2009年定年退職。
発酵文化推進機構理事長などを務める。

著書に「食に知恵あり」「小泉武夫の快食日記」など。
農学博士。

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日経新聞 社会「海水浴場に規制の波」=マナーの乱れ背景=

2014年04月29日 03時27分54秒 | 社会
日経新聞 2014年4月28日(月) P.35 社会面
連載『フォローアップ』=海水浴場に規制の波=花火、バーベキュー、大音量の音楽・・・=

『マナーの乱れ背景』=「楽しみ減る」反発の声も=

 各地の海水浴場で音楽や飲酒、バーベキューなどを規制する動きが広がっている。

店が大音量で音楽を流して客の若者らが騒ぐなど、マナーの乱れが背景にある。
海の家や利用者の一部からは「魅力がなくなる」「楽しみが減る」と反発も出ている。

規制か自由か、海水浴場のあり方が揺れている。


 関西最大クラスのビーチ、須磨海水浴場(神戸市須磨区)。

夏には若者や家族連れでにぎわう浜辺のあちこちに「喫煙禁止」「花火の禁止」などの看板が目立つ。

 神戸市は2008年、遠方から来た若者グループが夜間に打ち上げる花火の騒音がトラブルになったことなどをきっかけに「須磨海岸を守り育てる条例」を施行、夜間の花火を禁止した。

しかしマナー悪化に歯止めはかからず、条例を度々改正してバーベキュー、大音量の音楽などを次々と規制。

昨夏には指定場所以外での喫煙者から過料1000円を取り始めた。

 市の取り組みを住民は歓迎する。

1歳の長男を連れた同市の主婦、市橋香奈子さん(30)は「須磨海岸は治安が悪いと言われてきたが、今は安心して息子を海に連れて行ける」と笑顔。

同市の無職、岩谷泳美さん(69)は「たばこのポイ捨てや騒音など目に余るものがあった。 取締りを続けてほしい」と話す。

 市は「モラル頼みでは限界がある、 他の利用者や住民に迷惑を掛けて楽しむのは筋違い。 規制強化による客足への影響はなく、マナーも向上した」と成果を強調。

今夏な新たに急性アルコール中毒対策として、海の家でウオツカ、テキーラなどアルコール度数40度以上の酒の提供を禁止する方針だ。

 規制は各地に広がる。

神奈川県逗子市は今年2月、逗子海水浴場で、ラジカセなどで大音量の音楽を流したり、海の家以外の砂浜で飲酒やバーベキューをしたりすることを条例で禁止した。

海の家は閉店時間を早めて午後6時半とする。

 東京都心から車で約1時間の同海水浴場には数年前からクラブ形式の海の家が出始めた。
昨夏は住民から市に騒音などの苦情や意見が100件超寄せられた。

 神奈川では他に、鎌倉市が今年から、クラブ営業禁止や入れ墨・タトゥーを露出した客の利用を断ることなどを海の家のルールに明記。

葉山町も海の家の閉店を早める。

 一方で、年々厳しさを増す規制に反発も強まっている。

須磨海浜公園売店協同組合(神戸市)の山田博理事長(66)は「開放的になれるのがビーチの魅力なのに、締め付けは増すばかり。 マナーの悪い客には指導すればいい」と憤る。

毎年、家族でバーベキューをしていたという同市の主婦(51)は「夏の楽しみが奪われたみたいでさみしい」とこぼす。

 逗子市では、海の家の業者らでつくる協同組合が、規制条例は表現や営業の自由を侵すとして差し止めを求めて提訴する事態に発展した。

 「海水浴と日本人」の著書がある日本大の畔柳昭雄教授(親水工学)は「結婚式や新車販売のセレモニーを催す海の家もあり、バブル期以降はイベント性がエスカレートしてきた」と指摘。

「波音を聞いて自然を満喫したい人もいる。 規制強化が良いわけではないが、レジャーとしての海水浴のあり方を考える時期に来ている」と話す。


『海水浴客 ピークの1/4』=レジャー多様化映す=若い世代は「海離れ」=

 日本生産性本部がまとめた「レジャー白書」によると、国内の海水浴客数は2012年に約990万人。

ピークの1985年(約3790万人)から4分の1に減った。

 中でも若い世代の「海離れ」が目立つ。
年1回以上海水浴に行く人の割合は、10~30代の男性で02年に3割を超えていたが、12年には約1割。

女性も同様の傾向だ。

 レジャーの多様化も影響しているとみられる。

10代では最近始めた余暇の過ごし方の上位に、交流サイト(SNS)やカラオケなどが並んだ。

20~50代は街中で1人で楽しめるジョギングやマラソンを始めた人が多い。

 同本部は「自然と触れ合うレジャーは、昔に比べて敬遠されがちになっている」とみている。

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