日経新聞 自己啓発「若者、面白い仕事に打ち込め」=ノーベル賞受賞 利根川 進・分子生物学者=

2013年10月31日 09時52分01秒 | 自己啓発
日経新聞 2013年10月31日(木) P.48 裏表紙面
連載『私の履歴書』=利根川 進・分子生物学者 (31・最終回)=

『教育と研究に投資を』=若者、面白い仕事に打ち込め=

 ずっとサイエンスをやってきてよかったのは、いい成果をあげれば客観的な評価を受けて自らの進む道を決められることでした。

 人文科学や社会科学の分野だと評価はやや曖昧で揺らぎます。
場合によっては、研究以外の要素が評価に関係してくることもあるでしょう。

そんな人生は考えられません。
やりたいことを見つけてそれに賭ける点で、サイエンスはやりがいがあったと思います。

 私は、基本的に楽観的な人間がサイエンスに向いていると思います。
困難にぶつかっても簡単にめいらない、あきらめない人です。

私自身、いやなことがあっても一晩眠れば立ち直れます。

 それとプライオリティー(優先順位)がしっかりしていること。
最も重要なことを常に優先し、それ以外はどうでもいいと思えることが必要です。

実験がうまく行かない時、このまま続けるのか、それともやめるのか。
プライオリティーをしっかりさせて集中する能力はとても大切だと思います。

 また、テイストがよいことも大事です。
あまたあるアイデアの中から、どの実験を選ぶのか、どの師を選ぶのかもテイストです。



 日本は天然資源の限られた国です。

世界の中でしっかりと認められて豊かな社会を維持していくには、人という資源を生かすしかないでしょう。

その為には教育と研究への投資が欠かせません。

 21世紀はアジアの時代だといわれます。

人口が多く経済発展の著しいこの地域では今、選ばれたリーダーたちが長期のビジョンを持って教育と科学技術に重点的に投資しています。

マサチューセッツ工科大学(MIT)にも数多くのアジアの若者たちが留学し、極めて熱心に学び研究しています。

ただ日本からの留学生が激減しているのが心配です。

 日本の大学の入試制度は依然として画一的なままです。

MITの場合、SATと呼ばれる進学適性試験や高校での成績も考慮しますが、なによりいくつかの小論文と個人面接を重視しています。

面接官はMITを卒業して各界で活躍している人たちに依頼します。

入学後、本当にMITに必要な学生だったかどうかを大学側が検証して、良い学生を選べなかった面接官は次回から交代させられます。

 このようなやり方では「入試が主観的になってしまうのではないか」と日本の人たちに聞かれることがあります。

そもそもMITの大学としての特長を維持するために、むしろ主観的な視点を大事にしているそうです。

なるべくエネルギーがあって独創的な人材を採りたい。
その為には、試験の点数が少し多いか少ないかは重要ではない、という考え方です。

 研究のような創造的な仕事をする場合、試験で高得点を採れる秀才が適しているとは限りません。

ある仮説を立てた時にどれくらい難しいかを予想できてしまい、高い目標に挑戦する強い意欲を持てなくなるからです。

 若い人たちには、自分が夢中になるような面白い仕事、素晴らしい課題を見つけて打ち込んで欲しいと思います。

(連載おわり)

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日経新聞 雑学「UAE 中古車の輸入中継地」=人気の日本車、アフリカへ=

2013年10月31日 04時49分24秒 | 雑学
日経新聞 2013年10月27日(日) P.34 社会面
連載『世界 いまを刻む』=UAE 中古車の中継地=

『人気の日本車、アフリカへ』=特区活況、模倣品も=

 中東ペルシャ湾岸のアラブ首長国連邦(UAE)が、アフリカ向けの中古車の中継拠点として活気づいている。

主に日本車がドバイ首長国の「中古車特区」に集まり、再び輸出されていく。
隣のシャルジャ首長国には、中古車から取り出した部品を扱う業者が集積。

所得水準の向上とともに膨らむアフリカの自動車需要に応えている。


 世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」から内陸に10分ほど車を走らせると、幹線道路沿いに390もの中古車店がひしめく特区が見えてくる。

政府肝煎りの中古車貿易の拠点「ドバイ自動車ゾーン(DUCAMZ)」だ。

輸入関税がかからず、外資100%で出店可能というのが強み。
2000年に開設された。 

 100万平方メートルの敷地を埋め尽くす商品の多くは日本製。

右ハンドル車が集まる区画には、日本語で社名が書かれたままのマイクロバスやトラックも並ぶ。

販売先は1人当たり国内総生産(GDP)が4万ドル(約390万円)を越える豊かなUAEではない。

右ハンドル車が走る東アフリカの国々だ。

 「右ハンドルの日本車は、韓国車より高くてもよく売れる。  うちは9割以上が日本車だ」。

中古車店を営むモハメド・ジャミル・カーンさん(38)はこう話す。
主な顧客は東アフリカのケニアやタンザニア、ウガンダからやって来る。

 「日本の中古車はきれいで頑丈。 部品も手に入りやすいからね」。
別の店のムハンマド・ショアイブさん(45)はアフリカで人気の理由を説明する。

事務室の壁には日本の中古車展示場の写真が何枚も並び、仕入れネットワークを誇示する。

 店主のほとんどはパキスタン人やインド人。
母国や日本で仕入れルートをつかみ、ドバイに移って商売を広げる。


東アフリカのバイヤーにとっては、直行便のない日本より、空路5時間ほどのドバイで在庫を見ながら買い付けた方が話が早い。

 日本の中古車輸出業協同組合によると、2012年の日本からUAEへの中古車輸出は11年比9%増の8万8千台弱。

輸出先別にみるとロシア、ミャンマーに次ぐ3位だ。

ケニアやタンザニアでは中古の商用車をミニバスに転用する需要があるほか、広がる中間層の自家用車としても日本車の引き合いが強いという。

 ドバイの東のシャルジャ首長国に足を運ぶと、自動車部品店ばかりが軒を連ねるアル・カーン通りがある。

横道に入った作業場には切断された中古車が並ぶ。

エンジンやダンパー、ヘッドランプ、カーステレオなどを取りだし、部品別に専門店に並べる仕組みだ。

解体後の部品だけを日本から輸入する場合も多い。

 業者は「輸出先は中東・アフリカのすべての国」と口をそろえる。
核開発問題で米欧の経済制裁を受けるイランにも流れているという。

 最近の売れ筋を尋ねると、ある業者は「中国製の質の低い模倣品が増えている。 日本製の中古より安いから需要は高い」と素っ気なく答えた。

日本ではアフリカなどの需要を当て込んだ犯罪集団が、国内で盗難した車を解体し不正に輸出する事件も起きている。

 日本側もこうした問題を憂慮。

日本企業や業界団体でつくる国際知財財産保護フォーラムが12月に模倣品の取り締まり強化をドバイ税関などに要請する予定で、対策に力を入れている。

(ドバイ=久門武史記者)

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日経新聞 書籍紹介「アジアの名著、息長く出版」=平凡社の「東洋文庫」=

2013年10月31日 04時16分01秒 | 書籍紹介
日経新聞 2013年10月27日(日) P.21 読書面
連載コラム『本の小径』=編集委員 宮川匡司=

『アジアの名著、息長く出版』=「東洋文庫」が創刊50年=

 文庫といえば、かっては、名著、古典を手軽に読めるシリーズを指していた。

岩波文庫がその代表格。
しかし、ことアジアに関する古典では、平凡社の東洋文庫を、忘れるわけにはいかない。

 版型は、新書よりやや大きい全書版。
函(はこ)入り、グリーンの布クロス製の装本が、他にはない個性を主張している。

 この東洋文庫が、この10月で創刊50年を迎え、英国の女性旅行家、イザべラ・バードの『新訳 日本奥地紀行』(金坂清則訳)と、朱子学の祖である朱熹の『論語集注1』(土田健次郎訳注)の2点を刊行した。

半世紀の間に出した八百四十余冊には、日本、中国、朝鮮からインド、中央アジア、中東に至る広い地域に関わる名作が入っている。

 創刊時に刊行したのが5点。

シルクロードで紀元前から栄えた王国の歴史を紹介するA・ヘルマン『楼蘭』(松田寿男訳)や、オスマン帝国に対するアラブ人のゲリラ戦を指揮した英国人の半生を親友が記したR・グレーヴズ『アラビアのロレンス』(小野忍訳)などである。

 以下、沿海州ゴリド族の古老の超人的な魅力を探検旅行の中で伝えたアルセーニエフ『デルスウ・ウザーラ』(長谷川四朗訳)、インド独立の父が、波乱の生涯を回顧した『ガーンディー自叙伝』(全2巻、田中敏雄訳注)など、読んで引き込まれる伝記や旅行記を多く収める。

 全10巻を越える長大な古典もある。
アラブ世界に伝わる豊かな説話を集めた物語集『アラビアン・ナイト』は全18巻。

アラビア語からの翻訳を手掛けた前島信次氏が12巻を終えたところで死去、後を池田修氏が引き継ぐまさにライフワークだった。

江戸期の絵入り百科事典の口語訳『和漢三才図会』も全18巻に及ぶ。

 この息の長い出版が、なぜ成り立つのか。

東洋文庫編集部の関正則編集長は「全国の図書館や大学の固定需要があり、着実に採算はとれている」と語る。

定評は一朝一夕(いっちょういっせき)に築かれたわけではない。
1970年にシリーズが菊池寛賞を受賞。

その後も各地の名作、奇書の森に分け入ってきた。

品切れの既刊の多くを電子データ化し、需要に応じて刷るオンデマンド出版で出しているのも、名作を生かそうとする姿勢の表れだろう。

 現在の編集担当は2人。
少数が支える名著刊行の方程式に、知られざる文化を伝えようと志す出版の原点を見た。

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日経新聞 国際「チリ大統領選、左派優勢」=世界の銅生産3割の資源国=

2013年10月31日 03時35分04秒 | 国際
日経新聞 2013年10月27日(日) P.5 国際面
『チリ大統領選、左派優勢』=前職が返り咲きか=

『税制改革が争点』

 南米チリの大統領選挙が3週間後に迫った。

左派で前大統領のミチェル・バチェレ氏(62・女性)が世論調査で優位に立ち、政権への返り先が有力視される。

いずれの候補も自由貿易を重視する経済運営方針は変わりなく、争点は税制改革。

左派が勝利すれば企業の税負担が膨らむ可能性もありそうだ。


 現職のセバスティアン・ピニェラ大統領(63・女性)の任期満了に伴う11月17日の大統領選には9人が立候補。

連続再選は禁止されており、ピニェラ氏は出馬できない。

 調査会社イプソスによると左派連合・新多数派のバチェレ氏の支持率が32%で首位。

2位は右派連合のアリアンサ(同盟)のエベリン・マテイ前労働・社会保障相(59)の20%で、3位には14%の経済学者、フランコ・パリシ氏(46)がつける。

 過半数を獲得する候補がいない場合は上位2人が12月15日の決選投票に進む。
任期は4年で来年3月11日に就任する。

 「税制改革が必要だ。 不平等をなくす」。
バチェレ氏は10月17日、経済界首脳を前にした会合で企業に税負担増を求める持論を展開した。

 現在のピニェラ政権は教育の無償化を求める学生デモの対処に手間取り支持率を落としてきた。

バチェレ氏は奨学金の充実や大学新設などの教育改革を主張。
原資として20%から25%への法人税率引き上げを掲げる。

 バチェレ氏は2006~10年にチリ初の女性大統領を務めた。

資源高を追い風に銅輸出をけん引役として08年の金融危機を乗り越え、人気終盤でも高支持率を維持。

退任後、女性の地位向上などを目指す国連の専門機関「UNウィメン」の初代事務局長に転じた。

低所得者や高齢者を中心に国民的人気を誇り、選挙戦をリードしている。


 一方、与党は国民の支持を伸ばせていない。
10年の大統領選で勝利し、20年ぶりの右派政権が誕生した。

だが、公約の実現が不十分だとみなされて支持率が低迷した影響を引きずる。

当初の与党候補はパブロ・ロンゲイラ前経済・振興・観光相(55)だったが、病気を理由に7月に立候補を取りやめる混乱もあった。

 代わって立候補したマテイ氏は税制改革に反対の立場。
中小企業の支援制度充実などで「4年間で60万人の新規雇用を創出する」と訴える。


 チリは右派と左派の対立が根強い。
1973年の軍事クーデターを主導したピノチェト元大統領の軍事政権下で左派勢力が弾圧された歴史があるからだ。

 有力候補の女性2人にもその因縁(いんねん)がある。
父親は共に空軍幹部で幼少期からの知り合い。

だが軍事政権下でそれぞれの父親の境遇がわかれ、バチェレ氏の父は拷問で74年に死亡した。

その際、監禁施設の責任者がマテイ氏の父だったという経緯がある。
マテイ氏はその釈明にも追われている。

(サンパウロ=宮本英威記者)

●情報:『チリ』
 世界の銅生産の約3割を担う資源国。

南米で唯一、(「先進国クラブ」とされる)経済協力開発機構(OECD)に加盟する。

国内市場が小規模なため、約60ヵ国との自由貿易協定(FTA)を通じた市場開放経済を志向する。

環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉にも参加。
「自由貿易推進は国是(こくぜ)」(在チリ外交筋)とされ、大統領選の争点にはなっていない。

日本とは07年にFTAを締結した。

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日経新聞 社会「『アニメの県』で売り出した埼玉県」=「アニメ玉祭」を催す県の意図=

2013年10月31日 03時13分37秒 | 社会
日経新聞 2013年10月27日(日) P.1
コラム『春秋』

 「エースをねらえ!」「クレヨンしんちゃん」「ルパン三世」「らき☆すた」。
これらに人気の高い漫画やアニメの共通点は何か。

ヒントは地名。
主人公や主要な人物が住んでいたり、物語の主舞台になったり。

何らかの形で、すべての作品に「埼玉県」が登場するのだ。

▲郊外に住む作家が描き、やはり郊外の若者が楽しむ。
そうした現代文化ならではの消費事情も背景にありそうだ。

ともあれ、いま、舞台となった県内のごく普通の街に、全国からファンが訪れるという現象が広がっている。

ある作品の舞台になった神社では、正月三が日の初詣客(はつもうできゃく)がアニメ放映前に比べ5倍に増えたそうだ。

▲作品の舞台を訪れる行為をファンは「聖地巡礼」と呼ぶ。
本来は宗教の聖地を訪れる旅を指す言葉だ。

社会学者の鈴木謙介氏は近著「ウェブ社会のゆくえ」で両者の類似を指摘する。
大勢の人が訪れ、普通の街が特別な場所になる。

店が並び、地元民とよそ者が交流する。
やがて独自の魅力を獲得するというわけだ。

▲先日、埼玉県自ら「アニメ玉祭」なる催しを開き、雨の中で6万人を集めた。
作品ゆかりの街々の紹介に声優ショー、仮装、アニメ絵で飾った愛車コンテストなどなど。

全国から人を呼べる史跡や名勝に乏しいとの危機感が「アニメの県」との売り出し方を生んだ。

伝統がないなら自分たちで作ろう。
そんな心意気も感じる。

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日経新聞 法務・犯罪「国際契約の落とし穴」=映画・アニメ、交渉力に悩み=

2013年10月31日 02時32分08秒 | 法務・犯罪
日経新聞 2013年10月28日(月) P.1
特集連載『企業とルール』=国際契約の落とし穴 (上)=

『映画・アニメ、交渉力悩み』

 海外との契約トラブルに巻き込まれる日本企業が後を絶たない。

商習慣や法律が違うために交渉に苦労する上、紛争になれば現地の裁判で日本側に有利な判決を得るのは難しい。

権利関係が特に複雑なエンターテインメント分野や、国際的な紛争解決の現場で企業が直面する課題を追った。


 ロバート・デ・ニーロがメガホンをとり、アンジェリーナ・ジョリーが出演したスパイ映画「グッド・シェパード」。

2007年に日本で公開された後、配給契約を結んでいた東宝東和(東京・千代田)は予想外のトラブルに見舞われた。

 日本での興行収入が4億4千万円と「当初見込みの半分」(東宝東和)に終わっただけでない。

映画は水物と心得て、採算割れした分を制作した米中堅映画会社側に補填(ほてん)してもらう契約を事前に結んでいたが、請求をしても支払われなかった。

『相手はダミー』
 東宝東和は09年、米国でに第三者機関による紛争解決手続きを開始。

翌年、米映画会社に支払い命令が出た。
だが、米社が約5億5千万円を支払うことで和解に応じたのは(6年後の)今年3月になってからだ(数億〈?〉の弁護士費用はどちらが負担したのだろう?)。

 解決に時間がかかったのは、契約相手が資産のないダミー会社だったためだ。
その後、支払い能力のある映画会社本体に請求する訴訟を追加するなど手間がかかった。

「今後は契約で担保や親会社の保証などを必ずつける」(東宝東和)と警戒を強める。

海外企業との契約は相手の実態が見えにくい分、リスクも大きい。


 「支払いを求めて中国の運営委託先に乗り込んだところ、会社ごと消えていた」。

コーエーテクモゲームス(横浜市)は3年前、中国で「信長の野望」のオンラインゲームの提供を中断せざるをえなくなった。

約100万人いた会員を取り戻そうと、年末をめどに中国での再開を目指す。
今回は「つてを通じて慎重に契約相手を選んだ」と話す。

『主導権とれず』
 アニメや漫画、ゲームなどのコンテンツ分野は世界が注目する産業のひとつ。

ところが国際契約の現場で「日本は主導権を奪われている」(アニメ会社の役員を務めるホリプロの堀義貴社長)。


ぎりぎりの条件交渉を経て契約書を交わす経験が乏しく「海外勢から不利な条件を出されても、精査せずに受け入れるケースが目立つ」(升本喜朗弁護士)という。

契約書に期限を入れなかったために、アニメの実写版製作がハリウッドで延び延びになった例もある。

 こうした状況を打破しようとする動きも出てきた。

作家の契約を支援するコルク(東京・渋谷)は代理店のTGライツスタジオ(同)と組み、インドネシアで受験コミック「ドラゴン桜」のリメーク版発売を目指してい交渉している。

 イスラム圏では女性がミニスカートで肌を見せる描写には抵抗もある。
このため現地出版社から契約条件としてインドネシア作家による書きかえを求められた。

「どこまで改変を認めるか」
「損も引き受ける代わりに利用料を多くもらう契約にすべきか」など、原作者に変わって知恵を絞る。


 経済産業省によると、映画やアニメなどコンテンツの国内市場規模は約12兆円だが、輸出比率は5%程度にすぎない。

もうかる仕組みを契約にどのように盛り込むのか。
契約力向上という課題を抱えるエンタメ産業は、日本企業全体の縮図にもみえる。


●関連日経記事:2013年10月31日(木)グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 インターネット「雑誌掲載と同時に英語版でアニメ配信サイトに」=講談社・少年マガジンなど=』(10月27日付) 
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日経新聞 インターネット「雑誌掲載と同時に英語版でアニメ配信サイトに」=講談社・少年マガジンなど=

2013年10月31日 02時10分13秒 | インターネット
日経新聞 2013年10月27日(日) P.1
『講談社の人気連載漫画』

『雑誌掲載と同時に英語版』=電子書籍170ヵ国配信=

 講談社は世界最大級のアニメ配信サイト、米クランチロール(カリフォルニア州)と提携し、30日から人気連載漫画の雑誌掲載と同時に、英語版を世界170ヵ国に電子書籍で配信する。

世界のファンに直接売り込み、市場を開拓。
海賊版の横行も防ぐ。
他の出版社に参加を呼び掛け、漫画の輸出を推し進める。

 従来は雑誌掲載から翻訳版発売までに3~12ヵ月かかり、この時間差が海賊版を生む原因になっていた。

講談社は翻訳スタッフを確保し時間差を5~6日に短縮。
雑誌掲載と同時に配信する。

 第1弾として配信するのは「進撃の巨人」「宇宙兄弟」など少年マガジンや週刊モーニングなどで連載中の12作品。

料金は月4.99ドルの読み放題定額制で、作品は夏までに50以上に増やす。

 利用できるのは日本や中国、仏、独、伊などを除く170ヵ国。
講談社はクランチロールからライセンス料を受け取る。


 日本漫画は世界で人気を集める一方、海賊版被害が深刻化。
米国の日本漫画市場は2007年の2億ドルをピークにほぼ半減した。

 クランチロールは06年に設立。
アニメ配信サイトの月間ユーザーは1千万人。

テレビ東京などが出資している。


●関連日経記事:2013年10月31日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 『日経新聞 法務・犯罪「国際契約の落とし穴」=映画・アニメ、交渉力に悩み=』(10月28日付)
 
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日経新聞 自己啓発「この瞬間にアイデアを出せ」=建築家 伊藤 豊雄さん=

2013年10月28日 06時37分07秒 | 自己啓発
日経新聞 2013年10月25日(金) P.32 生活面
連載『学びのふるさと』=建築家 伊藤 豊雄さん=

『この瞬間にアイデアを出せ』=師事した建築家の言葉に衝撃=

 建築の仕事を始めて約50年。

長くこの世界で活動を続けられているのは、2人の恩師のおかげです。
1人はふるさとの長野県の中学校で担任だった菅沼四朗先生。

放課後に自分の教育理念を生徒に聞かせ、感極まって泣いてしまう熱血漢でした。

 当時の僕は野球が得意で勉強もできたものの、状況をクールに観察している少年でした。

一生懸命な態度を周りに見せたくない、という恥ずかしさがあったのですが、先生は歯がゆかったのでしょう。

「積極的になれ」と度々忠告されていました。

 中学3年になり、親せきから「大学に進学するなら、東京の高校がいい」といわれた際も、気後れして迷いましたが、先生の「おまえはできる」との言葉が背中を押してくれました。

その後も先生と手紙のやりとりを続け、励ましの言葉は志望校合格への大きな力になりました。

 大学は建築学科に進学。

当時は論理的な思考からデザインを導くメタボリズム(新陳代謝)の運動が盛んな時代で、僕も「建築は頭で考えるもの」と思い、課題に取り組んでいました。

 転機を迎えたのは4年生の夏休み。
運動の代表格とされた建築家、菊竹清訓さんの事務所で1ヵ月間アルバイトをしました。

雑誌などで見る菊竹さんの印象はばりばりの理論派。
どんな理論が学べるかと期待していましたが、初めての打ち合わせで予想は覆されました。

 「打ち合わせの瞬間に集中してアイデアを出しなさい。 言葉は何の意味も持たないよ」。

強い口調でスタッフに発破(はっぱ)をかける姿に衝撃を受けました。
メンバー全員が理想の建築物を造り上げようと、一夜で案を練り上げる。

その様子に圧倒され、「建築に向き合うとは、こういうことか」と実感。
一生かける仕事に選び、卒業後は菊竹さんの事務所で基礎を学びました。

 以来、世界中の様々な建築物の設計に携(たずさ)わりましたが、建築家の仕事とは理論に縛られず、現場担当者から多様な意見を聞いて形にすることだと感じています。

こうした過程を重ねることで感受性が磨かれ、自信も持てるようになりました。

 僕の事務所のスタッフは約40人。
メンバーには「僕の意見を丸のみしないで」と口酸っぱく言い続けています。

恩師から学んだ積極性と集中力。
そして、他人の価値観にも耳を傾ける柔軟性。

その大切さを若い人にも理解してほしいと願っています。

(聞き手は鱸正人記者)


●いとう・とよお
東京大卒。

代表作に「せんだいメディアテーク」(仙台市)など。
今年、「建築界のノーベル賞」と呼ばれる米プリッカー賞を受賞。

東日本大震災の支援プロジェクト「みんなの家」も手掛ける。
72歳。
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日経新聞 国際「シェール革命と原油価格」=サウジアラビアと米国の関係=

2013年10月28日 06時00分08秒 | 国際
日経新聞 2013年10月25日(金) P.19 マーケット総合2面
コラム『大機小機』

『シェール革命と原油価格』

 第1次石油危機が起きた40年前、世界の採掘可能な原油の確認埋蔵量を年間の産油量で割った可採年数は三十数年だった。

多くの人は「あと30年か40年で石油資源の寿命が尽きる」と誤解した。

 だが、価格が上がり、開発技術が進歩すれば、採掘可能な資源は増える。
英国のBPが発表している統計によると、昨年末時点の可採年数は約53年。

確認埋蔵量は過去10年間に26%も増えた。

 地域別では南北米州の埋蔵量増加が目立つ。

米国のシェールオイル、カナダのオイルサンド、ベネズエラの重質資源など非在来型資源が開発対象に加わった結果だ。

シェール革命で米国の産油量は増え、自給に近づく。

 2度に渡る石油危機を経た後、1980年代には世界的な供給過剰で原油価格は半分以下に下がった。

最近も金融関係者などから「シェール革命の進展が原油価格の大幅低下をもたらす」との見方が出ている。

 だが、在来型資源と比べ非在来型資源の生産コストはきわめて高い。

米のシェールオイルは1バレル50ドル以上、カナダのオイルサンドなら70ドルくらいの生産コストがかかるといわれる。

一方でサウジアラビアやアラブ首長国連邦、クウェートなどの油田の原油生産コストは5ドル前後が多く、高くても20ドル程度だ。

 100ドル前後の原油相場が続いているから、中東以外で新たな資源開発が進むのであり、価格が大幅に下がれば開発に急ブレーキがかかる。


 非在来型資源の生産コストの高さが原油価格の下方硬直性につながるわけだ。

 数年前まで1バレル75ドルが妥当としていたサウジ政府は、昨年末「100ドルが適切な水準」と主張を変えた。

(国内の政府批判を抑えるために=)「アラブの春」に伴う国内のバラマキ拡大によって、中期的に財政収支の均衡を保つのに必要な原油価格の水準が上がったことが一因だ。

主張を変えた理由はもう一つある。

 原油を高く売れるから米国の資源開発が進み、一方で天然ガスを安く供給できる。
安価なガスが(同盟国である=)米国の競争力回復の源になるーーこういうシェール革命の構造を、サウジは理解したのだろう。

生産コストが低いサウジは、価格が大幅に下がりそうなら生産調整に動く。
サウジが動かなければコストが高い米国の生産者がブレーキを踏むよう迫られる。

これが石油市場の新たな構図かもしれない。

(花山裏)

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日経新聞 インターネット「ネット企業、攻めの経営を聞く」=楽天社長・三木谷氏、DeNA創業者・南場氏

2013年10月27日 07時38分51秒 | インターネット
日経新聞 2013年10月25日(金) P.14 企業1面
特集連載『日経フォーラム 世界経営者会議』=攻めの経営を聞く (中)=

『ウェブ・ソフト投資で商機』=楽天社長 三木谷 浩史氏=

ーー高速インターネットの無料化を提唱している。 どう実現するのか。
 「ネットは今や道路と同じ。

国や地方自治体など公共部門が担い、国家的な取り組みとして実現してほしい。
日本の競争力向上につながる。

東京五輪も一つのきっかけになると期待している」

ーー電子書籍端末「コボ」に注力している。 スマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)などに事業を広げる考えはあるか。
 
 「韓国サムスン電子や米アップルなどを敵に回して参入するつもりはない。
勝てるならやるが、餅は餅屋に任せたい。

我々は勝てそうな領域に投資する。
当社の強みはウェブ、ソフトウエアの周辺領域。

動画共有サイト『ヴィキ』を買収したのもそうした考えからだ」

ーーコボをタブレットとして売り出すのか。
 「実際の機能としてはコボもタブレットだ。

ただ、当社はコンテンツ販売に集中したい」

ーー日本でベンチャー起業が盛んにならないのはなぜか。
 「起業コストは下がっており、お金の問題はさほど重要ではない。

一時、起業ブームがあったが、様々な事件で一部の企業や経営者が批判を浴び、全体として冷え込んでしまった。

舞台にあげて持ち上げて、何かあるとたたきすぎるのは日本の悪いところだと思う」

ーー楽天社内で英語の使用が広がっている。 本社を海外に移す可能性はあるか。
 「法人格として海外移転するのは難しい。

一般論で言えば、多くの商品の開発など機能別に海外に移るものはあるかもしれない。
法人税やコストの問題だけでなく、人材確保や規則など様々な面が絡んでいる。

最も事業環境の良い場所に企業の実体的な活動は集まる。
もし、東京が魅力のない場所になれば、実体としての企業活動は海外に移る可能性はある」


『ゲームの顧客基盤生かす』=DeNA創業者 南場 智子氏=
 ーースマートフォン(スマホ)の普及で交流ゲーム市場は頭打ちとの見方が多い。

 「現在のスマホ移行は想定内とみている。
『アンドロイド』や『iOS』など基本ソフト(OS)がサービスの基盤になったが、コンテンツ会社が注視すべき対象は端末やOSでなく、顧客であることに変わりない」

 「スマホに移行しても携帯ゲームで、友人とやり取りする交流機能の需要はなくならない。

無料で始めてアイテム課金で遊ぶ仕組みは続いている。
市場の裾野が広がったとみている」

ーースマホ向けは競争が激しい。 DeNAの強みは。
 「毎日数百万人が当社のゲームで遊んでいる。

この顧客基盤が強みだ。
この利用者を誘客するゲーム以外のエンターテインメントやコミュニケーションのサービスを開発する。

2年前から新事業に経営資源を手厚く配分してきた。
弾込めしてきた新サービスを、来年にかけて打ち出していく」

「一つのことだけに集中しないことも当社の特長。
複数の施策を同時に走らせられる経営規模になったと思っている」

ーー変化が早いネット分野は人材を育てる時間が少ないのでは。
 「変化が乏しい安定期は、その分野に精通した人材をM&A(合併・買収)などで外部採用することは有効だ。

だが変化が激しい今は社内での人材育成がカギを握る。
変化に対応でき、実行力や起業家精神のある人材を育てることが重要だ。

現場に任せて若手を育てている。
経験を積み、自分の考えを持つ中途採用の方が意思疎通に時間をかける必要がある」

 「2020年の東京五輪まで日本経済に猶予ができたと思う。
その間に低賃金労働ではなく、知的で創造的な生産をする人材を多く育てられるか。

ネット業界だけでなく、日本全体の課題だ」

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