日経新聞 インターネット「アニメ、海外に英語版を一括配信」=ADK,制作大手など6社=

2013年02月28日 06時44分40秒 | インターネット
日経新聞 2013年2月27日(水) P.13 企業1面
『アニメ 海外に一括配信」=ADK、制作大手など6社=

 アサツーディ・ケイ(ADK)は4月から海外向けにアニメ作品のネット配信を始める。
同事業を担う配信子会社に大手アニメ制作会社など6社が近く出資する。

合計500作品以上の中から人気作を英語に翻訳して提供し、有料課金や広告で収益を確保する。

業界の主要企業が手を組み年間約2750億円とされる海外のアニメ配信市場で事業拡大を担う。


 ADKが100%出資する配信子会社「DAISUKI(ダイスキ)」は総額約3億4000万円の第三者割当増資を実施する。

東映アニメーション、アニプレックス、サンライズ、トムス・エンタテインメント、日本アドシステムズのアニメ制作5社と(広告最大手の)電通が引き受ける。

ADKの出資比率は26.3%となる予定。


 出資するアニメ大手では東映アニメの「ワンピース」やサンライズの「機動戦士ガンダム」など海外でも多くのファンを抱えている。

 配信会社のサイトを通じ新作を国内のテレビ放映とほぼ同時に公開するほか、英語によるアニメファン向け番組をライブで中継する。

 6月をめどに電子商取引(EC)サービスも始め、関連グッズの販売なども手掛ける方針だ。
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日経新聞 海外「イタリア政局混迷、ユーロ・南欧国債不安定化か」

2013年02月28日 05時22分46秒 | 国際
日経新聞 2013年2月27日(水) P.7 国際1面
『イタリア混迷 欧州に暗雲』

『反緊縮、波及の恐れ』

 皮肉にもイタリアの有権者が決めたのは「決められない政治」だ。

改革継続を掲げた中道左派は僅差で下院を制したが、反体制(=ポピュリズム政治)の「五つ星運動」と反モンティのベルルスコーニ前首相が割り込み(下院と同じ権限を持つ)上院を決定不能に追いやった。

改革疲れの民意が大衆迎合(ポピュリズム)のささやきになびいたイタリア。
逆戻りの流れが、欧州にドミノ倒しで広がる気配がある。


▲地元紙「統治不能」
 「インゴベルナビレ」(レプブリカ紙)。

26日の地元紙は「イタリアは統治不能」と打った。
改革路線の維持を望む欧州の期待は裏切られ、南欧(イタリア、スペイン、ギリシャなど)に危機の亡霊が立ち戻ったかのようだ。

 下院で勝った(モンティ首相の緊縮財政路線継続を主張する)中道左派連合のベルサニ民主党書記長は25日夜、一切姿を見せず、短いコメントを残しただけ。

モンティ首相は自陣営の得票が下院で10%に低迷し「結果に満足している」と負け惜しみのように語った。


勝利宣言なき総選挙の気配は、25日昼にローマ市内の幼稚園の投票所前で聞いた有権者の声からも漂っていた。

「新しいイタリアをつくるグリッロに入れた。 モンティは国益を世界に売る奴隷だ」。
航空会社勤務のファブリツィオ・グベリーニさん(41)は言い放った。

「何かを変えてくれるのはグリッロだけだ」と薬学生のロレンツォ・フォアさん(24)もきっぱり話す。


 テレビに一切出ずネットで「五つ星運動」を率いた風刺喜劇役者、グリッロ氏。
下院では単一政党で首位、上院も2位の支持を集め「我々は(既存勢力に)平手打ちをくらわせた」とネット中継で豪語した。

ユーロ体制に疑問を呈し、失業手当の保障などを掲げる典型的な人気取り。
民衆はそこに期待をつないだ。


もう一人の成功者は「選挙の天才」といわれるベルルスコーニ氏。

3度目の首相をモンティ氏に明け渡し、改革を一旦は支持したが、昨年末に反旗を翻(ひるがえ)した。

(少女)買春疑惑や離婚劇、(汚職)など数々の醜聞を抱え、海外の常識ではとても政治生命を維持できないはず。
だがイタリアの有権者は馬力のある政治家を見捨てない。

 美容整形で浅黒い容姿を保つ76歳のメディア王の存命策は露骨だった。
自前の放送局で(毎日のように)露出を増やし、オーナーを務めるサッカークラブ「ACミラン」にイタリア代表FWのバロテリ選手を移籍させた。

選挙直前には税務署からの通知に見せかけた「不動産税を還付します」という手紙を配った。


 ACミランのファンが多いシチリア州の中道右派(ベルルスコーニ)が勝利するなど、上院の切り崩しは土壇場で成功した。

「(財政緊縮路線の)民主党との協力? いまは振り返る時間だ」。
26日、ツイッターでそうつぶやき、大連立入りも匂わせる。


経済危機で実務家の(モンティ)首相が改革路線を敷き、それを民意が選挙で抵抗する。
一連の動きは、1年前に急進左派連合の大躍進で再選挙に突入したギリシャに重なる。

▲改革は不十分
 「脱税封じの人」(学生のダビッド・エミルさん=21)との評価もあるが、(選挙で選出されていない学者出身の)モンティ氏のインテリ然とした物腰は冷たさを印象づけるだけだった。

外国企業からみれば改革は不十分。
解雇の是非の判断を裁判所に委ねる雇用改革に「(解雇が実質難しいイタリアの労働規制下では)新規雇用を進める気にはなれない」(野村イタリアの今時剛代表)との不満もある。


 (選挙で選ばれない専門家集団の組閣で、大衆迎合的な政策をとらず大胆な改革路線を敷いた)モンティ改革は日本に似た「決められない国」の打破を予感させ、欧州周辺国も手放しで支持した。

その道が事実上断たれ、改革のペースが衰えるのは間違いない。


欧州中央銀行(ECB)の無制限の国債購入で危機暴発のリスクは後退したが、痛みへの拒否反応が伝染する懸念は大きい。

スペインのラホイ首相は不正資金疑惑の打ち消しに躍起。
フランスのオランド大統領も経済不振で苦境だ。
メルケル首相の再選がかかる総選挙を9月に控えたドイツも安易に動けない。

イタリアの民意の迷いは、欧州に暗雲を広げている。

●データ:ユーロ主要国の政治が不安定化!
ドイツ・メルケル首相(右派)~重要決定は9月総選挙後に先送り
フランス・オランド大統領(左派)~不況止まらず、支持率急低下
イタリア:今回の総選挙で上院・下院でねじれ議会。「決められない国」リスクが増大
スペイン・ラホイ首相(右派)~緊縮財政と不正資金疑惑で不人気
ギリシャ・サマラス首相(右派)~ユーロ離脱回避するも急進左派に高支持率

(ローマで、欧州総局編集委員 菅野幹雄)


『スペイン、懸念強める』
 イタリア総選挙の結果を受け、欧州連合(EU)は同国の政治情勢の安定と財政再建を求める姿勢を強調。

欧米メディアは欧州危機の再燃に警鐘をならした(=南欧国債や通貨ユーロの下落)。

 欧州議会のシュルツ議長(首相に相当)は26日、「イタリアとEUにとって非常に難しい選挙結果。 安定した政権が必要だ(=各党が小異をすて大同に就く安定した連立政権をめざすべき)」と訴えた。

欧州委員会の報道官はモンティ首相の改革が「正しい方向だったことは変わらない」と指摘。

「イタリアは財政赤字を減らす約束などを果たしていくだろう」とし、新政権が樹立されれば財政再建などを引き続き求める方針を示した。

EU加盟国では、スペインが懸念を強めている。
報道によると、同国のデギンドス経済相はイタリアの選挙結果が同国の市場などにも悪影響を及ぼし始めたとの認識を示し、「(市場の不安定な動きが)短期間で終わることを望む(=スペイン政局不安定化により同国の財政改革もイタリアと同じく遅れるとの憶測から、スペイン国債が市場で売られる)」と語った。


 メディアでは、英フィナンシャル・タイムズ(電子版)が「戦後初めてイタリア議会は欧州の要求に従おうとしない過半数をつくり出した」と解説。

米ウォール・ストリート・ジャーナル(同)は「欧州金融市場が再び不安定化する恐れが出ている(南欧国債やユーロが市場で売られるリスク)」と指摘した。

(ローマ=御調昌邦記者)
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日経新聞 経済学「重要性増す為替市場での資本取引」=第9章為替市場の構造 ⑤⑥=

2013年02月28日 03時40分18秒 | 経済学
日経新聞 2013年2月26日(火) P.31 経済教室面
連載『ニュースを読み解く やさしい経済学』=第9章為替市場の構造 ⑤=

『重要性増す資本取引』

 為替相場(かわせそうば)は貿易取引のような「実需」の動向だけで変化するのではありません。

1980年代半ばに、為替取引には実需の裏付けが必要であるという「実需原則」が撤廃され、銀行以外の企業も自由に為替取引をすることが可能になりました。

これで市場参加者の構成も大きく変化し、実需の占める割合は全体の1~2割に縮小しています。


 今の相場に大きく影響しているのは実需よりもお金、つまり資本の動きです。

金融のグローバル化が進展し、資本は世界中をほぼ自由に動くとこができるようになりました。

通常、資本は金利の低い国から高い国に流れていきます(注①)。

日本のようなゼロに近い金利(注②)よりも、金利が高い国で運用する方が預金などの利息が多くもらえるからです。

すると、為替市場で低金利国の通貨が売られ、高金利国の通貨が買われます。


 為替や債券・株式の相場変動から収益を得る目的で市場に参加している「投機筋」の動きも見逃せない要素です。

投機筋は経済成長率など経済の基礎的条件(ファンダメンタルズのほか、J・M・ケインズが「美人投票」と名付けたように、値上がり、値下がりすると多くの人が判断するモノを先回りして売買する(=先物取引)こともあります。

その際、通貨の売買が行われます。

為替市場では資本取引の比重が高くなり、相場が乱高下することもあります。


 資本取引で最も重要視されるのが、各国の金利動向であり、各中央銀行の金融政策です(注③)。

例えば日銀が一段の金融緩和政策をとれば、(金融市場に”円という”お金があふれ)実質ゼロ金利が続きますから、日本よりも金利が高い国の通貨で金融資産を持ちたい人が増え、円が売られて為替市場では円安が進みやすくなります。。

 安倍晋三政権ではインフレ率が2%になるまで金融緩和が続く、つまり当分日本の金利は上がらないとみられています。

さらに2012年の日本の貿易収支は過去最大の赤字でしたから、実需面からも(輸入製品を買うため、円を売ってドルなどの外貨を買って、それを輸入代金に充当するため)円売りが進み、円安基調に転じたと考えられます。


●父さんコメント:
(注①):
米国の長期金利は2%前後。 日本の長期金利の0.7%と比べると1.3%の金利差があることになる。

日本の銀行が一億円を日本国債に投資すると、1年間で得られる利回り益は、1億円*0.007=70万円。
同じ額を米国債に投資すると200万円。

その差は130万円も発生する。

1ドル=92円の為替レートが変わらない(=為替リスクがゼロ)と仮定すると、日本の銀行や生保・損保など資金をたくさん持っている会社は、日本でお金を投資するより、米国や欧州の金利が高い国で投資する方が多くの利回り益を稼ぐことができるので資金が日本から米国や欧州に流れる結果につながる。

2013年1月31日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照:
 『日経新聞 経済「日米の金利差 拡大」』(1月30日付)

(注②):長期金利の指標となる新発10年債利回りは26日、一時0.675%と2003年6月27日以来9年8ヵ月ぶりの水準に低下(国債価格は上昇)した。(日経新聞 2013年2月27日(水)  P.3 総合2面)

(注③):2013年2月8日グー・ブログ「同上」投稿記事参照:
 『日経新聞 経済「株高でも金利低下」=アベノミクスの経済波及効果に違い=』(2月7日付)



日経新聞 2013年2月27日(木) P.31 経済教室面
連載『ニュースを読み解く やさしい経済学』=第9章為替市場の構造 ⑥=

『購買力平価という目安』

 政治家や経済人がしばしばのぞましい為替水準について言及します。

市場での需給(=供給量に対する需要量の大きさ)で決まるものですが、「適正」の目安はあるのでしょうか。


 代表的な為替相場決定理論の一つに「購買力平価説」があります。

例えば、為替レートが1ドル=80円の時に、米国で1本1ドルのコーラが日本では100円で売られていたとします。

日本で売れば20円もうけられますから、(コーラを販売する業者はより儲けられる日本での販売数量を増加させる行為をするため)米国での供給は減ってコーラの価格が上昇する一方、日本では輸入(するコーラの本数)が増えて(コーラの需給が変化するため)値下がりします。

為替市場では輸入代金の支払いのためドル需要が高まるので、円安・ドル高になります。


 長期的には「一物一価(いちぶついっか)」、つまり同じ製品は(上記のような商行為を伴って、価格が平均化するので長期間でみると)一つの価格に収束し、それぞれの国の通貨で測ったコーラの価格が同じになる水準でこの取引(=業者による意図的な操作)は止まります。

通常、商品の価格差縮小よりも為替の調整が早く進みますので、(コーラの日本での輸入増加に伴って輸入代金支払いが増加することから、円安・ドル高になり、その円安基調を先読みした売買が先行増加することで)1ドル=100円に向かうことになります。

購買力平価とは、異なる通貨の購買力を均等化させる為替水準ともいえるのです。


 適正の目安として有名なのが、マクドナルドのビッグマック価格で測った購買力平価「ビッグマック指数」です。

2012年7月には米国で4ドル33セント、日本は320円だったので、購買力平価は1ドル=73円90銭となります。

これだと、今の円がかなり安いことになりますね。

 ほかにも、スターバックスのトールテラや米アップルの携帯音楽プレーヤー「iPad」を使った指数があります。

07年の発表ですが、小型の「iPod nano」でみると、1ドル=約120円です。
比較対象となる財によって結果は様々です。


 実際の為替相場が購買力平価から乖離(かいり)する原因としては、関税や貿易など取引コスト(=かさばる、取り扱いに注意が必要、貯蔵期間に制限がある、などの条件により輸送・保管コストが加わる)がある。

製品価格を簡単に変えにくい、などがありますが、一番大きな(乖離)原因は貿易のような実需に基づくものではなく、資本取引が市場の主流だということです。

購買力平価だけで将来の為替相場を予想するのは難しいですね。

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日経新聞 国際「『黒田日銀総裁』海外論調に差」

2013年02月27日 07時23分23秒 | 国際
日経新聞 2013年2月26日(火) P.6 国際1面
『「黒田日銀総裁」海外論調に差』

『デフレ脱却 米に期待感』

 25日に固まった黒田東彦アジア開発銀行(ADB)総裁の日銀総裁への起用。
海外のメディアがそろって詳報したが、論調には温度差が感じられた。

米紙などでは、日本が長引く経済低迷から脱却するきっかけになるという受け止め方が目立ち、輸出で日本と競合する国・地域が多いアジアからはさらなる円安への懸念など為替政策への警戒感が前面に出ている。


 自らも積極的な金融緩和を進める米国では、大胆な金融緩和と積極的な財政出動を組み合わせる「アベノミクス」が総じて好意的に受け止められている感がある。

黒田氏の起用はその延長線上と位置付けられているようで、メディアの論調には脱デフレのかじ取りへの期待が色濃くにじむ。


 「安倍首相は国際経験豊富な黒田氏に、停滞する日本経済を活気づけることを期待している」。
米ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は、デフレ脱却へ日銀に一層の金融緩和を求める安倍首相の意向に沿った人選であることを伝えた。

 英フィナンシャル・タイムズ(FT)は電子版に掲載したブログ記事で黒田氏が今年1月のインタビューで「中央銀行はデフレを根絶するためにすべての手を打つ必要がある」とコメントしていたと紹介。

同氏が安倍政権の方針に沿い、インフレ目標達成へ注力すると予測する。

 独紙フランクフルター・アルゲマイネは黒田氏を「積極的な金融緩和論者として知られる」と紹介。

仏AFP通信は政府と日銀の合意の下、日本が金融緩和を一段と進めるという見通しを報じた。

一方では「黒田氏が日銀総裁に就任すれば、当面は円安局面が続く」(仏経済紙トリビューヌ)との指摘がある。

市場関係者らの間でも政策への関心は強く、英投資会社モニュメント・セキュリティーズのスティーブン・ルイス氏は「日銀の外債購入に賛成かどうかを知りたい」と語った。

『アジアは一段の円安警戒』
 一方、アジアでは円安への懸念が一段と広がっている。

中でも、台湾は日本が最大の輸入相手で、日本の金融緩和による為替の変動にも神経をとがらせる。

日本からの輸入品の一部値下がりは消費者に恩恵をもたらすが、台湾の中央銀行は台湾ドル高による輸出への影響などを警戒。

「(金融緩和は)最良の選択とは思えない」(彭淮南総裁)との批判もある。


 韓国でも毎日経済新聞(電子版)が「黒田氏は積極的な金融緩和論者であるうえ、国際社会の人脈が厚く、日本の野党の反対も少ない」と説明し、起用が「安倍首相の攻撃的な金融緩和策を展開できる適任者という判断」によるものと解説。

円安の局面が続くことに強い警戒感をにじませた。

(韓国)聯合ニュースは市場で「日本が近く環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加を表明すれば米国が急速な円安を容認する」との観測があると伝えた。

ただ、スイスのプライベートバンク、ジュリアス・ベアのマーク・マシューズ・アジア調査部門ヘッド(シンガポール在住)は「日本が経済の復活に取り組むことは(工業製品の輸出で競合する)韓国を除くアジアにとってはいいことだ」と指摘する。


 日本が独占してきたADB総裁ポストに注目する記事も目立った。
中国国営の新華社は25日、国会での同意など「3つの懸念」を示す記事を配信。

中でも黒田氏の後任について「(日本人の総裁が続くという)慣例が挑戦を受ける可能性がある」とした。

シンガポール経済紙ビジネスタイムズは「ADB総裁ポストが任期途中で空席となれば、中国がポストを要求する可能性がある」との観測を伝えている。
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日経新聞 海外メディア「安倍政権、好調なスタート」=構造改革が次の課題=

2013年02月27日 07時01分03秒 | 海外メディア
日経新聞 2013年2月26日(火) P.6 国際1面
連載『英フィナンシャル・タイムズ特約』

『安倍政権、好調なスタート』=構造改革が次の課題=

 安倍晋三首相は在任60日でまだ失敗がない。

(具体的な政策を打ち出し、着実に実行に移す段取りをしている手際の良さは)60日というのは日本の首相としては立派だろう。

不器用さが目立った2006~07年の第1次安倍内閣やそれに続く5人の首相と比べれば、なかなかの偉業と言える。


 出発は自信に満ちていた。
経済活性化へ打ち出した「リフレ」路線は、市場が反応した点で一定の成果を上げた。

日中間の問題では必要以上に国家主義的態度を取って事態を悪化させることを避けている。
米国訪問も無事にこなした。

自民党の支持基盤である国内農業団体を離反させることなく、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加へ前進した。

 だがここからは問題が複雑になる。

まず物価上昇率2%の目標達成に全力を尽くす人物を日銀総裁に指名することだ。
国際社会は日本が直接的な為替介入とみなされる(日銀の)外債購入に踏み切ることを警戒している

 次のステップとして金融、財政に続く構造改革に取り組むべきだ。
何より重要なのはTPPだ。

市場開放で競争にさらされる半面、輸出拡大が見込める。
農業、医療、エネルギーといった分野で規制を撤廃できれば生産性向上の可能性がある。

 第3は、すべきでないことだ。
7月の参院選に勝利すれば、01~06年の小泉首相以来の高評価を得る可能性がある。

危険なのはその後。
安倍氏が真に情熱を注ぐ国の威信の復活という目標に大きく踏み出しかねないことだ。


 従軍慰安婦問題を含めた第2次世界大戦中の日本(軍)の行為に、安倍氏は謝罪の言葉を弱めようとしている。

靖国神社参拝も望んでいる。
戦後の歴代首相はイデオロギー追求より現実主義的な行動を選んできた。

安倍氏が好スタートを生かすつもりなら、前例に従うべきだ


(25日付社説)
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日経新聞 ことば「漢江の奇跡(韓国)」=朴新大統領就任演説=

2013年02月27日 06時23分05秒 | ことば
日経新聞 2013年2月26日(火) P.7 国際2面
『韓国 朴大統領就任演説』=漢江の奇跡再び=

『朴政権、成長神話で求心力』=経済構造転換には壁=

 朴槿恵(パク・クネ)新大統領は25日の就任演説で「もう一度、漢江(ハンガン)の奇跡を起こす」と宣言した。

1970年代の高度成長期を持ち出し、求心力を高める狙いがうかがえる。

だが輸出主導で高速成長を果たした韓国モデルにはきしみが目立ち、格差是正を求める不満も多い。

新たな「奇跡」を実現する具体策は見えない。

(記事本文は割愛)

(ソウル=小倉健太郎)

▲ことば:「漢江の奇跡」
 1970年代の重工業を中心とする韓国の高度経済成長を指す。

漢江(ハンガン)はソウルを流れる韓国を代表する川。

65年の日韓国交正常化で日本から得た経済協力資金などを活用、技術も積極的に外部から採り入れた。

現在の韓国経済をけん引するポスコや現代自動車など多くの企業が70年前後に設立された。

関連日経記事:2012年12月20ブログ投稿日経記事参照
 『日経新聞 国際「韓国大統領選、朴槿恵候補が勝利」』(12月19日付)
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日経新聞 経済学「基軸通貨の役割」=第9章 為替市場の構造 ③、④=

2013年02月26日 16時46分29秒 | 経済学
日経新聞 2013年2月22日(金) P.31 経済教室面
連載『ニュースを読み解く やさしい経済学』=第9章為替市場の構造 ③=

『基軸通貨の役割』=学習院大学 清水 順子=

 古代の人々は、自分の持っているモノと欲しいモノを取りかえる物々交換をして暮らしていました。

次第にコメ・布・塩などが取引を媒介するようになりました。

でも、コメを持っている人が布を欲しくても、布を持っている人が魚を欲しければ物々交換は成立しません。

自分の欲しいモノを持ち、かつ自分の持っているモノを欲しがっている、すなわち「欲求の二重の一致」が成立する相手を探すには大変な労力がかかります。

そこで、取引を円滑にする手段として、貨幣は生まれました。
誰もが貨幣をを介在して必要なモノを手に入れる。

これが「貨幣の交換手段」という機能です。

 世界的に流通する貨幣が通貨です。
国境を越えた商売の決済には通貨を交換する必要があります。

とはいえ、今世界には150以上通貨がありますので、異なる2国間の取引の組む合わせ方は、とてつもない数になります。

それに、小さい国の通貨との交換を頼んでも、「使う当てがないからしたくない」と断られてしまうかもしれません。



一つ一つの通貨を交換してくれる相手を探すのはコストがかかりますが、誰もが欲しがり、喜んで取引してくれるものがあれば問題は解決します。

それがドル=「基軸通貨」です。

使い勝手の良いドルが介在することにより、非常にスムーズに決済できます。
物々交換から貨幣が誕生した過程と同じようにドルが選ばれたといえます。

 ユーロ、円やポンドも国際通貨として世界中で交換することができますが、為替市場ではどの通貨も一度ドルを経由する仕組みになっています。

ユーロや円が基軸通貨としてのドルの地位を脅かす存在になるのでは、という見方もありましたが、主役の座を奪うには至っていません。


 ただ、様々な動きが出ています。
2012年6月、日本円と中国人民元を直接取引する円元直接取引市場が開設されました。

ドルを介在せずにアジアの通貨同士を交換するという新しい取り組みです。


2013年2月25日(月) P.19 経済教室面
連載『ニュースを読み解く やさしい経済学』=第9章 為替市場の構造 ④=

『貿易動向が相場に影響』

 通貨もモノとおなじように、売買されます。

米国と貿易している日本企業を例にとると、製品を輸入しようとする際にはドルで代金を支払わなければなりませんので、為替市場で手持ちの円を売り、ドルを調達します。

 反対に、輸出する場合はドルで受け取った代金を円に換えるため、ドルを売り、円を買います。

ドルと円の交換比率(為替レート)はそれぞれの需給で決まるのです。


 日本の貿易黒字が拡大すれば、手持ちのドルを売ろうとする人が増えます。
すると市場でのドル供給が増え、円高・ドル安に進みます。

貿易赤字になれば、逆に動きます。

貿易に関わる為替取引、いわゆる「実需」が市場において主流であった1980年代前半までは、輸出から輸入を引いた日本の貿易収支が発表されるたびに、為替相場が大きく動きました。


 貿易収支の状況によって為替レートが上下するだけでなく、その動きが貿易収支にも影響を及ぼします。

日本の貿易黒字が拡大し、円高・ドル安が進むと、海外での日本製品の価格が上昇し(日本円での出荷価格は同じでも、ドルに換算した現地価格は円高分上昇し)、競争力が低下するため、輸出が減少します。

反対に、(円高・ドル安で)海外製品は安く買えることになりますから、日本の輸入が増えます。

結果として輸出が減少し、輸入が増加、貿易黒字は縮小します。
これが変動為替相場における「貿易収支調整機能」です。


 80年代前半、米国は膨大な貿易赤字を抱えていました。

とくに日本との貿易赤字が膨らんだため、米国を中心としてドル安・円高誘導を行ったのが、85年9月にあったプラザ合意です。

この結果、合意前には1ドル=240円前後で推移していた為替レートが、86年7月には154円台まで進むなど「円高不況」に苦しみました。

 当時の日本と同じように為替の修正を求められているのが中国です。

2000年代半ばから貿易黒字が増大すると、先進国の首脳会議で「より柔軟な人民元相場(=中国政府による過剰な市場介入による人民元相場の低位誘導政策の緩和/輸出ドライブ政策の変更)」が取り上げられるようになりました。

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日経新聞 国際「南欧企業 資金調達で苦境」

2013年02月26日 11時04分04秒 | 国際
日経新聞 2013年2月25日(月) P.7 国際2面
『南欧企業 資金調達で苦境』

『貸出金利高止まり』=独仏と格差 景気回復の足かせに=

 ユーロ圏各国で企業の資金調達コストの格差が広がっている。
 
欧州債務危機が和らぎ、企業向け貸出金利はドイツでは2%台に下がったが、ギリシャやポルトガルなど南欧では6%台で高止まり状態にある。

危機対策の効果が南欧企業には十分に及んでおらず、資金調達コストの南北格差で、ユーロ圏全体の景気回復の足取りが鈍る恐れもある。


 欧州中央銀行(ECB)によると、ユーロ圏の企業向けの平均貸出金利は2012年の12月時点で年3.7%だった。

債務危機が深刻だった12年夏までは4%を超えていたが、ユーロ圏の南欧支援の枠組みやECBによる南欧国債の無制限買い入れなどで金融市場の不安が和らぎ、貸出金利も低下傾向にある。

 ところが平均貸出金利を国別に分析すると、南北の格差拡大が浮き彫りになる。
ドイツやフランス、オーストリアなどの主要国では貸出金利は2%台だが、市場の不安がくすぶるスペインは5%前後、多額の債務を抱えるギリシャはなお6%を超える水準にある。

銀行救済でユーロ圏に資金支援を求めているキプロスでは7%を上回る(注①)。

 イタリアの貸出金利は4%台。
独仏を大幅に上回るが、南欧のなかでは低めで、今のところはユーロ圏の平均をやや超える水準にある。

市場安定に伴って貸出金利の目安となる国債の利回りは低下した。
だが南欧では銀行が企業向け融資で高めの貸出金利を設定していることがうかがえる。


 原則として貸出金利には企業の信用力が反映される。
だが南欧の銀行は債務危機などで経営体力が落ちており、貸出金が焦げ付く貸し倒れリスクに敏感になっている。

スペインでは今月中旬に大手不動産が破綻(はたん)し、バンキアなど取引銀行の損失が拡大するという懸念が広がった。

1990年代の日本の金融危機時に起きた「貸し渋り」に近いという指摘もある。


 資本市場からの資金の調達でも南欧企業の苦戦が目立つ。
欧州メディアによると、昨年後半以降は独仏やベルギーなどの企業は市場から低金利で資金を調達できているが、南欧企業の資金調達は通信大手などに限定されているという。

 企業の資金繰りについて英バークレイズのエコノミストであるハイエス氏は「とくに南欧の中小企業にしわ寄せがきている」と指摘する。

大企業は社債などを通じて市場から調達できるが、中小企業は取引銀行に頼らざるを得ない。

国内にある銀行の経営が揺らぎ、資金借り入れが難しくなっている。

 
 南欧企業の貸出金利の高止まりは、銀行の経営問題だけが理由とはいえない。
独仏などの主要国に比べて、そもそも南欧企業の収益力が低いと事情もある。

 例えば、国内総生産(GDP)に占める輸出の割合はドイツやオーストリアが40%を超えるのに対し、イタリアでは25%にとどまる。

新興国などの旺盛な需要を取り込んで収益を拡大していく力が弱く、ユーロ圏域内の景気動向に経営が左右されやすい。

ユーロ圏の景気は13年半ばから回復するという見方が多い。

だがドイツ銀調査部によると、イタリアやスペイン、ギリシャは13年通年でマイナス成長となる見込み。

南欧企業の苦境がユーロ圏全体の成長の足を引っ張る可能性さえある。

(ベルリン=赤川省吾記者)

(注①)関連記事:
日経新聞 2012年7月7日(土) P.7 国際面 
『キプロス、ロシアに支援要請』 
  ロシアのシルアノフ財務相は6日、債務危機に直面しているキプロスから50億ユーロ(約4900億円)の金融支援の要請を受けたことを明らかにした。 

ロシアはキプロスとの経済的な結びつきを強めており、支援を前向きに検討する方針だ。

 キプロスはギリシャの債務問題と景気後退の影響を受け、経営危機に陥った国内銀行への資本注入が必要となっている。 
欧州連合(EU)に金融支援を要請したが、ロシアや中国などからの支援も検討していた。

 多くのロシア企業が租税回避(タックスヘイブン、tax haven)などを目的にキプロスに持ち株会社を設立し、両国の経済的結びつきは強い(また、キプロスは地中海の中心に位置し、ヨーロッパと中東、ヨーロッパとイスラム諸国の中間に位置する地政学的に重要な国である)。
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日経新聞 インターネット「欧州・防衛大手EADSにハッカー」=中国から攻撃か=

2013年02月26日 10時52分43秒 | インターネット
日経新聞 2013年2月25日(月) P.7 国際2面
連載『ダイジェスト』=独誌報道、中国から攻撃か=

『防衛大手EADSにハッカー』

 ドイツの週刊誌シュピーゲルは、複数の欧州企業が中国からハッカー攻撃を受けていたと伝えた。

ドイツに拠点があるEADSが独政府に報告した。
(世界的化学・)製薬大手バイエルなども標的になったという。

中国からのハッカー攻撃の全体像を把握するため、独政府は攻撃を受けた企業に対して、速やかな報告を義務付けることを検討している。

ドイツでは中国からのハッカー攻撃による被害が繰り返し報じられてきた。
2010年の独中首脳会談で防止策が話し合われた経緯もある。

(ベルリン=赤川省吾記者)

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日経新聞 ことば「米国の歳出の強制削減」

2013年02月26日 10時18分14秒 | ことば
日経新聞 2013年2月25日(月)P.7 国際2面
『米の歳出強制削減』=3月1日発動期限=

 米国の財政再建を進めるため、連邦政府の歳出を強制的にカットする枠組み。
国防費を中心に約10年で1兆2000億ドルの歳出が削減される。

 米債務上限の引き上げを決めた2011年の「財政管理法」に、1兆5000億ドルの追加的な財政赤字削減策を議会で策定できなかった場合の「トリガー条項」として盛り込まれた。

13年1月から発動される予定だったが、昨年末の「財政の崖」を巡る米議会の交渉で、発動が2ヵ月延期されていた。

   ▲    ▲    ▲

(記事の前段略)
 実際に強制削減が発動されると、米政府の機能は一部停止に追い込まれる。

国防総省は約80万人に上る職員に最大22日間に及ぶ一時休暇を取得させると発表。

運輸省は(野党)共和党出身のラフード長官が22日に緊急の記者会見を開き、全米の約100の航空管制塔の稼働を中止せざるを得なくなると表明。

一部の航空路線では運航中止や遅延などが起きると警告した。

 昨年末の包括減税(ブッシュ減税)失効に絡んだ「財政の崖」に続き、米議会は再び財政問題に直面している。

3月1日が期限である歳出の強制削減の後、27日には暫定予算の失効の期日が控えている。

対応がずれ込めば、政府運営や景気への影響は避けられない。
それでも民主・共和両党は互いに主張を譲りそうにない。

関係者の間では強制削減と暫定予算の扱いをセットしに、3月1日を越えて協議を進める案も浮かんでいる。

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