日経新聞 政治「真珠湾攻撃と日系人」=日本政府に翻弄される海外在住日系人=

2016年12月28日 05時30分21秒 | 政治
日経新聞 2016年12月27日(火) P.1
連載コラム『春秋』

 「この瞬間からアメリカ合衆国の日本人は(中略)ほかのアメリカ人とは別の種類の動物になってしまった」。

新訳が今年、出版された日系2世作家ジョン・オカダの小説「ノーノー・ボーイ」はこんな描写で始まる。 

”この瞬間”とは、日本軍の真珠湾攻撃のことだ。

▼カリフォルニアなどに住む日系人約12万人が砂漠に設置された強制収容所に移送された。
米国で生まれ、米国籍を持つ2世らも例外ではなかった。

思想調査で「米国への忠誠」「米軍での兵役」を拒否した男性はノーノー・ボーイと呼ばれ、とりわけ過酷な扱いを受けた。

この小説の主人公も収容所から刑務所へ送られる。

▼米政府は後に日系人収容を謝罪した。
これは米国の内政問題である。

だが、その発端が対米開戦という日本の暴挙にあったことは否定できない。

日本中が「勝った、勝った」と沸いたハワイ奇襲で始まった戦争はアジア太平洋の住民を苦難に巻き込み、最後は銃後の日本人にも多大の被害をもたらす惨劇で幕を下ろした。

▼昭和の作家、芹沢光治良の「戦中戦後日記」にこんなくだりがある。
「近頃会う人が瘦せたという。 肉を食わないこと一カ月余、魚も一日置き」。

開戦5日前だ。
こんな食糧事情でよくぞ戦争をしたものだ。

安倍晋三首相の真珠湾での演説は日米同盟の価値を確認するものになるという。
ここまで来るのに75年もかかった。


◆父さんコメント:
「『ノーノー・ボーイ』新訳は、旬報社から、旧訳から一新して出版されています」とのコメントをシアトル・ジョンさんから頂きました。
    *    *
ジョン・オカダ著『ノー・ノー・ボーイ』
中山容訳、晶文社、1979年(原題No-No Boy、1957年初版)、1600円。
    *    *
=ウィキペディアより=
 1979年に晶文社から以下の日本語訳が出版されている。

一時、品切れとなったが、2002年に復刊されている。
2016年には旬報社より新訳で再刊された。

中山容訳『ノー・ノー・ボーイ』(1979年、晶文社、ISBN 4794922884)
川井龍介訳『ノー・ノー・ボーイ』(2016年 旬報社 ISBN 9784845114924)

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1 コメント

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ノーノー・ボーイ (シアトル・ジョン)
2016-12-29 08:54:17
「ノーノー・ボーイ」新訳は、旬報社から、旧訳から一新して出版されていま。

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