日経新聞 経済「広がる悪魔のささやき」=「財政再建」こそ日本国債への信認を維持する基本=

2017年04月06日 02時25分10秒 | 経済
日経新聞 2017年4月5日(水) P.19 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『広がる悪魔のささやき』

 財政再建策を巡り、これまでタブー視されてきた悪魔のささやきが広がっている。

 財政健全化の王道は経済成長による税収増加か歳出の圧縮である。

絶対に避けなければならないと考えられてきたのが、債務返済不履行、つまりデフォルトだ。

ところがあえてデフォルトに踏み切るべき状況だというささやきである。

 日本の財政は先進国中最悪。
消費税上げは延期が続き基礎的財政収支の2020年度黒字化は絶望になっている。

ならば過激な手を使ってでも身を軽くして再出発しようという考えだ。

 デフォルトには大きく2種類ある。
典型的なのが借金の棒引きだ。

国債保有者に元本(がんぽん)や金利の減免を迫り多大な損害を与える。

やるとしても穏便な形に技術的な工夫を凝らすことになるが、やはり国家の威信や投資家は傷つく。

もう1つはインフレ誘発による実質的な債務負担の軽減、「広義のデフォルト」である。

 3月に来日し経済財政諮問会議に出席したノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ米コロンビア大教授は国債の永久債への組み替えや日銀保有国債の無効化(棒引き)を提唱した。

英国の元金融サービス機構長官のターナー氏はヘリコプターマネーを推奨する。
ヘリコプターマネーとは返済義務が実質的にない国債や紙幣のバラマキである。

 シムズ米プリンストン大教授は、将来に向けて財政規律緩和を宣言、インフレ期待を高め国債の価値を下げるべきだと主張する。

「21世紀の資本」を書いたピケティも過剰債務解消の現実的手法にはインフレがあると分析する。

 問題は人為的なデフォルトに伴う混乱である。
金融資本市場は高度に発達し、国際資本移動も自由で、ある意味で脆弱(ぜいじゃく)だ。

国債への信認が崩れ価格が急落したら金融システムは動揺する。
円も急落しハイパーインフレの危険がつきまとう。

危うい賭けである。
海外の投資家はエコノミスト同様、気楽であり冷徹だ。

 ケネス・ロゴフ米ハーバード大教授らの著書「国家は破綻(はたん)する」は「信頼が失われると、あっという間に谷底に転落する」と指摘する。

財政問題は世代間不公平とともに危機管理が問われ始めた段階と言えよう。
果たして政府や政治家にそうした認識や覚悟があるのだろうか。

(横ヤリ)


●関連日経記事:2014年5月17日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「世代間協調の不可能性」=財政再建は期待できない・・・=』(2014年5月16日付)

●関連日経記事
:2014年3月31日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経済「経常赤字国 分かれる明暗」=成長への投資カギに=』(2014年3月30日付)

●関連日経記事:2015年3月7日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 国際「ギリシャ危機、第2のリーマンか!」(2011年9月14日付)』

●関連日経記事
:2017年4月6日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 国際「金の国際価格上昇」=米経済指標悪化で=』(4月5日付)

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