日経新聞 国際「イタリア問題行、金融不安の再燃懸念」=欧州委、公的支援認めず=

2017年05月11日 09時21分00秒 | 国際
日経新聞 2017年5月10日(水) P.7 金融経済面
『イタリア問題行、なお停滞』=欧州委、公的支援認めず=

 多額の不良債権を抱えるイタリアの問題銀行の健全化が滞っている。

3位のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテパスキ)など3行が公的支援を申請したものの、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が承認していないためだ。

銀行の健全化は金融不安の払拭(ふっしょく)に加え、イタリアの景気回復にも欠かせない課題で、先行きが注目されている。

「金融不安の再燃懸念」
 伊銀行の不良債権問題で最大案件のモンテパスキは2016年12月、大型増資による自力再建を断念し伊政府に公的支援を要請。

政府は銀行救済に200億ユーロ(約2兆4千億円)の予算を確保しており、66億ユーロをモンテパスキにあてる予定だ。

 EUは銀行再生・破綻(はたん)処理指令で、国が銀行を救済する際には銀行債の保有者らも一定の損失を負うことを決めている。

モンテパスキの場合、機関投資家は損失を負うが、個人投資家は負担を免れる内容なので、欧州委と欧州中央銀行(ECB)の承認が必要だ。


 パドアン経済・財務相は昨年末、同行の増資は欧州委との調整を経て3カ月程度で完了するとの見通しを示していた。

だがモンテパスキの再建計画を欧州委が拒否したため、実現に至っていない。

伊メディアによると、銀行側が約2600人の人員削減を提示したのに対し、欧州委は5千人規模の削減を要請。

その後も調整が続いている。

 3月にはベネチア近郊の地銀ベネトバンカと、中堅銀バンカ・ポポラーレ・ディ・ビチェンツァも公的支援を申請。

2行は伊政府の呼び掛けで発足した民間ファンドの傘下で再建に取り組んでいたが、積み上がった不良債権を一括処理する際の損失を補うには、公的資金が必要と判断した。

 この2行も欧州委から公的資金注入の承認を得られていない。
ビチェンツァの幹部は4月末、事業の継続性に疑念が残ると発言。

「(欧州委から)何の連絡もなく、見通しを変えるだけの情報がない」と語った。

 欧州委が公的支援の許可に慎重なのは、安易に国が銀行を救済すればイタリアの財政が一段と悪化し、財政が健全な国に負担が及ぶのを警戒しているためだ。

特にモンテパスキは過去に何度も増資で調達した資金を食いつぶした経緯もあり、主にドイツが難色を示している。

 伊政府はモンテパスキの救済を先例にし、他の問題銀行の健全化にも道筋をつけたい考え。

イタリアの銀行の不良債権は16年末で約3500億ユーロと国内総生産(GDP)の2割程度に膨らみ、銀行が不良債権処理に追われる状況が景気回復の足かせにもなっている。

仮に救済が認められないと、同国銀行への不安が再燃する懸念もある。

 ECBも各国の銀行に不良政権処理を加速するよう求めている。
だが問題銀行についての欧州委の判断が決まらないうちは伊政府も動きにくい。

パドアン氏が4月のユーロ圏財務相会合で「銀行が急に不良債権を切り離そうとすれば(金融システムの)不安定化につながる可能性もある」と理解を求める場面もあった。

(ジュネーブ=原克彦記者)


●関連日経記事:2016年8月5日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「イタリア銀、公的資金は不可避」=モンテパスキ、健全化策発表も株価下落=』(2016年8月4日付)


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