日経新聞 政治「現実路線へ転換した連合」=健全な野党の姿勢示す=

2017年07月25日 09時20分23秒 | 政治
日経新聞 2017年7月22日(土) P.17 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『現実路線へ転換した連合』

 長年の課題であった「脱時間給」制度がついに実現する。

絶対反対を唱えてきた連合が政府案への修正案を示し、それを安倍晋三総理が受け入れて法制化への障害がなくなった。

 高度な知識を活用して働く社員には、成果に見合った報酬と処遇を与えるのが先進国の常識である。

工場労働者等と同様に、労働時間に比例した賃金を支払わなければ過労死を妨げないとの論理を、英語で説明するのは甚だ困難である。


 もっとも欧米の高度専門職は雇用の流動性が高く、無理な仕事を押しつけられれば、いつでも「辞める自由」がある。

他方、年功賃金の下で転職するコストの大きな日本では、健康管理の観点から、過大な労働時間に歯止めが必要となる。

このため明確な休業日を設ける規制の強化が有効だ。


 政府の原案では、年間104日の休業(週休2日制に相当)を使用者に強制することで、年間労働時間を抑制するとしていた。

しかし、これが労働政策審議会での経営側との中途半端な妥協の結果、企業の取るべき選択肢の一つに格下げされてしまった。

 連合の修正案は、この曖昧になった年間104日の休業を、企業に対する「例外なき義務付け」に昇格させる。

それに加えて他の休業規則の選択肢を上乗せで要求した正当な内容だ。
これなら他の労働法改革も、総理と連合会長のトップ会談で決めれば効率的だ。

 この法案は、少しでも多くの手当てを稼ぐために長時間残業したい労働者にとっては、固定の残業手当以外は「残業代ゼロ」となる。

しかし、残業代を増やすよりも、自由な時間の増加を望む多くの労働者には、休業が確実に増えることが重要だ。

このどこが「過労死法案」なのだろうか。

 この連合の政策転換の背後には、政策論争ではなく、与党のスキャンダル追及に明け暮れる野党への暗黙の批判がある。

正当な選挙で過半数の信任を得た与党の法案に対して、絶対反対を唱えても何も得られない。

むしろ相手の法案の弱点を追求し、意味のある修正を勝ち取るのが、健全な野党の役割である。

 この改正を契機に、今後、残業ではなく、時間当たりの生産性の向上で賃金の引き上げを目指す。

また、仕事と家庭の両立できる多様な働き方を、労使で構築すべきだ。

(吾妻橋)


●関連日経記事:2012年11月28日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 自己啓発「ファック・ユー・マネーを持て」=作家 黒木 亮さん=』(2012年8月25日付)

●関連日経記事
:2015年4月20日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 開発「米の大学改革 倉庫から」=実践IT授業、若者呼ぶ=』(2015年4月19日付)

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洗脳からの脱出はベンジャミン・フルフォード (洗脳からの脱出はベンジャミン・フルフォード)
2017-07-26 10:22:24
アメりカの国債、株式、ドルが大暴落し、アメりカの国家破綻が近いぞ! テレビ、新聞、週刊誌、ラジオ等の、ウソと見事な洗脳情報によって、思考停止状態にある日本人は、自分自身の脳、すなわち思考そのものを点検せよ! 我々はハッ、と気付いて、いや、待てよ! と立ち止まり、用心し、注意し、警戒すれば騙されることはない。 すべてを疑うべきなのだ!

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