日経新聞 政治「老いる水道インフラ」=政府、民間経営に期待=

2016年10月25日 02時45分44秒 | 政治
日経新聞 2016年10月23日(日) P.2 総合・政治面
『解説』

『老いる水道インフラ』=政府、民間経営に期待=

 地方自治体が経営する水道事業は「もはや限界に近い」(政府関係者)のが現状だ。

設備の老朽化に加え、技術者の不足も深刻。
団塊世代の退職が響き安定的な水道運営が危ぶまれている。

政府が民間企業による水道経営の参入にこだわる背景には、老朽化が進む全国の水道インフラの問題がある。


 全国の自治体の水道事業はほぼ半数が赤字体質。
だが料金値上げなどは住民の反発が予想され、自治体は抜本的な収益改善に及び腰だ。

水道管の耐震化率は4割に満たない。
採算見通しが立たない事業体に任せたままでは、更新投資が進まない恐れがある。

 企業はこれまで一部事業の受託でノウハウを蓄積してきたが、水道全体を経営できるかは未知数。

リスクの把握や対処に関する知見も乏しい。
検討中の法改正は、企業の要望を聞いてまとめた内容で、初の経営参入が実現する可能性は高い。

 生活インフラの根幹を企業に委ねることには住民の不安も予想される。

水道事業の危機的な状況を十分に開示したうえで、丁寧な議論で住民の理解を得る必要がある。


連載『きょうのことば』
『水道事業』=人口減少、更新ままならず=


 一般的に地方自治体の水道局や水道部が運営する事業。
河川からの取水に始まり、浄水場などを経て、排水管から蛇口まで水を送り届ける。

公衆衛生や生活環境に関わるため、厚生労働省の水道課が管轄している。
自治体が水道料金を徴収し、事業を運営する。

▲水道の普及率はほぼ100%。
人口減少に伴い、自治体財政を圧迫している。

水道管などの老朽化が進んでいるが、2014年時点の更新率は0.76%に過ぎない。
政府はすべての更新に100年以上かかるとみている。

こうした状況を打破するため、政府は水道の民営化を推進してきた。
02年の水道法改正で浄水場など一部業務の委託を解禁。

11年のPFI(民間資金を活用した社会資本整備)法改正で経営全体の委託を認めた。

▲改正を受け、水処理国内大手のメタウォーターは熊本県荒尾市で水道の維持管理を受託。
ITを活用し作業時間を3割減らした。

三菱商事などが出資する水処理大手の水ing(スイング、東京・港)はダムの取水から家庭までの水量をビッグデータで分析し、最適な処理量を産出してコスト削減するシステムなどを開発中で本格参入に備えている。

◆水道事業の課題
①人口減に伴う水需要の減少
・2060年には現状より約4割減少
→水道料金収入は将来激減

②水道施設の老朽化
・基幹となる管路の耐震化率は36%

・管路の更新率はわずか0.76%
→自治体の費用負担はますます重く

③職員数の減少
・水道局などの人員削減、団塊世代の退職で、職員数は30年前より約3割減少
→技術者のノウハウ継承など難しく


●関連日経記事:2016年6月9日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 政治「地方自治体のインフラ 官民連携拡大」=浜松市 下水道でも事業者公募=』(6月8日付)

●関連日経記事:2014年7月27日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 ことば「コンセッション方式」=インフラ運営権、民間に開放=』(2014年7月26日付)

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