日経新聞 経済「物価を抑えるネット拮抗力」=ネットが普及した「ビット経済」はデフレ志向を示す=

2017年06月17日 09時57分24秒 | 経済
日経新聞 2017年6月16日(金) P.19 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『物価を抑えるネット拮抗力』

 今月も郵便料金や電気・ガス料金、ビールなど酒類の値上げが報じられた。

「値上げの春」と呼ばれた4月以降、たばこ、ティッシュ、バターなどの値上げが相次ぎ、電気・ガスは毎月小刻みに上がった。

 だが、4月の消費者物価上昇率は、生鮮食料品を除いた場合で前年同月比0.3%、エネルギーも除いた指数は0%で横ばいだった。

「デフレ脱却は大いなるイリュージョン(幻想)」と断じた岡田元也イオン社長の見方は図星だったのか。

 イオンやコンビニ大手は消費者の節約志向を見越し日用品の値下げを断行している。
「無印良品」の良品計画は、秋冬向け衣料品も値下げするという。

 消費者の節約志向は意識の問題にとどまらず、実践の「武器」を手にしたことも大きい。
ネットだ。

 価格比較サイトを見れば、さまざまな財・サービスの値段が安い順に瞬時に並ぶ。
ネット通販、ネットオークション、ネットフリマも急成長している。

 ネット世代には、店頭で商品を見て、ネットで価格を見比べ購入方法を決める買い物スタイルが定着しつつあるようだ。

 「拮抗力(きっこうりょく、カウンターベイリング・パワー〈countervailing power〉)」は、米国の経済学者J・K・ガルブレイスの造語だ。

 約60年前、米国で産業の寡占化が進むのに、寡占企業の市場支配力(=価格維持力)がさほど強まらないのはなぜか考えた末、拮抗力を思いつく。

大メーカーにとり、買い手となるスーパーなど大手チェーンストアの台頭、労働市場で企業と対峙する大労組の役割などが代表例だ。

 ガルブレイスが生きていたら、現代の消費者がネットを自在に活用するさまを「ネット拮抗力」と名づけたかもしれない。

物価を抑える要因になっている。

 米国でも、小売り最大手のウォルマートが、オンライン限定諸品100万点余りを店頭受け取りを条件に値引きするという。

ネット通販の雄アマゾンは、低所得者向けにプライム会員の会費値下げを発表した。

 ベストセラー「ロングテール」「フリー」の著者クリス・アンダーソンは、従来のモノ中心の「アトム経済」はインフレ志向で、情報の役割が飛躍的に増した「ビット経済」は、デフレ志向と指摘した。

 うなずける。
(安倍政権と日銀が目標に掲げる=)2%のインフレ目標は「夢のまた夢」かもしれない。

(手毬)


●関連日経記事:2016年12月30日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「ドル高けん制、意外と早い」=「トランプ相場」大揺れも=』(2016年12月29日付)

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