日経新聞 経営『米GE、もはや「非主流」』=イメルト氏の16年=

2017年06月15日 16時00分54秒 | 経営
日経新聞 2017年6月14日(水) P.14 企業1面
『米GE、もはや「非主流」=イメルト氏の16年=』

『革新の主役、西海岸へ』

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)は12日(米国時間)、ジェフ・イメルト最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。

金融事業の大幅縮小などGEのお家芸である「選択と集中」で手腕を発揮したが、GEはイメルト氏の約16年間の在任中に米産業界の「主流」から外れたのが現実だ。

 「ジェフは150%のことをなし遂げたんじゃないか。 GEが進むべき方向性を示せた」。

側近のジョン・ライスGE副会長は退任発表の後、日本経済新聞記者に語った。
確かに、米産業界でのイメルト評は「実力経営者」が定着していた。

 しかし、12日の米株式市場はイメルト氏の退任をむしろ好感し、GE株は前週末比3.5%高と急伸した。

「イメルトGEは文字通り株主にとって災難だった」。
英バークレイズのアナリスト、スコット・デービス氏は厳しい評価を下す。

 現在、米株式市場の主役は最新のIT(情報技術)を駆使する米西海岸を拠点にする企業だ。

イメルト氏がCEOに就任した当初、上場していなかったグーグル(現在は持ち株会社のアルファベットが上場)の時価総額は9日終値で6640億ドル。

アマゾン・ドット・コムが4676億ドル、フェイスブックも4335億ドルとGEの2433億ドルを大きく上回る。

 イメルト氏もあらゆるモノがネットにつながるIoT分野に注力する体制を築いた。

しかし、独シーメンスや日立製作所が同様の戦略をとるなか、どれだけのシェアを確保できるのか。

 事業の選択と集中、グローバル経営、マーケティング、機動的な財務運営ーー。

GEが産業の「主流」だった時代、その事業運営は常に称賛の的(まと)となり、ビジネススクールの格好の事例となった。

しかし、革新の主役の座はグーグルやアマゾンに奪われつつある。

 産業界だけではない。
イメルト氏はGEがもう一つの「主流」でなくなっていることにいら立っていた。

「パリ協定離脱には失望した。 産業界は政府を頼ってはならない」。
1日、イメルト氏はツイッターでトランプ米大統領を批判した。

 歴代GEのトップがこれまで大統領を公に痛烈に批判するのはまれだ。
GEはインフラや軍需などの事業規模が大きいだけに国とのつながりも深い。

政治との関係でGEは常に産業界で主流的な存在だった。

 実際、イメルト氏は熱心な共和党支持者だが、民主党オバマ政権の要請に応じて大統領諮問(しもん)機関の「雇用・競争力会議」の議長に就任。

そのとき、イメルト氏が実現に汗を流したのが、環太平洋経済連携協定(TPP)とパリ協定だった。

無論、国際展開や再生可能エネルギーなどGEの事業への貢献も見込んでのことだ。

イメルト氏はTPPとパリ協定にとどまることを働きかけたが、トランプ氏はあっさり離脱を表明した。

 GEを取り巻く環境は変わり、もはや「主流」といえなくなった。
「エクセレントカンパニー」の座を再びつかむことができるのか。

後任のジェフ・フラナリー氏にその使命は託された。

(ニューヨーク=稲井創一記者)


●関連日経記事
:2014年4月10日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「売った後、3倍稼ぐ」=「生涯 顧客とつながる」=革新力 殻を破る ③=』(2014年4月9日付)

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