日経新聞 海外メディア「ITの競争条件、公平に」=個人情報保護、国家間で格差=

2017年08月01日 06時50分58秒 | 海外メディア
日経新聞 2017年7月28日(金) P.8 国際1面
連載『英フィナンシャル・タイムズ特約』=7月27日付、社説=

『ITの競争条件、公平に』=個人情報保護、国家間で格差=

 新興国と先進国の間で、デジタル情報に対する規制の格差が拡大している。

技術の進歩がプライバシーとデータの保護を上回るとどのような問題が生じるのか。
今週、それを浮き彫りにする出来事が2つあった。

ひとつは中国、もう一つはインドだ。

顧客データという金脈を巡る争いが激化するなか、情報技術企業の国際競争条件を公平にする必要性がますます明確になっている。

新興国の消費者を保護する必要性についても同様だ。

 中国は犯罪を発生前に予知するシステムを作り上げようとしている。
主として監視カメラで市民の行動を追い、顔認識を利用して居所を把握する仕組みだ。

既に4つの省が、監視カメラで捉えた信号無視の歩行者の映像を個人データとともに見せしめとして公開しており、監視国家に向かおうとする中国の姿を浮かび上がらせる。

国家は制限を受けない一方、民間企業の侵入には新たなデータ保護法で一定の縛りがかけられている。

 インドでは、政府がIDシステムを福祉給付金の給付に利用するのと同時に、指紋認証による取引を可能にする決済システムを作り始めた段階で、個人データが中央管理されようとしているという懸念が高まった。

 米国と欧州連合(EU)では、国家にも民間企業にもプライバシー保護の高いハードルがある。

例えば、フランス憲法院は法執行において国民IDの利用を厳しく制限し、英国はプライバシーへの懸念などから国民IDカード制度を廃止した。

米国では、訴訟が発端となってグーグルが電子メールへのアクセスの仕方を改めた。

 中国の交流サイト(SNS)「微信(ウィーチャット)」の欧州進出では、緩いプライバシー保護法の下で得られるデータをもとに予測アルゴリズム(演算手法)の精度を高められれば、強い規制に縛られている企業よりも優位に立てることになる。

 データの規制に関する新興国と先進国の格差が、先進国企業の競争力を脅かし、多くの新興国では市民のプライバシーの懸念に対する政府の行動が立ち遅れている。

この亀裂を埋めて問題を防ぐために、最低限の国際基準を伴う多国間の取り組みを考えるべき時だ。


●関連日経記事:2017年7月28日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「忍び寄る強権勢力と日本」=本社コメンテーター 秋田浩之氏=』(7月26日付)

●関連日経記事:2017年5月4日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「11億人にID 貧困改善へ」=インド固有識別番号庁初代総裁 ナンダン・ニレカニ氏=』(5月1日付)

●関連日経記事:2017年7月15日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「データ独占 人・カネ呼ぶ」=ニュー・モノポリー 米ITビッグ5 (上)=』(7月14日付)

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