日経新聞 政治「ぬるま湯経済の危うさ」=安倍政権に解決する気はあるのか? 「社会保障の抜本改革」「政府債務の改革」「働き方改革」=

2016年11月26日 09時15分26秒 | 政治
日経新聞 2016年11月25日(金) P.17 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『ぬるま湯経済の危うさ』

 来年度の予算や税制改正を巡る攻防が大詰めを迎える季節だが、今年ほど争点の少ない年は記憶にない。

本来なら2017年4月に消費税率が10%に引き上げられ、税制の細目や経済対策に関心が集まっていたはず。

安倍晋三首相が6月に増税の延期を決め、ぽっかりと穴があいている。

 安倍氏は巡り合わせに恵まれる宰相だ。

20年の東京五輪開催を勝ち取り、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でやや強引に世界経済のリスクを警告すると英国が欧州連合(EU)離脱を決めた。

トランプ米次期大統領の当選は懸念から期待に転じ、円安・株高が経済の追い風になりそうだ。

 そこそこ居心地の悪くない機運が広がっている。

7~9月期の国内総生産(GDP)も実質2%成長というアベノミクスの目標ペースに乗せた。

6日続伸の日経平均株価は投資家と企業の「ほどほどの楽観論」を映したものだろう。

 本当に注意しなければならないのは、この微温的な環境に甘えて、先々に解決しなければならない懸案から目をそらすことだ。


ぬるま湯と思って使っていたら、徐々に温度が上がって最後は動けなくなる「ゆでガエル」となる危うさが、いまの日本にはある。

 無風の予算編成が象徴するのは、国民に評判が悪い改革を軒並み先送りする安倍政権の短期志向である。

 所得税の配偶者控除を「夫婦控除」に切り替えて女性の多様な働き方を支える案は、増税になる世帯から選挙で嫌われたくないとの思惑から、あっさり葬られた。

10年後には今をはるかに上回る超高齢化時代が到来するのに、社会保障の支出急増を抑える抜本策は手つかずのままだ。

 日銀のマイナス金利で目下、最も恩恵を受けるのは政府部門だ。

GDPの2倍もの長期債務を抱えながら利払い費の負担が浮き、財政を立て直そうとする切迫感も緩んでいる。

 国民の側にも長期政権への慣れができつつある。

政治の側が痛みを伴う政策や改革を避けるので、現状維持でも何とかなるという感覚が染みついてきたのではないか。

 こうした「ぬるま湯経済」に警鐘を鳴らす対抗勢力が見当たらないのが日本の不幸である。

トランプ相場で一息ついても懸案は何ら解決しない。
ツケを払うのは将来世代だ。

(仙境)


●関連日経記事:2016年8月26日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 政治『「税・社会保障の一体改革」 発想の転換を』=消費税増税を実行するためには…=』(8月25日付)

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