日経新聞 健康「アジ、イカ、イワシ アニサキス不安」=刺し身販売に影=

2017年07月18日 09時47分57秒 | 健康
日経新聞 2017年7月6日(木) P.24 マーケット商品面
『アニサキス不安』=刺し身販売に影=

『カツオ・イワシ、卸値安く』

 寄生虫「アニサキス」による食中毒への不安から、刺し身の売れ行きがさえない。

店頭での販売自粛で、築地市場(東京・中央)ではイワシなど青魚や白身の卸値も一時下落した。

昔から見られた食中毒要因だが、交流サイト(SNS)を通した体験談の広がりが消費者の関心を引き付けた。

魚価低迷につながらないか、鮮魚関係者は例年以上に気をもんでいる。


 「本当は売りたいが、残念」。
東京都内の鮮魚店の販売員はこう打ち明ける。

この店では6月上旬、アジ、イカ、イワシの刺し身の販売を中止した。

鮮魚店にとって刺し身は利益率が高い稼ぎ頭だが、「万が一被害が出て、営業停止になるよりはまし」(同店)と判断。

アジは加熱用として提供している。

 築地市場では5月中旬以降、旬のアジ、イワシ、カツオが例年の半値以下を付けた日もあった。

「刺し身向けの需要が鈍い」(仲卸)といい、5月の築地市場の平均卸値はカツオが1キロ600円と前年同月比で2割安、イワシも9%下げた。

 店頭販売への影響は広がっている。

日本チェーンストア協会(東京・港)が6月下旬に発表した5月の水産品の売上高は、既存店ベースで前年同月比3.8%減った。

 同協会によると「刺し身の盛り合わせ、アジ、サバ、ブリなどの動きが鈍かった」。
半面、アニサキスの不安がない切り身、魚卵、加工品などが前年を上回った。

 厚生労働省が今春まとめたアニサキスによる被害状況が消費者の注目を集めた。
2016年のアニサキスによる食中毒の被害者数は126人と、4年で7割強増えた。

 古くからある病気だが、13年から同省が食中毒の原因物質にアニサキスを追加したことで目立つようになった。

今年に入り、著名人が相次いで食中毒被害をSNSなどで報告したことで「鮮魚売り場から客足が遠のいた」(大手卸)。

 食中毒が話題になる一方で、多くの学者が要因として指摘するのが「クジラの増加」(東京医科歯科大学の藤田紘一郎名誉教授)だ。

アニサキスは全長数センチでクジラやイルカなど海産哺乳類の胃で育ち、産卵する。

 クジラはフンと共に大量のアニサキスの卵を海中に放出。
卵はオキアミを経由して魚が取り込み、幼虫が宿る。

最終宿主のクジラが増えれば、アニサキスの数も飛躍的に増える。

商業捕鯨の一時中断以降、ミンククジラの生息数(大西洋)は9万頭と、この20年ほどで約4割増えた。

 アジやイワシといった夏の大衆魚は需要の最盛期を迎え、魚価は持ち直しつつある。
消費者の敬遠が長期化すれば価格の上値を抑えかねない。

鮮魚販売の回復には、不安の払拭が欠かせない。

▼十分な加熱・冷凍で死滅

 アニサキスは全長数センチの白い糸のような虫で、人間の胃壁や腸壁に入り込むとみぞおちの激しい痛みや腹膜炎症状を引き起こす。

幼虫は、日常で使う程度の量の酢やしょうゆ、わさびなどでは死なない。

 すし店などで経験ある店員が取り除いたり、専用機器で魚体を検査している場合は被害に遭うことは少ない。

過熱や冷凍をしっかりすれば死滅する。
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