日経新聞 開発「長門湯本温泉、街丸ごと再生」=劇薬「星野リゾート」と魅力発掘=

2016年10月11日 08時49分45秒 | 開発
日経新聞 2016年10月10日(月) P.27 地域総合面
連載『列島追跡』

『長門湯本温泉、街丸ごと再生』=「劇薬」星野と魅力発掘=

 山口県長門市。

本州西北端に位置する人口約3万5000人の街が活気づいている。

12月15日に開かれる日ロ首脳会談の舞台に決まり、長門湯本温泉では野心的な再開発計画が動き出した。

加速度的な人口減と経済縮小に悩む自治体が、観光をテコに背水の陣で臨む。

 2019年、星野リゾート(長野県軽井沢市)が50室で平均単価3万円の高級旅館「界」を長門湯本温泉にオープンする。

今年初め、長門市は同社に湯元温泉再生プラン策定を依頼した。
単なる旅館の誘致ではなく、温泉街全体の再生だ。

星野佳路社長は「まちづくりから請け負うのは初めて。 我が社にとっても挑戦」と快諾した。

ただ地元温泉街にとって星野は競合相手だ。
「共存できるのか」(老舗〈しにせ〉旅館)といった反発や摩擦もあった。

 市民は基本的に歓迎ムードで、計画説明会でも「前進あるのみ」「積極的に関わっていきたい」との声が上がった。

星野側も地元旅館と話し合い、客層や室数などで配慮した。

しかし街では「サービスから接客まで(星野とは)差がありすぎる。 何軒かは危ない」といううわさが飛び交う。

それでも「いまやらないと、後々もっと厳しくなる」(永井武司・長門市経済観光部長)と決断した。

 危機感に火がついたのは、創業150年で殿様の湯としても知られた白木屋グランドホテルの一昨年の倒産だ。

温泉街の宿泊客は83年に39万人だったが現在は20万人ほどだ。
他の温泉地同様、団体客を狙った大型施設が林立。

画一的なサービスで客離れが進み、その結果、安値競争を展開するという負のサイクルに陥った

 再生といっても行政主導では地元への配慮や調整ばかり重視され、中途半端なものになりがち。

市役所でも議論百出のうえ、星野への依頼という「劇薬」投入に至った。

 計画では、まず大きな特徴がなくとも再生できた温泉地を分析した。

熊本の黒川や兵庫の城崎(きのさき)などは一時低迷したが、風情(ふぜい)ある町並みと立ち寄り湯の充実、統一的なイメージ作りで再生した。

そうした場所の特徴を「外湯」「食べ歩き」「文化」「回遊」「景観」などの要素に抽出しプランを固めた。

公衆浴場の整備、豊富な魚介類を生かす食べ歩き施設、音信川沿いの遊歩道整備、電線地中化や景観統一など、約21億円を投じて21年度までに完成させる。

 目標は業界誌が毎年発表している魅力的な温泉地ランキングで10位以内に入ることだ。
昨年は86位。

宿泊客を最盛期レベルまで戻さないと実現は難しい。
長門湯本の取り組みがどういう結果になるのか、全国の温泉地が見守っている。

(山口支局長 竹田聡)


●関連日経記事
:2014年2月6日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 教育「家業を継ぎ、父はライバルに」=星野リゾート社長 星野 佳路さん=』(2014年2月5日付)

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