日経新聞 海外メディア「欧州委、猶予に応じよ」=イタリア財政赤字悪化=

2016年10月29日 08時56分50秒 | 海外メディア
日経新聞 2016年10月28日(金) P.6 国際1面
連載『英フィナンシャル・タイムズ特約』=10月27日付、社説=

『欧州委、猶予に応じよ』=イタリア財政赤字悪化=

 欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会が、財政赤字を国内総生産(GDP)の3%未満に抑えるという財政ルールを達成できない加盟国を叱責しながら、何ら制裁を科せないでいるのは見慣れた光景になった。

 似た流れが再びイタリアで起きている。

欧州委は今秋、レンツィ首相に書簡を送り、同国の2017年予算の赤字見通しが、当初のGDP比1.8%からなぜ同2.3%に膨らんだのか説明を求めた。

 レンツィ氏は難民危機関連や、8月に発生した中部地震の復興などで財政支出が膨らんだと主張し、猶予を求める見通しだ。

基本的にはその主張は妥当だ。
最近のイタリアの経済成長は財政支出の拡大に支えられ、今後もそうした政策が期待される。

 赤字が拡大するといっても、EUのルールの上限の3%は下回っており、同国の10年物国債の利回りは過去1年以上、2%を下回っている。

 経済効率や成長促進のため、財政支出と税収を再調整する余地もある。

18年に実施する予定の所得税減税を先送りしたり、付加価値税(VAT)の対象を拡大したりすることも有効だろう。

 ユーロ圏で財政刺激策はなかなか本来の役割を発揮できていない。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は12年、ユーロ圏を救うために「できることは何でもやる」と宣言したが、これは財政拡大を受け入れる用意はできていると述べたに等しかった。

だが、ユーロ圏の財政政策が緊縮型から緩やかな拡大型か、最低でも中立型になったのは最近のことだ。

 欧州委はイタリアの猶予を求める声には応じるべきだ。

同国はほんの2、3年前には深刻な債務危機に取り組み、財政支出の拡大などを通じて危機的状況が改善したように見える。

今、性急に赤字削減を求めるのは逆効果だろう。


●関連日経記事:2016年7月13日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 海外メディア「イタリア発の金融危機、回避を」=英エコノミスト誌=』(7月12日付)

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