日経新聞 経済史『マクロンは「ジスカール」を超えるか』=仏再生はEU再生につながる、EU再生は世界の再生に…=

2017年05月14日 10時10分59秒 | 経済史
日経新聞 2017年5月13日(土) P.21 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『マクロンは「ジスカール」超えるか』

 英米発の連鎖リスクを防いだのはフランスの良識だった。

英国の欧州連合(EU)離脱、米国での大統領誕生で広がった「自国第一主義」は仏大統領選で歯止めがかかった。

若きマクロン大統領に期待されるのは、EUの再生を通じた世界経済の正常化だ。

 マクロン氏の勝利は極右勢力を封じるための消極的支持にすぎないという見方があるが、ポピュリズム(大衆迎合主義)や反グローバル主義がまん延する中、マクロン大統領のまっとうな政策への期待は大きい。

 マクロンはジスカールデスタンを超えるか。
この2人には共通項が多い。

共に国立行政学院(ENA、幹部官僚養成を目的としたエリート校)出身で経済通である。

マクロン氏は39歳と史上最年少の大統領になるが、ジスカールデスタン大統領は48歳と史上3番目の若さだった。

中道派で左右を融合して勝ち上がったのも似ている。

 何より、仏独連携によって、欧州統合や世界経済を再生させることへの期待は大きい。

ジスカールデスタン大統領はシュミット西独首相と組み、世界経済再生へのリーダー役を果たした。

第1次石油危機後、先進国首脳会議(サミット)開催を提唱し危機を打開した。

ユーロの前進、欧州通貨制度(EMS)を創設したのも、ジスカールデスタン・シュミットのコンビだった。

冷戦下で欧州統合に向けて歩み続けた。

 マクロン大統領には「ドイツ独り勝ち」に甘んじず、仏独連携の原点に戻ることが求められる。

ドイツ流の財政規律一辺倒から、財政規律と成長戦略をいかに両立させるかがカギだ。

ユーロ再生には、金融政策の一元化とともに財政統合が欠かせず、共通予算や共同債などでメルケル独首相を説得できるかである。

 EU再生と仏経済の再生は一体である。
EU再生なしに仏経済の再生はなく、仏経済の再生なしにEU再生はない。

 その上で、マクロン大統領はジスカールデスタン大統領のように、世界経済のリーダーを目指すことだ。

金融と成長戦略に精通したマクロン大統領は、G7の主役になれるだろう。

 先進国が自由貿易で結束していたジスカールデスタン時代と違って、今は先進国に保護主義が広がる時代。

ジスカールデスタンをいかに超えるか。
それがマクロン大統領に課せられた歴史的使命である。

(無垢)


●関連日経記事:2017年5月11日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「親・第三の道と欧州の未来」=元英国首相・ブレア氏に似るマクロン仏・新大統領=』(5月10日付)

●関連日経記事
:2014年10月9日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 国際「経済のグローバル化が引き起こす所得格差拡大」(2011年2月15日付)』

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