日経新聞 経済教室「汎用性と転々流通性を備える」=仮想通貨とブロックチェーン ②=

2016年09月15日 20時55分24秒 | 経済教室
日経新聞 2016年9月13日(火) P.30 経済教室面
連載『やさしい経済学』=国立情報学研究所准教授 岡田 仁志=

『仮想通貨とブロックチェーン ②』=汎用性と転々流通性を備える=

 仮想通貨という用語に確たる定義はありません。

代表例であるビットコインは法定通貨のように強制通用力のある貨幣ではありませんが、あたかもお金のように流通しています。

日本では貨幣に代わるものとして電子マネーが普及しています。
そこで、電子マネーの性質と比較しながら仮想通貨の定義を考察してみましょう。

 電子マネーは全国のあらゆる店舗で利用できる汎用性を備えています。

これに比べてビットコインを受け取る店舗はまだ少数ですが、パソコンとインターネットがあれば簡単に受け取ることができます。

すると、あらゆる店舗で使えるという汎用性は、電子マネーと仮想通貨に共通した性質であると言えます。

 仮想通貨に固有の性質は個人から個人へと送金できる転々流通性です

電子マネーの加盟店は専用端末を設置する必要がありますが、ビットコインは特別な装置を必要としません。

店舗と消費者という明確な区分さえ存在せず、電子メールを送受信するように、誰もが送金人にも受取人にもなり得ます。

 電子マネーは日本円を対価として発行されますから、「前払式支払手段」としての性質を有します。

発行主体には未使用残高の半分を供託することが義務付けられています。
では、仮想通貨には発行主体が存在するのでしょうか。

 実は、仮想通貨には2種類あります。

一つはビットコインのように発行主体が存在せず、利用者全員が取引の正しさを検証するための計算を分担するタイプです。

これを分散型仮想通貨と呼びます。

 もう一つは発行主体が存在して、1人または複数の発行主体が計算を担うタイプです。
これを中央型仮想通貨と呼びます。

一見すると中央型仮想通貨は従来の電子マネーと類似していますが、個人から個人への転々流通性を有するところが異なります。

 これらをまとめると、仮想通貨とは、どこでも利用できる汎用性と、誰にでも送金できる転々流通性とを備えた金銭的価値であって、中央型仮想通貨と分散型仮想通貨の2種類からなるものであると定義することができます


●関連日経記事:2016年9月12日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済教室「ビットコインは発行主体が不在」=仮想通貨とブロックチェーン ①=』(9月9日付)

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