日経新聞 保険・年金・税金「税務情報 詳細に公表」=グローバル企業、国・地域別明記=

2017年03月21日 04時08分46秒 | 保険・年金・税金
日経新聞 2017年3月20日(月) P.5 企業面
『税務情報 詳細に公表』=グローバル企業、国・地域別明記=

『節税批判受け、透明性高める』

 グローバル企業が相次ぎ詳細な税務情報を公表している。

開示義務のない国別の納税額などを記載し、経営の透明性を訴える戦略だ。

背景にはタックスヘイブン(租税回避地)の利用実態を示す「パナマ文書」が明かされ、極端な節税策への批判が高まったことがある。

欧州では情報公開を促す法整備も進んでおり、対応を求められる企業は増えそうだ。


 英携帯通信のボーダフォン・グループは2015~16年の納税状況を自社サイトなどで公表した。

概要、国別の税状況、税務方針の3種類のリポートで構成しており、100ページ以上に及ぶ。

国別の収入やそれに対する納税額も明記するなど、13年から詳細リポートを開始。
年々内容を拡充している。

15~16年からは、法人税率が低いことで知られるルクセンブルクや租税回避地の利用実態、その理由などを説明する項目も新たに盛り込んだ。

グループ・タックス・ディレクターのジョン・コナー氏は「複雑な納税状況を専門家以外にも理解してもらえるように公開内容を大幅に拡充した」と説明する。

 地域別の納税額を明らかにしていた英石油大手BPも16年、国別納税額を追加。

食品・日用品大手の英蘭ユニリーバは納税総額や実効法人税率、地域別納税割合などを明らかにしている。

 デンマークのビール会社、カールスバーグは法人だけでなく、従業員が納めた税金の合計額も明示。

「販売商品の消費税分などを含め、15年は納税により386億デンマーククローネ(約6200億円)の社会貢献をした」と強調した。

 各社の背中を押しているのは、企業の節税策に対する国際世論だ。
08年のリーマン・ショックを機に厳しい批判が目立ち始めた。

米スターバックスが英国でほとんど法人税を納めていないとして不買運動を起こされ、13年には法的根拠のない2千万ポンド(約27億円)の自主納付に追い込まれた。

16年4月には「パナマ文書」が明らかになり、一段と批判が高まった。

 ボーダフォンのコナー氏は「10年に『非倫理的な税逃れ』と市民運動で糾弾され、反論するために、情報公開を刷新した」と明かす。

スターバックスは英国法人のサイトに「TAX Q&A」というページを設置。

「15年に英国法人は3400万ポンドの利益があり、810万ポンドの法人税を支払った」などと説明する。

 欧州では情報公開に関する法整備も進んでいる。

英国は16年から、同国内で一定規模以上の事業を営む企業に税務戦略の公表を義務付けるよう法改正した。

欧州委員会も同年4月、大企業に対し欧州連合(EU)域内の納税額や利益、従業員数などの公表を義務付ける新ルールを提案。

現在審議中だ。

 EUの提案について国際課税ルールの共通化を進める20カ国・地域(G20)と経済協力開発機構(OECD)からは「行き過ぎだ」との声も上がる。

それでも、国際税務に詳しい国税庁OBの山川博樹氏は「税務方針や取り組みを、対外的にしっかり説明するのが世界の潮流になっている」と指摘。

「どこまで詳細に開示すべきかという議論はあるが、情報公開に踏み切る企業は今後も増えるだろう」とみる。

▼税務情報公開の取り組み

【(企業名)ボーダフォン〈英〉】:(公表内容)各国別納税額や低税率国の利用実態・理由など

【BP〈英〉】:各国別納税額や納税方針の説明など
【ユニリーバ〈英蘭〉】:納税総額や地域別の比率、増減の理由説明など

【カールスバーグ〈デンマーク〉】:納税総額や、販売商品にかかる消費税額など
【味の素、NTTなど日本企業】:税務方針を公表


●関連日経記事
:2016年4月13日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 海外メディア「パナマ文書が示す教訓」=英エコノミスト誌より=』(2016年4月12日付)

●関連日経記事:2012年12月9日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 国際「英スタバ、無利益でも納税」』(2012年12月8日付)

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