日経新聞 経済「レアアース調達 再び影」=中国、供給や輸出削減=

2016年12月10日 07時14分40秒 | 経済
日経新聞 2016年12月9日(金) P.21 マーケット商品面
『レアアース調達 再び影』=中国、供給や輸出削減=

『日本企業、警戒強める』

 中国が自国資源の管理を強化している。

ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)工場で、環境対策の不備の理由に操業停止を相次ぎ命令。

違法採掘や密輸の取り締まりも強化している。

2010年に中国が対日輸出を停止し調達に支障が出た「レアアース・ショック」の記憶が残る中、需要家は中国の出方に神経をとがらせている。

 「一部のレアアースは今も主に中国だけで生産している。 中国の動向で価格は大きく左右される」(磁石メーカー幹部)。

高性能磁石の耐熱性を高めるジスプロシウムの価格は11年のピーク時の10分の1以下だ。

現在が底値圏で今後は上昇するとみる関係者は多い。
中国政府が供給や輸出の削減に本格的に乗り出したことが背景にある。

 中国政府は今夏からおおよそ1カ月わたり工場の環境対策で抜き打ち検査した。

北京から派遣された専任チームが精練・分離企業の工場排水などの汚染対策を検査し条件を満たしていない場合は操業を止めさせた。

 対象は内モンゴル自治区や黒竜江省、江蘇省など8省区に及ぶ。

つくし資源コンサルの渡辺美和取締役は「各地で多くの違反が見つかり逮捕者も出ているようだ」と話す。

密輸取り締まりも強化している。

 中国政府はレアアース市況の立て直しで国内企業を支える狙い。

レアアースの多くは高騰時に日本などの磁石メーカーが使用量を減らした結果、価格低迷が続いている。

中国政府は官民双方での備蓄や供給会社を六大グループに集約して供給を管理してきた。
だが中小業者の整理は想定より進まず効果が十分に出ていない。

 中国はレアアースの海外流出を抑えることで国内の関連産業を育てる狙いもある。
品質的にもかなり日本の水準に近づいていると言われ、日本勢の脅威となっている。

レアメタル商社のアドバンストマテリアルジャパン(東京・千代田)の中村繁夫社長も「中国国内ではレアアースの需要が底堅い」と指摘する。

 日本勢もこの流れに乗り始めている。

日立金属はレアアース磁石を製造販売する合弁会社を中国に設立し、17年3月から電気自動車(EV)用モーターや産業用モーターに使うネオジム磁石の量産を始める。

もしも中国が政策的に輸出をさらに絞り込んできても、合弁の現地生産ならば影響を避けられるとの狙いもある。

 中国政府の出方は予想がつかないため関係企業は気を緩めることができない。
10年の尖閣諸島沖の衝突事件をきっかけに中国は日本への輸出を停止。

一時的ではあったがモーター用磁石などの生産にも影響が出た。
調達先の多様化やレアアースの使用量を減らした製品の開発に奔走した経緯がある。

日本企業はもしもの調達難に備えて対応に動き始めている。


●関連日経記事:2013年11月23日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「レアアース、買い急がず」=中国また供給抑制、価格上昇・・・=』(2013年11月22日付)

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