日経新聞 国際「宅配危機、中国も」=人手不足で遅配・紛失=

2017年04月16日 10時07分04秒 | 国際
日経新聞 2017年4月15日(土) P.7 総合6面
『宅配危機、中国も』

『16年 小包5割増』=人手不足で遅配・紛失=

 中国の宅配ビジネスがパンク寸前に陥っている。

インターネット通販の急拡大で2016年の宅配小包は前年比で5割増加。
深刻な人手不足が重なり、各地で小包の遅配や紛失が頻発している。

日本の宅配システムに比べもともと品質は大きく劣るものの、荷物の急増と人手不足という構図はヤマト運輸などが直面する宅配危機と似通っている。


 「半月たっても荷物が届かない」「4千個の小包が野ざらしになっている」。

今年に入り北京や上海、山東省など中国各地で、ネット通販で購入した荷物が届かない問題が相次ぎ報じられた。

以前から荷物を投げるなど扱いの荒さや遅配はあったが、これほど大きく問題になるのは初めてだ。
 
 背景に電子商取引(EC)の普及と宅配員の不足がある。
中国ではアリババ集団(浙江省)のサービスを中心にネット通販が急成長している。

個人消費の1割以上をネット経由が占め、16年に宅配された小包は313億個と前年比5割増。

日本の8倍に達した。

 ネットで注文した商品が最短で当日には届く便利なサービスを支えているのが、200万人いるとされる宅配員だ。

地方から出稼ぎに出てきた若者が中心で、多くの場合、荷物を1個届けると1元(約16円)の収入を得る。

1日150~200個の荷物を届け、5千元前後の月収が見込める。

 大学新卒者の初任給と同程度の収入が得られるため多くの若者をひき付けたが、ここにきて急速に人手不足が深刻になった。

中国では近年、ネット注文した料理を自宅やオフィスに配達するフードデリバリーが普及。
1回の宅配で8元程度の収入が得られるため、大量の宅配員が流れた。

 これを受け一部の宅配業者が宅配員の取り分を倍増するなど人員確保に向けた対策も広がっている。

一方、配達手数料が割高ながら自社の宅配網を持つため遅配が少ないとされるネット通販2位、京東集団(北京市)の人気が上昇。

安定したサービスを求める消費者の志向を捉えた。

 中国の大手宅配会社の業績は需要急増を受け大きく伸びた。

順豊腔股(広東省)など大手4社は16年12月期に売上高を前年比2~6割増やし利益も膨らんだ。

ただ17年は競争激化もあり、成長が鈍化する見通し。
宅配にかかるコストを誰が負担するかという問題は中国でも切実になりそうだ。

(上海=小高航記者)


『再配達ない米、危機とは無縁』=留守なら外に 顧客容認=
 シリコンバレーの中心、パロアルトの目抜き通りで宅配ロボットベンチャー、スターシップが先月、路上試験を始めた。

6つの車輪がついた運送用ロボットが時速約6キロメートルで目的地を目指す。
都市部の配達を置き換える構想で、同社幹部は「人よりコストは安くなる」と語る。

 米国では即日配送が可能なのは都市部のみ。
時間指定は限られた地域だけで基本的に再配達はしない。

米アマゾン・ドット・コムで「生鮮食品を含む即日の時間指定サービスを使うには年間3万円ほどかかる。

これをロボットやドローンに置き換える計画が進む。

 米国のネット通販の売上高は前年比15%のペースで増えるが米郵便公社(USPS)の宅配件数は直近5年の年増加率は約8%。

運送業者の業務効率化のほかアマゾンは都市部で自社配送して対応している。
配送網に過度の負担はかけない。

無理をすれば離職者が増えるとの読みもある。

 パロアルト周辺の運送員は一度ベルを鳴らすと箱を置いて立ち去る。
受取人がいるかを確認はしない。

盗難されても報告すれば新しい製品が送られてくる。
家具など大型製品だけでなく数万円の家電製品も野ざらしにされる。

盗難補償より再配達の時間の方がコストがかかるという思想で運営されている。

国土が広いため、きめ細かなサービスは土台無理な話で、消費者もそれを容認しているから宅配危機は起こり得ない。

(シリコンバレー=兼松雄一郎記者)


●関連日経記事:2017年4月15日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「ヤマトに映るアマゾン膨張」=米企業が流通、データ、起業を抑えている現実=』(4月14日付)

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1 コメント

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人手不足ではなく賃金不足 (ワールドマックス)
2017-04-24 14:06:23
結局人手不足とかいってるけど、フードデリバリーより給料が安いとの事。ならばフードデリバリーより給料上げれば良いのにそれをせずに人手不足という。
結局、日本も中国も労働に見合った賃金を払わない産業は人手不足で廃れていくという事でしょう。

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