日経新聞 政治『農中が迫る「3択」』=「農業金融曲がり角」 (下)=

2017年04月22日 05時48分43秒 | 政治
日経新聞 2017年4月20日(木) P.20 金融経済面
特集連載『農業金融曲がり角 (下)』

『農中が迫る「3択」』=対JA、高まる再編圧力=

 「何の権限があって指図(さしず)するのか」。

3月に開かれたJAバンク代表者全国会議。
農林中央金庫が突然切り出した異例の要請が、600超の全国のJAに波紋を広げた。

『低い手数料嫌う』
 金融事業の分離か再編か、現状維持か……。

農中は2019年5月までに各JAに回答するよう求めた。
事業譲渡や再編は、本来、JAが個々に決めること。

農中が要請するのは極めて珍しい。

 当のJAは事業譲渡には消極的だ。

 農中や都道府県組織である信用農業協同組合連合会(信連)に事業譲渡すると、JAは直接融資せず代理店として窓口業務を手がけ、手数料収入を得る仕組みになる。

 1月に岩手県信連の代理店となった岩手中央酪農農協(盛岡市)は、責任者の配置を求める金融規制や情報開示の自主ルールへの対応に手を焼いた。

これまでに代理店になったJAは3つ。
農林水産省は手数料が低いことも、事業譲渡が進まない一因とにらんでいる。

 農水省の狙いはJAから金融事業を切り離すことだ。
金融部門はJAの稼ぎ頭だが、焦げ付きリスクなどに常にさらされる。

さらに実はJAバンクの融資の7割は住宅ローン。

金融の収益に依存する構造を断ち、農業振興に力を入れるべきだという考え方だ。

これに対し農中は、2年以上かかるとされる譲渡作業にかかる手間やコストを懸念。
人口減などに備え、再編を進めるべきだという見方がくすぶる。

 JAバンクの農業向け融資が少ない背景には「農家がお金に困っていない」という現実もある。

経済協力開発機構(OECD)によると、日本の農家の収入の半分は国などの補助金だ。
ただ農業の大規模化をきっかけにした成長投資は確実にある。

JAは農業支援と金融の連携が弱く、需要の掘り起こしが不十分だとの指摘がある。
ここに目を付けニーズを掘り起こす動きも出始めている。

『資金需要を探れ』
 芽ネギが整然と並ぶ京丸園(浜松市)のビニールハウス。

「昨年から業績に貢献するようになった」と鈴木厚志社長(52)は目を細める。
投資資金1億円はJAとぴあ浜松から借り入れた。

JAの橋渡しで土地の売り手が見つかったという。

 JAとぴあ浜松は個別訪問を徹底。

「いま資金が必要ですか」と聞いても2件しか反応がなかったのに対し、「あなたの夢は何ですか」と問いかけるように変えたところ600件を超える資金需要が見つかり、融資残高は3年で倍増した。

 地元に密着する全国のJAが本腰を入れて乗り出せば、成長の種を発掘できる可能性がある。

 人口減や競争激化でかってないほどの再編圧力が高まるJAバンク。

自らの強みを認識し、農業と向き合う組織が増えれば日本の農業の活性化につながる可能性もある。

▼JAの損益の内訳
「金融部門」: +2712億円

「保険部門」: +1430億円
「農業関連部門」: -1349億円

「生活関連部門」: -207億円
【合 計】: +2585億円

(注)2014事業年度。 農水省調べ

(高見浩輔記者、中戸川誠記者)


●関連日経記事:2017年4月21日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 政治「JAバンク 地盤沈下」=「農業金融曲がり角」 (上)=』(4月19日付)

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