日経新聞 経営『「地域と共に発展」 JRは見習え』=民営化後30年も、企業風土は「国鉄」のまま?=

2017年05月16日 05時19分29秒 | 経営
日経新聞 2017年5月15日(月) P.27 地域総合面
連載『時流地流』

『「地域と共に発展」JRは見習え』


 「通知のタイミングは遅すぎるのではないか」。

リニア中央新幹線の南アルプストンネル長野工区の掘削工事が長野県の大鹿村で4月27日に始まったが、JR東海などが県や地元に通知したのは前日の夕方以降。

残土の最終処分地が決まらず地元で不安の声も上がる中での着工に、阿部守一長野県知事は28日の記者会見でJRに苦言を呈した。

▼長野県内の鉄道をよく利用する。
昨春、JR飯田線飯田駅でコインロッカーを使おうとしたが百円玉がない。

管理するJR東海子会社の売店が閉まっており、駅窓口に五百円玉の両替を頼むと、決まりでできないという。

JR東海に確認したところ、両替には原則全駅で応じていないそうだ。
確かに混雑する大都市圏の駅では理解できる。

しかし運行本数が少ない飯田線も一律でいいのだろうか。

▼こんなこともあった。
JR小梅線の小諸駅。

冬の寒風が吹くホームで高校生らとともに停車中の始発列車の扉が開くのを15分待った。
扉が開いたのは発車10分前。

JR東日本長野支社によると、新幹線などを別にすれば何分前に扉を開けるか規定はないという。

▼わざわざ小言のようなことを書いたのは、「鉄道は地域の発展と自社の発展をそのまま重ね合わせられる事業なんです」という言葉を聞いたからだ。

発言の主(ぬし)は東京海上日動保険から第三セクターのしなの鉄道に出向し、社長に昨年就任した玉木淳氏(46)。

鉄道の門外漢だった同氏が経営する中での新鮮な驚きがこちらにも伝わってきた。

▼北陸新幹線の並行在来線を運行する同社は乗務員のやりくりで難しい2本を除き、始発電車のドアはすぐ開けている。

乗客の要望を受け実現させたという。

地域との交流にも力を入れるのは地元自治体が出資する三セクなら当然とはいえ、地元の意向をくみ取る姿勢はJRにも参考になる。

▼国鉄が分割民営化して30年。

ローカル線でも低運賃で安全な運行を続ける努力は大いに認めるが、「地域と共に発展する」という点でおろそかになっていることはないか。

(宮内禎一記者)


●関連日経記事:2016年3月21日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 安心・安全「帰宅困難650万人に備え」=「大震災から5年」 再建への道程 ⑫=』(2016年3月20日付)

◆父さんコメント:
 「JR東海によると『両替には原則全駅で応じていない』そうだ」とのコメント記事。

わざわざ規則・ルールに「原則」を付け加えたのは、「現場の事情に応じて臨機応変に対応すること、が望ましい」の意味を含ませてルールを決めたのだと理解できる。

しかし、現場では「臨機応変に対応するとJR本社から規則を盾に文句を言われる」からと、規則を金科玉条に厳しく守ろうとしているJR東海の上意下達の企業風土が垣間見える。

規則と運用をバランスよく維持して顧客満足を増すのに必要なのが「経営理念」だ。

「地域と共に発展」の意識が経営陣と従業員に共有されていればJR東海本社(規則)よりも、顧客である乗客の目線(運用)を重視する風土が生まれてくるはずだ。


まだまだ、JRの企業風土には「国鉄」時代の「上意下達経営」がしぶとく生き残っているのが垣間見える記事だ。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 日経新聞 インターネット「... | トップ | 日経新聞 趣味「ルネサンス... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。