日経新聞 海外メディア「傲慢なIT企業はご用心」=英IT・コラムニスト ラナ・フォルーハー氏=

2017年07月12日 04時32分14秒 | 海外メディア
日経新聞 2017年7月10日(月) P.6 オピニオン面
連載『英フィナンシャル・タイムズ』=7月3日付=

『傲慢なIT企業はご用心』=グローバル・ビジネス・コラムニスト ラナ・フォルーハー=

 IT(情報技術)株はもうピークを迎えたのか。

特に、米IT大手4社(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル)の頭文字をとった「FANG」株は頭打ちなのかーー。

投資家は今、こんな疑問を抱いている。

株式評価額があまりに高いからだけでなく、IT業界がかってのウォール街に似てきたからでもある。

経済的にも社会的にもますます分断された社会にあって、どの業界より世間の反感を買うようになっている。

 シリコンバレー企業はいまだに閉鎖的だ。

企業文化の改善はもとより、独占禁止法違反や個人情報の保護、技術の進化による雇用喪失など、本来考えるべき重大な課題に取り組もうとしない。

 これらの懸念について業界関係者に問うと「政治家はシリコンバレーを理解していない」「国民に最低生活保障が提供されれば働かなくて済む」など、認識が甘く、見当はずれな答えが返ってくる。

 彼らの傲慢さは2000年ごろのITバブル時にも見られたが、最近はさらに悪質だ。

大手IT企業は巨大な資産や政治力、膨大なデータを持ち、我々の日常に欠かせない存在になっているからだ。

 彼らは自分たちが自由で開かれた世界を築いているちう考えに基づき活動している。

一方、ソーシャルメディアが民主主義を損ないビッグデータ解析のアルゴリズムが弱者を搾取しているという懸念が高まっている。

金融危機前にサブプライムローンにより、貧困層が搾取されていたのと同じだ。

 大手IT企業の経営トップたちは、金融業界の誰にも劣らぬほど強欲な資本家だ。

リバタリアン(自由市場主義者)の気質も持ち合わせ、政府や政治、市民社会、法律などすべてを変えられるし、変えるべきだと考えている。

 米メリーランド大学のフランク・パスクワーレ教授は検索結果の中立性(検索エンジン大手は自社のコンテンツを優遇すべきでないという考え方)に関し、シリコンバレーの業界関係者から「そんなコードは書けない」と言われた。

技術的な問題ではなく法的問題だと説明すると、彼は見下したように同じことを繰り返したという。

「要するに、技術的な話以外しないし、そもそも問題を議論しようともしない」と同教授は話す。

 頭に浮かぶのは08年の金融危機以前(多くの場合、それ以降も)、自分たちのことしか頭になかった金融業界だ。

金融業界も規制当局も閉じた世界で仕事をしていたため、意思決定者の視野は狭くなった。

私が知る多くの銀行家はなぜ世間の怒りが自分たちに向けられるのか不思議に思っていたようだった。

普通の人と接触することがないのだから無理もない。

 これは現在の大手IT企業にも当てはまる。

「IT企業は主に業界内でしか会話しない」と米カーネギーメロン大学フェロー、ビベック・ワドワ氏は述べる。

 米調査会社ストラテガス・リサーチ・パートナーズは、最近出した投資家向けリポートで「IT業界は業種別S&P500種株価指数でみると政治的に最も守られ、金融やエネルギー業界は最も厳しい目にさらされてきた。 トランプ政権の下で、両者の立場が逆転する可能性があることを考慮しておいた方がいい」と指摘した。

 FANG各社の経営陣も用心すべきだろう。


●関連日経記事
:2017年6月29日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 インターネット「グーグル制裁金3000億円」=欧州委、独禁法違反で最高=』(6月28日付)

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