日経新聞 趣味「早世画家が開いた芸術」=上野の国立西洋美術館で開催の「シャセリオー展」= 

2017年04月20日 02時33分20秒 | 趣味
日経新聞 2017年4月19日(水) P.44 文化面
『早世画家が開いた芸術』=シャセリオー展=

 19世紀前半から半ばにかけて活躍したロマン主義の画家、テオドール・シャセリオー(1819~56年)の画業を振り返る「シャセリオー展」が東京・上野の国立西洋美術館で開かれている。

 数々の巨匠、天才がきら星のごとく生まれたフランス19世紀にあって、37歳で早世したシャセリオーの知名度は日本では決して高くない。

しかし、生前は詩人のテオフィル・ゴーティエら多くの批評家がその芸術性を称賛した。

師である新古典主義の巨匠アングルは「この子はいずれ絵画のナポレオンになるだろう」と言ったという。

 アングル門で4年間学んだ後は、1830年代に隆盛を極めたロマン主義の影響を強く受ける。

シェックスピアの戯曲やギリシャ神話などをもとに、恋愛の陶酔や苦悩といった感情を表現する物語的作品を多く描いた。

 「アポロンとダフネ」(1845年、ルーヴル美術館蔵)は、古代ローマの詩人オウィディウスの名作「変身物語」が題材。

太陽神アポロンの求愛を逃れるため、川の神の娘ダフネが月桂樹(げっけいじゅ)に姿を変える場面を描く。

ひざまずき、その裸体にすがるアポロンと、目を閉じたまま変身を遂げるダフネの劇的な描写は、ロマン派芸術の粋(すい)といっていい。

 さらに、アルジェリアなどを描いたオリエンタリズムの作品や、数々の肖像画も集めている。

パリで最も美しい女性と噂された令嬢を描く「カバリュス嬢の肖像」(1848年、カンペール美術館蔵)は、柔らかな筆遣いとデッサン力が生きた傑作だ。

 今展は、シャセリオーの影響を受けたモローやシャバンヌら19世紀後半の象徴主義の画家の作品も展示、早世した画家が切り開いた芸術の方向性を明らかにした。

知られざる画家に光を当てる周到な目配りが印象に残る。
5月28日まで。

(編集委員 宮川匡司)

●関連投稿記事:2016年7月9日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 旅行・自己啓発『上田市にある「無言館」の紹介』=戦没画学生慰霊美術館=』

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1 コメント

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シャセリオー展 (dezire)
2017-05-19 12:01:53
こんにちは、
私も「シャセリオー展」を見てきましたので、ブログを興味深く読ませていただきました。シャセリオーは、新古典主義のアングルから絵画の技量を学び ロマン主義的なテーマに展開しても独自の美的世界創り出しているのがすばらしいと思いました。シャセリオーが描く女性は非常に美しく、女性を描いた作品尾だけ見ていても、時間を忘れるほど楽しめる美術展でした。

私も自分なりにシャセリオーの作品の魅力を読み解いてみました。またアングルとなぜ決別したのか? 絵画・美術におれるロマン主義とは何なのか?本質的な違いを考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。内容に対してご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。


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