日経新聞 社会「カードローン、過熱一服?」=市場の実勢か銀行の都合か=

2017年08月13日 06時59分14秒 | 社会
日経新聞 2017年8月11日(金) P.7 金融経済面
連載コラム『日銀ファイル』

『カードローン、過熱一服?』=市場の実勢か銀行の都合か=

 緩和マネーが流れ込んでいた銀行カードローンや不動産向け融資に変化の兆しが出てきた。

日銀が10日発表した6月末のカードローン残高は2013年3月以来の小幅な増加にとどまり、4~6月の不動産向け新規融資も1年半ぶりに減少に転じた。

一服感が出てきたのか、それとも銀行の姿勢が変わったのか。

 6月末のカードローン残高は前年同月比8.6%増の5兆6793億円だった。

5年前の1.7倍に膨らんでいるが、これまで前年比2ケタの伸びを続けてきたことを考えると増勢が鈍ったように見える。

考えられる要因の1つは、全国銀行協会が3月に過剰融資の防止に向けてカードローン審査の厳格化などを申し合わせたことだ。

 16年に個人の自己破産が13年ぶりに増加に転じたのをきっかけに、緩い審査が返済能力を超える過剰な融資につながっているとして銀行カードローンへの批判が強まった。

それを踏まえローン全体の約3割(1兆6500億円)を占める3メガバンクは、収入証明不要で融資する限度額を引き下げたり、テレビCMの放映時間を絞ったりする対策を打ち出した。

 自己破産はどうなっているのか。

最高裁によると今年1~6月(上半期)の個人の自己破産は前年同期比5%増の3万3千件と2年連続で増えている。

銀行カードローンとの因果関係は定かではないが、借金を返せなくなっている人が増える傾向が定着しつつあることを示している。


 金融庁や日銀が過熱を警戒している不動産融資の潮目(しおめ)が変わりつつある。
4~6月の新規融資額は2兆3954億円と前年同期比7.8%減少。

相続の節税需要を取り込んで急増していた個人向けアパートローンも14.5%減と09年の統計開始以来、最大の下げ幅を記録した。

 カードローンも不動産融資も「あくまで利用者ニーズへの対応」というのが銀行の言い分だ。

需要があるから貸しているとの立場だ。

目立って当局ににらまれたくないという意識はあるが、極端に対応を変えれば言い分と矛盾する。

今回の変化が市場実勢を反映しているのか、銀行の都合なのか見極めるにはもう少し時間がかかりそうだ。

(亀井勝司記者)


●関連日経記事:2017年8月1日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 社会「融資膨らむ兆し、陰にノンバンク」=銀行カードローンを信用保証=』(7月28日付)

●関連日経記事:2017年8月12日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経済『「止まらぬ相続・金融商品からの現金化」=「相続1000兆円時代へ」 (下)=』(8月11日付)

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