日経新聞 経営「誰のための連合か」=「脱時間給」と働き方改革=

2017年07月31日 09時01分24秒 | 経営
日経新聞 2017年7月28日(金) P.1
『法案一本化で提出へ』=政府、今秋=

『「脱時間給」と働き方改革』

 政府は27日、働く時間ではなく成果に応じて賃金を払う「脱時間給制度」について、残業時間の上限規制などの働き方改革関連法案と一本化で秋の臨時国会に提出する方針を固めた。

聯合の容認方針の撤回に関わらず、連合が当初主張した修正案を受け入れて労働者に理解を求める。

2015年の法案提出以来、塩漬けとなってきた同制度の早期導入を狙う。

▼法案のポイント

【脱時間給】

・高年収の専門職に「脱時間給」制度
・裁量労働制の対象者の拡大

・フレックスタイム制の拡大

【働き方改革関連】
・残業時間を月平均60時間に規制

・繁忙期は例外措置として「100時間未満」まで容認

(本文略)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『誰のための連合か』

 連合は本当に働く人のための組織なのか。

「脱時間給」制度の創設を一度は容認しながら撤回した連合の姿勢から抱くのは、そんな疑問だ。

 労働時間ではなく成果に対して賃金を払う脱時間給は、働いた時間では成果が測れないホワイトカラーが増えてきた社会の変化に即したものだ。

 工場労働が中心だった時代と違い、経済のソフト化・サービス化が進んだ現在は、労働時間で賃金を決められるよりも成果本位で評価してもらいたいと考える人も増えていよう。

効率的に働けば労働時間を短くできるメリットも脱時間給にはある。
そうしたホワイトカラーのことを連合は考えているのか。

 連合の新制度への反対姿勢に透けるのは、年功制や長期雇用慣行の下での旧来の働き方を守り抜こうとしていることだ。

だが日本が成長力を伸ばすには、もっと生産性を上げられる働き方を取り入れることは欠かせない。

 グローバル化が進み、企業の競争が一段と激しくなるなか、働く人の生産性向上を促す脱時間給はできるだけ早く導入しなければならない制度である。

単純に時間に比例して賃金を払うよりも、成果や実績に応じた処遇制度が強い企業をつくることは明らかだ。

企業の競争力が落ちれば従業員全体の不幸になる。
連合が時代の変化をつかめていないことの影響は大きいといえよう。

 働き方改革の法制化の全体像を見れば、連合が危惧する過重労働には歯止めをかける仕掛けもある。

労働基準法改正案は脱時間給制度を盛り込んだ法案と、罰則付きの残業時間の上限規制などを定める法案を一本化して審議する段取りになっている。

残業上限規制の新設は健康確保の面から連合の首脳らも評価してきた。

 それだけに連合が脱時間給の制度設計などの修正合意を撤回し、労基法の改正作業が進みにくくなったことは、働く人のためにもならないといえないか。

 連合は1989年に、官公労を中心とした総評系や民間労組主体の同盟系などの労組が集まって発足。

団体間の肌合いは異なり意見集約は今も容易でない。

民間労組の中でも例えば成果給の導入に前向きなところがある一方で、思い切った賃金制度改革に後ろ向きな団体もある。

 こうした「寄り合い所帯」の構造が、いったんは脱時間給の事実上の容認に転じた執行部方針が覆される事態を招いた。

 傘下の労組は組合員の大半を正社員で占め、非正規社員の待遇改善が後回しになりがちになる問題もある。

労働運動のリーダーを自任する連合は、我々はすべての働く人を代表する組織であると言う。

行動で示せなければ、空虚に聞こえる。

(編集委員 水野裕司)


●関連日経記事:2017年7月25日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 政治「現実路線へ転換した連合」=健全な野党の姿勢示す=』(7月22日付)

●関連日経記事:2017年7月21日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 開発「AIは販売員の仕事を奪うか」=米セールスフォースCEO M・ベニオフ氏に聞く=』(7月19日付)

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