日経新聞 自己啓発「人間性を高めること」=「サッカー人として」 三浦知良=

2017年04月20日 03時05分49秒 | 自己啓発
日経新聞 2017年4月14日(金) P.41 スポーツ面
連載『サッカー人として』=元日本代表、横浜FC 三浦知良=

『人間性を高めること』

 プロの”新人”として学び始めたころ、待っていても何も教えてくれないのがブラジルの現場だった。

 日本なら、18歳のルーキーが試合に出られなければコーチが手を差し伸べる。
居残り練習もしてくれる。

(中学卒業後、単身でブラジルにサッカー留学した=)僕にそんな助けはこない。
自分で何かを起こさなければ、すべてが進まない。

だからベンチを外れた日は、自分で公園へ行って8キロ走をした。
不満や不安をぶっつける先も、自分で探して。

 僕の体をみてくれるマッサージの専門家も「ああしろ、こうしろと師匠が教えてくれたのは、修業(しゅぎょう)の3年間で10分ほどかな」という。

そばで見て、まね、盗んだと。
言葉より、行動から僕らは学び取っていく。

 飛び抜けて優秀な人が集まるのがプロの世界。
どこで差がついていくのか、日本代表をみても察しは付く。

必ずしもすごい俊足や肉体の持ち主じゃない人が代表の主将や軸になる。
人間的に成長したときに、サッカーでも成長しているんだよね、これは。

人の痛みが分かる、あいさつ、片付け、日常の心がけ。
抜け出したければ、自分の人間性を高めることだ。

 僕も自問する日があるよ。
「なぜ自分はダメなのか」。

精神的なもろさがあるから。
嫌なことがあると愚痴を言っているよな。

「であれば、我慢(がまん)し、違う形で発散して集中できれば、サッカーも上向くのでは?」

 ある練習試合、新人GKがミスをして負けた。
「何だよ。 勝てたよな」と僕はぼやく。

ところがDFは「勝たせてやりたかったです。 僕のプレーが乱れなければ」と嘆く。
人のせいにしていたなと学ばされます。

 気づきを人生でいつ、感じられるかなんだろう。
でも選手はたいてい、気がつくのが遅い。

「俺は天才肌だからさ」と練習に熱を上げなかったある人は、引退後に姿勢が正反対になった。

自分のようになってほしくないからと。
「練習でこんなに走ってどうするの」と文句を言っていたのに。

監督になると「サッカーは走らないとダメだ」と尻をたたく知人もいるけどね。

 監督でも選手の心のまま、というのはラモス瑠偉さんとマラドーナくらいでしょうか。
若くしてあまりに分かりすぎるのも気持ち悪いけど。

人間、成長するには時間が必要です。

=隔週金曜に掲載します。


●関連日経記事:2012年12月8日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 スポーツ「プロに”明日”はない」=三浦知良=(2012年12月7日付)

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