日経新聞 開発「遺伝子組み換え農産物、収量増で価格高騰抑制」=20年で作付面積100倍に=

2016年09月18日 03時12分11秒 | 開発
日経新聞 2016年9月17日(土) P.18 マーケット商品面
『遺伝子組み換え農産物20年』=国際調査研究機関 テン会長=

『作付面積100倍に』=収量増で価格高騰抑制=

 米国で1996年に遺伝子組み換え大豆などが商業栽培されて20年が経過した。

組み換え農産物の現状や課題について、調査研究機関である国際アグリバイオ事業団(ISAAA)のポール・テン会長に聞いた。

 --組み換え農産物の作付は世界に広がっています。

 「世界の組み替え作物の作付面積は2015年時点で1億7970万ヘクタールと96年の100倍に拡大した。

アジア地域では昨年、ベトナムが初めて組み換えトウモロコシの栽培を始めた。

ベトナムより早く組み換えトウモロコシの栽培を始めたフィリピンは、トウモロコシの輸入国から輸出国に転じている」

 「組み換え技術によって農作物の収量は増え、農薬などのコストは削減された。

世界の農家が得た利益は過去20年で1500億ドル(約15兆3千億円)以上にのぼるとみている。

収量の増加は価格高騰を抑制し、消費者利益にもつながる」

 --この20年間で中国を中心とした食料需要は飛躍的に拡大しました。

 「世界の大豆生産の余剰分のうち7割、トウモロコシも3割はアジア地域に向けて輸出されている。

中国の食肉需要は年間1人当たり60キロ程度まで拡大したが、米国に比べれば半分以下だ。

組み換え農産物が(安価な飼料として食肉増産に=)貢献できる余地は大きい」

ーー直近の作付けは伸び悩んでいます。

 「昨年は米国を中心に作付面積が減少した。

米国など世界に先駆けて導入した国では、すでに主要作物の作付面積に占める組み換え品種の比率が9割強に達している。

穀物相場が下落し、農家がトウモロコシや大豆以外の作付けを増やした影響も大きい」

 「ただ、米国でも乾燥耐性のトウモロコシは作付面積が13年の15倍に拡大した。
新興国の作付けの伸びは大きい」

 --干ばつなどの異常気象に強い農作物の需要は高まっています。

 「ここ数年、異常気象の頻度は増している。
乾燥耐性だけではなく、洪水や塩害に強い農作物の開発が進んでいる。

米国のビル・ゲイツ財団などはアフリカ諸国に乾燥耐性のトウモロコシを植える計画を進めている」

 --消費者の間では組み換え農産物に対する不安が根強く、米国でも食品に使用の表示が広がりました。

 「『選ぶ権利』を主張する消費者が増えたのは間違いない。
米国で使用表示が導入されたことは、情報の透明性を確保する観点から評価できる。

組み換え農産物の安全性は科学的に証明されており、正確な情報を消費者に伝える努力が重要だ。

組み換え農産物の使用表示より、価格の安さを重視する消費者も多い。

組み換え農産物は収量を増やすことによって世界の森林伐採を抑制し、農薬の使用量も減らせる。

地球環境にもプラスの効果が大きい」

 --米モンサントなど種子大手を巡り、企業再編の動きが広がっています。

 「種子大手の再編は企業の競争力を高め、組み換え技術の発展を後押しするのではないか。

企業連携によって技術面でも新たな組み合わせが期待できる」

(聞き手は 編集委員 志田富雄)


●関連日経記事:2016年9月16日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経営「独バイエル、6.8兆円買収」=米モンサントと合意=農薬・種子業界の巨人へ=』

●関連日経記事:2014年1月13日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 安心・安全「実は身近な遺伝子組み換え作物」=「夢」と「安心」てんびんに=』(2014年1月12日付)

●関連日経記事:2014年8月4日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 開発「90億の胃袋満たせ」=種を守る現代の「箱舟」バイオ深化=』(2014年8月3日付)

●関連日経記事:2013年1月19日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 国際「食糧確保は天下安定の基本」=中国首脳の発言=』(2013年1月18日付)

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