日経新聞 国際「イラク軍、モスル奪還作戦始まる」=「イスラム国」掃討 重要局面=

2016年10月20日 02時19分21秒 | 国際
日経新聞 2016年10月18日(火) P.7 国際面
『「イスラム国」掃討 重要局面』=イラク軍、モスル奪還作戦=

『米主導の融資連合、支援』=長期化、市民の犠牲懸念=

 イラク軍は17日、過激派組織「イスラム国(IS)」が2014年から支配する北部モスルを奪還する大規模作戦を始めた。

モスルは首都バグダッドに次ぐ第2の都市。
奪還できればISはイラクで最大、最後の拠点を失う。

同国でのIS掃討は重要局面に入った。
ISは徹底抗戦するとみられ、戦闘が長引き市民の犠牲が膨らむ懸念がある。

(本文略)

(ドバイ=久門武史記者)

『別の過激派存在』=深刻な宗派対立=
『中東の危機 構図は残る』


 要衝を次々と失った過激派組織「イスラム国(IS)」は劣勢が鮮明になっている。
それでも難民問題や国際テロのおおもとの原因となっている中東危機の構図は消えない。

 ISが有力なテロ組織として育ったきっかけはモスルを制圧した際に銀行の金庫から奪った多くの現金だった。

原油の密輸取引や盗掘品の密売、住民からの徴税で資金力を高めた。

だが、シリア内戦に介入したロシア軍や米軍がIS支配地の石油関連施設を空爆で破壊し、その収入の柱を奪った。

 IS戦闘部隊の「不敗神話」も崩れ、過激派をひき付けてきたバグダディ指導者のカリスマ性が色あせた。

住民が離反し、ISに参加する戦闘員の数も減っており、力がじわじわと衰えた。

 しかし、ISの台頭は、「アラブの春」後の混乱によって生じた中東危機の現象のひとつに過ぎない。

ISが衰えても別の過激派がその空白を埋める懸念が残る。

シリアでは戦闘員が劣勢のISを見限って別の過激派であるアルカイダ系の組織に合流する例もあるとされる。

 イラクでもシリアでも、疎外された(同国で少数派の=)イスラム教スンニ派住民の不満の受け皿として過激派が台頭した。

安定を取り戻すには穏健なスンニ派組織が力を持つ必要がある。
シリアの内戦を終わらせ、イラク各派が和解と融和を進めることが前提になる。

シーア派やクルド民兵がISの掃討作戦で存在感を高めることはスンニ派の不安をかえって深めている。

 「イラク戦争の終結」をかかげて米大統領に就任したオバマ政権が中東への関与を減らした分、ロシアのプーチン政権が介入し、地域の(スンニ派対シーア派の=)力関係を変えた。

スンニ派の盟主であるサウジアラビアとシーア派の盟主であるイランが対立し混迷が深まった。

 昨年の(オバマ以前はサウジ寄りであった米国の主導による=)イラン核合意は核兵器の拡散防止という観点からは重要な一歩だが、中東の情勢を複雑にした。

サウジやイスラエルが(オバマ政権の=)米国への不信を深め、独自の外交路線を強めた。

 影響力の低下を指摘される米国が再び指導力を発揮し、同盟国がそれに協力しなければ、過激派を生み出す複雑な危機の構図を解きほぐすのは難しい。

(カイロ=岐部秀光記者)

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