日経新聞 自己啓発「ボーナスでREITも一考」=今は価格下落基調、その分利回り高く=

2017年07月01日 03時57分50秒 | 自己啓発
日経新聞 2017年6月24日(土) P.20 マネー&インベストメント面
連載『Money & Investment』

『ボーナスでREITも一考』=今は下落基調、利回り高く=

 まもなくボーナス。

預金に置いておいても、相変わらずの低金利下、ATM手数料ほどの利息も付かない。
株式は日経平均株価が2万円前後という高値圏にあるのが気になる…。

そんな「投資はしたいが、値下がりリスクは限定したい」人は、資産分散先の1つとして不動産投資信託(REIT)という選択肢を、考えてもいいタイミングかもしれない。


「安定的に配当」
 REITとは、投資家から集めた資金を使って不動産を購入し、そこから得た家賃収入や売却益を投資家に分配する金融商品だ。

不動産価格や家賃が上がれば、REITを運営する投資法人の収入が増え、そのほとんどを投資家に還元する仕組み。

要はごく限られた割合とはいえ大家さんになるイメージだ。

 不動産投資は少なくとも数百万円以上の資金が必要だが、REITは株価に相当する投資口価格分の予算から始められる。

現在、東証に上場するREITは58銘柄。
投資口価格は約5万~60万円の間だ。

 REIT市場全体の値動きを示す、日経平均株価に相当するような指標が東証REIT指数。

今年の値動きを見ると、1月初めを高値に下落基調にあり、今月14日には一時、年初来安値を下回る1725.30を付けた。

年初からは約7%下げた水準。
5%上昇している株価とは対照的な軌跡だ。

不動産市況が頭打ちし、賃料収入が伸び悩むのではとの見方が背景にある。

 では投資によくないタイミングかというと、そうでもない。

基本的にREITは値上がり益(=株式投資でいう株価上昇益)よりも、分配金収入というインカムゲイン(=株式投資でいう配当金)狙いに適した商品だからだ。

株の配当は多くてもの年2回だが、REITは年4回、分配金を支払うものもある。
その分配金の平均利回りは足元で3.92%。

東証1部の予想配当利回り(1.67%)を上回る。

価格が下がっているときに買えば、利回りは逆に高くなる(=これは債券投資でも同じことがいえる)。

東京都のAさん(39歳)は「多少価格は上下しても、安定的に配当が出るから安心」と、REIT投資を始めた。

 では、実際の銘柄選びは何を規準に行うか。

みずほ証券の石沢卓志・市場情報戦略部上級研究員は「商品特性と配当利回り、さらに格付けとNAV倍率」を挙げる。


 商品特性とは投資する不動産の種類の違い。

一般的なのはオフィスビルを投資対象にするものだが、商業施設や住宅、物流施設など、それぞれのREITが対象にするものが違う。

最近はホテルや温泉、介護施設などバラエティーも増えた。
不動産の用途を限定しない「総合型」もある。

「格付けなどに留意」
 配当利回りは3~5%台が中心だが、中にはスターアジア不動産のように8%超というものもある。

だが、配当利回りが高い商品は格付けが低いものが多い。
日銀が買い入れ基準とする「AA格」相当以上が無難だ。


ただ、「それ以下のファンドでも掘り出し物はある」(石沢氏)。

 掘り出し物探しの1つの尺度になるのが、NAV倍率だ。
ネット・アセット・バリューの略で、株式のPBR(株価純資産倍率)にあたる。

保有する資産価値から負債額を引き、それを投資口価格で割った値だ。
1倍割れなら純資産価値より時価総額が安い「割安」と考えられる。

 専門家は「2~3年の分配金の推移や、なぜ増減したのかを見るのもポイント」(アイビー総研の関大介社長)とアドバイスする。

個人的にはホテル系REITに注目しているという。
「訪日外国人の『爆買い』終息を受け、下落しているが観光客は増えており、ホテル不足は続く」

 割安な水準でREITを買っても、リスクは当然ある。
例えば賃料の下落。

東京都心5区のオフィス空室率は5月に3.41%と需給均衡の目安、5%を下回る。
18年には東京23区のオフィスビルの供給床面積が急増する「2018年問題」が待つ。

 ただ、人手不足や働き方改革が注目される折、企業は便利で新しい都心オフィスへの移転を加速させるとの見方もある。

インターネット通販の拡大は続き、物流拠点の拡充も喫緊の課題だ。
日本経済を取り巻く課題と関連付けてREIT選びするもの一興かもしれない。

【(主な投資対象)オフィスビル】
・『(投資法人名)日本ビルファンド』**
 (特徴)国内REITで運用資産最大。 三井不動産系 =(利回り)3.11%/(NAV倍率)1.18

・『ジャパンリアルエステイト』**
 三菱地所系で時価総額2位。 保守的財務特徴 =3.12%/1.15

【商業施設】

・『日本リテールファンド』
 全国の商業施設に投資。 スポンサーは三菱商事など =4.01%/1.07

【住宅】

・『日本アコモデーションファンド』**
 住宅中心で、学生寮などへの投資も =3.45%/1.27

【物流施設】

・『日本ロジスティックスファンド』**
 物流特化銘柄として歴史が古い =3.54%/1.04

【ホテル・リゾート施設】
・『ジャパン・ホテル・リゾート』
 ジャパン・ホテル・アンド・リゾートと合併。 シンガポール系ファンドがスポンサー =4.43%/1.11

【ヘルスケア施設】
・『ジャパン・シニアリビング』
 NAV倍率は最割安。 有料老人ホームや医療施設 =4.87%/0.72

【総合型】

・『スターアジア不動産』
 分配金利回りトップ。 中規模クラスの不動産が中心 =8.18%/0.96

(注)各数値は6月21日時点。 **印は日銀が大量保有報告書で5%以上の保有割合と報告された銘柄

(白壁達久記者)


●関連日経記事:2017年6月29日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「REIT、7カ月ぶり安値」=オフィスなど、市況悪化を警戒=』(6月27日付)

◆父さんコメント:
 「分配金」狙いの投資であるREITといえども、不動産価格や家賃が上昇するかいなかが分配金の増減に直結する。

その意味で、各ファンドが主な投資対象に選んだ物件がどんなものであるかを示す「商品特性」を知ることは重要だ。

長期投資を基本とするREITだけに、5年、10年後も伸びる市場向けの不動産に投資するファンドを選ぶことで長期に安定した分配金を期待することができる。

株式投資と同じで、銘柄選びの巧拙が投資の勝敗を分ける。
あくまでも余裕資金で、長期投資を基本とした投資姿勢が望まれる。

●関連日経記事
:2017年7月10日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済『REIT「官製相場」第2幕』=REITの特徴: 増資と物件取得を繰り返して業績拡大=』(7月8日付)

●関連日経記事:2017年7月17日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経済「毎月分配型の投信からの資金が細りREIT下落続く」=1年10カ月ぶり=』(7月15日付)

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 日経新聞 教育「不登校支援... | トップ | 日経新聞 書籍紹介「米工作... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。