日経新聞 政治「怒れる若者たちと治政」=若年層の失業率は目立って高い=

2017年06月15日 08時32分55秒 | 政治
日経新聞 2017年6月14日(水) P.19 マーケット総合2面
連載コラム『大機小機』

『怒れる若者たちと治政』

 今年初めの話題は極右の躍進だった。

だが興味深いことに、韓国では左派の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が誕生した。

仏大統領選では極右のルペン氏だけでなく極左のメランション氏も善戦し、一時は決選投票に残る勢いだった。

 英総選挙もメイ首相率いる保守党の圧勝と思いきや過半数を割り、労働党が議席を伸ばした。

コービン党首は民主社会主義者を自任し、政権公約でも郵便、鉄道の再国有化を唱える。

 英世論調査機関の多くは保守党優位と予測し、またまた読みを外した。
若年層(じゃくねんそう)の労働党支持率は高いが、選挙には行かないだろう。

そう考えて生データに補正をかけた。
ところが彼らは投票所に足を運んだ。

 韓国の文候補を押し上げたのが若年層の支持だったことが想起される。
フランスも含め背景には、深刻な若年層の失業問題がある。

 英国では1~3月に16~24歳の失業率は56万2千人。
ピーク時より低下したものの、若年層の失業率は12.5%。

1年以上長期失業者は若年失業者全体の15.4%を占める。
メイ首相は彼らの怒りを読めなかったのである。

 韓国は15~29歳を若年層としているが、その失業率は16年には9.8%に上った。
全体の失業率は3.7%だから、若年層の失業率は目立って高い。

しかも4年制大学以上を卒業した若年層の失業率は11.1%にのぼっている。
就職先も大企業に比べて給与の低い中小企業となるケースが多い。

いきおい不満は募る。

 9月に総選挙が予定されるイタリアは若年失業が一段と深刻だ。

16年10~12月の若年失業率は38.6%で、欧州連合(EU)では、ギリシャの45.8%、スペインの42.8%に次ぐ。

彼らの怒りの行き先が政治のカギを握っている。

 翻(ひるがえ)って日本。
直近17年4月の15~24歳の失業率は5.0%。

全体の失業率が2.8%と3%を下回っているので、それに比べると高いが、海外に比べれば相当に低水準である。

 日本で10歳代と20歳代前半で政権の支持率が高めなのは、その前の世代が就職で苦労したのを目の当たりにしているからだろう。

問題はむしろ30歳代後半と40歳代前半の「就職氷河期」世代(=団塊ジュニア世代)がいまだに割を食っている点だ。

政治と経済の安定のためにはきめ細かな対応が求められる。

(和悦)


●関連日経記事:2013年5月2日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「シニア偏重政策、若年層を圧迫」=働けない若者の危機 ③=』(2013年5月2日付)

●関連日経記事:2012年10月29日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 経営「中高年正社員を守るため若年層を犠牲にする日本型経営」』(2012年9月14日付)

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