日経新聞 ことば『商工中金 ここにも「忖度」』=不正融資、経営危機に直結=

2017年06月18日 08時27分35秒 | ことば
日経新聞 2017年6月16日(金) P.7 金融経済面
連載『霞が関ファイル』

『商工中金 ここにも「忖度)」』=不正融資、経営危機に直結=

 商工組合中央金庫(商工中金)の不正融資問題が、日本の構造的問題を浮き彫りにしている。

第三者委員会は4月、集団的な書類改ざんについて、現場が上層部の意向をくみ取り、空気に流された結果の「日本型不祥事の典型」と断罪した。

上の意向を忖度(そんたく)する風潮が、政治の世界だけではなく企業の間にも根強く残っていることが明らかになった。


とりわけ企業での不正行為は経営危機にも直結する。
徹底した再発防止策が急務だ。

 「明確な決断や指揮命令のないまま、場の空気で何となく集団的な隠蔽(いんぺい)行為が行われた」。

弁護士らで構成する商工中金の第三者委は4月、全国35支店で99人の職員が816件の書類を改ざんしたとする調査報告書を公表した。

 対象となったのは、東日本大震災や円高などによる経済状況の悪化を受けて業績が急激に悪くなった中小企業への危機対応融資だった。

支店の職員らは取引先の売上高や純利益などを、提出された数字よりも悪く変更して融資先を増やそうとした。

 商工中金はこの問題を把握しながらも隠蔽。

報告書では原因として「上から言われたわけではなく、空気で『これはまずいよね』とみんなが感じた」との職員の声を紹介した。

所管省庁である経済産業省から社長迎え入れている手前、存在意義を示さねばという「忖度」が不正融資を招いた可能性がある。

 同様の構図による不祥事で企業が経営危機に追い込まれた事例は後を絶たない。

東芝は「チャレンジ」と呼ばれる現場への締め付けにより、2014年度までの7年間にわたって利益を水増ししたことが、今に続く経営危機につながった。

大手繊維会社のカネボウも07年に粉飾決算により消滅した。
いずれも現場が上層部の意向を忖度し、不正行為に走った結果だ。

 商工中金は政府が約46%の株式を持ち、この10年間で危機対応融資に7000億円を超える国費を投じてきた。

9月末までに全口座で不正があったかを調べ、問題の再発防止策を策定する方針だ。

中小企業庁の幹部は「徹底的にうみを出し切って根治(こんち)することが何より重要」と話す。

(古賀雄大記者)


◆父さんコメント:
 商工中金は政府が約46%の株式を出資している。

これは政府の意向が100%反映される公営企業であることを意味する。

つまり職員は、「つぶれることのない金融機関に勤めている」と理解して仕事をしていることになる。

仮に赤字が出ても税金で補填される。
だから、結果を考えず融資予算額を無理しても達成しようとの社風が育つ。

同じ社風のカネボウは消滅し、名門企業の東芝も消滅したも同然の状況に至っている。
民間企業は「消滅」の結論があるから、経営に危機感が働く。

公営企業にはこの「消滅」の危機感がないことが根本的な問題!

 商工中金の原因を調査し、再発防止策を策定するというが、調査には莫大な人件費がかかる、再発防止策には新しい組織が追加される。

すべて追加的な税金の投入につながる。
かくして、組織は肥大化し、官の数・公の職員数はより増加の一途をたどる。

 民主主義は無駄な経費と時間を必要とするというが、政府の負債総額が1000兆円を超える事態への危機感が官庁や公営企業に無いのが日本国民の不幸だ。

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