日経新聞 国際「イスラエル パレスチナ問題で強硬姿勢」=米次期政権 見据え=

2016年12月28日 08時39分47秒 | 国際
日経新聞 2016年12月27日(火) P.7 国際面
『イスラエル 強硬姿勢』=パレスチナ問題=

『米次期政権 見据え』

 トランプ次期米大統領が親イスラエルの立場を明確にしていることを背景に、同国のネタニヤフ首相がパレスチナ問題を巡り強硬な立場を貫いている。

国連安全保障理事会が23日にユダヤ人入植活動を停止するよう求める決議を採択したことに猛反発し、国連への拠出金の支払い停止などを表明した。

入植活動などで態度を一段と硬化すれば、長く中断している和平プロセスが崩壊に向かうリスクもある。

 イスラエルは国連安保理決議の採択を受けて24日、一部の国連組織に対する拠出金約3000万シェケル(約9億円)の停止を表明した。

イスラエルに「特に敵対的」な五つの組織が対象という。

ネタニヤフ氏は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)などを念頭に国連との協力関係の見直しを示唆している。

 25日にはネタニヤフ氏が、米国のシャピロ駐イスラエル大使を呼び、国連安保理決議について抗議した。

イスラエルにとって最も重要な同盟相手であるはずの国の大使を呼び出し苦言を伝えるのは異例のことだ。

 イスラエルはこれに先立ち、決議案に賛成した日本など安保理メンバー14カ国のうち10カ国の大使らを外務省に呼び、抗議した。

決議案に賛成したウクライナのグロイスマン首相が予定していたイスラエル訪問の受け入れを中止し、セネガルへの援助を停止すると表明した。

 フランス政府は今月、ネタニヤフ氏とパレスチナ自治政府のアッバス議長をパリに招き、首脳会談を開くことを提案したが、ネタニヤフ氏はこの構想についても事実上拒否している。

 ケリー米国務長官は年内にも新たな中東和平提案をすると報じられているが、「ネタニヤフ氏がこれに協力する可能性は低い」とバルイラン大学(イスラエル)のG・スタインバーグ教授はいう。

 ネタニヤフ氏の強気の背景にはトランプ氏の存在がある。
「国連安保理決議はオバマ氏との対立の最終局面で起きた問題であり、同氏が退けばイスラエルを敵視するような動きは停止するとネタニヤフ氏は理解している」(スタインバーグ氏)

 アラブ諸国には警戒感が色がる。

アラブ連盟のサイード・アブ・アリ副事務局長は日経新聞の取材に対し「パレスチナ人の権利を確認した国連安保理決議は重要だが、イスラエルによる入植活動はかえって広がる懸念がある」と指摘する。

これは少なくとも表面上、沈静化しているイスラエルとパレスチナの対立を再燃させるリスクがある。

 カイロ大学のハッサン・ナファ教授は「パレスチナ人の抵抗が強まるだけでなく、『イスラム国(IS)』などの過激派がパレスチナの大義を掲げてテロを引き起こしたり、アラブの若者を勧誘したりする恐れがある」という。

 今回の安保理決議では米国が従来の立場を覆して拒否権の行使を見送り、事実上、採択を容認した。

米大使館のエルサレム移転を米大統領選挙の期間中にネタニヤフ氏に約束したトランプ氏へのオバマ米大統領によるけん制の狙いがあるとみられている。

▼パレスチナ和平問題
 1948年のイスラエル建国後、数次にわたる戦争で同国が占領した土地をパレスチナ人に返還していかに和平を実現するかという問題。

パレスチナの紛争は中東だけでなく世界の安定を脅かしかねず、米国の歴代大統領が最重要課題のひとつとして解決に取り組んできた。

イスラエルとパレスチナが「二つの国」として共存することが目標として位置づけられているが、交渉は2014年から中断されている。

 イスラエルはパレスチナの自治区であるヨルダン川の西岸に住宅を建設し入植している。
多くの国はこれを違法な活動とみなしている。

(カイロ=岐部秀光記者)


●関連日経記事:2016年12月26日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 国際「オバマ大統領、トランプ氏をけん制」=イスエル非難決議、異例の棄権=』(12月25日付)

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