日経新聞 人物紹介「米国人妻、連日の残業に納得せず財務省を退官へ」=「普通の人を楽にリッチに ④⑤」 ウェルスナビ社長 柴山和久さん=

2017年07月16日 04時56分31秒 | 人物紹介
日経新聞 2017年7月13日(木) P.30 くらし面
連載『人間発見』=ウェルスナビ社長 柴山和久(しばやま・かずひろ)さん=

『普通の人を楽にリッチに ④』=日本の働き方 妻に通用せず=官僚辞め仏の経営大学院に=


 帰国し財務省主計局の課長補佐に。
働き盛りで帰宅は連日深夜。

それが当たり前と思っていたが、米国人の妻にはそんな日本の官僚の生活がまったく理解できなかった。


 英国財務省に出向していた時も、日本の財務省に戻ってからも、仕事は同じ予算作りです。

英国時代、勤務時間は10時から16時まででした。
それが帰国後は日付が変わっても帰ってこないし、泊まり勤務も珍しくない。

日本の官僚社会では、それが普通だと説明しても、妻は全く聞いてくれません。
「あなたが大うそつきか、日本の財務省が狂っているか、どちらかだ」。

 もう辞めるしかないなと思いました。
妻の言い分も、もっともだと思ったからです。

例えば日英に共通した官僚の仕事に、国会での野党議員の質問対応があります。
日英ともに議員は72時間前に質問内容を通告することになっています。

英国では時間通りに通告があり、48時間前には官僚の手で答弁資料が作成され、24時間前には大臣に渡されます。

十分に吟味し、準備する時間がりますから、野党議員と大臣の国会での議論は中身の濃い、見応えのあるものになります。

 日本では72時間前に質問内容を通告する野党議員はまずいません。
多くは前日の夜遅くです。

それから答弁資料を作成し、大臣に説明し、あわただしく討議に入るのです。
準備不足の大臣を立ち往生させ、失言を引き出すのが狙いなのでしょう。

ただ、私自身も、妻と歩調を合わせるように、非効率極まりない仕事に、どこかむなしさを感じ始めていたのも事実です。


 退職しフランスの経営大学院インシアードに留学する。

 パリ郊外、フォンテンブローの森の中と環境は抜群ですが、ここは授業の討論が厳しいことで有名です。

 ハーバード時代、討論で悔しい思いをしたので、そのリベンジの気持ちもありました。

 授業は初めから激しい議論の場でした。
2学期目になると、教室でスマートフォンの画面に目を落とす学生が増えます。

授業をサボっているのではなく、特定の学生が発言した時だけ、そうするのです。
「君の発言は聞く価値がない」ということを暗に伝えているのです。

 嫌な感じだなと思いましたが、自分の発言に耳を傾けてもらえるよう、頑張りました。
卒業する時、成績上位10%の優等表彰を受けることができました。

卒業直前、同窓生たちは世界の一流企業にどんどん就職を決めていきました。

私も帰国し、就職活動を始めたのですが、そこで待っていたのは、人生のどん底と言っていい、まさかの悲惨な日々でした。


●関連日経記事
:2017年7月16日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介「大蔵省入省 ハーバード留学=「普通に人を楽にリッチに ③」 ウェルスナビ社長 柴山和久さん=」』(7月12日付)


日経新聞 2017年7月14日(金) P.34 くらし面
連載『人間発見』=ウェルスナビ社長 柴山和久さん=

『普通の人を楽にリッチに ⑤』=再就職で悟った自分の役割=老後不安のない資産形成を=


 財務省を退職してフランスの名門大学院を卒業。
日本で再就職先を探すが、20社ほど立て続けに落ちた。


 自分はこの世に必要とされていない人間なのかと、頭を抱える日々でした。
財務省退職時に一千万円あった貯金は10万円を切るほど切迫していました。

早くに就職先を決めなければと焦るのですが、東大、財務省、仏インシアードという経歴がむしろ、敬遠されたのかもしれません。

 面接は週に1、2度で、それ以外やることがありません。
朝、妻とスターバックスに行って、1杯のコーヒーを分け合って飲みます。

レシートを持っていけばもう1杯100円で飲めるので、午後また行って、テーブルに1杯のコーヒーを置き、かわりばんこに飲む。

人生のどん底でした。


 3カ月後、米国のコンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーから声がかかり再就職できた。

 マッキンゼーでは、ニューヨークで機関投資家のリスク管理などを担当しました。

そこで米国人の妻の両親から「機関投資家の運用をみているなら、私たちの資産もみてよ」と言われ、私の両親との資産の違いに驚いたわけです。

 日本でも、妻の両親のような普通の人が、老後の不安を感じないような資産作りができないか。

そう考えて2016年にウェルスナビを起業しました。

マッキンゼーを辞める時、ずいぶん慰留されましたが、私がやろうとしているビジネスを説明すると、上司たちは「それはいい。 ぜひやるべきだ」と快く送り出してくれました。

 米国の普通の人たちの資産作りは、上場投資信託(ETF)を使います。

インターネットが広がり、日本でも欧米など世界のETFで運用することができるようになりました。

どのETFで運用するか。
ウェルスナビでは、それをコンピューターが自動的に決めます。

人間の感情や思い込みなどを除くことでうまくいくのです。

 開業時、1992年から25年間運用した場合の成果を試算してみました。

最初に100万円、毎月3万円を積み立てて投資した場合、25年後の今年、資産は1千万円に増えていました。

 今から10年ほど前、日本とドイツはともに、個人金融資産の50%超を預金が占めていました。

今、ドイツでは39%まで低下しています。

今後、日本もドイツ並みになれば、1800兆円の11%、200兆円の資金移動が見込めます。

2020年に運用資産1兆円というウェルスナビの目標は、十分に射程にあると思っています。

(編集委員 鈴木亮が担当しました)


●関連日経記事:2017年7月16日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介『「普通の人を楽にリッチに ①②」 発端は金融資産のンチ米格差』=ウェルスナビ社長 柴山和久さん=』(7月10日付)


●関連日経記事:2017年7月1日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 自己啓発「ボーナスでREITも一考」=今は価格下落基調、その分利回り高く=』(6月24日付)
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