日経新聞 国際「バノン氏を米安保会議常任委員に抜てき」=過激 バノン氏 「右翼」「人種差別」「女性蔑視」=

2017年02月09日 03時12分50秒 | 国際
日経新聞 2017年2月7日(火) P.7 国際面
『米安保会議に側近 波紋』

『バノン氏を常任委員に抜てき』=与野党から反発=

 トランプ米大統領が米国家安全保障会議(NSC)の常任委員にスティーブン・バノン米首席戦略官・上級顧問(63)を抜てきしたことに反発が広がっている。

野党の民主党はNSCからバノン氏を外す法案を上下両院に提出。

下院議員50人は連名の書簡で、バノン氏をNSCに加える理由を明確にするよう大統領に要求した。

『外交・軍事を左右』
 NSCは米国の安全保障に関する最高意思決定機関で、外交や軍事、政府機関の活動と国防政策の調整などを大統領に助言する。

議長を大統領が務め、副大統領、国務長官、国防長官、エネルギー長官、統合参謀本部議長(=米軍制服組トップ)、国家情報長官(NID)ら常任委員で構成してきた。

国家安全保障担当の大統領補佐官が司会役だ。

 バノン氏は大統領選でトランプ陣営の最高責任者を務めた最側近の一人で、外交・安保の専門家ではない。

極右思想に染まっているとされ、ホワイトハウス入りにも「危険人物」と与野党から異論が噴出していた。

 トランプ氏は先月28日に署名した大統領覚書で、NSCの改編を発表し、バノン氏を常任委員に引き上げた。

一方でこれまでの慣例を破って米軍制服組のトップ、統参議長とNIDを非常任委員に降格した。

NSCの中核である統参議長やNIDを除外したことには民主党だけでなく、共和党からも非難が上がっている。

マケイン上院軍事委員長は「前代未聞だ」とトランプ氏の決定を断じた。

 米兵の命を左右するNSCの議論は政治的な思惑を持ち込まないのが不文律だ。
バノン氏のような人物は最もふさわしくないとされてきた。

オバマ前政権で、側近の束ね役だったジャレット前上級顧問や、ブッシュ元政権で権勢(けんせい)を振るったローブ元上級顧問もNSCへの参加を許されていない。

 民主党が1日提出したバノン氏をNSCから除外する法案は同党が両院で少数派のため、成立することはまずない。

トランプ氏がバノン氏のNSCへの起用を丁寧に説明することも考えにくい。

それでもNSCへの「危険人物」起用のしっぺ返しはトランプ氏自らが受ける可能性がある。

 バノン氏は自身の思想の実現に向けてNSCを使い、トランプ政権を誘導しかねないからだ。

その兆候はすでにある。
イスラム圏7カ国からの入国を一時禁止する大統領令づくりはバノン氏が主導した。

トランンプ政権は一時差し止めを命じた米連邦地裁に徹底抗戦を表明し、対決姿勢を強めている。

入国制限の問題は米国内外に波及し、抗議活動も活発になっている。
トランプ氏は最も重要といわれる政権発足から100日間をこの問題で費やす展開だ。

このため選挙戦から連呼してきた「雇用創出」など経済政策づくりの時間を奪われるのは確実。

バノン氏重用(ちょうよう)のツケが回ってきかねない情勢だ。

(ワシントン=吉野直也記者)

・・・・・・・・・・・・・・
『過激 バノン氏』=右翼 人種差別 女性蔑視=

『トランプ氏の言動、誘導か』

 バノン氏の独特な風貌と狭量的な雰囲気はホワイトハウスでもひときわ異彩を放つ。

「オルトライト(ネット右翼)」を掲げ、人種差別的で女性蔑視の記事を掲載する「ブライトバート・ニュース」を運営してきた。

昨年8月に最高責任者としてトランプ陣営に加わって以降、このニュースサイトはトランプ氏情報満載で一気にアクセス数を増やした。

 トランプ氏との接点はバノン氏が陣営に参加する前からとみられトランプ氏の差別的な言動や考えを誘導した人物として疑われている。

ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事ら共和党主流派を攻撃し民主党候補クリントン氏のネガティブ・キャンペーンもけん引した。

首席戦略官・上級顧問としてホワイトハウスに入ったのは典型的な論功人事だ。

 トランプ氏がバノン氏を信用するのは、周囲が「危険思想」の持ち主として遠ざけているためだ。

周りが批判すればするほど、トランプ氏は逆に(バノン氏が側近と徒党を組む可能性が少なくなることで=)裏切られる心配がなくなり、安心できるという循環だ

 政権発足前は共和党全国委員長だったプリーバス大統領首席補佐官とのバランスを重視するかとみられていたが、実際、政権が滑り出すとバノン氏の台頭が目立つ。

トランプ氏の娘婿であるクシュナー上級顧問への接近がその一因とも考えられている。

▼バノン氏は過激な発言を繰り返してきた
イスラム教は平和な宗教ではない。 服従の宗教だ】(10年12月、ラジオ番組で)

私はレーニン主義者だ。 レーニンは国家を破壊したがっていたし、(私も)今日の支配階級をすべて破壊したい】(13年11月、米ニュースサイト「デイリー・ビースト」記者に)

【我々は今後5~10年以内に南シナ海で戦争する。 疑いない】(16年3月、ラジオ番組で)

メディアは恥と屈辱を受けるべきだ。 口を閉じ、しばらくは聞いているべきだ】(17年1月25日、NYタイムズの取材で)

(ワシントン=吉野直也記者)


●関連日経記事:2017年2月7日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介「トランプ氏側近・バノン氏に発言権」=政策を左右、省庁も無視=』(2月1日付)

●関連日経記事:2017年1月23日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 人物紹介「トランプ氏の長女 イバンカさん」=夫とともに政権で影響力=』(1月22日付)

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 日経新聞 海外メディア『「... | トップ | 日経新聞 国際「テールリス... »

コメントを投稿

国際」カテゴリの最新記事