日経新聞 経済『貿易低迷に映る世界の「エンスト」』=WTO調査: 5年連続で伸長率3%以下=

2016年09月15日 20時17分13秒 | 経済
日経新聞 2016年9月13日(火) P.29 景気指標面
連載コラム『景気指標』=貿易低迷に映る世界の「エンスト」=

 「グローバル経済への公衆の支持を確保するため、一層努力する」。
中国・杭州で4~5日に開いた主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は、グローバル化やポピュリズミムにいかに対抗するかが中心議題のひとつだった。

打ち出した処方箋が「誰も取り残されない」ようなインクルーシブ(包摂的)な成長だ。

グローバル化の根っこにある不平等や貧困に対処して自由貿易への公衆の支持を取り戻し、世界経済の成長エンジンである貿易を再活性化させると決意表明した。

 グローバル化を受け入れるか否かは主要国の政治を巡る主要な「断層」になりつつある。

グローバル化に怒りや恐れを抱く層に台頭するポピュリズムに手を焼く米欧では内向き姿勢が強まり、メガ自由貿易協定(FTA)の先行き不透明感は強まるばかりだ。

米国では2人の大統領候補がともに環太平洋経済連携協定(TPP)に反対の構え。

英国の離脱問題に揺れる欧州連合(EU)でも、米国との環大西洋貿易投資協定(TTIP)に独仏などが公然と交渉中断を求め始めた。

 自由貿易の機運後退は世界貿易に暗い影を落とす。

オランダの経済政策分析局によると、2016年の世界貿易量は、4~6月期に前年比0.8%減に落ち込んだ。

世界貿易機関(WTO)によると16年のモノの貿易量の伸びは5年連続で3%を下回る見通し。

95~00年の平均7%の半分にも満たない。

08年の金融危機までは貿易の伸びが世界経済の成長率を上回るのが普通だったが、近年はそれが逆転する「スロー・トレード」現象が定着。

もはや世界貿易に成長エンジンだった面影はない。

 このままでは世界経済が「エンストを起こす」。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は内向き志向が自由貿易を後退させて、低成長への悪循環を深めると警鐘を鳴らす。

日本は臨時国会でTPP承認とEUとの経済連携協定(EPA)の年内大筋合意へ、大詰めの秋を迎えた。

グローバル化への「公衆の支持」を回復できるか。
課題は重い。

(ブリュッセル=森本学記者)


●関連日経記事:2015年9月26日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「株式市場の新常態」=「漠然とした不安」これからも続く?=』(2015年9月25日付)

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