日経新聞 経営『「部品景気の先行きは」 スマホ高度化、需給逼迫』=村田製作所 村田社長=

2017年07月12日 05時23分42秒 | 経営
日経新聞 2017年7月10日(月) P.3 総合・経済面
連載『月曜 経済観測』=村田製作所会長兼社長 村田恒夫氏=

『部品景気の先行きは』=スマホ高度化、需給逼迫=

 スマートフォン市場の伸びを追い風に電子部品市場が活況だ。

コンデンサーや通信フィルターの世界的大手である村田製作所の村田恒夫会長兼社長に部品景気の先行きを聞いた。


 --工場の稼働状況は

 「当社の工場は3交代制の24時間稼働が基本で、各工場ともほぼ目いっぱいの操業を続けている。

各種部品の需給が逼迫(ひっぱく)しており、増産対応が課題。

国内外で工場も増設も進めているが、今のまま行けば例年より夏休みを短縮し、稼働日数を増やさざるをえない拠点も出てくるだろう」

「中国勢と取引増」

 --好調の要因は。

 「スマホ市場は台数だけでみると頭打ち感もある。

今年の世界需要は15.9億台と予測され、昨年比2%と小幅の伸びだ。

だが、中身に目を向けると質の高度化が著しく、スマホ1台に搭載される電子部品の数が飛躍的に伸びている。

コンデンサーを例にとると、いわゆる『ガラケー』には100~200個しか使われていないが、今のハイエンドのスマホではこれが800個にも達している」

 「取引先の広がりも大きい。

米アップルや韓国サムスン電子などのグローバルブランドは引き続き重要な顧客だが、最近は中国のローカルメーカーとのビジネスも拡大している。

彼らも中国国内だけでなくアジアや一部は日本にも輸出を始め、搭載する部品も高度化してきた。

データの高速ダウンロードを可能にしたり、国ごとに異なる周波数帯に対応したりするための通信モジュールが伸びている。

総じて言えばスマホはまだまだ進化しており、成長の余地は大きい」

 --スマホ以外で期待できそうな市場は。

 「電子化の進む自動車は要注目。

センサー類を搭載して自動ブレーキをかけたり、車庫入れを補助したりといった機能を各メーカーが競って導入しており、それに必要な電子部品も伸びている。

これまで自動車向け事業は年率10%の成長を続けてきたが、最近は成長に拍車がかかっており、いよいよ本物になってきた」

「海外移転考えず」
 --国内では人手不足が深刻ですが、好調な需要に応えられるだけの供給の拡大は可能ですか。

 「当社の拠点が多くある北陸は全国的に見ても人手不足の深刻な地域で、人が採りにくいという実感はある。

せっかく鍛えた作業員が他社に転職してしまう例もある。

ただ、国内拠点の高い開発・モノづくり能力が当社の競争力の源泉であり、人が足りないから工場を海外に移そうとは考えていない。

ロボットの増設や工程間の部品の搬送を自動化する電動車両の導入など合理化投資の拡大で人手不足を乗り切りたい」

 --村田は世界シェアの高い部品が多く、営業利益率も20%近い高水準です。 一方で一時は世界を席巻した日の丸半導体は没落しました。 何が明暗を分けたのでしょう。

 「一般論で言えば、部品ビジネスは市況性が高いので、いい時も悪い時もあるが、業績が悪化したからといって、投資をやめるようでは競争力はつかない。

苦しい時でも、長期的な見通しに立って、新製品の開発投資や工場投資を継続することが大切だと思う」

▼むらた・つねお
 現場が好きで世界に50ある工場を3年周期で訪問。

65歳。

(聞き手は
編集委員 西條都夫)

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