日経新聞 経済「金利急上昇を警戒」=日経平均、円安でも上値重く=

2017年07月11日 05時20分34秒 | 経済
日経新聞 2017年7月9日(日) P.6 総合5面
連載『今週の市場』

『金利急上昇を警戒』=日経平均、円安でも上値重く=

 日経平均株価の上値が重くなっている。

世界的な金利上昇で米欧株が下げ、海外投資家の日本株買いの動きが鈍っているためだ。
本来、日米の金利差拡大による円安・ドル高は日本株の押し上げ要因のはず。

だが株式市場で金利急変動への警戒がくすぶり、楽観論が広がりにくい。

今週予定されるイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言に関心が向かいそうだ。


 「われわれは踊り続けるのを宿命づけられているが、出口は近づきつつある」。

世界最大のヘッジファンド、米ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者のレイ・ダリオ氏は6日、ビジネス交流サイト(SNS)のリンクトインにこんなコメントを投稿した。

 2008年のリーマン危機を受け各国は未曽有(みぞう)の金融緩和に動いた。
それから9年。

世界経済は成長軌道に戻りつつある。
ダリオ氏は緩和の修正局面が迫ってきたとみる。

 政策転換の中心はFRBだけではない。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は6月末の講演で「デフレの脅威は過ぎ去った」と語り、欧州の緩和縮小観測が強まった。

 10年債利回りはドイツが0.5%台と1年半ぶりの水準まで上昇。
米国は2.3%台後半と約2カ月ぶりの高水準だ。

カナダや英国でも金融引き締め観測が浮上している。

 引き締め観測の浮上と金利上昇は投資家に苦い記憶を思い出させている。
13年5月の「テーパー・タントラム(金融緩和縮小による大混乱)」だ。

 当時のバーナンキFRB議長が唐突に量的緩和の縮小に言及。
米長期金利が急騰し、世界の株式相場は急落した。

今回も金利が急激に上昇すれば、株価も本格的な調整に向かうとの懸念が出ている。

 ただし、過度な心配はいらないとの声もある。

三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸氏は「当時より新興国経済が底堅く、緩和を縮小しても世界経済がガタガタになることはない」と指摘する。

 今秋は12日にイエレン議長が米下院の議会証言に臨む。

9月とも予想されているFRBの資産縮小の開始時期など今後の引き締めペースにどこまで言及するかが焦点だ。

 SMBC日興証券が米長期金利と米欧日の株価の相関を調べたところ、日本のみ金利上昇が(円安につながることで株価に=)プラスに働いていた。

「良好な米景気が金利上昇を招くことが多く、米景気に敏感な日本株は押し上げられやすい」(圷〈あくつ〉正嗣氏)ためだ。

 米金利上昇や市場予想を上回った6月の米雇用統計を受け、外国為替市場では一時1ドル=114円台まで円安が進んだ。

大和証券の壁谷洋和氏は「円安が続けば出遅れていた自動車株が買われ、日本株が底上げされる」とみる。

 だが、日経平均が2万円の大台をなかなか固められないのは、主要国の金利急上昇が世界景気を冷え込ませるリスクを投資家が捨てきれないからだ。

円安が株高に結びつかないあたりに、今の日本株のジレンマが透ける。

(川上穣記者)


●関連日経記事
:2017年7月10日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「日本も長期金利上昇 0.1%に」=欧米の引き締め観測波及=』(7月7日付)

●関連日経記事
:2014年9月5日グー・ブログ「同上」投稿記事参照
 日経新聞 国際「アジア市場に潜むリスク」=政情不安や債務拡大=』(2014年8月8日付)

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