日経新聞 経済「地銀、中小融資拡大の兆し」=ファンド・M&A向けに資金供給=

2017年07月14日 08時12分06秒 | 経済
日経新聞 2017年7月13日(木) P.7 金融経済面
『地銀、中小融資拡大の兆し』=ファンド・M&Aに資金=

『預貸率改善なお課題』

 町工場や商店などを経営する中小企業向けの地銀の融資が拡大する兆しが出てきた。

日銀のマイナス金利政策を背景に運用難に陥っているためで、ファンドやM&A(合併・買収)向けを中心に資金供給に積極的に動き始めている。

ただ地銀は集めた預金を貸し出しに回しきれておらず、低迷する預貸率改善は引き続き課題になる。


 中小企業への投資を専門にするファンド、日本協創投資(東京・千代田)が6日、大阪市平野区で潤滑油を製造する桜製油所の株式9割を取得した。

桜製油所は年商10億円超でホームセンターなどに卸す町工場にとどまる。
今回の出資で専門の経営人材などを雇い、業容拡大を狙う。

 協創投資は桜田浩一社長が2015年8月に立ち上げた。
桜田氏は官民ファンドの地域経済活性化支援機構の元役員。

従業員20~300人の中規模企業に推定4万社の事業承継ニーズがあると読み、創業した。

実際、6月27日にも美容室チェーンのヘッドライト(東京・中央)に福岡銀行が出資する福岡キャピタルパートナーズと共同投資した。

ほかにも「170件ほど紹介がきている」(桜田社長)。

 背景には、地銀の運用難がある。

マイナス金利の結果、地銀に集まる預金が急増し、集めた預金のうち融資に回した預貸率が70%台に低迷。

メガバンクなど都銀は50%台まで急低下している。
協創投資も銀行が資金を出し、代わりに投資するスタイルだ。

 中堅・中小企業へ資金を出すトパーズ・キャピタル(東京・千代田)は年内に2号ファンドを立ち上げる計画だ。

1号ファンドは地銀9行を含む機関投資家から117億円を集めた。

銀行が自前では融資しにくい中小企業に「つなぎ資金」を供給する独自モデルで、貸し手の銀行と借り手である企業双方の需要を掘り起こしている。

新村健代表は「2号ファンドの規模は300億円程度で参加する地銀も2倍くらいに増える見通し」と話す。

 本業の融資も地方銀行は中小企業に積極融資する姿勢を強めている。

京都銀行は昨年9月、愛媛県の伊予銀行と組み、東大阪市の歯車メーカー、オージックが広島県呉市の配管部品メーカー、セイエンを買収する資金を出した。

全国9つの地銀が連携するプロジェクトの一環で、地域を超えたM&Aを成功させた。

 M&A助言会社レコフの調べによると2016年の未上場企業(外国法人除く)による件数は85年の調査開始以降初めて1000件を突破。

17年は上期でそれを上回るペースで増加中だ。
事業承継や成長を考える経営者が増えているためだ。

地銀の積極融資もM&A増加の流れを後押しする。

 日銀によると、地銀・第二地銀の貸出動向は6月まで85カ月連続で前年同期を上回った。

 日銀が量的緩和で銀行にお金を大量供給しても、かって不良債権処理で苦労した地銀の貸出審査は厳しくなりがちだ。

中小企業に資金が十分に回っているとは言えない状況だ。

人口減少地域では資金需要自体、縮小しており、経済を再活性化するには新事業を起こすなど時間がかかる可能性もある。


●関連日経記事
:2016年9月17日グー・ブログ「息子たちに読んで欲しい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「金融庁、金利変動リスクに警鐘」=銀行による不動産融資偏りにも警戒=』(2016年9月16日付)

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