日経新聞 国際「中国、鋼材値上げ息切れ」=車用需要一巡、先行き警戒=

2017年04月20日 08時04分38秒 | 国際
日経新聞 2017年4月19日(水) P.20 マーケット商品面
『中国、鋼材値上げ息切れ』

『車用需要一巡、先行き警戒』=日本の鉄鋼大手に逆風=

 中国の鉄鋼会社による鋼材値上げが息切れしている。

堅調だった中国国内の自動車向け需要が一巡し、不動産の投資規制も強まる。
一部の中堅メーカーは安値輸出にカジを切っている。

日本の鉄鋼大手が原料高を理由に進める値上げにも逆風となりかねない。


 今月中旬、鋼材市場で中国の変調が話題となった。
鉄鋼大手、宝山鋼鉄が5月の国内販売価格を引き下げると発表した。

値下げは約10カ月ぶりで、2016年秋からの急ピッチな値上げ戦略は見直しを迫られている。

 背景にあるのは、好調だった内需に見える変化の兆しだ。
中国では政策の変更で1月から小型車減税のメリットが薄れた。

好調だった新車販売にブレーキがかかり始め、鋼材需要の先行きには警戒感が漂う。

 中国人民銀行(中央銀行)は不動産バブルを抑えるため、金融政策の引き締めに動く。

17年後半に不動産の市況を押し下げるとの思惑が広がり、気の早い先物市場ではすでに政策スタンスの変更を織り込み始めた。

マンションの鉄筋に使う異形棒鋼は、上海市場で1トン3500元(約5万5000円)と、3月末に比べて1割下がった。

 中国の製鉄所は昨年からの鋼材高を受け、高水準の生産を続ける。
3月の粗鋼生産は7200万トンとなり、月間として過去最高を更新した。

商社も在庫を積み、仮需が市況を押し上げた。

豪大手金融マッコ-リーグループは「鋼材の先高観が後退し、在庫を取り崩す局面に入った」と見る。

 日照鋼鉄など一部の中国メーカーは再び安値で輸出を始め、域内の取引価格を押し下げている。

自動車や家電に幅広く使う熱延コイルでは、中国メーカーの東南アジア向け価格が1トン480ドル台まで下げた。

東アジアでも520ドル前後で推移し、3月に比べ8%安く5カ月ぶりの安値だ。

 日本の高炉は強気の値上げ姿勢を崩さない。
国内で自動車メーカー向けの受注が好調で、輸出余力は乏しい。

熱延コイルは東南アジア向けの輸出価格が550ドル前後で高止まりし、中国材との差が広がる。

ただ中国の安値輸出が広がれば「国内で値上げが遅れる可能性が高い」(大手証券アナリスト)との声もある。

 もっとも、鉄冷えが深刻だった16年春までのような市況低迷は再燃しない公算が大きい。

中国は5年に1度の共産党大会を秋に控え、景気刺激策を迫られる。
原料炭価格の急騰を受け、中国の製鉄会社も採算の確保を迫られる。

鉄鋼産業懇談会の佐伯康光会長(新日鉄住金副社長)は「中国の市況軟化は在庫調整によるもので、一過性とみている」と語る。


●関連日経記事:2016年11月12日グー・ブログ「息子たちに読んでほしい日経記事」投稿記事参照
 日経新聞 経済「豪州産鉄鉱石スポット価格、1カ月で2割上昇」=中国の調達拡大=』(2016年11月10日付)

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